労働災害の白ろう病の元祖は、伊勢湾台風にある
柵原望さんの「高杉さんちのお弁当」という漫画のことを書いたことがあります。
noteで、ある方の記事を見て、この高杉さんちのお弁当がテレビドラマ化されて放映をされていたことを知りました。
家にはテレビもなく、また放映は地元の名古屋を中心とした中京テレビで放映されたようでしたので、見てはおりません。
「高杉さんちのお弁当は面白かったですね」
というコメントを書きましたら、
返事がきました。
「『かりん歩』という作品があり、舞台は名古屋で、高杉さんちのお弁当の登場人物も出るので、面白いですよ」
とあったので、早速購入しました。
こんなときにアマゾンは便利ですね。
すぐさま、家に全4巻が届きました。
作者の名古屋愛がすごく、名古屋の地理と歴史満載でした。
主人公が祖父から継いだ喫茶店の名前が
「しゅろ」です。
「モーニング定食」などの喫茶店文化がいまも色濃く残る名古屋が舞台です。
物語は、この「しゅろ」という場末の古い喫茶店に集うかなり高齢者を中心とした客を相手に、大学を卒業して就職先として選んだ女性の主人公があれこれと訪れる各種の「問題」を、地理学的手法によって解決していくものです。
こんな地理のネタが、
漫画になるのかと思うほど、マニアックです。
しかも、主人公の妹の女子高生は巨乳の設定です。私には関係ありませんが。
これでもか、これでもかというくらい「名古屋愛攻撃」が続きます。
ここまでくると我らが東村アキコ先生の宮崎愛に匹敵します。
そして、4巻の最後の最後の最後に、
まさかの宮崎が登場したのでずっこけました。
なぜに宮崎が登場する?
それは、新婚旅行が……。
ネタバレになる危険性が高いので、
ここまででやめます。
宮崎をこよなく愛する人が存在するのと同様に、名古屋をこよなく愛する人もいるのですね。

椎葉に帰ったときに、いとこの息子が帰ってきておりました。名古屋の会社に就職したとのこと。
一緒に椎葉村の尾向地区にある白鳥山の登山に行き、帰るときに日向駅まで送ってきました。
山シャクヤクの花が目当てでしたが、今年は寒くて1本半しか咲いていませんでした。
それでもブナの新芽だとか、様々な花々、シカの糞や食害など、自然や環境の現状を肌で感じることができました。
アウトドアで飲むコーヒーは、極めて美味しいことが判りました。
ちなみに、五ヶ瀬ワインのスパークリングワインの「樹樹」は、アウトドアで飲むと美味しくておすすめです。
名古屋の人は、全員がミャーミヤー語をしゃべるわけではないと言っていました。
全員がトヨタの車に乗り、全員がドラゴンズファンかどうか聞いたら、
前者は違うが、後者はほぼそうだとのこと。
ドラゴンズ愛が凄いそうです。

漫画「かりん歩」によると、名古屋に昔から住んでいる人は、伊勢湾台風のときの経験をもっています。
伊勢湾台風とは、1959年9月26日から27日にかけて来襲し、愛知県を中心に甚大な被害が出た台風です。
死者行方不明者がなんと5098人です。宮崎県で言えば、二つの町村が一瞬に消滅したようなものです。
名古屋市内は広範囲に水に浸かり、江戸時代の海岸線の場所にまで水が来たと言われています。
漫画では、主人公の祖父と祖母が見合いをしたときに、お互いが伊勢湾台風のときに、3日間屋根の上で過ごしたとか、水の届かない天井裏に逃げて命が助かったという話をします。
そして、「もう死ぬ人を見るのは嫌なので、お互い一緒になって生きていこう」ということで結婚をしました。
家を建てたところは、伊勢湾台風のときに水が来なかった場所を選びました。
漫画では、伊勢湾台風のときの経験から自分でダンプカーで盛り土をして家を建てたという祖父を持つ焼き鳥屋の店長も登場します。
名古屋人の、伊勢湾台風の経験DNAは半端ないです。
実は、伊勢湾台風は、公衆衛生的にも、大きなインパクトを与えています。
この台風被害の結果、災害救助法だけではダメで、事前に国や地方自治体が災害対策を立てておかないといけないということで、「災害対策基本法」が制定されます。
また、このとき海岸の貯木場にあった多数の材木が被災地域に流されて、家を破壊するなど大きな被害を起こしました。
土石流の流木により橋や家が壊されるようなものです。
このとき大量に流出した材木を集めて切断処理をしました。
切断作業にチェーンソーが使われ、これがチェーンソーが我が国で普及するきっかけとなりました。
チェーンソーを長時間使用する作業者に、震動により手や腕に血行障害が生じて白くなる「白ろう病」が多発したのです。
これは、労働衛生的にも重大なエピソードです。
労働災害の白ろう病の元祖は、伊勢湾台風にあるのです。
私が、労働基準局の労働衛生課にいたときの労働基準監督官から教えてもらいました。
かように漫画ひとつで、公衆衛生の教訓までもってくるのは大変なのですが、ハベレオ通信のおかげでなんとかまとまりました。
ハベレオ通信の写真は、椎葉村の親戚や同級生が撮ったものを主に使っていますが、私が撮った写真もあります。
スキマ時間に「ハベレオ」でスマホで検索していただければ、公衆衛生の教訓と宮崎のまことしやかな話が学べるよい西都、いやサイトです。
自分で言うのもなんですが。ポリポリ。
