若い人が年金は貰えないと騒ぎ立てている人は、小学校の足し算引き算程度の思考回路で留まり、年金の制度設計を全く理解できていない証拠である
堀江貴文さんの「あり金は全部使え」(マガジンハウス)は、社会保障について多くの示唆を与えてくれる本だと感じました。
このなかで「年金制度は絶対に破綻しない」という記事は、多くの経済学者が書いた社会保障トンデモ本を全否定していています。
正直言って、これほど、明確に年金制度についてわかりやすくかかれた本はないのではないかと思いました。
ハベレオ通信で、紹介させていただきます。
SNSを眺めていると「近い将来、国民年金制度は破綻する」「定額を収めても自分たちに支払われることはない」という意見が多数見受けられると、堀江さんは指摘しています。
特に就職氷河期世代より下の、若い社会人世代の間に広まっていると言っています。
少子高齢化は、もはや日本の定まった未来。
大胆な移民解禁でも行わない限り、人口が減っていくのは間違いない。
保険料を納める現役世代が減り続け、年金を受け取る高齢者は着実に増えていく。
なのでいずれ年金制度が破綻するのは目に見えているじゃないか……というのが若者の言い分です。
国民年金保険料は2025年の時点で一律、月1万7510円と決められている。
無職だろうとう借金があろうと、基本的には納めなくてはなりません。
年間21万円以上もの大金を、何十年も治め続け、最終的に「もらえる年金はゼロ」になってしまうとしたらやっていられないだろう。
年金なんか払うもんか! と投げやりなってしまう気持ちは、多少わからなくもないと堀江さんは言っています。
だが短絡的になってはいけないと堀江さんは指摘します。
年金制度が破綻することは制度上ありえないのです。
言い方は悪いが、若い人が年金は貰えないと騒ぎ立てている人は、小学校の足し算引き算程度の思考回路で留まり、年金の制度設計を全く理解できていない証拠だとしています。
厚労省は人口構成の変化を見越して、年金制度を定期的に改めています。
年金の受給開始年齢を段階的に引き上げつつ、現役世代を受給世代のバランスを整えています。
年金の受給開始年齢は原則65歳となっていますが、受給開始年齢を65歳より繰り下げると受け取れる受給額が増えます。
加えて、年金の積立金を管理・運用するGFIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運営能力は極めて高く、2024年の時点で約250兆円の資産規模を有しています。
アメリカのCalPERS(カリフォルニア州職員退職年金基金が75兆円、カナダのCPPIB(カナダ年金制度投資委員会)が71兆円と、先進国の運用機関と比べ、その資産規模と安定性は郡を抜いています。

人口動態が年金財政に及ぼす影響については、新生児の出生数だけではなく、死亡数の実績も併せて見なければいけない、と至極まっとうなことを指摘しています。
2024年の日本の死亡者数は161万8000人。
財政検証における死亡中位推計値は150.8万人とされ、その数字を大きく上回りました。
死亡数が高位推計値をたどる場合、計算上では年金額は3~5%増加します。
近年の出生数と死亡数の両方の推移を勘案したとき、最終的な年金額への影響はほぼプラスマイナスゼロというデータもあります。
医療技術や健康の意識向上で、高齢者の労働力率も上昇し続けています。
簡単に言うと、年金でケアされるべき「働けない老人」が減っているのです。
70~80代になっても働き続けるような老人は、今後は増えると指摘しています。
年金の必要性自体が、下がっているのです。
人口は減るのかもしれませんが、社会全体の活力は高まっていくと、断言しているのです。
そう見れば、未来は前向きではないだろうか、堀江さんは呼び掛けています。
いずれにしても年金破綻の不安は、データや制度への理解が足りない、知識不足が引き起こす幻想だとも。
投げやりにならず、払った分は間違いなくもらえる! と信じて、払い続けよう。
お金の積立運用の専門家たちが堅固に設計した国家制度を、なめてはいけないのだ。
ここまで、年金の将来について、断言した文章を私は知りません。
人生の価値を”最大化”する究極のルール。
最後に残るのはお金かそれとも後悔か。

あと、食事に関する次の文章にはしびれました。
食事は、そいつが面白いヤツかどうかの、見きわめに役立つのだ。
美味しさを伝える喋りの上手さや、食べるときのふるまい、座の話の回し方で、頭の良さが見測れる。
会話で持っている情報のレベルもうかがえる。
メシに呼ぶといつも面白いなというヤツは、だいたいビジネスでも成績をあげていくものだ。
逆に、食事時にぜんぜん面白くないヤツは、仕事の方もうまくいかない。
二度と呼ばないで、関係を切ってしまう。
新しい仲間づくりに、会食はけっこう効率的に機能する。
メシは、相手の地位やキャリアにとらわれず気前よくおごって、いい仲間とつながろう。
食事について、ここまで戦略的に解説した文章を私は知りません。
日本の社会保障を知るために、多くの人に読んでもらいたい本です。
ちょっと違うもしれませんが、個人の感想です。
