「定年後は、みんな宮崎に移住せよ!」といいたい。いろいろ困難はあるが宮崎弁の「じゃっとよ」と「てげてげでいいっちゃが」で全て解決する
幹部研修でリーダーシップのことを教えてくれた講師の本間浩輔先生の本をアマゾンで買いました。
本当にアマゾンは便利ですね。
スマホでクリックして翌々日には届きました。
父からボールペンの芯を買ってきてくれと頼まれましたが、アマゾンで注文したら、椎葉村の自宅にも数日で届きました。
この調子なら、椎葉村に引きこもっても大丈夫だと確信しました。
本間先生の本は、「残業の9割はいらないーヤフーが実践する幸せな働き方」(光文社新書)です。
ヤフーでは、働き方改革を進める上で、チーフ・コンディショニング・オフィサー(CCO)というポストを新たに作ったそうです。
これは社員の健康増進施策を実施して健康になってもらうだけではなく、働くためのコンディションを最高の状態にして最大のパフォーマンスを発揮して欲しいという願いをこめて造られたとのこと。
社長がこのポストに就任しました。
コンディションを整えるために大事な三要素は、「睡眠」「食事」「運動」です。
なんじゃこりゃー?
健康づくりで厚労省が進めている施策と同じではないか。
ところが、本間さんの指摘は深いのです。
「寝る」ことは「仕事」であると言っています。
てげー、ひったまがった。
メジャーリーグの選手は、最高のパフォーマンスを出すためには十分な睡眠が必須であることを理解しているそうです。
プロ野球の打者は1シーズンを通じて打率3割をキープできれば、年俸1億円も夢ではありません。
けれども2割5分しか打てなければ、下手をするとクビになってしまいます。
3割と2割5分の違いは、5分。
この5分という数字は、20打席に1本のペースでヒットを打ち続けられるかどうかという数字だとのこと。
20分の1の違いが、1シーズンが終わったときには、1流の3割バッターと平凡な2割5分バッターの違いを生みます。
常にグッドコンディションで試合に臨み、結果を残すためには、十分な睡眠が必要です。
フィギュアスケートの真央ちゃんや羽生くんが、マットや枕を担いで試合に行ったのもよく分かります。
大谷翔平選手が、睡眠時間にむちゃくちゃこだわっていることも納得です。
寝ずに仕事をする、寝ずに勉強するということは、日本では美徳のようにたたえられましたが、最高のパフォーマンスを出すためのコンディション造りにはダメなのですね。

次に食事です。
ヤフーのCCOの社長は、「UPDATEコンディション 働く人の身体の健康(安全)と心の健康(安心)をUPDATEする」と名付けた活動を開始しました。
その一つが社員食堂の充実です。
なぬ? それって古くない?
ヤフーのオフィスビルの11階に社員食堂を設けました。
定食が提供されるBASE、パンや軽食が楽しめるCAMP。
座席は820席あり、営業時間は、BASEは朝、昼、晩で、CAMPは午前8時~午後8時となっています。
周囲には飲食店がありますが、あえて社食をつくり、社員のコンディションをよい状態にキープすることを目的にしています。
栄養バランスのとれた定食や低カロリーメニュー、サラダバイキングなどを社員に提供しています。
健康やダイエットのためではなく、パフォーマンスをあげるために食事に気をつけるという発想は、日本人にはまだ足りていないと、本間さんは言っております。
海外から日本にやってきた選手やコーチがまず驚くのは、日本人の選手がカップラーメンやスナック菓子を平気で食べていることだそうです。
日本人選手は、練習やトレーニングには気をつかうのに、食事には無頓着で、パフォーマンスを高めるために食事をとるという発想がない!
そのことにあきれるとのこと。
サッカーやラグビーでよく聞く話のようです。
アスリートでさえ、そうなのですから、一般のビジネスパーソンは、さらに輪をかけて食事に無頓着だろうと思われます。
そういう状況を変えるべく、ヤフーの社食では、ICチップ付きの社員証で支払いをする際に、金額だけでなく、注文したメニューのカロリーなども表示されるそうです。
社員は自分で日々の栄養管理ができるようになっています。
将来的には、社員が自分の摂取した栄養素やカロリーを専属サイトで継続的に閲覧できるようにし、希望する社員は医師や管理栄養士を通じて生活指導を受けられるといったプログラムも検討しているとのことでした。
運動については、自転車通勤を認めるとか、皇居の近くにオフィスがあるので、シャワールームを設けて、皇居でランニングをしたあとにシャワーができるようにしたそうです。
特に、睡眠と食事には、降参です。
社長が先頭にたって
「社員の体の健康(安全)と心の健康(安心)をアップデートする!」
という言葉のセンスもいいですね。
「寝る子は育つ」という言葉は、「寝る社員は育つ」と言い換えてもいいと思いました。
昔、某厚生労働大臣は、「現在、居眠りをしている職員の数を報告せよ」と人事課に指示をしたことがあります。
それを聞いて、がっくりきた記憶があります。
今にして思えば、厚労省の食堂の改革を指示して欲しかった。

本間浩輔先生の本には、「幸福学」を提唱された慶応大学の前野隆司教授(大学院システムデザイン・マネジメント研究科)のことが、紹介されています。
短期的な売り上げや利益を追求する企業経営より、長期的な視点で企業を経営していく方が社員は幸せになる、
右肩上がり偏重の企業経営は人を幸せにしない、などと主張されています。
幸せには、長続きしない幸せと、長続きする幸せがある。
具体的に言えば、金、モノ、地域など他人と比べられる「地位財」による幸せは長続きしません。
長続きする幸せは、「非地位財」による幸せだそうです。
それは、4つの因子からなるとのこと。
①「やってみよう!」因子 自己実現と成長
②「ありがとう!」因子 つながりと感謝
③「なんとかなる!」因子 前向きと楽観
④「あなたらしく!」因子 独立とマイペース
人は自分を他人と比較したり、お金を持っているかどうかで人生の価値や幸せのレベルを測ろうとします。
けれども大切なのは、自分と向き合い、自分の価値感を明らかにして、自分に正直に生きていくこと。
なるほど、
自己実現や成長している実感をもって、
人とのつながりや受けている恩恵を感謝し、
なんとかなるという前向きかつ楽観的な心で、
独立してマイペースに動いている人を見ると、
「お前って幸せな奴だよな……」
と言いたくなります。
これはまさに自分の価値観であり、他人との比較は困難です。
本間さんが、ヤフーを定年で辞めた先輩に聞いたそうです。
「高齢者になってもいきいきとしている人と、そうでない人との違いは何ですか?」
返ってきた答えは、「健康であること、仲間がいること」でした。
健康が第一ということは、当然のことだと思います。高齢になってから大病を患ったり手術をしたりすると、その後の回復が大変です。
やはり自分の健康は自分でつくっていかなくてはなりません。
仲間がいることが大事という指摘ももっともです。
定年まで一生懸命会社に尽くして働きますが、いざ定年を迎えると、家族以外に周りに人がいない、趣味もないから友人もいない、という状態に陥りがちです。
「孤独は万病のもと」だといわれています。

コミュニケーション・ストラテジストの岡本純子先生によると、次のようなリスクがあるとのこと。
①たばこを1日15本吸うことに匹敵する
②アルコール依存症であることに匹敵する
③運動をしないことより大きく
④肥満の二倍大きい
人は社会的動物であるため、孤独が状態化すると身体のストレス反応が過剰に刺激され、高血圧や白血球の生成にも影響を与えてしまうそうです。
それによって、心臓発作などが起きやすくなり、遺伝子レベルでも変化が現れて免疫システムが弱くなり、その結果、さまざまな病気にかかりやすくなる。
この孤独の犠牲者になりやすいのが、とりわけ中高年の男性です。
女性に比べてコミュニケーションが不器用で、他人とも打ち解けにくいため、定年後は心を通わせる相手がいない「さびしいオジサン」になりやすいそうです。
ううう。
ここまで書いて、厚労省をやめて宮崎に帰ってきてよかったと思いました。
東京にそのまま住んでいれば、「さびしいオジサン」当選確実でした。
宮崎のおかげです。
いっそのこと、「定年後は、みんな宮崎に移住せよ!」といいたいですね。
いろいろ困難はあるでしょうが、宮崎弁の「じゃっとよ」と「てげてげでいいっちゃが」で全て解決するような気がします。
