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医学生たちに必要なのは、死んでいる理屈ではなく生きている世間である。地域は生きている

宮崎県地域医療ガイダンスの発表会がありました。

これは、宮崎大学、長崎大学の地域枠と自治医大の医学生1年~4年の50人が、宮崎県内22の公的病院で2泊3日の地域医療実習を行い、全員が集合して発表会を行うものです。

16時から18時まで、約2時間の日程で行われました。

発表時間は1医療機関で4分~6分で、全員が発表しました。

司会とまとめ講話は、宮崎大学医学部地域医療・総合診療科の伊東特別教授が行いました。

各病院の実習に参加した医学生がそれそれまとめた実習レポートに基づき発表し、最後に伊東教授がコメントをされました。

発表会の風景

実習場所は、宮崎市以外の医師不足地域の公的病院・診療所だったので、医師不足を課題としてあげていました。

それだけでなく、看護師や薬剤師、放射線技師などの医療従事者不足を課題だとしてあげる医学生も多かったです。

看護師では、特定看護師不足についても指摘がありました。

一方、保健師については、誰も言及しませんでした。また、役場など行政についての指摘もありませんでした。

それでも、院内の医療だけでなく、医療以外の事柄の重要性を強調する医学生もいました。

地域づくりや祭り、伝統文化への参加も医師として大事だという医学生は素晴らしいと思いました。

医療では、訪問診療や在宅診療についてのコメントが多くありました。

予防医療、オンライン診療などの重要性を指摘し、通信環境の整備が必要であることを指摘する医学生もいました。

医師の問診などのスキルのみならず、コメディカルの方々や多職種との連携の重要性を指摘する医学生がいました。

診療科では、総合診療と救急医療の話はありましたが、他の診療科の話はほどんで出ませんでした。

ある病院では内科医が不足しており、外科医がその替わりをしているという話がありました。

ある産婦人科では出生数が年間250件くらいであり、維持が難しいという話もありました。

宮崎大学からのサポートを受けていない病院については、自分たちの役割について語るシーンもありました。

県内の各病院に対して、こうした実習を通じて、宮崎大学から若い医師を呼び込む活動を行うことも重要だと指摘がありました。

非常勤の医師に頼ることの危なさの指摘がありました。

市民が組織した地域医療を守る会に触れた学生もいました。

交通インフラに対するコメントがかなりありました。

医療機関に通じるバスなどの公共交通機関の役割の重要性に気がついたようです。

椎葉村立国保病院で実習したメンバー

私の故郷の椎葉村、諸塚村、西米良村には自治体に消防がなく、救急車を役場が管理しているという指摘がありました。

隣接する美郷町は、自治体の消防はないのですが、民間救急が救急車の運用をカバーしているという紹介もありました。

住民の救急力のアップ、住民の健康づくりへの支援、健康教室の実施などの重要性についてもコメントしていました。

高齢化が進み、認知機能が低下する患者が増えていることについての感想もありました。

都城市郡医師会病院は、南海トラフのことも考えて、透析などのバックアップも想定していることを紹介する医学生もいました。

老健施設、介護医療院、退院後の受け入れ先を調整する医療ソーシャルワーカーとの連携など、介護との連携や、地域包括ケア体制の充実を指摘する医学生もいました。

県境の自治体病院では、県外からの患者の受け入れをしていることを紹介していました。

逆に、県外の医療機関に受診する話はありませんでした。

女医不足の指摘がありました。

特にへき地と呼ばれる自治体病院で女医が働くために必要なことなど、つっこんだ意見が出されるとよかったです。

90歳以上の人が多い、酒が好き、住民はお互いのことをよく知っている。

こういう住民を相手に、どのような医療が求められているか、なども議論できると面白いと思いました。

ある診療所の先生からは、
地域医療は、地域と医療があって初めて成立する。地域が医療を支え、医療が地域を支える。そうしたもろさがあることを知っておいて欲しい」
と言われたと言っていました。

先生は辞めようと思っていたら、地域の人々の署名活動もあったので辞めずに続けたそうです。

最後に、伊東教授からは、この実習で得た気持ちを大事にして欲しいというコメントがありました。

伊東教授から挨拶がありました

その後、各実習で学生たちがお世話になった各医療機関の院長先生や事務長さんなども出席して、懇親会がありました。

私のいたテーブルには、椎葉村立国保病院と日向市立東鄕診療所に実習に来た学生さんが集まりました。

いろいろと学生さんたちと話ができて、よかったです。

地域枠の学生に対するこうした実習は役に立つと思いました。

おそらく大学で教えてもまったく身につかない「地域医療の現実」をわずか2泊3日の実習で知ることができました。

次は、日本地域医療学会に行って、全国の地域医療を目指す同志と交流をしてもらいたいと思いました。

世間は生きています。理屈は死んでいます。

これは勝海舟の言葉です。

医学生たちに必要なのは、まさに生きている世間との触れ合いです。

地域は生きています。教科書は死んでいます。

最後に西臼杵医療センターの寺尾管理者が締めました。

いいことを言われたのですが、恐縮です。

酔っていたので何も覚えておりません。

寺尾先生の締めでガイダンスは終了しました

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