宮崎大学医学部付属病院が2026年4月から診療日を変更し、土曜日を診療日とし木曜日を休日とする
宮崎大学医学部付属病院が来月(4月)から診療日を変更します。
土曜日を診療日とし、木曜日を休日とします。
これは思い切った変更です。
大学病院では初めてです。
産業医大の公衆衛生学の前教授のノストラダムスもといドラッカー松田先生に聞いてみました。
松田先生が産業医大の副学長だったときに、土曜日診療をしようとしたのですが、教授会の反対で実現できなかったと言っておりました。

宮崎大学医学部の賀本病院長に話を聞いてみました。
2019年の「医師の働き方改革」の議論の際に、連続時間勤務を会費するための方策の一つとして、検討したことがあるそうです。
28時間連続勤務禁止、勤務時間インターバル9時間の確保、代償休息の付与。
週の間に休日があれば、そこで必ず途切れる……。
宮崎大学病院では営業日変更ワーキンググループを作って、議論をしました。
働き方改革の実施(2024年4月)までには、まだ4年間という時間がありました。
当時は、大学病院は「黒字」でした。
営業日の変更を検討していく際に、優先する内容としては、収益と働き方改革のどちらを優先して話し合うのか。
医師の働き方改革を重視して話し合うことにしました。
病院の連休は医師にとって業務的なメリットはありません。
医師の年休取得率が低い原因の一つではないかと考えられます。
宮崎大学病院の方針として、患者やその家族への病状説明は、医師の勤務時間内に行うように定めていましたが、現状は難しい状況でした。
土曜日に営業すれば、患者の家族が休日である土曜日に宮崎大学病院に来る予定が立てやすくなり、改善できるのではないか。
しかし、土曜日のかわりに木曜日を休日とした場合、木曜日の学生への講義や学内会議への出席はどうするのか。
また、土曜日は子どもの学校行事や部活動の送迎、学童保育への預かりの調整が難しいため、家族等への負担が増えると思われる。
連休がなくなれば病床稼働率が上がるとのシュミレーションデータがあるが、稼働率が上がることで、結果的に職員の仕事量や残業時間が増え、年休取得も難しくなるのではないか。
土曜日を営業日とすることで、宮崎大学病院医師の外勤や土曜開催の学会出席へも影響があるのではないか。
また、外勤への影響上、医師会や県との協議も必要である。

2019年当時の平均在院日数は、15日~16日でした。
曜日別の病床利用率です。
月 83.01%、
火 85.76%
水 87.53%
木 88.04%
金 88.04%
土 82.37%
日 77.91%
土曜に約5%ダウンし、日曜にさらに約5%ダウンしました。
当時から、ハッピーマンデー問題がありました。
手術ができないか、診療日にできないか。

2025年(4月~11月)の平均在院日数は12.1日です。
9月8日(月) 80.8%
9日(火) 85.6%
10日(水) 87.1%
11日(木) 88.7%
12日(金) 85.1%
13日(土) 75.0%
14日(日) 68.7%
15日(月・祝)70.7%
医療資源を投入しない「土曜」「日曜」は退院するだけです。
平均在院日数が下がることは、1日の退院患者数が増えること。
新しく入院する患者を増やすためには、新しく外来に来る患者数を増やせばいいのではないか。
土・日に入院できるようにすればいいのではないか。
そこで、土曜日診療を実現させるための、診療日変更プロジェクトチームが立ち上がりました。
賀本病院長が総括で、東副院長がリーダーを務めました。
2026年4月より、「木曜休診・土曜診療」体制へ移行するにあたり、5つの柱を定めました。
①土曜初診枠の設置:午前9時~12時に初診6枠を設置し、専門外来として機能させる
②診療科特有の再診対応:原則として通常の再診は行わず、診療科の特性に応じた「特殊再診」を実施する
③他医療機関からの当日紹介体制の構築:「午前に診察(他病院)→午後に紹介→当日受診」が可能な仕組み
④土曜入院の積極的活用:週明けの手術・治療をスムーズに、土曜入院を標準化させる
⑤勤務シフト運用の工夫:変形労働時間制を活用し、兼業(地域貢献)への影響を最小限にする

②の特殊再診は、診療科ごとの専門性に基づく特殊な検査や経過観察を目的とした再診を実施します。
やむを得ない場合(例:送り迎えが可能な日が土曜のみ等)の再診にも配慮します。
併せて、術前外来やオンライン診察の実施も積極的に検討します。
具体的な例としては、小児科の特殊疾患の経過観察や、眼科で小児患者の精密検査、脳神経内科の筋電図検査の実施などです。
③の他医療機関からの当日紹介体制は、午前中に地域のクリニック・病院で診察を受けた患者が、さらに専門的な診療を必要とする場合、その日のうちに(~16時まで)に宮崎大学病院の各診療科で受診できる体制を整備します。
これまで「翌週紹介」や「救命救急センター搬送」になっていたケースを軽減し、地域連携を強化します。
地域医療機関側でトリアージした後、該当する診療科に繋げる連絡体制を構築します。ホットラインを設けます。
④の土曜入院の積極的活用は、土曜に入院を完了させ、週明けからの手術・薬物治療等を円滑に開始させるために行います。
土曜日入院化学療法は1~2泊で実施します。
土曜午後に検査を行える体制を整備します。単純CT、MRIは17時まで対応します。
ベッドコントロール・病棟勤務体制を見直し、土曜稼働の最適化を進めます。
⑤のシフト運用の工夫は、土曜日診療によって兼業先との調整が必要となる職員に対し、変形労働時間制や平日振替勤務を活用して調整を図ります。また医局単位で兼業日や勤務シフトを再編し、地域貢献に支障を生じさせない体制を確保します。勤務時間・手当・勤務日数の整合を確認することとします。

実施まで、いろいろと変更や調整などがあると思いますが、日本発の取組をぜひ、がんばってもらいたいと思います。
ドラッカー松田先生に、宮崎大学病院の取組を聞いてみました。
働いている人がどれくらい土曜日に宮崎大学病院に来るようになったかを調べることが大事だとおっしゃっていました。
土曜日に入院すると、入院の計画書の説明の際に、患者の家族も来やすくなり、そういう患者満足度の調査もやるといいとも。
今回の2026年の診療報酬改定で、急性期の初日からリハビリテーションをやるということが評価されることになったとアドバイスがありました。
そこで、今回のリハビリテーションにかかる改定について調べてみました。
早期リハビリテーション加算の改定が行われています。
入院直後における早期リハビリテーション介入を推進する観点から、早期リハビリテー村加算の評価及び算定要件を見直し、入院後、3日以内の早期リハビリテーションを更に評価するとしています。
心大血管リハビリテーション料の早期リハビリテーション加算は、30日目まで25点が加算されていたのが、今回の改定で、入院初日から3日目まで1単位につき60点、入院4日目から14日目まで1単位につき25点が加算されます。
さらに、休日においても平日と同様にリハビリテーションを実施し、切れ目のないリハビリテーションを推進する観点から、休日リハビリテーション加算が新設されました。
各疾患別リハビリテーション料の定める対象者に対して、土曜日、休日にリハビリテーションを行った場合は、加算の起算日から起算して30日目までを限度として、休日リハビリテーション加算として、1単位につき25点を所定点数に加算されます。
宮崎大学病院のプロジェクトチームが設けた5本の柱には、リハビリテーションの記載がありませんでした。
今回の報酬改定も新たな推進力に加えて、頑張ってチャレンジしてもらいたい思います。
