患者は、遺伝子・細胞・臓器・個人・家族・地域など様々なレベルで診ることができる
宮崎市市民文化ホールで開催された宮崎県民医学フォーラムに参加しました。
主催は、宮崎西高宮崎県医師の会で、会長は串間市民前病院長の江藤敏治先生です。
数日前に江藤先生から突然、私に「医学フォーラムをやるので手伝って」とメールがありました。
江藤先生と私は高校の同級生で、県立看護大の講義が終わった後だったので、何も行事は入れてありませんでした。
そのため、行くと返事してしまいました。
14時から開演でしたが、30分前から受け付けを開始して、医師による健康相談や、高校生の医学部受験の相談などを行っていました。
司会は、宮崎市の大淀にあるなかしま外科・内科の副院長の中島紫織先生でした。
宮崎西高時代には放送部に所属していたということで、本職のアナウンサーのような司会をされました。
中島先生の司会で、医療講演会が行われました。14時から16時30分までの長丁場でしたが、まったく時間が経つのを感じられませんでした。
出演した4人の先生がキャラ立ちしていたからです。
タイトルは「地域で元気に安心して生きる 総括シンポジウム」
なんとなく、連合赤軍を思い出しました。
「総括」という言葉を聞くと反射的に思い出してしまいます!
①支え合う健幸! 皆の光になる
●串間市民病院 江藤敏治( 5期)
②宮崎に医師を集める
●宮崎県立病院 中村 豪(10期)
③地域に根付いた診療所
●延岡大貫診療所 榎本雄介(17期)
④宮崎の透析治療と予防
●日向千代田病院 上園繁弘( 6期)
敬称略で恐縮です。

県民医学フォーラムは、歴史が長く、東国原前知事と河野知事からも表彰を受けたことがあるそうです。
新型コロナウイルス感染症で5年間開催できなかったのですが、完全復活を遂げました。
昔は、各種イベントもやっており、その中でなんと現在歌手の二見颯一さんが中学生のときに歌ったこともあるとのこと。
芸能界の登竜門にもなっているというのは、江藤先生、言い過ぎです。

講演のポイントを言えば、江藤先生は予防の重要性を説いて、中村先生は宮崎の医師偏在を解決するための方策を述べ、榎本先生は医療で地域を元気にする取組を紹介し、上園先生は、透析の原因となるCKDの予防について解説しました。
会場に来られた患者さんからも積極的な質問があり、集まったドクターが答えていました。
「減塩」は、血圧管理の一つの手法であり、CKDの予防にもなります。
各診療科の医師からさまざまなアドバイスがあって、私も勉強になりました。
塩をつかわない代わりに、出汁(だし)で工夫をすることがポイント。
塩は汁にすると塩辛さが減るので、体の中に入る量が増えてしまう。粉のままの塩を少し付けて食べる方が入る量を抑えられる。
減塩を真面目にやり過ぎると、本当にまずくなり、食が進まなくなり、かえって体を悪化させることもある。
そのため超高齢の患者さんには、減塩してまずい食事をとって長生きするよりも、美味しい食事を楽しんだ方がいい、と指導をすることもある。

また、医師を目指す高校生の質問に対して、会場のドクターの回答がよかったです。
「地域ではどのような医師が求められているのか」というドストライクの質問でした。
高校、大学、医師国家試験では範囲が決まっているが、地域医療で来る患者の範囲はない。とにかく勉強をする医師が求められる。
椎葉村や諸塚村などでは、診ないと放置することはできない。とにかく診なければならない。手に負えない場合は専門医に紹介する。
患者を診るのには、遺伝子レベル、細胞レベル、臓器レベル、個人レベル、家族レベル、地域レベルなど様々なレベルで診ることができる。
自然体が大事。無理をせず、薬だけに頼らず、自然の力も利用して、その人個人を診て、対応していくことが大事。
最後には、医師を希望する高校生たちに、会場の全員で、エイ・エイ・オー!のエールを送りました。
こんなことはおそらく人生でもそうないことなので、高校生たちは、魂が熱くなったと思います。
江藤会長もたまにはいいことをしますね。

こうしたイベントは、宮崎の医療を支える人材の育成にも、おおいに役立つと思いました。
看護大学の講義のあとは、家に帰って寝ようかと思いましたが、フォーラムに出てよかったです。
なによりも、ハベレオ通信のネタになったのが、一番うれしい。

延岡から来た、榎本先生は、宮崎医大の学生だったときに、清武町の祭りの山車を復活させたそうです。
町内会で山車の担ぎ手がいなくなり、山車を出さなくなっていたのですが、宮崎大学の医学生がかついで、榎本先生は上に乗りました。
その影響で、祭り延岡では、大会の委員長をやって、バンバ踊りではギネスに挑戦して見事に、長さ世界一で認定されたとのこと。
医師が地域医療をやっているかどうかは、地元の祭りに参加しているかどうかで決まるような気がしてきました。
地域枠の学生の来年度の講義では、地元の祭りに参加することを伝えようと思います。
キャッチフレーズは、「地域医療は祭りから始まる」です。
