見出し画像

陶器会社のTOTOが便器の開発を手がけたときに、最初に社員と家族のおしりの大きさを測定した

高校を卒業して1年間の浪人生活を送ったことがあります。

北九州市の小倉北区にあった北九州予備校に通いました。

住んだ場所は、紫川の近くの下宿屋の2階にある三畳一間、月5千円の部屋でした。

予備校のすぐ近くで、風呂がないので銭湯に通いました。

ご飯は、朝はパンで済ませ、昼は北九州市役所の職員食堂の玉屋ランチ330円、夜は「ぶんぶく」という食堂があり、串カツ定食が370円でした。

土日は、このルーティーンが狂うので、土日の食事をいかにするかが鬼門でした。

この一年間は、自分の人生の中でもかなり大きなインパクトを受けたと思っています。

いろんなことを経験して、さまざまな人と出会いました。

北九州市で自分の人生は変わったと思います。

小倉駅にあるキャプテンハーロックの像

予備校の授業で一番すごいと思ったのは、地理の先生でした。

単に問題集を解くだけの講義だったのですが、一問解くとその解説が素晴らしくて感動しました。

週に4回、午後に地理の講義があったのですが、大好きで4回とも出席しました。

理系コースでしたが、文系の人たちに混じって授業を受けました。

感心したのが、先生は一度も同じ話をしないのです。

手を変え品をかえて、同じ問題でも解説は違っていました。

博覧強記で、いろんなネタを持っていました。

地理は暗記科目ではない。

地理を知っていたら、どんな職業についても役に立つ。

地理力をつかってものごとを考えろ。

地理を勉強することは歴史と自然を勉強することだ。

地理ベースで考えることを教えてくれました。

今考えると、NHKの「プラタモリ」に似ている気がします。

タモリさんは地学が好きで、日本全国の地域に行って、その地区でどうしてこのような産業が生まれたのかとか、知的好奇心をくすぐる番組となっています。

若戸大橋

八幡の人は標準語を話す。

それは八幡製鉄が明治時代にできたときに全国から人が集まり、方言だと通じないので標準語を話すようにしたからだ。

日本で一番女性が多い市は愛知県のなんとか市で、君もそこに住めば女性にもてる、とか冗談を言っていました。

予備校の近くに東洋陶器(現TOTO)の本社があったので、便器の話をしたことがあります。

もともとは陶器の会社でしたが、便器の開発を手がけたときに、最初に社員とその家族のおしりの大きさを測定したそうです。

私たちは笑いました。

笑い事ではない。

測定しなければどんな大きさの便器を作ればいいのか分からないじゃないか。

測定が基本である。

地理の基本は測定であり、測量だ。

落ち込み式のトイレはいいが、便座式はお尻がはまってとれなくなったらどうするんだ。

最新式のウォシュレットは、お尻の穴の位置を計測しなければうまく作動しない。

なるほど、計測することは大事なことだと理解しました。

なんでもかんでも「地理」にしてしまうところがすごかったです。

予備校のユニークな教育のおかげで、私もいろんなことを地理的に考えるようになったと思います。

北九州市美術館

1985年の医療法の改正で創設された医療計画により病床規制が行われると、将来、臨床医の価値は下がると感じ、行政医を考えたのも、地理的な「予測」の結果だと思います。

後に「高杉さんちのお弁当」という漫画を見て、予備校の先生のことを思い出しました。

地理を題材にした漫画で、これもあらゆることを地理的に理解・解釈するもので、感動しました。

予備校の地理の先生の名前は知りませんが、いまでも歴代恩師のナンバー3に入っております。

いいなと思ったら応援しよう!