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講演でフィラーフレーズを使う人は人たらしである

岡本康平さんの「100%好かれる人たらしの習慣」(総合法令出版)を読みました。

最近、NHK大河ドラマの「豊臣兄弟」で「人たらし」というセリフが出てきたので、私の中のマイブームの言葉となりました。

本屋に行ったら、まっさきに目に飛び込んできた本です。

則買いでした。

岡本さんは次のように述べています。

私たちは今、AIが瞬時に答えを導き出し、効率的に情報を処理してくれる「超AI時代」を生きています。

論理的な分析やスピードにおいて、人間がAIに勝っことは難しいでしょう。

しかし、相手のわずかな視線の動きから心の機微を読み取り、その存在を丸ごと認めるような気配りこそが、AIには決して真似できない究極の「人たらし力」であう。

効率や正しさを求めるだけの関係は便利かもしれませんが、人の心を震わせることはありません。

相手の「本音」に触れ、お互いの心が通い合う瞬間こそが、この時代を豊かに生き抜くための最強の武器となるのです。

恐るべし 人たらし力。

この本には人たらしの習慣が100個提示されております。

なるほど、ふむふむ、とうなずきながら読めるところが多いのですが、中には意外なものもありました。

それは、「えーと」とか「あのー」でしゃべったほうが信用されるということです。

このような言葉は、それ自体は意味がない言葉で、フィラーフレーズ(場つなぎの言葉)と呼ばれています。

説明の冒頭に「えーと」と言ってしまうのは恥ずかしいと思う人もいるかもしれません。

私がそうでした。

岡本さんは、言っております。

脳科学や行動心理学の研究では流暢に話す人よりも、要所要所で「えーと」「あのー」と発しながら、プレゼンを進める人のほうが説得力もあり、プレゼンスキルが高いと評価されるのだと。

なぜか。

実は、フィラーフレーズを発しているとき、脳の中では膨大な情報処理が行われています。

そこで「会話もしたいが、考えをまとめるのに少し時間がかかっています」ということをフィラーフレーズで示しているのです。

つまり、フィラーフレーズによって、ちゃんと考えながら話していますよ、ということが伝わるので、プレゼンスキルが高いと評価されるというわけです。

さらにfMRI画像などで脳の状態を調べると、フィラーフレーズによって聞いている人も脳が活性化することもわかっています。

聴衆にとってもフィラーフレーズは効果が高いと言えそうです。

うーむ。そういえば政治家で思い出される人がいます。

大平正芳総理大臣です。
国会答弁では「アー、ウー」というフィラーフレーズを多用しました。

香川県の出身で、讃岐の鈍牛と呼ばれました、一見すると不器用で地味な印象を与えましたが、実際には非常に優れた知性と深い哲学、強い実行力を持った政治家でした。

田中角栄内閣の外務大臣として、1972年の日中国交回復の交渉で実務を主導しました。

田園都市国家構想を提唱し、「都市の活力」と「地方のゆとり」を組み合わせた、心豊かな国づくりを目指しました。のちの地方創生やデジタル田園都市国家構想の源流ともなっています。

史上初の衆参同日選挙に打って出て、選挙戦の最中に病に倒れ、現職首相のまま急逝しました。このドラマチックな展開が有権者の同情を引き、自民党は大勝することになります。

田中角栄総理大臣も、「まあー、そのー」というフィラーフレーズを多用しました。

よく物まねをした記憶があります。

まあーそのー、日本列島改造論がだねー

現在の高速道路や新幹線は、田中角栄総理が展開した日本列島改造論の延長線上にあります。

ミスタージャイアンツの長嶋監督も「いわゆるひとつの」というフィラーフレーズを多用しました。

ミスターの真似をする人は、かならずこのセリフを口にしました。

自分の講演の録音のテープ起こしを見ると、フィラーフレーズがやたら出てくるので、矯正しようと思いましたが、逆に効果が高いと知って安心しました。

フィラーフレーズの入った自然体で話すことがいい。

確かに水が流れるように流暢な講演を聞くと、本当かと不安になります。

「あのー」や「えーと」が入っていた方が、考えてしゃべっている感があって真実味がありますね。

わたくしといたしましても、今後とも、公衆衛生の講演において前向きにフィラーフレーズを使っていく所存であります。

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