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医療はヒーローだが、公衆衛生はヒールである

それでは、看護大学の保健所実習での講義を始めます。

保健所は公衆衛生の第一線機関と呼ばれています。

私が担当するのは、「公衆衛生」のイントロダクションです。

私の経歴は、以下のとおりです。

産業医大を卒業して医師となり、その後、34年間、厚労省で医系技官として勤務しました。

令和4年に厚労省を退職して、宮崎に帰ってきて、現在は宮崎県福祉保健部高鍋保健所長兼衛生技監として勤務しています。

高鍋保健所は2年目になります。

この写真には、皆さま方も気が付いた方がおられたかもしれません。

高鍋駅にある「孤児の父」の碑です。

高鍋町は、石井十次の出身地です。

木城町に石井十次記念館があります。

ぜひ、見学をしてみてください。

皆さんだけでなく、全国の児童福祉関係者は視察をすべき場所です。

特に、子ども家庭庁の職員は全員、一度は来ないといけないと思います。

石井十次は、医師を目指して岡山医学校に行きましたが、ある日行き倒れになりそうな親子から、こどもを一人預かったことから、児童福祉の道を歩むべきかと考え始めました。

医師になりたい人はたくさんいるが、児童福祉をやる人は自分しかいない。

そこで石井十次は、これまで大切にしていた医学書を焼いて、児童福祉の道に入りました。

その軌跡が記念館には、多くの写真とともにありますので、ぜひ、見学して人生を変えてください。

もうひとつ、都農町にある都農神社は、日本の医学神である大国主命が祀られています。

日本の医学神は、サメに皮を剥がれたうさぎを治療しました。

もし、試験に落ちそうなときは、苦しい時の神頼みで、近くの神社ではなく宮崎県の一の宮である都農神社の医学の神に参ると、霊験があるかもしれません。

石ノ森章太郎さんの「古事記」は、入門書です。

漫画ですので、スラスラ読めます。

宮崎県の人間は、古事記を勉強しないとだめです。理由は読めばわかります。

公衆衛生的にも様々な教訓に満ちています。


さて、公衆衛生の話をします。
まずは、公衆衛生の定義です。

個人の衛生の原則についての教育、疾病の早期診断と治療のための医療と看護サービスの組織化、要するに病院とか医療施設を作ることも公衆衛生だと言っています。

共同社会の組織的な努力を通じて疾病を予防し、寿命を延長し、肉体的、精神的健康、能率の増進を図る科学であり、技術であるということであります。

組織的な努力を通じてやる、サイエンスでありアートであるというところが大事です。

アートは、「技化したもの」という感じです。

100年以上も前の定義ですけれども、現在も有効な定義で、日本だけじゃなくて世界中が使っています。災害の時にも通用します。

特に黄色のところを覚えておくといいと思います。

原文は英語なので、それにも目を通してみてください。

アメリカで公衆衛生は100年前の定義で大丈夫か、なぜエイズが蔓延するのを防げなかったのだろうかと、アメリカ中の専門家が集まって議論してまとめたものです。

公衆衛生の本質的なサービスは、「評価」と「政策」と「保障」の3つがある、としています。

一つ目の「評価」は、地域の健康問題を監視すること、地域の健康問題を調査すること、の二つがあります。

地域に健康問題が生じているのか、いろいろと調査をする研究に近い分野です。

二つ目の「政策」は、地域の健康問題を住民に知らせたり、教育をしたり、活動への参加を促したり、問題を解決するために協力を得るようにすることがあります。

計画や施策の策定もあります。

これらはどう考えても行政機関の仕事です。

三つ目の「保障」は、健康を守り安全を確保するための法律や規則の策定、県や市町村で言えば条例の施行、これもまさに行政の話です。

必要な人々への医療サービスの提供や、人材の確保ということです。

つまり医師や看護師の養成確保といったものも公衆衛生です。

例えば、へき地医療です。

私の故郷の椎葉村の病院には、自治医大を卒業した先生方が赴任して医療を提供しています。

へき地に住む人々への医療の確保は難しい問題ですが、宮崎県では、そういう医療の谷間に灯をともすために自治医大出身の医師を派遣して医療サービスを提供しています。

これも公衆衛生であるというわけです。

また、いろんなサービスが本当に効果的に使われているのかとか、利用可能性はあるのかとか、質がどうなっているのかということを調べることも公衆衛生です。

これらは、どちらかといえば研究系の業務です。

トータルでいえば、公衆衛生は研究の要素と行政の要素があり、その割合は1対3という感じです。

公衆衛生業務をやるという場合は、大学で調査研究するというのもあるんですけれども、行政に参加して行政の中で実践していくということが大事です。

アメリカはこういうことをきちんと整理する国です。

一見、馬鹿のように見えますが、世界で一番賢い人たちが集まっている国です。侮れないです。

いろんなサービスがアメリカから出てきます。
いろんなものは英語でやってきます。

ですから、英語は,皆さん方の必殺技として勉強した方がいいです。

さきほどの公衆衛生の基本サービスの図に、「地域」という言葉がたくさんありました。

そこで、宮崎県の地域の健康問題とはなんぞやということでまとめた表です。

SFTSとレジオネラ、大学の講義で聞いたことがあると思います。

SFTSは、マダニが持っているウイルスです。

臨床像はさまざまです。
医師が知らなければ、スルーされる典型的な病気です。

2012年には山口県で初めて発見されて以降、国内で900件以上の届け出がありました。

その10%以上は宮崎県内の例です。
致死率が25%にもなります。

特に気を付けないといけないのが猫です。犬は感染しても平気ですが、猫が感染すると弱ります。

かわいそうな野良猫を拾うと感染してしまうおそれがあります。猫を治療する獣医師は危険です。

アビガンという治療薬ができています。
宮崎で治験が行われています。

皆さん方は感染しても大丈夫ですが、我々のように60歳を超えると死ぬことがある恐ろしい病気です。

老人にとっては脅威です。年代によって脅威の強度が変わります。

東日本ではほとんど知られていません。

レジオネラ菌は、水が大好きな菌です。
臨床像はいろいろあります。

医者が疑わなければスルーされる病気です。

肺のレントゲンを見てもですね、新型コロナと鑑別はつきません。両側性のすりガラス状の陰影は、いくらでも出ます。

ポイントは、尿検査でわかるんですね。
肺の病気ですけれども、おしっこでわかるというのが盲点です。

ちょうど20年前に日向市のサンパークに「お舟の湯」という温泉がありました。

そこで集団感染が起こりました。

開設して1ヶ月、14の浴槽で300人が感染して7人が死んだという世界最大の事件です。

その結果、宮崎県の公衆浴場条例は日本一厳しい運用がなされています。

現在、お舟出の湯は営業していません。

もしレジオネラが発生したら、その地域で水を介して集団発生しているかもしれないと疑う必要があります。

お舟出の湯の集団感染のときは、日向市内の開業医の先生が、「これはレジオネラではないか」と患者を診察して日向保健所に通報しました。

皆さん方も、看護師となったときに、外来で勤務したら、「先生、これレジオネラじゃないですかと、医療検査したらどうですか」とアドバイスをするといいと思います。

公衆衛生の話をしましたけれども、憲法には公衆衛生はありますが、医療という言葉はないんですね。

日本国憲法第25条は暗記してください。

今日の一番の宿題です。

これぐらい簡単ですよね。

「医療」という言葉は憲法にはありません。

ということは医療よりも公衆衛生の方が上位概念なんですね。

なぜ暗記が必要かというと、これは保健師、助産師、看護師であろうが、薬剤師であろうが医師であろうが国家資格のある医療職には「公衆衛生の向上および増進」というのが任務としてなっています。

もし医療従事者で、公衆衛生を馬鹿にする専門職がいたら、「法律上の任務を知らないのですか」と言ってください。

さらに「憲法25条も知らないのですか」と言えば、静かになると思います。

ということで、医療機関で働く自分を守るためにもいい条文なので、ぜひ覚えておいてください。

9条ばかりが憲法ではありません。

25条は、我々の医療職が直結している憲法の条文なのです。

保健師の歴史であります。

国保健師。開拓保健師、駐在保健師の三種類がありました。

昔は「保健婦」と言われていました。

この表を見ると、必要な時期に必要な地域に公衆衛生サービスを提供するために設けられたことがわかります。

開拓保健婦は、戦後、開拓地に海外や戦地からいろんな人が来たので、その人々の健康を守るために設けられました。

開拓地に開拓民と一緒に住んで、疾病予防活動をやりました。

駐在保健師は、私の故郷の椎葉村のような山奥のへき地に保健師として駐在して保健活動を行いました。

宮崎県で採用された保健師が、各地に派遣されました。

医療・保健サービスに恵まれない地域に、そういう医療・保健サービスを提供するために配置されたのが、開拓保健婦であり、駐在保健婦です。

現在は役割を終えてます。

国保保健婦は、昭和13年に国民健康保険法の公布とともに設置されています。

同時期に内務省から新たに厚生省という省庁が設置されました。 

保健師と厚生省は一心同体であります。

保健師が厚生省の悪口を言ったいけません(笑)。

看護師と産婆(助産師)は、厚生省ができる前から存在した職種ですので、悪口をいっても大丈夫です(笑)。

しかし、保健師は厚生省と一緒にできたので、一身同体です。しつこく言ってます。

業務は、国民健康保険の加入者に対して、疾病の予防活動や健康相談の実施、家庭訪問、急病時の対応などでした。

その後、アルマアタ宣言がWHOから出されて、これを受けて、身分が国保健師から市町村保健師に変わっています。

現在の市町村の保健師は、国保健師がオリジンということであります。

戦後、GHQがやってきて、「お前ら何も公衆衛生わかっとらんな。制度を見直せ」と指導されて構築されたのが、今の公衆衛生システムです。

オルト少佐、初代のGHQの看護課長です。6年ほど日本で勤務しています。

公衆衛生のメッカとなっているジョンス・ポプキンス大学を卒業をしています。

保健師助産師看護師法の制定を指導しています。

厚生省の看護課を設置するとともに、都道府県に看護係を置きました。

宮崎県庁では、医療政策課の中に看護係があります。

各県は抵抗したのですが、「置かないと許しません」と言いました。

各県庁に看護係があるのは、GHQのオルト看護課長のおかげです。

花田ミキさんという青森県の保健師が、上京してオルト課長に面会しました。

「青森県には何もないです」と言ったら、「看護教育は丸太が2本あればできます。1本には教師が、1本には学生が座ればいいのです。ナイチンゲールが看護学校を作ったときは6人の学生から始めました」と言いました。

オルト少佐はすごい人です。
いつかオルト課長の映画を作りたいぐらいです。

皆さんには、エキストラで丸太に座ってもらいたいです。

実は、アメリカ人は丸太好きです。

「丸太小屋から大統領へ」というのはアメリカンドリームの象徴です。

丸太小屋に住んでいる人でも、大統領になれる国だと言っています。

私の34年間の厚労省医系技官として勤務した結論は、予防は治療に勝るということであります。

治療しても治らない病気がたくさんあります。予防が大事です。

例えば水俣病もそうですが、土呂久の慢性ヒ素中毒もそうです。

破傷風、ポリオなどワクチンで予防できます。

タバコは吸わないことで、疾病が予防できます。

食事を適切に管理すれば予防できる病気があります。

葉酸は妊娠初期にサプリメントで摂取すると、神経管欠損症が予防できます。

女性の皆さん方は、妊娠初期に葉酸を飲むことになると思います。

難聴とかですね、災害事故とかあります。

いずれにしろ予防可能なものは、予防することが大事です。

人類の歴史を振り返ると、進化により健康に影響が生じてきます。

狩猟採集期から始まって農耕期、産業革命期、現代に移るわけですけれども、狩猟採集期はひもじい時代です。

人間のホルモンは血糖値を上げる働きがあります。唯一インシュリンだけが血糖値を下げます。

人間は飢餓が普通で、そのために血糖を上げるためのホルモンがたくさんあるのです。

今は飽食の時代となって、血糖値が上がることが多くなった。インシュリンだけは足りないという時代になってしまった。

人類の進化とともに、病気の形態も変わってきます。

今は本当に複雑です。

栄養過多による肥満や糖尿病が増えてきました。

人が野生生物と出会う機会が増え、人獣共通症としての新興感染症が出てきます。

自然災害、戦争、労働、交通、公害、気候変動、薬物、PTSD、ハラスメント、SNSによる自殺とか、様々な疾患や健康影響が出て来ています。

こうした健康影響などは保健所の役目になります。

次から次からやってくるので、勉強が大事であります。

我が国の主な環境由来の疾病の例です。

宮崎県なので、高千穂町の土呂久地区の話をします。

土呂久で起こった慢性ヒ素中毒症は、バングラデシュでも起こりました。

地下水がヒ素に汚染されていました。

ヒ素はもともと自然界にある鉱物ですが、ヒマラヤ山脈からの地下水には、多く含まれていた。

WHOが、水系感染症対策のために、深い井戸を掘って、深いところにある地下水を飲むように指導したところ、高濃度のヒ素が含まれていました。

土呂久の慢性ヒ素中毒では、水と大気が汚染されました。

最初に出てきた動物が牛でした。

これを最初に報告したのが小学校の先生です。

宮崎大学の教育学部を出た先生が岩戸小学校に赴任して、その先生が夏休みにですね、どうも土呂久地区の子どもたちは発育や体格が悪いと思って調べたら鉱山がありました。

それを教育委員会の発表会で発表して、初めて世の中に知れ渡った。

新任の小学校の先生がやった仕事です。

初心忘れるべからずです。

最初のインプレッションが大事です。

気が付くこと、これが公衆衛生の第一歩です。

公衆衛生にはいろんなアプローチがあります。

ハイリスクアプローチの例は医療です。

病院に来るハイリスクの患者だけを診ます。

公衆衛生は患者だけではなくて、その上流にいる「健康人」に働きかけをします。

ポピュレーションアプローチと言います。

医療に比べるとはるかにめんどくさい。医療はシンプルで、病院に来る患者を診ればなんとか恰好はつきます。

推薦したい本がこの本です。

何が書いてあるかというと、読んでいただきたいのは、この部分です。

目の前に流れてくる患者ではなくて、その原因を作る上流にまで目を運べということですね。

見に行く時間がなかなかないのが現状です。

成人期あるいは高齢期の健康は、妊娠期・出生期から小児期・青年期を通じて形成されます。

そのライフコースの中では、社会経済的な環境が大きな影響を与えています。

我々は成人期の生活習慣をよく見ているんですが、そうではなくて、その前の少年期や妊娠期までさかのぼって観察し、ライフコースの中での、社会経済的環境まで見ないといけない時代になっています。

SDGsはいろんなことが載っています。

SDGsは環境問題だと思っている人が多いのですが、中身は、公衆衛生がかなり入っています。

医療という言葉は入っていません。

SDGsは「誰一人取り残さない」というのがキャッチフレーズとなっています。

これを参考にした公衆衛生の漫画が初めて出ました。

「保健師が来た」です。

課題図書にしますので、皆さん読んでいただき、感想文をぜひ高鍋保健所にまで送っていただければ幸いです。

冗談です。2巻まで出ています。

感想文はともかく、ぜひ読みましょう。

日本は国民皆保険の国です。

3つの保険制度があります。

お金をあらかじめ出し合って積み立てて、病気になったときに使うという保険は、「連帯」した組織でないと運営できません。

大正時代に職域から始まりました。

世界で最初に社会保障制度が開始されたドイツの制度を勉強してつくりました。

それから、昭和になって戦後の1961年に国民健康保険ができます。

これは、市町村単位の地域における連帯を利用した地域保険の制度です。

そして最後、平成になって75歳以上の後期高齢者は、都道府県別の広域連合が運営するという後期高齢者医療制度ができて、今の形になっています。

我々日本人が、大正、昭和、平成の三代でおよそ百年かけて構築した制度です。

ですから大事に守らないといけません。

医療従事者は、すべからくこの制度を知らないとだめです。

日本の保険制度はダメとか言う人がいますが、そんなことはありません。

世界のどこにもない制度です。

ダメだという人に、日本の保険の特徴を聞いてください。たぶん答えられないと思います。

その特徴とはこの5つです。

もちろん、完璧な制度ではありません。

こういう特徴を知って、大事に使っていくことが求められます。

一番悪いのは、そういったことを知らずに乱雑に扱うことです。医療従事者の不正は最悪です。

香取さんが書いた「教養としての社会保障」にあります。社会保障について、分かりやすく書かれており、推薦します。

この本が出てから、社会保障のトンデモ本が一掃されました。

公衆衛生と医療は違うという表です。

医療は、病人が対象で、診断と治療をホームの医療施設でやるヒーローです。手段も医療行為なので、感謝されます。

一方、公衆衛生は健康人が対象です。行為は疫学的調査とか予防とか、なんかぼーっとしており、地域は完全アウェイです。

元気な人ばかりなので、我々の言うことは誰も聞きません。役割的に言うとヒール(悪役)です。役人はヒールそのものです。

手段は行政行為で、法律があるかとか、予算があるかとか、組織があるのかとか、いろいろ面倒くさい手続きが必要です。

人々の行動に介入をしたり、行動制限をしますので、「お前、何の分際で、そんなこと言うとか!」と怒られます。

ということで、効果は不明確、損失、物議を醸して感謝されません。

そういう運命ですが、医療だけじゃダメなんですね。

新型コロナウイルス感染症の蔓延の時にわかったでしょ。病院だけでは、全く動かないことが。

保健所は、
予防指導、健康相談、患者発生届の受理、
疫学調査、濃厚接触者の特定と健康観察、
感染者の入院調整、
在宅療養者の生活支援と健康観察、
生命保険の証明書の発行など、
ありとあらゆる業務をこなしました。

つまる、病院に行く前の上流に、公衆衛生の組織がないとダメなんですね。

保健所を行革の対象とすることは、これまでは普通でしたが、役割がわかった今、これから半世紀は行革の対象にはしないと思います。

災害医療の基本原則です。

CACSTTTは覚えておくと便利です。

もともとは、医療のTTTが大事だと言われていました。特にトリアージの重要性が言われていました。

でも大事なのは、上の4つのCSCAのサイクルを回すことです。

指揮・統制を確立してから、自らの安全確保し、各セクション間の連絡の実施を行い、評価をする。

CSCATTTは、ヨーロッパのNATOの災害医療の基本原則です。発症はイギリスです。

これを知っていると、災害時にうろたえることがなくなります。

知ってれば,まず指揮命令系統を作って、自分の安全を確保して、きちんと連絡をして、評価をして、この繰り返しをすることによって、誰が何をやるべきかというのがわかります。

災害の時に慌てるのは、このCSCATTTの原則を知らない人です。

災害を経験していない人は、みな慌てます。

そんな中、病院で、「皆さん、落ち着きましょう。CSCATTTをやりましょう」と言えば、なんかわかりませんが、こいつすごいこと言ってると評価されます。

その時に、コマンド&コントロールとか、セーフティーとか、コミュニケーション、アセスメントとかを解説すると、尊敬されるでしょう。

もう一つ。
英語でブーカの時代というのがあります。

VUCAというのは、変動、不確実、複雑、曖昧の頭文字をつないだ言葉です。

技術はどんどん進化して、医療は変動していきます。AIは医療をどれほど変革するのか、まだ誰にもわかりません。

不確実は、ある日突然に新興感染症が発生したり、突然、南海トラフ地震のような災害が起こる。医療に与えるインパクトは相当なものです。

それから複雑です。複雑な医療政策は、毎年のように猫の目のごとくに変わるでしょう。例えば、医者の仕事を看護師に下ろせとなるかもしれません。

看護師の仕事も他の医療職に下ろせということもあるかもしれません。

訪問看護ステーションが他の医療職でも開設できるようになったらどうでしょうか。

患者ニーズが多様化しています。
みんな病院に入院したくなくなったんです。

そうすると、病院の病床を何百床持っていても、入院を希望する患者がいなければ、無駄になります。

病床は価値を生み出すものでしたが、それができなくなることは誰も想定していません。

病院に勤務する医者や看護師は、このことを理解しているでしょうか。

在宅でできるならば、入院せずに在宅と外来で医療サービスを受けたいのです。

皆さんに聞きますが、入院したいと思いますか?

したくない? 

看護師を目指す皆さん方が入院したくなければ、誰も入院したくないですよ。

そういうことなんです。

病院の医師や看護師は、なぜ入院患者が病院に帰って来ないのかと疑問に思っています。

新型コロナウイルス感染症のパンデミックのときに、患者ニーズが変わったんです。

このときには強い入院ニーズがありましたが、入院できませんでした。

在宅で、酸素を吸引して、パルスオキシメーターで血中酸素を管理して、乗り切りました。

入院しなくても在宅で医療が受けられることを、3年かけて学習したわけです。

オンラインもそうです。オンラインを経験した人々は、会議をもはや対面にひき戻すことはできません。

VUCAの時代は、過去の成功モデルが通用しません。

自分に投資して、マーケッターのように生きる必要があります。

マーケティングについては、自分で勉強してください。

Public Health for You。
パブリックヘルスはあなた方の成長を助けます。

過去の人の成功体験を聞くだけでは、生き残れません。

自分で仮設を設定して、答えを探していく「自分探し」こそが成長の鍵です。

快適領域というのがあります。

いごごちがいいので、この領域にいるといつまでも「ぬるま湯」のままです。

すぐ横には「恐怖領域」があるので怖いんです。

NHKの朝ドラの「あんぱん」でもありましたが、絶望の横には希望が座っているのです。

すぐ横に恐怖や絶望やがあっても、それを乗り越えて学習領域から成長領域へと移行して、自己を成長させて、希望を叶えるようにしてもらいたいと思います。

自己投資の例です。
新NISAやiDeCoは、新しく若者向けにできた自己投資のコンテンツです。

年金がなくなるという恐怖感にあおられている人は、iDeCoで自分の年金を作ればいいのです。

香取さんの本を読めば、恐縮感は消えます。

誰も教えてくれないと嘆くなら、勉強すればいいんです。

いくらでも本があります。
本を読むと世の中がわかります。

大学の講義では学べません。

自ら動いて、移動をする。
学会に入る。

いろいろなことを勉強してまとめて、学会やSNSで発信する。

すると、それを読んだ人が反応してきます。

運と縁を運んでくる人と出会います。

そうすると、チャンスが広がるわけです。

自己投資をしましょう!

勉強は自己投資です。

自己投資の一つに、ハベレオ通信があります。

ご覧になっていただくと、医療、看護、公衆衛生などの記事があります。

毎朝7時に発信中です。

スキマ時間に読むと面白いです。
自分で言うのもなんですが……。

最後に、皆さん知ってます? 
高鍋出身のGADORO!

日本一のラッパーで、四畳半から武道館に行った宮崎の誇るスターです。

建物は高鍋にありますので、研修終了後に写真撮りに行くといいです。

TAKANABEというタイトルのアルバムもあります。素晴らしいです。

高鍋出身の石井十次とGADOROをよろしくお願いします。

高鍋保健所長からは以上です。

どうもご清聴ありがとうございました。


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