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【物語】カードリーディング1枚引き

スミレ校長、彩子、私(フランシス)の3人で話した後も、イベントは続いていた。

3人はそれぞれ別れ、私は1人でイベントを見てまわっていた。

イベント会場では、くじを引く機会があった。

「景品」「マッサージ券」「お店での飲食券」など、何かが当たるようになっているくじだった。

せっかくだから、くじを引いてみよう。

すると、、、

偶然、セラピスト・Ayaによる「カードリーディング1枚引き」を引き当てた。

セラピスト・Aya とは彩子のこと。

「そういえば最近、彩子からカードリーディングを受けていなかったなぁ」

そんなことを思い出した。

私自身、ちょうど新しい土地へ引っ越して、人生の大きな分岐点に立っていた。

まだ今後の方向性について、考えがまとまっていない。

そんなことから、、

そろそろ彩子のカードリーディングを受けたいと思っていたところだった。

いいタイミングで、カードリーディングのくじを引き当てたように思った。

私はカードリーディングの場所へと向かった。

カードリーディングは屋敷の2階で行われている。

和風の屋敷の2階は、ほどよいスペースで、個室のような感じらしい。

さっきまではたこ焼きを焼いていた彩子だったが、今度はセラピスト・Aaya としてストーン・カードリーディングをしている。

一人二役というか、イベントに積極的に参加している彩子の様子に、頑張っているなぁと感じた。

私は屋敷の2階へ上がり、弾むような声で彩子に伝えた。

「クジでカードリーディングを引き当てたよ! すごいでしょ」

すると、予期せぬ答えが返ってきた。

「なんだ、そうだったの。残念」

彩子は喜んでくれると思ったが、そうでもないようだ。

「残念ってどういうこと?」

「クジには、他にもっといいものがあったんだよ」

「俺は Ayaさんのカードリーディングでうれしいよ」

「実は、クジの中には、スミレ校長と1分間お話ができる1分間チケットがあったの。フランシスにはそれを引いてもらって、スミレ校長とお話をしてほしかったなぁ。そんなことを密かに狙ってたの」

彩子は意味ありげな笑顔を浮かべた。

何を言っているのだろう。スミレ校長と話してほしい?

さっき、私がスミレ校長に話しかけたとき、阻止しようとしたくせに……。

彩子は、スミレ校長の前ではおとなしいが、私と2人になると好きなようにズバズバ話す。

まいったなぁ。

だけど、そんなふうに、うちとけた口調で話してくれる彩子の様子が、私にはうれしかった。

「じゃあ、カードリーディングを始めるね。本日はようこそ、セラピスト・Aya のストーン・カードリーディングにお越しくださいました」

「セラピスト・Ayaさん、ありがとう。今日もよろしくね!」

彩子のカードリーディングは石を使って行う。
目の前には、ハワイのシャーマンから頂いた貴重な石が置かれていた。小さな石から握りこぶしくらいの石まで不規則に置かれている。

また、ホワイトセージが焚かれて、部屋内の空間が浄化されている。

私はホワイトセージの香りに癒やされた。

目の前に、裏を向けたオラクルカードが並べられた。

どのカードにしよう?

右手で石に触れながら、左手でカードを引く。

いつもは3~6枚引いて、テーマごとに細かく解釈をしていくのだけれど、、

今日は、1枚引き。

この1枚にすべてがかかっている。

緊張の一瞬。

私は目を閉じて心を落ち着かせ、慎重にカードを引いた。

「えいっ!」

たくさんのカードの中から1枚だけ、、

引いたカードは、

「Set Your Sights Higher」

日本語に訳すと

「あなたの視野を高く設定しなさい」

空高く、上昇しようとしている女性(妖精)の絵が描かれている。

その女性は光輝く星を手にかざしていて、その星が放つ光に、女性が包まれているように見えた。

キレイな色彩。


清々しい気持ちになるポジティブなカード。

これまでも、彩子のカードリーディングは何度も受けていたが、このカードを引いたのは初めて。

「そろそろ、高みを目指す時期が来ています」

そう言って、彩子はさらに続けた。

「志を高く持ってください」

カードには次のように書かれていた。

Increase your standards, and expect more for yourself. Do not settle!

(あなたの基準をあげなさい。あなた自身にもっと期待しなさい。定住するな)

彩子はカードからの解釈と私の現在の状況をからめて、次のように告げてくれた。

「フランシスは、これまで一般向けのセミナー活動を頑張ってこられました。ちょうどいま、新しい環境に変わり、上昇する時期にきています。視点を高くしてください」

ちょうど引っ越したばかりの私。

これからの活動をどうしようかと迷っていたところだっただけに、このカードと彩子の言葉は心に響いた。

この先、不安はあるが、前を向いて高みを目指そう。

そんなふうに励まされた。

「高みを目指す」

これが、これからの私のキーワードになった。

私は彩子にお礼を言って、屋敷の外に出た。

もう少しだけイベントを見たら、家に帰ろう。

そう思い、私はイベント会場の散策に戻った。

つづく・・・


■ 執筆者 : フランシス


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