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結核の低蔓延国となった我が国で、接触者検診でIGRA検査が陽性となれば、最近結核に感染した可能性が高く、相当な武器になる

結核の届け出がなされると、保健所では接触者検診を実施することになります。

患者の排菌の量と咳のある期間などを勘案して、家族や職場で常時接触していた人を特定して接触者検診を行います。

このときよくあるのが、いつも同じ屋根の下でいた人ではなく、車でときおり送っていた人だとか、隣の人だとか、おそらく感染はしないだろうと思っていた「意外な人」が感染していることがあることです。

昔は、ツベルクリン反応検査(ツ反)による発赤の有無やその大きさ、胸部X線検査でやっていましたが、今はIGRA(イグラ)検査が導入されて、血液の検査が導入されています。

これは、Interferon Gamma Release Assay (インターフェロン・ガンマ遊離試験)の略称で、結核菌に感染しているかどうかを血液で調べることができます。

結核菌に特有のタンパク質に対する免疫細胞の反応を測定することで、結核菌の感染歴が分かります。

我が国は、BCGワクチン接種率が高く、ワクチン接種の影響で陽性に出てしまうツベルクリン反応検査よりも、BCGの影響を受けないIGRA検査の方が、結核菌感染を正確に診断する上で非常に有利です。

ただし、IGRA検査も弱点があります。

活動性結核か、潜在性結核感染症(LTBI)か区別することはできません。

また、過去の感染か、新しい感染かを区別することができません。

特に高齢者は、過去の高蔓延国だった時代に感染した可能性もあります。

このため、最終的な診断には、IGRA検査の結果に加えて、胸部X線検査や喀痰検査、患者の症状などの総合的な判断が必要になります。

とはいえ、低蔓延国となった我が国で、接触者検診でIGRA検査が陽性となれば、最近結核に感染した可能性が高く、相当な武器になります。

意外な人」の例として、京セラの創始者の稲盛和夫さんがいます。

そのことが載っている、大田嘉仁さんの「運命をひらく生き方ノート 約三十年、稲盛和夫氏のもとで学んだこと」(致知出版社)は、数多くの稲盛本が出ていますが、これを抑えれば、他は読まなくてもいいほどの絶品です。

これは個人の感想です。

稲盛さんは、鹿児島の旧制中学校を受験します。

小学校の成績が良かった稲盛さんは、当然合格できると誰もが思っていたのですが、不合格となりました。

稲盛さんは、再度、同じ中学を受験することにしました。

その頃、稲盛さんの自宅には、結核を病んでいた叔父さんが同居していました。

当時は、結核は「死病」と言われていました。

お父さんやお兄さんは叔父さんの看病をしていましたが、稲盛さんは再受験にあたり、どうしても合格したいと思い詰めていました。

「絶対に結核には罹患したくない」と、叔父さんに近づくことさえ避けていました。

ところが、皮肉なことに、その稲盛さんだけが結核に罹ってしまったのです。

優秀であったのにかかわらず希望した中学には合格できず、自分とおなじような成績だった友人たちは進学して楽しそうな日々を送っている。

さらに、結核の怖さを知って用心していたのに、自分だけが結核に罹ってしまし、死の恐怖の中にいる。

当時12歳の少年が、「なぜ、自分だけがこんなに不条理な扱いを受けるのだろう」

「なぜ、家族の中で自分だけが結核にかかるのだろう」「世の中は不公平だ」と世を拗ね、恨んでも仕方がないことです。

そのとき、稲盛さんの人生に転機をもたらす出来事がありました。

近所の人が「生長の家」の本を持ってきたのです。全部で40巻ほどある「生命の實相」という本でした。

人生に絶望し、死を恐れていた稲盛少年は、その本を夢中で読み進み、読破しました。

そして「目の前に現れるすべての現象は、自分の心の反映なんだ。現在の不運を呼び込んでいたのは、自分の心だったのだ」と学ぶことになりました。

中学受験に失敗したのも、小学校の先生の態度に不満を抱いた自分の心が招いたものであり、結核に罹患したのも、自分だけは結核に罹りたくないという利己的な心が招いたものであることに気が付きました。

そうであれば、元気に楽しそうな日々を送る友達をうらやんでも仕方ない。

すべては心の反映だから、現状がどうであれ、否定的な思い、悪い思いをもってはならない。明るい未来を描かなければならない」と思うようになりました。

稲盛さんは、当時の頃を振り返り、「子供心に否定的な思い、悪い思いを持つことが怖くなった」と言っております。

結果として、「大きな挫折は人生の大きな栄養」になったそうです。

稲盛さんは、言っております。

恨み、嫉み、妬みは人間を荒廃させる

人の長所を認める人が明るい人

常に明るく前向きに

稲盛さんの秘書が、このときに稲盛少年が読んだという「生命の實相」全40巻を見たそうです。

難しすぎてとても子供に読めるような内容ではなかったそうです。

そこで、「これは二十二歳の印刷ミスですよね?」と稲盛さんに聞いたそうです。

「いや本当に、十二歳のときに読んだんだ」と返事がありました。

うーむ。やはり、稲盛少年は普通の子供ではなかった!

恐縮です。

私なら、妬んで恨んで僻んで不貞腐れて自棄になっていたような気がします。


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