理系の稲本和夫は数式を使って「生き方」を解説している(後編)
人生をよりよく生き、幸福という果実を得るには、どのようにすればいいか。
稲森さんは、次の数式を示しています。
人生(仕事の結果) = 考え方 × 熱意 × 能力
人生や仕事の成果は、これら三つの要素の「掛け算」によって得られるとしています。
ポイントは、「掛け算」であって、けっして「足し算」ではないことです。
第一の要素の「能力」とは、才能や知能と言い換えてもいいのですが、多分に先天性な資質を意味します。
健康、運動神経などもこれにあたります。
第二の要素の「熱意」とは、事をなそうとする情熱や努力する心のことです。
自分の意思でコントロールできる後天的なものです。
「能力」と「熱意」は、0点から100点まで点数が付けられます。
掛け算なので、能力があっても熱意に乏しければ、いい結果は出ません。
逆に、能力がなくても、そのことを自覚して、人生や仕事に燃えるような情熱であたれば、先天的な能力に恵まれた人よりはるかにいい結果を得ることができます。
具体的に言えば、頭脳明晰で90点の能力を持つ人がいて、能力を鼻に掛けて努力を怠り、30点の熱意しか発揮できなければ、2700点となります。
一方、頭の回転は人並みで60点の能力しか持たない人が、自分には才能はないからと自覚してその分を努力でカバーして90点を超える溢れるほどの熱意で働いた場合は、5400点となります。
プロ野球で生き残る選手は、後者が多い気がします。

第三の要素の「考え方」は、三つの要素の中ではもっとも大事なものです。
「この考え方次第で人生は決まってしまうといっても過言ではない」と、稲森さんは言っております。
「考え方」という言葉は漠然としていますが、いわば心のあり方や生きる姿勢、哲学や理念、思想などを含むものです。
この「考え方」が大事なのは、マイナスポイントとプラスポイントがあるからです。
0点までだけではなく、その下のマイナス点もある。
つまり、プラス100点からマイナス100点までと、点数の幅が広いのです。
「能力」と「熱意」の二つの要素に恵まれながらも、「考え方」の方向が間違っていると、それだけでネガティブな結果を招いてしまいます。
考え方がマイナスならば、掛け算をすればマイナスにしかならないのです。
才能に恵まれた人が情熱を傾けて、詐欺や窃盗などの犯罪という「仕事」に励んでも、考え方がマイナスの方向に働いているので決してよい結果は得られません。
稲森さんは、就職がなかなか決まらなかった時期に、すねてヤクザになってやろうと、鹿児島市内の繁華街の組事務所前をうろついたと衝撃の告白をしております。
稲森さんのような熱意と能力のある方がヤクザになっていたら、日本一の暴力団になっていたかもしれません。
鹿児島県警は大変だったと思います。
警察の創始者川路利良大警視もあの世から鹿児島に復活するかも。

さて、プラス思考の考え方は、以下のようなもので、決して難しいものではありません。
つねに前向きで建設的であること
感謝の心を持ち、みんなといっしょに歩もうという協調性を有していること
善意に満ち、思いやりがあり、やさしい心をもっていること
努力を惜しまないこと
足るを知り、利己的でなく、強欲ではないこと
いずれも言葉にすればありきたりで、小学校の教室に掲げられている標語のような倫理観や道徳律です。
それだけにこれらのことをけっして軽視せず、頭で理解するだけでなく、体の奥までしみ込ませ、血肉化しなくてはいけません。
稲森さんは、「福沢諭吉が講演で語った一節に触れて、我が意を得た!」と言っております。
思想の深遠なるは哲学者のごとく、心術の高尚正直なるは元禄武士のごとくにして、これに加うるに小俗吏の才をもってし、さらにこれに加うるに土百姓の身体をもってして、初めて実業社会の大人たるべし。
現在の目で見ると差別用語満載ですが、これは、実業の世界で、立派な人物たりうるための必要条件を、ほぼその優先順位に従って述べた言葉です。
すなわち、哲学者のような深い思考、忠臣蔵の武士のような清廉な心、小役人が持ち合わせているぐらいの才知、お百姓のような頑健な体。
これらがそろって初めて、社会に役立つ「大人」たることができるというのです。
福沢諭吉の言う深い思考と清廉な心は、稲森流人生方程式の「考え方」
小賢しいほどの才能は、「能力」
頑健な体はそれによって努力を怠らない「熱意」
福沢諭吉は、西郷隆盛推しの人です。
そのため西郷ファンの稲森さんは福沢先生の講演録を読まれたのでしょう。
「考え方」は大事です。
月に行きたいと思わなければ、人類は月にはいけませんでした。
ポルノグラフィティの「アポロ」の歌詞にあります。
僕らの生まれてくるもっともっと前にはもう
アポロ計画はスタートしていたんだろ?
本気で月に行こうって考えてたんだろうね
なんだか愛の理想みたいだね

高鍋商工会議所の新年賀詞交歓会があり、出席しました。
会場のホテルのフロントに石井十次の言葉が掲げてありました。
為せよ屈するなからん
時重なればその事必ず成らん

これを見て東村アキコさんの自伝的漫画「かくかくしかじか」を想い出しました。
漫画家になりたいという夢を、宮崎から実現させていくプロセスは、稲森流人生方程式のとおりです。
「かくかくしかじか」は、映画でも漫画でもおすすめです。
宮崎が満載です。

恐縮です。今日のハベレオ通信は、次から次に話が飛んでばかりです。
精神医学でいう観念奔逸(かんねんほんいつ)という状態かも。
なにはともあれ、うま年の勤務初めの第一週をなんとか乗り切ってホッとしております。
