私は、東村アキコさんの漫画「まるさんかくしかく」の6巻から公衆衛生を学んだ
東村アキコさんの漫画「まるさんかくしかく」の6巻を読みました。
アキコ先生(と父)の、同族である宮崎県出身者への容赦ない攻撃がいたるところに散見されます。
その一部を列挙すると以下のとおりです。
・干し柿の熟したものを食べるのは東臼杵郡の人だけである(父)
・高千穂にいったことある人にあったことがない(アキコ先生)
・あんなとこ(高千穂)行く方法がありませんよ(父)
・お前…そんな若者専用のプカッとした上っぱり着てピアスぶらさげて「都会っ子でござい」って顔してるけど、お前、えびの出身やろがい!!(アキコ先生)
・おめぇが長まんじゅう口にしたいと思ったら、えびの高原からぐるっと霧島回りながら平地に下りてきて、そこからまた野尻町通って山登ってって1時間半かかるど!!(アキコ先生)
この漫画には、宮崎の食べ物がちょくちょくでてくるのですが、特に反響が大きかったのが、高岡町の長まんじゅうでした。
雑誌の担当者からも言われたそうです。
「長まんじゅうを食べたいから、今度、宮崎に出張行きましょうよ」
しかしアキコ先生は、あきれて言いました。
そんな簡単に食べられるもんじゃないよ。
朝早くに山に行くんだよ。高岡町の山のほうに。
アキコ先生は涙を流しながら、ノー天気な担当者たちを説教します。
7時に起床して車で山に向かう段取りが必要。売り切れる前に……。
私は一回しか食べたことがない。
なんかの時に朝、高岡行った時、たまたま前通ってのぞいたらラストひと包み売ってたからそれ買えたとよ!!
しかし、担当者も強者で、厳しく追求します。
買えるのは買えるんですね!?
アキコ先生は、答弁に窮して、苦し紛れに最後は胸を叩いて、約束しました。
買えるのは買える!!
早く行けば買えるんだよ!!
だから……今はなんか有料道路ができている気がするから、今度、宮崎出張の時に私が運転して行ってやるよ!!
だからそれを最初から言っているんですよ!!
買えるんでしょ?! 行けばいいじゃないですか?!
国会の予算委員会を見ているようで、妙に既視感がありました。

小学校の夏休みに、串間市の祖父の家に行ったときの話が載っていました。
いとこと一緒に近くの海水浴場で泳ぎました。
海でくらげに刺される話です。
アキコ先生の母は、焼酎瓶を持って海岸で見守っておりました。
くらげに刺された人に焼酎をかけて治療をするのです。
母は自分のことを「浜辺のナイチンゲール」と自称しておりました。
県北のある海水浴場には、「クラゲに刺された時の注意点」の張り紙がありました。
監視員か管理棟までご連絡ください。
薬品などで応急処置ができます。
真水で洗わない。海水で荒い流す。
水の浸透圧の差で毒針や触手から毒が押し出されて症状が悪化することがあります。
素手で触らない
手のひらなどに毒針が刺さり被害が広がります。
熱い砂をかけると熱で毒が分解され
症状が軽くなることがあります。
頭痛・発熱・嘔吐棟の症状がある場合はすぐに病院で診察を受けてください。

うーむ。
真水で洗ったらいけないのですね。知りませんでした。
Geminiに聞いてみたところ、くらげに刺された部分に焼酎(アルコール)をかけるのは、絶対にしてはいけないNG行動だとありました。
その理由は以下のとおりです。
毒針(刺胞)を刺激して追加の毒が注入される。
クラゲの触手や皮膚に残った微小な「刺胞(毒針のカプセル)」は、アルコール刺激を受けると一斉に破裂し、残っていた毒を体内にさらに注入してしまいます。
炎症が強まる
アルコールには皮膚への刺激性や血管拡張作用があるため、患部の腫れや強い痛みを引き起こす原因となります。
浸透している「民間療法」の誤解
「消毒になる」「アルコールで毒が消える」といったイメージから焼酎やウイスキーをかける民間療法が語られることがありますが、医学的には完全に逆効果とされています。
同じように「真水で洗う」「酢をかける」「砂で擦る」なども毒胞を破裂させて被害を広げるためNGです。
正しい応急処置のおさらい
1 海水で洗い流す(真水やアルコールは使わず、必ず海水で)
2 触手を取り除く(素手ではなくピンセットや手袋、タオル等を使用)
3 冷やす(氷水などで冷やして痛みを和らげる)
刺された後に強い痛み、広範囲の腫れ、息苦しさやめまいなどの全身症状が出た場合は、迷わず皮膚科や救急医療機関を受診してください。

県北の海水浴場の張り紙の、「熱い砂をかけると分解され症状が軽くなる」はどうでしょうか。
熱い砂をかけてはいけない、とGeminiは言っています。
砂をかけたりすり込んだりする際の摩擦によって、皮膚に残っている未破裂の毒胞が一斉に弾け、大量の毒が追加で体内に注入されてしまいます。
クラゲの毒は熱で失活(分解)するという説自体は間違いではありませんが、それには42~45度Cの温水に一定時間浸す必要があります。熱い砂では温度のコントロールができず、毒を失活させる効果は期待できません。
夏の浜辺の熱い砂は50~60度C以上になることがあり、刺されて炎症を起こしている皮膚に直接かけると熱傷(やけど)を起こします。さらに、砂に含まれる雑菌が傷口から入って感染症を引き起こすリスクも高まります。
ハブクラゲの毒は42~45度C程度のお湯(風呂の温度くらい)に40分ほど浸すと毒のタンパク質が変性し、痛みが和らぐことが知られています。
この「お湯で温める」という正しい処置法が誤って伝わり、「熱い砂をかける」という危険な方法にすり替わって広まってしまったと考えられています。

まとめです。
クラゲに刺されてやってはいけないこと(毒がさらに出る・悪化する)
・熱い砂をかける・擦る。
・真水や水道水で洗う。
・焼酎やアルコールをかける。
・素手で触手をとる。
正しい方法
・海水で優しく荒い流す。
・ピンセットや手袋を使って触手を取り除く
・氷水などで冷やす(種類がわかっており、42~45度Cの清潔なお湯が利用できる環境であれば温熱療法も有効ですが、基本は冷やすのが安全です)
東村アキコさんのおかげで勉強になりました。
県北の海水浴場のくらげに刺されたときの注意の張り紙については、管理者に伝えて検討してもらいます。
