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こたつで夫婦で茶をのみ若い頃を思い出す暇はない。欠けた湯呑みは有田焼か伊万里焼に買い換える

夏の歌で一番好きなのは、井上陽水さんの「少年時代」です。

もともとは、映画「少年時代」の主題歌として作られました。

少年時代の原作は「長い道」です。

富山県出身の芥川賞作家の柏原兵三の小説です。

これを同じ富山県出身の藤子不二雄Aさんが、読んで漫画にしました。

さらに、藤子不二雄Aさんの企画で映画化したのです。

監督は篠田正浩さん。脚本は山田太一さん。音楽は池辺晋一郎さん。

大物ばかりで、ほとんどNHK大河ドラマという感じです。

主題歌は、藤子不二雄Aさんが、井上陽水さんに頼みこんで実現しました。

映画の完成ギリギリにできあがったそうです。

富山の山々を背景に四季折々の風景と、井上陽水さんの詩と曲がマッチしており、なんともいえない余韻がありました。

私は、次々に繰り出される歌詞にあこがれました。

風あざみ
宵かがり
夢花火
夏模様
想い出のあとさき

などなど

メロディも素敵で、後にソニーのCMで流れて、大ブレイクしました。

風あざみは、本当にあるものだと信じていました。

私が北九州市の予備校で浪人をしていたときに、井上陽水さんの噂を聞いたことがあります。

もともと田川市の出身で、歯医者さんの息子だったと。

福岡市の親不孝通りにある予備校に3年間かよって、九州歯科大を受験しましたが合格せずに、歌手になったという噂でした。

井上陽水さんは、時代と共に進化していくような感じがしていました。

同時代に活躍したよしだたくろうさんは、懐メロという感じがしますが、井上陽水さんは時代にシンクロしている、そう思いました。

井上陽水さんに「人生が二度あれば」という歌があります。

1972年にリリースされました。

日本が超高齢社会に突入した「福祉元年」と呼ばれた年です。

父は今年二月で六十五
顔のシワはふえてゆくばかり
仕事に追われ
このごろやっとゆとりができた

父の湯呑み茶碗は欠けている
それにお茶を入れて飲んでいる
湯呑みに写る
自分の顔をじっと見ている


人生が二度あれば この人生が二度あれば

母は今年九月で六十四
子供だけの為に年とった
母の細い手
つけもの石を持ち上げている

そんな母を見てると人生が
誰の為にあるのかわからない
子供を育て
家族の為に年老いた母


人生が二度あれば この人生が二度あれば

父と母がこたつでお茶を飲み
若い頃の事を話し合う
想い出している
夢見るように 夢見るように


人生が二度あれば 人生が二度あれば
人生が二度あれば 人生が二度あれば
この人生が二度あれば


この歌のとおり、今からおよそ半世紀前の昭和は、64~65歳の人は、もう本当にお年寄り、老人という感じでした。

この歌を聴いた自分が10代~20代の頃は、まったく違和感はありませんでした。

しかし、62歳になった今、この歌を聴くと違和感マックスです。

還暦になっても「まだまだ人生はこれから」という感じです。

人生百年時代では、還暦は通過点。またあと40年も残っています。

野心は太陽が照るがまま。ギラギラギラ……。

果てしなく続いていく煩悩。ボンボンボン……。

ギラギラボンボンの未来しかありませんぜ。

まさかまさかこたつに座って、夫婦で茶をのみながら、若い頃の過去を思い出す暇はない!と断言できます。

欠けた湯呑みは、有田焼か伊万里焼に買い換えます!

歌は世につれ
世は歌につれ

本当に歌は、世相を反映するものだと思います。

バブル時代は、シャ乱Qさんの「ズルい女」、モーニング娘。さんの「LOVEマシーン」を思い出します。

どちらもつんくさんの作詞です。

ヒットしていたときに、まさか将来、喉頭がんとなって声帯を摘出して声を出せなくなるとは思いませんでした。

歌も歌手も公衆衛生です。

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