社会のどこにも、母と生まれたての赤ん坊には、やさしい同情がある
東京にいたときは、
休日は神田や早稲田の古本屋街を
よく歩いていました。
秋には古本祭りがあり、
掘り出し物がありました。
そんな中で見つけた本があります。
英国の社会学者のレフ夫妻が書いた
「健康と人類」(岩波書店)
という本です。
1962年に発刊されています。
母子保健の項目を読んだところ、
まるで詩を読むようで、感動しました。

いくつか書き抜くとこんな感じです。
もし社会が、
この世の中を母と子が安全に
暮らせるようにしようという、
たった一つの目的を達成する仕事に
とりかかるなら、
国民全体の保健に大いに役立つであろう。
健康への母への関心には、
そのうしろに本能的な力がある。
他面、社会のどこにも、
母と生まれたての赤ん坊には、
やさしい同情がある。
母子保健を中心とすれば、
もっと広くみんなの健康を護ることができ、
家族や社会のほかの人達にも
影響を及ぼし得るのである。
生まれたばかりの人間は、
両親の愛育以上のものを必要とする。
生き抜いてゆくには、
社会に保護されなければならない。
人間の連鎖に切れ目はない。
成長しつつある少女の健康と栄養、
妊婦保護の方法、
それから新生児の保健、
これが筋道の通った完全な一環をなす。
レフ夫妻は、
私が生まれる1年前に、
母子保健のことを
全て述べているような気がします。

翻訳をされた方が、
滋賀秀俊さんという人で、
厚生省の医系技官をされていました。
私は全く知りません。
昔の医系技官は凄かったなと、思います。
それに比べると……。
週末は、高木兼寛先生が建立した
宮崎神宮にお参りして、
みそぎをしてから、
公衆衛生を勉強しなおそうと思います。
