献血の話は、医学・歯学・薬学・看護学・獣医学の卒前教育でワンヘルスを教える際の教材として使える
高鍋地区献血推進連絡協議会に出席しました。
献血について、さまざまな議論がありましたが、ワンヘルスの観点から興味深いものがありましたのでハベレオ通信で紹介させていただきます。
管内の7市町村からの報告の中で、西米良村から特徴的な話がありました。
ジビエ肉を食されるため、献血できないケースがあるというものでした。
実は、ジビエ肉を食べると献血ができないということを知りませんでした。
宮﨑県赤十字血液センターの事業部長さんから、シカ肉など生食をされた方の血液は、E型肝炎ウイルスの感染のリスクがあり、一定期間献血をご遠慮いただいていると説明がありました。
経緯を調べてみました。
平成30年1月に開催された薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会運営委員会において、患者さんがE型肝炎ウイルスに感染した事例が報告されています。
多発性骨髄腫の治療を受けていた80歳代の女性が献血由来の血液製剤を通じてE型肝炎ウイルス(HEV)に感染し、約100日後に劇症肝炎を発症して死亡しました。
この事例は、献血の2か月前にシカの生肉を食べた供血者が、HEV感染に気がつかないまま献血に行ってしまい、血液中にHEVがある状態にもかかわらず検査をすり抜けて血液製剤化され使われてしまったようです。
これを受けて、日本赤十字社は2018年3月9日付けで、「E型肝炎ウイルスに対する安全対策へのお願いについて」という発表をして、HEVに感染するリスクのあるイノシシ、シカの肉や内臓を生又は生焼けで食べた人は、狩猟解体や食べた時点から6か月間は献血をしないよう呼びかけています。
西米良村のとなりにある椎葉村出身の私は、昔は、鹿肉を生でわさび醤油で美味しくいただいておりました。
献血が180日間できないとは、知りませんでした。
協議会に出席していた市町の職員もざわついていたので、おそらく知らなかったのではないかと思います。

さらに、献血ができない人を調べてみると衝撃の事実がありました。
動物に噛まれた場合も献血ができない。
がーん。知らなかった。
動物に噛まれて傷が治癒してから3か月間は献血ができません。
さらに衝撃の事実が!
人に噛まれた場合の基準もありました!!!
人に噛まれた場合は傷が治癒してから6か月間経過するまでは献血ができないとのこと。
犬は3か月、人は6か月。
これは「人種」差別ではないのか……。
伊東ゆかりさんは、かまれた小指が痛いまま、献血してはいけません。
恐縮です。歌手の伊東ゆかりさんの「小指の想い出」というヒット曲を思い出してしまいました。

そういえば、昔、医学部の外科の先生から、犬よりもヒトの口腔内の方が危ないと教えていただいたことがありました。
口に管をいれる際に、間違って噛まれることがあります。
それを防止するためにバイトブロックという医療器具があります。
昔、病院に研修医として勤務していたときに、家に帰ったら、病院から電話がかかってきました。
患者を別の病院に転院させるので、患者に付き添ってくれと頼まれたのです。
帰ってきたばかりでしたので、了解しましたと返事をして病院の救急外来に行きました。
そこで救急車に乗り込み、別の病院へ行きました。
患者の申し送りをして、その病院の医師に引き継ぎました。
するとその先生は、「ちょっと待って」といって、患者さんの口の中にあったバイトブロックを外して、ビニール袋に入れて渡してくれました。
そして帰ってきて、報告をしました。そのあとビニール袋を渡しました。
すると、中身を確認した救急外来のスタッフが、「あー、よかった、よかった!」と声をあげました。
患者さんの搬送を無事に終えて帰ってきたことを喜んだのではなく、バイトブロックが無事に戻ってきたことを喜んでいたのです。おい!
話が脱線しました。
献血をとおしてワンヘルスの大事さがよく理解できるかと思います。
人と動物と環境はつながっています。
献血の話は、医学、歯学、薬学、看護学、獣医学の卒前教育で、ワンヘルスを教える際の教材として使えると感じました。
