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「ニューヨークでジャズ・ギタリストとして生きるために、ぼくが実践してきたシンプルなルール」こそ最高のビジネス書である

PDCAサイクルは有名です。

よく聞くので、うんざりされる人もいるかもしれません。

似たような言葉に、「目標、準備、実行、改善」のサイクルがあります。

これは、あまり知られておりませんが高免信喜さんというギタリストが実践してきた人生のヒントになるサイクルです。

PDCAサイクルや、クエン酸サイクル(回路)ほど有名ではありませんが、「目準実改」サイクルについてご紹介します。

これは高免さんの本「ニューヨークでジャズ・ギタリストとして生きるために、ぼくが実践してきたシンプルなルール」(アルテスパブリッシング)に載っております。

「知らんがな」という人がいると思いますので、解説します。

高免さんは、アメリカの名門レーベルとのレコード契約、ブルーノートNYなど各地の有名ジャズ・クラブや、世界最大級のモントリオール国際ジャズ・フェスティバルへの出演、毎年の日本・北米・ヨーロッパツアーなど、いろんな目標を立てて、準備し、実行し、改善してきた人です。

ギター1本で世界で生き残ってきた実際の経験が満載です。

観念論を並べたそんじょそこらのビジネス書とは全く違って具体的だと感じました。

なにしろ、中学校2年で独学でギターを始め、大学は音楽大学ではなく、桜美林大学のフォークソング研究部というサークルに入った普通の人です。

大学の恩師から、「ナンバーワンではなく、オンリーワンを目指せ!」と訓示を受けました。

SMAPの「世界に一つだけの花」がヒットする前の話です。

音楽の世界で生きようと決断し、ボストンのバークリー音楽大学に挑戦することとしました。

大学を卒業して2年間、バイトをしながらお金を貯めて、留学のための勉強と英語の勉強をしました。

そして2年後に、目標どおりにバークリ-音楽大学に入学を果たします。

目標を立て、準備し、実行して、留学を実現させたのは、凄いと思います。

しかし、大学に入学して回りを見渡せば、自分にはとうてい真似できないことをさらっとやってのける才能あるれる学生ばかりだったのです。

厳しいバークリーの競争社会の中で、他人と自分を比較して劣等感を感じて落ち込んでしまうこともありました。

とのときに、SMAPではなく恩師の言葉に励まされます。

「ナンバーワンではなくオンリーワンを目指せ!」

他人と自分を比較することの無意味さを痛感して、だんだんと自分の意識に変化が生まれました。

回りの学生を競争相手としてみるのではなく、素晴らしいお手本として向き合うことができるようになります。

バークリー在学中は、好きな酒は飲みませんでした。

ひたすら練習とレッスンに打ち込み、バークリーを首席で卒業します。

卒業してニューヨークに引っ越します。

ニューヨークは世界のジャズの中心地です。

歴史に名前が残るレジェンドや、誰にもまねできない強烈な個性をもったミュージシャンが集まっている街でした。

想像をはるかに越えるレベルの高さに、ただただ圧倒されるばかりでした。

ミュージシャンたちの成長スピードも速いものでした。

数年で独自の音楽性を開花させていく、凄みをましていくのです。

まずはデビューレコードを出そうと、レコード会社に手当たり次第アプローチします。

しかし、アメリカでは、事前の紹介や面識のない売り込みを「コールド・コール」と呼んで、よほどのことが無い限り無視するのが通例でした。

こういうことを知った高免さんは、コールド・コールを「ホット・コール」に変えるように改善します。

レコード会社にPRするには、デモ音源だけでなく、プレス・キットが必要なことを学習しました。

また推薦してくれる人物の連絡先のリストも必要だと知らされます。

プレス・キットとは、
プロフィール、
アーチストの写真、
雑誌の切り抜きをまとめたプレス・クリッピング、
自分のアピールポイントや熱意が伝わるような文章をまとめたカバーレター

を入れたプレゼンテーションのための書類一式。

高免さんは、当時住んでいた屋根裏部屋にプレス・キットの入った角2サイズの封筒を足の踏み場もないくらいに並べて、レコード会社やフェスティバルの主催者などに送り続けます。

何も反応のない状態が2年も続きましたが、人生初の国際ジャズ・フェスティバルへの出演という大きなチャンスが訪れることになります。

出演予定のミュージシャンが突然キャンセルとなった直後に、高免さんからのメールが届き、プロデューサーがその場で音源を聞いて決まったそうです。

人生には運というチャンスがあると感じました。

それまでは、相手をなんとか説得して交渉に結びつけるという、敵と対峙しているような姿勢でした。

しかし、フェステフィバルの経験で、相手を敵としてではなく、未来の仲間だとして捉えるようになり、自己アピールの方法も変えました。

ライターが取り上げたくなるミュージシャンとはどんなミュージシャンなのかを勉強しました。

それはうまい演奏ではなく、独自のストーリーのある人だという答えでした。

相手の動機や、求めているストーリーを考えながら、アプローチをすることで、ライターからの反応もよくなりました。

こうした努力を続けて、目標、準備、実行、改善のサイクルを回し続けて、世界でミュージシャンとして生き残ってきました。

失敗も多かったのですが、何かあったときには父親のアドバイスを思い出しました。

人間関係はパイプのようなもの。

いちどつまったらつなげるのはたいへんなので、絶対にパイプを詰まらせないように、これまでに出会った友達をたいせつにしなさい。

最後に、人生でもっとも大切なことは、人との出会いと感謝の気持ちだと、高免さんは言っております。

「目準実改」サイクルは、

もくじゅんじっかい
もくじゅんじっかい

般若心経のようで覚えやすいです!

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