テニスの楽しみ方
はじめに
相手が打ったボールがネットを越え、コートで一度弾んでこちらへ向かってくる。
少し横へ動き、身体の前でラケットを振ると、ボールは軽い音を残して再びネットの向こうへ飛んでいきます。思った方向とは少し違っていても、相手が追いついて返してくれれば、もう一度こちらの番がやってきます。
テニスというと、速いサーブやコートの端を狙う鋭いショットを思い浮かべるかもしれません。しかし、休日に施設を借りて楽しむなら、最初の目標は試合に勝つことではなく、二人の間で数回のラリーを続けることです。
「経験者と一緒でなければ難しいのでは」「ラケットや専用ウェアをそろえると高そう」「ボールがなかなか前へ飛ばないかもしれない」と不安になる人もいるでしょう。初回はレンタルラケットを使い、サービスラインより内側の短い距離から、ゆっくりしたボールを打ち合うだけでも十分に始められます。
今回は、公共施設や民間のレンタルコートを利用して、週1回ほど自主的にテニスを楽しむ場合を中心にまとめます。コートの探し方と費用、最初に用意するもの、ラケットやシューズの選び方、初めての日の流れ、安全に続けるための注意点まで、グラウンドへ出る前に知っておきたいことを順番に見ていきましょう。
テニスの基本情報
主な楽しみ方 コートを予約し、二人から四人でラリー、サーブ、ゲームを楽しむ
おすすめの頻度 週1回、または月2〜4回
1回のプレー時間 約90〜120分
短時間で楽しむ場合 準備と片付けを含めて約60分から
移動や着替えを含む総所要時間 約2時間半〜3時間
一緒に楽しむ人数 二人ならシングルス、四人ならダブルスが基本
主な場所 公共テニスコート、民間レンタルコート、テニスクラブ、屋内施設
最初の入口 経験者との軽い練習、初心者向け交流会、単発レッスン
楽しさの中心 ラリーの往復、打球音、ボールが弾む高さ、コースと速度の選び方
テニスは、ネットを挟んだ相手のコートへボールを返し合うスポーツです。ボールは、自分の側で一度弾んだあとに打つか、地面へ落ちる前に直接返します。二度弾む前に返せなかった場合や、ネットを越えなかった場合、決められた範囲の外へ落ちた場合は相手の得点です。
一人対一人で広い範囲を守るシングルスと、二人対二人で行うダブルスがあります。初心者が自主練習から始めるなら、四人で交代しながらダブルスを楽しむ方が、一人あたりの移動量とコート代を調整しやすくなります。
一方、二人だけなら、全面を使った試合にこだわらず、コートの半分だけを使ってまっすぐ打ち合う練習もできます。人数が少ない日ほど、距離や範囲を小さくして、無理なくボールへ触れる回数を増やすのがコツです。
テニスにかかる費用
入力データでは年間約15万1,000円とされています。この金額は、民間コートを少人数で週1回利用し、ラケットやシューズも購入する場合には考えられますが、公営コートを四人で分担できれば、年間の負担はかなり小さくなります。
テニスの費用は、ラケットなどをそろえる初期費用と、コートを借りるたびにかかる費用を分けて考えます。
初めて試す日の費用
公共コートの分担額 約200〜1,000円
民間コートの分担額 約1,000〜4,000円
ラケットのレンタル 無料〜500円ほど
シューズのレンタル 無料〜500円ほど
ボール代の分担 約100〜500円
交通費や駐車場代 利用する施設による
公営コートには、1面を2時間借りても数百円ほどの施設があります。ただし、市外利用では料金が上がることがあり、照明、予約システム、駐車場などに別料金がかかる場合もあります。
民間施設は、公営コートより予約しやすかったり、屋内、照明、更衣室、シャワーなどを備えていたりする分、料金が高くなる傾向があります。屋外の平日昼間と、屋内の土日夜間では、同じ施設でも料金が大きく変わることがあります。
最初は、ラケットを借りられる施設を四人で利用すると負担を抑えられます。一人あたりの利用料だけでなく、1面あたりの料金なのか、一人ずつ支払う料金なのかも予約前に確認します。
自分用の道具をそろえる費用
入門用ラケット 約8,000〜20,000円
長く使える一般的なラケット 約20,000〜40,000円
テニスシューズ 約6,000〜15,000円
ボール 1缶または1袋で数百〜1,000円前後
グリップテープ 数百円から
ラケットケースや小型バッグ 必要に応じて数千円から
動きやすいウェア 手持ち品を活用できる
最初から上級者向けの高価なラケットを選ぶ必要はありません。価格よりも、無理なく振れる重さ、握りやすいグリップ、ボールを当てやすい面の広さを優先します。
製品によっては、ラケット本体にストリングと呼ばれる糸が張られていない状態で販売されています。本体価格だけで判断せず、ストリング代と張り上げ料金を含めた金額を確認しておきます。
初回から購入するなら、ラケット、シューズ、ボールを合わせて約1万5,000〜3万5,000円が現実的な入門範囲です。レンタルを利用すれば、初期費用をほとんどかけずに、何度か試してから購入できます。
続けるためにかかる費用
公営コートを四人で週1回利用する場合、コート代だけなら年間1万〜4万円ほどに収まることがあります。これにボール、交通費、照明料、駐車場代などを加えると、年間約2万〜7万円が一つの目安です。
民間コートを二人から四人で利用する場合は、一回の負担が約1,500〜4,000円になりやすく、週1回なら年間約7万〜20万円ほどになることがあります。屋内コートや土日夜間を中心に選ぶほど、費用は高くなります。
このほか、ストリングの張り替え、グリップテープ、ボールの交換、シューズの買い替えが必要です。大会参加、個人レッスン、ボールを自動で出すマシンの利用などは、普段のコート代とは分けて考えます。
費用を抑えたいなら、四人で公営コートを利用し、平日昼間や照明を使わない時間帯を選ぶ方法があります。ただし、安さだけで遠い施設を選ぶと交通費と移動時間が増えるため、無理なく通える距離とのバランスも大切です。
テニスをおすすめする3つの理由
1.相手と一緒に、一つのラリーを作れる
テニスでは、強いショットを打つことだけが楽しさではありません。相手が返しやすい高さと速さへ調整し、もう一球こちらへ戻ってくるように送ることも、立派な技術です。
最初は一度返すだけで精いっぱいでも、二回、三回と続くにつれて、打ったあとに次のボールを待つ余裕が生まれます。相手の一打を受け取り、自分の一打を返すという往復には、一人で壁へ打つ練習とは違うリズムがあります。
経験の差がある二人でも、コートを狭くする、ゆっくりしたボールを使う、得点を数えずにラリー回数を目標にすることで、一緒に楽しめます。相手を打ち負かす前に、二人で十回続けることを目指せるのが、休日のテニスのよいところです。
2.ボールの高さ、速度、回転を自分で選べる
同じ場所から同じラケットで打っても、ボールの軌道は一つではありません。ネットより十分高く通して奥へ返すことも、短く落とすことも、回転をかけて弾み方を変えることもできます。
初めのうちは、狙った場所へ入らない日もあります。それでも、ラケット面の向き、ボールへ当たる位置、振る速さを少し変えると、飛び方がすぐに変化します。
相手が前へいるなら奥へ、後ろへ下がっているなら手前へ。打てるようになるほど、力の強さではなく、どこへ、どの高さで送るかを考える時間が増えていきます。
3.コートと相手を変えるたび、新しい組み立てが生まれる
テニスコートには、砂入り人工芝、ハード、クレー、屋内カーペットなどがあり、表面によって足元の感触やボールの弾み方が変わります。風のある屋外では、まっすぐ打ったつもりでもボールが流れ、日差しの向きによって高いボールの見え方も変わります。
相手による違いもあります。速い球を打つ人、高くゆっくり返す人、よく走って何度も拾う人など、それぞれの一打に合わせて、自分の立ち位置や打ち方を変えます。
同じ仲間と同じ施設を使っても、その日の風や身体の調子でラリーは変わります。決まった動きを繰り返すだけではなく、目の前の一球へ小さな判断を重ねられるため、続けるほど見えるものが増えていきます。
最初のコートは、料金より利用条件を確認する
テニスコートは、公共施設と民間施設で予約方法が異なります。公共施設では、利用者登録をしたうえで抽選へ申し込み、当選後に料金を支払う形式がよくあります。空いている枠を先着順で予約できる期間が設けられている場合もあります。
人気のある土日午前や夕方は抽選になりやすいため、毎週同じ時間に必ず取れるとは限りません。複数の施設へ登録する、平日や早朝を候補にする、キャンセルが出た枠を確認するといった工夫が必要です。
民間施設は料金が高めでも、オンラインで空き状況を確認しやすく、屋内やナイターを選べるところがあります。仕事帰りに利用するなら、料金だけでなく、最終受付時刻、照明、シャワー、更衣室、駐車場まで見ておくと通いやすくなります。
予約前には、次の内容を確認します。
利用時間に準備と片付けが含まれるか
ラケットやシューズを借りられるか
ボールを持参する必要があるか
利用できるシューズに指定があるか
雨天時の中止判断は誰が行うか
キャンセル料はいつから発生するか
照明料や冷暖房費が別途必要か
一面あたりの利用人数に上限があるか
壁打ちやボールマシンを利用できるか
コート内での飲食や撮影が認められているか
施設によっては、雨が上がっていてもコートが乾くまで利用できません。利用者の判断だけでコートへ入らず、管理者の案内に従います。
初心者同士なら、コートを小さく使う
初めての二人が、いきなりベースラインから全面を使って打ち合うと、ボールがネットへ届かなかったり、逆に大きく外へ飛んだりしやすくなります。遠くへ打つことに意識が向き、腕だけを大きく振る原因にもなります。
最初はネットの近くに立ち、サービスラインより内側の狭い範囲を使います。ラケットを大きく振らず、相手がいる方向へ柔らかく送ります。
近い距離で三回ほど続いたら、二人とも一歩ずつ後ろへ下がります。急にベースラインまで離れず、続けられる距離を少しずつ広げていきます。
通常のボールが速く感じる場合は、弾みや速度を抑えた初心者向けボールを使う方法もあります。施設やスクールで借りられることがあるため、予約時に確認してみましょう。
大切なのは、正式なコート全体を最初から使うことではありません。
相手のいる場所を見る。
ボールが弾む位置へ動く。
身体の前で当てる。
打ったあとに元の場所へ戻る。
この四つを小さな範囲で繰り返す方が、テニスの基本的な流れをつかみやすくなります。
初めてテニスをする日の流れ
受付とコートの確認
開始時刻の十五分ほど前に到着し、受付と着替えを済ませます。初めての施設では、コート番号、出入口、トイレ、給水場所、雨天時の連絡方法を確認します。
予約時間になる前にコートへ入れない施設もあります。前の利用者がプレーしているときは、フェンスの外で待ち、通路をふさがない場所へ荷物を置きます。
準備運動
テニスでは、走る、止まる、向きを変えるという動きを繰り返します。肩や腕だけでなく、足首、膝、股関節、背中までゆっくり動かします。
その場で軽く足踏みし、前後左右へ一歩ずつ動いてみます。身体が冷えた状態で、いきなり強いサーブやスマッシュを打つのは避けます。
近い距離でボールへ当てる
ネット近くで向かい合い、相手の正面へゆっくり返します。大きなフォームを作るより、ラケット面へボールを当て、少し前へ押し出す感覚を確かめます。
一度弾んでから打つのが難しければ、相手に手で軽く投げてもらってもかまいません。フォアハンド側とバックハンド側の両方を試し、無理に片方だけで取ろうとしないようにします。
少しずつ距離を広げる
短いラリーが続いたら、一歩ずつ後ろへ下がります。遠くへ飛ばそうとして力を入れるのではなく、ボールを通す高さを少し上げます。
ネットぎりぎりを狙うより、十分な余裕を持って越える軌道を作る方がラリーは続きます。ボールを打ったあとに立ち止まらず、次の一球へ動ける位置へ戻ります。
サーブを試す
サーブは、自分でボールを上げ、頭上から相手コートへ打ち込む動作です。最初から速く打つ必要はなく、サービスボックスへ入れることを優先します。
頭上から打つ動きが難しい場合は、近い位置から軽く入れるところから始めます。自主練習なら、サーブだけで長い時間を使わず、ラリーを楽しめる形へ調整してかまいません。
短いゲームを行う
基本の得点は、0、15、30、40と数え、四ポイントを先に取ると一ゲームを獲得します。ただし、双方が40になったあとは、原則として二ポイントの差が必要になります。
初めての日は正式な得点方法にこだわらず、五点先取や十一点先取にすると進めやすくなります。サーブを一人二回で交代するなど、分かりやすい方法を決めて楽しみます。
片付けと身体の確認
終了時刻の少し前にプレーを止め、ボールを集めます。コートブラシを使う施設では、決められた方法で表面を整え、次の利用者へ時間どおりに引き渡します。
終わったあとに、肩、肘、手首、腰、膝、足首の状態を確認します。汗をかいたウェアを着たまま長く過ごさず、身体が冷える前に着替えます。
最初に必要な道具
初回から持っていきたいもの
レンタルまたは手持ちのラケット
テニスボール
横方向へ動きやすい運動靴
動きやすいウェア
タオル
十分な量の飲み物
着替え
帽子や日焼け止め
ボールは、施設が無料で用意しているとは限りません。レンタルラケットがあってもボールは持参ということがあるため、必ず確認します。
ウェアは、専用の上下でなくてもかまいません。腕を振りやすく、前後左右へ足を開ける服を選びます。大会へ出る場合は服装規定がありますが、通常のレンタルコートで自主練習をするだけなら、施設の利用規則を守れば十分です。
続けるなら用意したいもの
自分に合うテニスラケット
テニスシューズ
予備を含めたテニスボール
グリップテープ
帽子またはサンバイザー
吸汗性のあるウェア
厚みのあるスポーツソックス
ラケットケース
夏場の冷却用品
自分用のラケットがあると、毎回同じ重さとグリップで練習できます。ただし、初めて売り場へ行くと、似た形の製品が多く、何を基準にすればよいか迷いやすくなります。
数回レンタルで試し、軽すぎて振り遅れるのか、重くて疲れるのか、グリップが太いのかを確かめてから選びます。可能であれば、専門店でスイングを見てもらい、試打できる製品を使います。
最初は買わなくてよいもの
複数の高性能ラケット
大会用の大きなラケットバッグ
大量の新品ボール
ボールマシン
ストリングを自分で張る機械
フォーム撮影用の機材一式
細かな振動対策用品
一本目を使い続けるうちに、もう少し軽い方がよい、面が広い方が安心する、グリップを太くしたいなど、自分なりの好みが分かってきます。それまでは用品を増やさず、ラリーと基本動作へ時間を使います。
ラケットは、重さだけで決めない
初心者向けのラケットを選ぶときは、重量、面の大きさ、長さ、バランス、グリップの太さを見ます。
軽いラケットは振りやすく感じますが、軽ければ誰にでも合うわけではありません。打球の衝撃を感じやすいものや、勢いのあるボールへ押されやすいものもあります。反対に重すぎるラケットは、準備が遅れたり、腕や肩が早く疲れたりします。
ラケット面は、ある程度広い方がボールを当てやすくなります。ただし、大きさだけでなく、実際に構えたときの扱いやすさが大切です。
グリップは、握ったときに指が手のひらへ強く食い込みすぎず、隙間が大きく空きすぎない太さを選びます。後からテープを巻いて少し太くすることはできますが、元のグリップを細くするのは簡単ではありません。
ストリングの種類や張る強さでも打球感は変わります。初めは極端に硬く張らず、購入店や経験者へ「初心者がラリー中心で使う」と伝えて、標準的な設定を相談します。
シューズはコートの表面に合わせる
テニスでは、前へ走るだけでなく、横へ踏み込み、急に止まり、反対方向へ動きます。一般的なランニングシューズは前へ進む動きには向いていても、横方向の安定性が十分でない場合があります。
継続してプレーするなら、使用するコートに合ったテニスシューズを選びます。砂入り人工芝やクレー向け、ハードコート向け、複数の表面に対応するものなどがあり、靴底の形が異なります。
同じサイズ表示でも、足幅やかかとの収まりは製品によって違います。テニスで使うソックスを履いて試着し、横へ一歩踏み込んだときに足が靴の中で大きく動かないか確認します。
靴底がすり減ると、止まりにくくなったり、反対に引っかかり方が不安定になったりします。表面だけでなく、靴底と側面の傷みも定期的に見ておきます。
ラリーを続けるための四つのコツ
ボールが弾む前に位置を決める
ボールが身体の近くまで来てからラケットを準備すると、振る時間がなくなります。相手が打った直後に方向を見て、ボールが弾む場所へ早めに動きます。
正確な落下地点が分からなくても、最初の一歩を早く出すだけで余裕が生まれます。最後に細かな足運びで位置を調整し、身体から少し離れた前方で打ちます。
ラケットを大きく振り回さない
遠くへ飛ばそうとして腕を後ろまで引くと、準備が遅れ、ボールへ当たる位置もずれやすくなります。近い距離のラリーでは、コンパクトに引き、前へ押し出す程度で十分です。
ボールが前へ飛ばないときは、腕力よりラケット面の向きと打点を見直します。面が上を向きすぎれば高く飛び、下を向けばネットへかかりやすくなります。
ネットの少し上ではなく、十分な高さを通す
初心者同士のラリーでは、ネットぎりぎりを狙う必要はありません。ネットの上へ余裕を持たせ、相手コートの中央付近へ返します。
高めのボールには、相手が位置を整える時間があります。互いに返しやすい球を送ることで、打つ回数が増え、自然にフォームも安定していきます。
打ったあとに中央へ戻る
ボールを打った場所でそのまま見ていると、反対側へ返された一球へ届きません。打ち終えたら、次のボールへ動きやすい位置へ戻ります。
必ず線の中央へ立つという意味ではなく、相手が打てる範囲を見ながら、左右どちらへも一歩を出せる場所を選びます。ラケットを身体の前へ戻し、次の一球を待ちます。
シングルスとダブルスでは楽しさが変わる
シングルス
シングルスは、一人で自分の側のコートを守ります。相手を左右へ動かし、空いた場所へボールを送る組み立てが分かりやすい一方、広い範囲を走るため運動量は多くなります。
初心者同士なら、全面ではなく半面だけを使う方法があります。短いゲームごとに休み、長時間走り続けないようにします。
ダブルス
ダブルスは、二人で一つのコートを守ります。コート代を四人で分けやすく、一人が休める時間も作りやすいため、休日の自主練習に向いています。
ただし、二人で同じボールを追うと、ラケットや身体がぶつかることがあります。「自分が取る」という声を早めに出し、どちらが中央のボールを担当するか決めておきます。
初めは複雑な陣形を覚えるより、左右に分かれて守ります。ロブと呼ばれる高いボールで頭上を越されたときも、急に後ろ向きで走らず、一度横を向いて安全に追います。
安全にテニスを続けるために
ラケットを振る前に周囲を見る
ラケットは、自分が思うより後ろや横へ大きく動きます。隣の人、ベンチ、フェンスとの距離を確かめ、近くに人がいる状態で素振りをしません。
ボールを拾っている人がいるときも、プレーを止めます。隣のコートからボールが入ってきた場合は、勝手に強く打ち返さず、安全を確認して手渡すか転がして返します。
無理に届かないボールを追わない
フェンス際、ネット支柱の近く、隣のコートへ向かうボールは、無理に追うと衝突や転倒につながります。練習では一球を見送っても問題ありません。
特に後方へ下がりながら高いボールを追うときは、足が交差したり、後ろ向きに転んだりしやすくなります。無理な位置なら止まり、次の一球から再開します。
ぬれたコートでは行わない
雨上がりのコートは、表面に水たまりがなくても滑る場合があります。ラインや人工芝の一部だけがぬれていることもあるため、管理者が利用可能と判断するまで入りません。
プレー中に雨が降り始めた場合も、予約時間を使い切ることより安全を優先します。雷鳴が聞こえたときは直ちに中断し、施設の指示に従って建物や車内などの安全な場所へ移動します。
肩や肘へ急に負荷をかけない
久しぶりにラケットを握る日は、速いサーブやスマッシュを何度も打たないようにします。サーブは頭上で腕を使うため、通常のストロークより肩へ負担を感じることがあります。
肩、肘、手首へ鋭い痛みやしびれが出たら、その日の練習を中止します。フォームをかばって続けると、腰や反対側の腕にも負担が広がります。
暑い日は時間帯を変える
屋外コートには日陰が少なく、夏はコート表面からの熱も受けます。開始前から水分を取り、チェンジコートや短い練習の区切りごとに休みます。
暑さ指数や熱中症警戒情報を確認し、危険な暑さが予想される日は、早朝、夕方、屋内へ変更します。せっかく予約したからと無理に始めず、中止や短縮も選びます。
頭痛、吐き気、強いだるさ、足がつる、受け答えが普段と違うといった変化があれば、プレーへ戻らず、涼しい場所へ移動します。自力で水分を取れない、意識がはっきりしないなどの状態では、速やかに救急要請へつなげます。
一人の日にもできる練習
テニスは相手がいることでラリーが生まれますが、一人でも基本動作を確かめられます。
施設に壁打ちスペースがあれば、短い距離からゆっくり打ち、同じ場所へ返ってくるように調整します。壁から近すぎると戻りが速くなるため、余裕を持って準備できる距離を取ります。
ボールマシンを備えた施設では、一定の方向へ出てくる球を繰り返し打てます。ただし、連続して打てる分、休憩を忘れやすくなります。球数を決め、肩や腕へ疲れが出る前に区切ります。
自宅では、ラケットを大きく振らず、構えと足運びを確認します。ボールを軽く上へ弾ませる練習なら、ラケット面の感覚をつかめますが、照明、家具、窓、周囲の人へ当たらない場所を選びます。
練習後には、一つだけ振り返りを残す方法もあります。
打点が身体へ近くなりやすかった
高く返すとラリーが続いた
バックハンド側の準備が遅れた
打ったあと中央へ戻れた
多くの数字を記録するより、次回に試したいことを一行残す方が、週1回の練習をつなげやすくなります。
続けるほど変わる五つの楽しみ方
第1段階 近い距離で三回返す
最初はネット近くに立ち、ボールへラケットを当てます。相手の正面へゆっくり送り、三回のラリーを作ることが目標です。
強い一球より、もう一度返してもらえる一球を選びます。ボールが往復した回数そのものが、最初の分かりやすい手応えになります。
第2段階 コートの後ろからラリーを続ける
距離を少しずつ広げ、ベースライン付近からもボールを返せるようになります。フォアハンドとバックハンドを使い分け、打ったあとに中央へ戻る動きも加わります。
ネットを越える高さ、コートへ収まる長さ、相手が打ちやすい速度を調整できると、ラリーが安定します。
第3段階 高さとコースを選ぶ
相手が後ろへいるときは短く、前へいるときは奥へ。中央だけでなく、左右の空いた場所へ送ることを考えるようになります。
同じ強さで打ち続けるのではなく、高いボール、低いボール、速いボールを使い分けます。自分の判断が相手の動きへ表れるところに、試合らしい駆け引きが生まれます。
第4段階 自分に合う形を作る
長いラリーが得意な人、ネットへ出るのが好きな人、サーブから組み立てたい人など、少しずつ自分の好みが見えてきます。
ラケットやストリング、コート表面による違いも分かるようになります。すべてを上級者の形へ合わせるのではなく、自分の身体と得意な動きに合うプレーを育てます。
第5段階 大会、交流、支える側へ広げる
さらに続けると、地域の大会や交流会へ参加したり、初めての人を練習へ誘ったりできます。コートの予約、参加者の調整、ボールの準備を担当することも、仲間とテニスを続けるための大切な役割です。
年齢や生活の変化に合わせ、シングルスからダブルスへ移る、プレー時間を短くする、屋内中心に変えることもできます。速さだけを追わず、相手と一本のラリーを作る楽しさへ何度でも戻れるのが、長く続けられるテニスのよさです。
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バドミントン
バドミントンは、ラケットを使ってネット越しにシャトルを打ち合います。テニスより小さな屋内コートで楽しめますが、シャトルが急に減速するため、落下地点を予測して細かく動く面白さがあります。
雨の日にもラケットスポーツを楽しみたい人や、ボールとは異なる軌道を味わいたい人に向いています。
卓球
卓球は、小さな台を挟み、軽いボールを短い距離で打ち合います。テニスと同じように、ボールの回転、相手の位置、ラケット面の角度によって一球の変化を作れます。
広い屋外コートを予約しにくい日にも始めやすく、ラリーと駆け引きをより近い距離で楽しめます。
ピックルボール
ピックルボールは、テニスより小さなコートで、パドルと穴の開いたボールを使って打ち合うスポーツです。ボールの速度が比較的穏やかで、短い距離からラリーを始めやすいため、テニスとは違うテンポの攻防を楽しめます。
テニスで覚えた構えやコースの考え方を生かしながら、新しいラケットスポーツへ広げたい人にもよく合います。
ネットを越えた一球が、次の一球を連れてくる
初めてコートへ立った日は、ボールがラケットの端へ当たり、隣のコートへ飛んでしまうこともあります。遠くへ飛ばそうとして力が入り、目の前のネットを越えられないこともあるでしょう。
そんなときは、二人でネットの近くへ戻ります。大きく振るのをやめ、相手の正面へ届く一球だけを考えます。
一度返る。
もう一度送る。
三回続いたところでボールが止まっても、次は四回を目指せます。
テニスは、最初から速いサーブや正式な試合を完成させなくても楽しめます。次の休日は、ラケットを借りられるコートを一面予約し、気心の知れた人と短い距離で打ち合うところから始めてみてはいかがでしょうか。
相手へ届いた一球が、もう一球を連れて戻ってくる。その小さな往復の中に、テニスを続けたくなる時間が始まっています。
休日のよりみち帖では、気軽に試せるものから、少しずつ時間をかけて深めていくものまで、さまざまな趣味やレジャーを紹介しています。「次の休日は何をしよう」と迷ったとき、新しい楽しみを見つける小さなきっかけになれたらうれしいです。これからも思わず試してみたくなる趣味を丁寧に紹介していきますので、ぜひフォローして、次の記事も覗いてみてください。
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