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地域医療構想をいやいややるか、ブランディングのために積極的に利用するか、リーダーの選択で「既にある未来」が決まる

ノストラダムス松田もといドラッカー松田晋哉先生の講演の第二弾です。

急性期拠点機能に係る議論の進め方です。

各地域には、公立病院や、日赤、済生会、国立病院機構、JCHOなどの公的病院、民間病院など、様々な設立主体の医療機関があります。

それぞれの経営の状況はさまざまです。

そのような中で、1~2年で、手術の実施や救急の受け入れ体制などを大きく変える合意形成は現実的ではありません。

また、患者の医療へのアクセスや、勤務する従事者の雇用など、様々な検討すべき点があります。

急性期拠点機能に関する方針を決定した後、ただちに急性期の症例の集約や高齢者救急の分担等の取組を完結させることは難しいです。

このため、2026年以降に協議を開始して、急性期拠点機能を有する医療機関の決定を、遅くとも2028年までに行い、連携・再生・集約化の取組の一定の完結は、2035年を目途に進めることとしてはどうか、と長期的な視点で考えております。

急性期拠点機能の数は、20~30万人に1医療機関が目安となっています。

手術件数や他地域からの流入が多い場合に2つとすることや、人口が20~30万人超であっても流出が置く、症例数が少ない場合に1医療機関を目安として取り組むこととしてはどうかと考えています。

人口の少ない地域にでは、構想区域の見直しが必要になる場合があります。

人口20万人未満の区域においては、持続可能な医療提供体制の確保に向けて、周囲の区域の人口や医療資源を踏まえた点検、見直しがまったなしの状況です。

一定の医療提供の確保が困難な区域においては、当該区域内での連携・再編・集約化だけでなく、隣接する区域との合併を含めて検討が必要です。

すなわち「構想区域の広域化」です。

地域医療構想を含めた医療提供体制について、各都道府県や二次医療圏においての完結を前提にされてきましたが、地理的条件や交通事情により、医療資源の豊富な最寄りの構想区域までのアクセスが、当該都道府県外の場合があります。

構想区域の見直しにあたり、隣接する区域での対応や県をまたいだ連携・区域の設定の必要性も指摘されています。

いわゆる「県またぎ」の場合は、隣県での対応を前提とすることも考える必要があります。

宮崎県では、五ヶ瀬町、西米良村、えびの市などは県外の医療機関に受診することが多いです。

逆に都城市の医療機関は、県外からの受入れが多くあります。

入院医療における地域完結率で、宮崎県の西都児湯医療圏の入院医療における地域完結率は62.5%です。

入院患者の3割以上が、隣接する宮崎東諸県医療圏に流失しています。

こうした流出が多い地域の分析は、傷病別、手術の有無別、救急の有無別など詳細な分析を行って、宮崎東諸県医療圏からの医師派遣を検討する必要があります。

区域については、人口推計や既存の医療資源、必要病床数、医療の提供状況等を踏まえて、2040年やその先に向けて医療提供体制を検討する区域として適切かを、点検し、必要に応じて見直しする必要があります。

1 東京など人口の極めて多い都市部

区域内の効率的な医療提供体制の観点から点検することが求められます。

・極めて多くの医療機関が存在する中、連携・再編・集約化を進め、効率的な医療提供体制を構築できるか。

・病床や医療機関機能について、区域内で医療資源の偏在がある場合、偏在を是正し、均質な医療が提供できるか。

都道府県内全体・周辺都道府県の医療資源の観点から、医療資源や人口が極めて集中していることを踏まえて、都道府県における医療資源の偏在を是正できるか。

2 人口の少ない地域

・2040年やその先に向けても、医療資源に応じて、持続可能な医療従事者の働き方や医療の質の確保に資するような急性期拠点機能を確保・維持できるか。

・医療資源が相対的に少ない中、周辺の相対的に人口や医療資源の多い区域と統合する必要がないか。

点検するためのデータは、以下があります。

人口推計

・医療機関数

・医師数

・機能別病床数

・医療の提供状況(緊急手術の件数、感謝の流出入の状況)

・個別の医療機関の医療提供状況

・その他施設や従事者の状況(薬局数、訪問看護事業所数、歯科医師・薬剤師・看護師数)


また、区域内にアクセスの課題がある地域がある場合には、当該区域における患者のアクセス手段の確保の取組や、隣接する県の医療資源についても検討する必要があります。

国勢調査の通勤圏・通学圏のデータも参考になります。

急性期拠点機能は、医師等の医療資源に加えて、手術等の症例を集約して対応することとなります。

単に「手術の提供」といった急性期医療のみならず、関連する様々な役割を担うことが重要です。

①災害拠点病院機能

②新興感染症発生時の医療提供体制機能

③臨床研修・専門医研修等の医育機能

④医療需要に応じた病床確保機能

⑤地域の医療機関への人的協力機能(大学病院) 


松田先生からは、ある地方都市の例の紹介がありました。

A病院 
病床数    257床
病床稼働率  71.3%
救急搬送入院 1011件
手術入院   1360件

B病院    
病床数     165床
病床稼働率  71.3%
救急搬送入院  381件
手術入院   1023件

2病院間の距離は7Km(車で16分)
最寄りのインターチェンジからはともに3.5km(8分)と近接しています。

どちらの病院の医師は、同じ大学病院からの派遣です。

大学病院からは、統合してもらいたいと言われています。

10年後どうなるかを考えて、議論をする必要があります。

医療機関機能

医療機関機能について、各都道府県が構想区域ごとに機能を確保することができるよう、以下の4つの機能を基本として区域の人口規模に応じた役割について検討してはどうかと考えます。

①急性期拠点機能

・急性期の総合的な診療機能で、救急医療の提供、手術等の医療資源を多く要する診療の幅広い総合的な提供を担います。

・こうした急性期の提供に当たっての体制としては、総合的な診療体制を維持するために必要な医師数、病床稼働率が重要です。

・また、急性期医療の提供や医師等の人材育成を行うための施設が必要です。

・協議のためのデータとして、救急車受入れ件数、全身麻酔手術件数、医師数、急性期病床数・稼働率、築年数、設備(手術室・ICU)、その他の医療従事者数(歯科医、薬剤師、看護師)を見ることが必要です。

②高齢者救急・地域急性期機能

・高齢者救急・地域急性期に関する診療機能を担います。

・高齢者に多い疾患の受入れ、入院早期からのリハビリテーションの提供、時間外緊急手術を要さないような救急への対応、高齢者施設との平時からの協力体制、が求められます。

・協議のためのデータとして、救急車受入れ件数、医療従事者数、包括期の病床数、地域包括ケア病棟入院料や地域包括医療病棟の届出状況、築年数、高齢者施設との連携状況、を見ることが必要です。

③在宅医療等連携機能

・在宅医療・訪問看護を提供し、地域との連携機能を担います。

・在宅医療の提供の少ない地域において、在宅医療を提供し、訪問看護ステーションを有し、訪問看護を提供します。

・地域の訪問看護ステーションの支援や、高齢者施設の入所者や地域の診療所で在宅医療を受けている患者の緊急時の患者の受け入れ体制の確保、平時からの協力体制が求められます。

・協議のためのデータとしては、在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院の届出状況、地域における訪問診療や訪問看護の提供状況、築年数、高齢者施設との連携状況、を見ることが必要です。

④専門等機能

・特定の診療科に特化した手術等を提供や、有床診療所の担う地域に根ざした診療機能や、集中的な回復期リハビリテーション、高齢者の中長期にわたる入院医療などがあります。

・境地のためのデータとしては、回復機リハビリテーション病棟入院料・療養病棟入院基本料等の届出状況、有床診療所の病床数・診療科、を見ることが必要です。

医療機関の実績を基準とした場合の留意点があります。

入院で行われている全身麻酔手術について、内視鏡下鼻腔手術1型(下鼻甲介手術)や腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側)のように、医療技術の進歩とともに、一部の区域では外来での実施が増加しています。

全身麻酔手術の件数等を急性期拠点の基準とする場合、外来で局所麻酔により実施可能な症例について、こうした医療機関の取組の妨げになることが懸念されます。

全身麻酔手術等の実施に必要な麻酔科医については、人口あたり医師数で比較しても、人口が多い地域に、より多く集まる傾向があります。日本麻酔科学会からは、小規模な外科診療の縮小や急性期病院の集約化を進めることについて指摘されています。

麻酔科医は、専門医を維持するためにも症例数をこなす必要があります。

このように、麻酔科医は考慮すべきことが多くあります。

都市部においては、急性期拠点機能を担う医療機関以外の医療機関であっても、増加する高齢者の骨折をはじめとした手術を実施する必要があり、一定の集約の議論を進めつつも、急性期拠点機能以外の病院も含めた手術の実施体制の確保が必要であるなど、人材確保の観点も踏まえながら地域ごとの事情に応じた連携・再編・集約化の議論が必要です。

急性期拠点機能の確保に係る考え方を整理すると、このようなものとなります。

・急性期拠点機能は、手術や救急医療等の医療資源を多く要する症例を集約化した医療提供を行うもの。

・どの医療機関がどの機能を担うのかの協議では、救急搬送や全身麻酔手術等の医療資源を要する医療等の診療実績(件数・地域内のシェア)が基本となる。

・単純に救急車の受入れ台数等で決定することは、複数の医療機関の中から急性期拠点機能を担う病院を検討する場合に、救急車の搬送件数が増加される懸念や新興感染症への対応などの政策医療を行わない医療機関が多鴎外機能を担うことによる地域の医療提供体制への懸念がある。

・医療機関の建物が老朽化している場合、2040年やその先を見据えると、急性期に係る診療実績は相対的に低いが、建物の建替が当面必要ないその他の医療機関が当該機能を担うことや、医療機関の経営状況が悪く、医療提供体制全体に係る費用が大きくなることが見込まれる場合にその他の医療機関が担うことも考えられる。

・急性期拠点機能については、診療実績やその他の関連データも踏まえ、診療実績データを基本としつつも、政策医療の実施状況や経営状況、建物の状況等も含めて総合的に、地域で協議する必要があります。

松田先生によると、令和8年度診療報酬改定は、地域医療構想を意識したものとなっているそうです。

ここから先は、私の個人的見解です。

かつて診療報酬改定は、保険局帝国主義であり、医療費の観点から医療政策を誘導することがありました。

これからは地域の患者を「治し支える」医療政策に沿って改定が進んでいくようなイメージになると感じました。

現在は2026年で、2040年までの期間は14年。

そうすると、2年に1回改定が行われる診療報酬はあと7回、3年に1回改定が行われる介護報酬改定はあと4回あります。

一言でいえば、「医療機関機能が評価される」時代になった。

①急性期拠点機能、②高齢者救急・地域急性期機能、③在宅医療等連携機能、④専門機能、の4つのいずれの機能を持つ医療機関を目指すのか。

そのために汗をかく、ネットワークを作る、人材育成をする、地域においてそういう努力をする医療機関が評価されることになる!

医療機関機能は、医療機関のブランディングです。

ブランディングされた医療機関は、人口減少の中でも個客(患者)が集まり、医療従事者の確保も容易です。

地域医療構想をいやいややるか、ブランディングのために積極的に利用するのか。

医療機関のリーダーの選択が、「既にある未来」を決めると言えます。

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