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お弁当作りの楽しみ方

はじめに

炊きたてのごはんを少し冷まし、お弁当箱の片側へふんわり詰める。隣には卵焼き、その横には前日の夕食から取り分けたおかずと、色のきれいな野菜を少しずつ並べていきます。

ふたを閉める前に全体を眺めると、一つひとつはいつもの料理でも、小さな箱の中では一食分のまとまりが生まれています。

お弁当作りは、料理を箱へ詰めるだけではありません。食べる時間、持ち運ぶ距離、保存する環境、食べる人の量や好みを考えながら、ごはんとおかずを組み合わせる楽しみです。

「朝から何品も作るのは大変そう」「毎回きれいに詰めなければ続かないのでは」と感じる人もいるかもしれません。けれど、最初から手の込んだお弁当を目指す必要はなく、ごはん、卵料理、前日の取り分け、野菜のおかずを一つずつ用意するだけでも十分に形になります。

休日に試すなら、翌日の昼に自宅で食べる一食分から始めると安心です。持ち歩く前に、量、冷まし方、詰め方を確かめられ、自分が無理なく作れる品数も分かります。

この記事では、自宅で月2回ほどお弁当作りを楽しむ場合を中心に、基本情報、費用、おすすめする理由、最初に作りやすい献立、道具とお弁当箱の選び方、前日と当日の段取り、詰め方、衛生管理、持ち運び、続けることで変わる楽しさを紹介します。


お弁当作りの基本情報

主な楽しみ方 ごはん、主菜、副菜を一食分の箱へまとめ、持ち運びや保存まで考えて仕上げる

おすすめの頻度 月2回前後から

一度に楽しむ時間 約60〜100分

短時間で作る場合 約35分から

準備と片付けを含む時間 約90〜130分

最初に作りやすいもの ごはん、卵焼き、焼いた肉や魚、水分の少ない野菜のおかずを組み合わせた一段弁当

主な材料 ごはん、肉や魚、卵、野菜、乾物、調味料

主な道具 包丁、まな板、フライパンまたは鍋、菜箸、保存容器、お弁当箱、保冷剤、保冷バッグ

主な制作場所 自宅の台所

始めやすさ 普段の料理道具で始められるが、調理後に十分冷ます時間と、持ち運ぶ環境に合う保冷方法が必要

天候の影響 調理は室内でできるが、気温や持ち歩く時間により食材と保冷方法を変える必要がある

難しく感じやすいところ 少量ずつ複数品を作ること、温かい料理を時間内に冷ますこと、汁気を抑えて隙間なく詰めること

お弁当は、作った直後に食べる家庭料理とは条件が異なります。調理から食事までに時間が空き、室温や移動の影響も受けるため、おいしさだけでなく保存しやすさまで含めて献立を考えます。

毎回三品、四品と増やす必要はありません。主菜と副菜を兼ねる炒め物を一つ作り、卵料理や常備している野菜を添える方法でも、一食として整えられます。

お弁当作りにかかる費用

お弁当作りの費用は、昼食としてもともと必要になる食材費と、趣味として追加する道具や材料の費用を分けると分かりやすくなります。

普段の食事としてごはんとおかずを用意するなら、その全額がお弁当作りだけの出費になるわけではありません。新しいお弁当箱、保冷バッグ、仕切りカップなど、持ち運ぶために追加したものを趣味の費用として考えます。

手持ちの容器と調理道具で始める場合 初期費用はほぼなし

お弁当箱と保冷用品をそろえる場合 約2,000〜6,000円

スープジャーや複数の容器まで加える場合 約5,000〜12,000円

一食分の食材費 約300〜800円

普段の夕食から取り分ける場合の追加費用 約100〜400円

月2回、年間24回ほど作る場合の食材費 約7,000〜20,000円

道具を含めた初年度の目安 約10,000〜30,000円

お弁当箱は、価格よりも容量、洗いやすさ、汁漏れのしにくさを優先します。高価な箱でも、毎回部品を外して洗うことが負担になると、使わなくなってしまいます。

最初は一段式で、角へスポンジが届きやすく、ふたやパッキンを外して洗えるものが扱いやすくなります。通勤や通学でかばんを傾ける場合は、ふたの閉まり方と持ち運び用の袋も確認します。

仕切りカップや使い捨ての小物は便利ですが、毎回購入しなくても、付属の仕切りや小さな再利用容器で代用できます。ただし、容器ごとに電子レンジや食器洗い乾燥機を使えるかが異なるため、表示を確認します。

食材費を抑えるには、お弁当専用の料理を何品も作らず、夕食の材料を少し多めに用意します。鶏肉を夕食用と弁当用へ分ける、ゆでた野菜を味付け前に取り分けるといった方法なら、買い物と調理を増やさずに済みます。

安さだけを優先して大量に作り置くと、保存期間の判断や食べ切る負担が増えます。最初は翌日に使う一品だけを多めに作り、安全に取り分けて保存するところから始めます。

お弁当作りをおすすめする3つの理由

1.小さな箱の中で、一食の組み合わせを考えられる

夕食では、皿を追加しながら料理を並べられます。お弁当では限られた箱の中に、ごはん、主菜、副菜を収めるため、どの料理をどれくらい入れるかを自然に考えるようになります。

ごはんを多めにする日もあれば、野菜のおかずを増やしたい日もあります。午後に身体を動かすなら食べ応えを持たせ、短い昼休みなら食べやすい大きさへそろえるなど、同じ箱でも内容は変わります。

四角い卵焼きの隣へ丸い肉団子を置き、細長い野菜で隙間を整えると、料理の形にも役割が生まれます。味だけでなく、量、色、形を一緒に組み立てられることが、お弁当作りならではの面白さです。

2.前日の料理と翌日の昼食をつなげられる

お弁当を一から別の料理として作ると、朝の負担は大きくなります。夕食を作る段階で翌日の一食を少し意識すると、同じ材料を違う形で使えるようになります。

焼いた肉を弁当用に取り分け、翌朝にたれを絡め直す。ゆでた野菜の一部を和え物へする。卵を夕食の汁物ではなく、翌日の卵焼きへ残す。小さな準備によって、夜の料理と昼の料理がつながります。

同じものをそのまま詰めるだけでなく、味や形を少し変えることもできます。夕食の照り焼きを細く切ってごはんに載せる、蒸した野菜をごま和えにするなど、一つの下ごしらえから別の一品を作れます。

食材を使い切りやすくなる一方、保存した料理を何でも弁当へ入れられるわけではありません。保存状態と再加熱を確認し、翌日に安全に使えるものだけを選びます。

3.作ったあとに、食べる場所まで楽しみが続く

お弁当は、台所で完成したあと、職場、学校、公園、旅先など別の場所へ運ばれます。ふたを開けるまで中身が見えないため、盛りつけたときの形がどのくらい残るかも、次の制作につながります。

自宅で食べるなら、器へ移さず箱のまま昼食にしてみると、量や取り出しやすさを確かめられます。箸が入りにくい、底のおかずが取り出しづらいと感じたら、次は詰める順番や大きさを変えられます。

季節のよい日に、近くの公園へ小さなお弁当を持って行く楽しみもあります。特別な行楽弁当でなくても、いつものごはんを外で食べるだけで、休日の過ごし方が少し変わります。

初めてなら「ごはん・主菜・副菜二つ」で作る

初めてのお弁当には、ごはん、主菜一品、副菜二品ほどの組み合わせが向いています。品数を増やしすぎず、味と色が重なりすぎない内容へ整えます。

作りやすい一例は、次のような献立です。

ごはん 白いごはんに、梅干しやごまを少量

主菜 鶏肉の照り焼き、焼き鮭、豚肉と野菜の炒め物など

副菜1 中まで火を通した卵焼き

副菜2 汁気を切ったにんじんのきんぴらや、加熱した青菜の和え物

肉や魚を使わない場合は、厚揚げの照り焼き、豆入りの炒め物、しっかり焼いた野菜の卵料理などへ置き換えられます。食べる人の体質や食習慣に合わせ、無理に定番の形へ寄せる必要はありません。

初回は、揚げ物、煮物、サラダ、果物まで一度に用意せず、フライパン一つと小鍋一つで完成する内容へ絞ります。洗い物と冷ます料理が増えすぎないことも、続けやすさにつながります。

お弁当箱を選ぶときに見るところ

お弁当箱の容量は、食べる人の年齢、活動量、普段の食事量によって変わります。数字だけで決めるより、家庭で使う茶碗や皿へ普段の一食を盛り、その量がどの程度の箱へ収まるかを比べます。

一段式は全体を見渡しやすく、初心者も隙間を調整しやすい形です。二段式はごはんとおかずを分けられますが、容器とふたが増え、洗浄や乾燥に少し手間がかかります。

深い箱は丼風のお弁当に向きますが、底のおかずを取り出しにくいことがあります。浅い箱は料理を並べやすい一方、ふたへ触れない高さにそろえる必要があります。

木製の曲げわっぱ、樹脂製、金属製など、素材によって手入れも異なります。電子レンジ、冷凍、食器洗い乾燥機へ対応しているかを確認し、普段の生活に合うものを選びます。

購入前には、パッキンやふたを外して洗えるか、乾かす部品が多すぎないかも見ます。毎回清潔に使えることが、見た目やブランドより大切です。

最初に用意したい道具

家庭で料理をしているなら、新しく必要になる道具は多くありません。基本の調理器具に、お弁当箱と保冷用品を加えれば始められます。

包丁とまな板 生の肉や魚と、加熱後の食材を分けて扱う

フライパンまたは小鍋 少量のおかずを調理する

菜箸とトング 調理用と盛りつけ用を分ける

お弁当箱 洗いやすく、持ち運びに合う容量のもの

仕切りまたはカップ 汁や味の移りを抑える

保存容器 前日に取り分けた料理を冷蔵保存する

保冷剤と保冷バッグ 持ち運び中の温度上昇を抑える

清潔なふきんやキッチンペーパー 調理台と器具を清潔に保つ

あると便利なのは、小さな卵焼き器、少量の調味料を量るスプーン、冷却用の金属トレーです。ただし、道具を増やす前に、手持ちのフライパンで卵焼きや炒め物を作れるか試します。

食品用の温度計も、肉の厚みや再加熱の状態を確かめたいときに役立ちます。すべての料理へ必ず使う道具ではありませんが、見た目だけで火の通りを判断しにくいものには便利です。

前日にできること、朝に行うこと

お弁当作りを無理なく続けるには、前日と当日の役割を分けます。前日に完成品をすべて詰めておくのではなく、買い物、下ごしらえ、取り分け、道具の準備を済ませます。

前日にできること

献立とお弁当箱を決めます。

肉や魚へ下味を付けます。

野菜を洗い、必要に応じて切ります。

夕食のおかずから、清潔な器具で翌日分を取り分けます。

お弁当箱、保冷剤、バッグを用意します。

作り置きのおかずを利用する場合は、いつ作り、どのように保存したものかを確認します。冷蔵庫へ入っていたから安全と決めつけず、状態に不安があるものは使いません。

当日に行うこと

肉、魚、卵などを十分に加熱します。

保存したおかずは必要に応じて再加熱します。

汁気の多い料理を煮詰めたり、よく切ったりします。

ごはんとおかずを十分に冷まします。

清潔な箸やトングで詰めます。

保冷剤と一緒に持ち運びます。

朝の調理を短くしたい場合は、すべてを同時に始めず、冷ます時間の長いものから作ります。ごはんを広げて冷ましながら主菜を加熱し、その間に副菜を用意すると、作業が重なりすぎません。

一食分を無理なく作る順番

最初に手を洗い、調理台とお弁当箱が清潔で乾いていることを確認します。肉や魚を扱う道具と、完成後の料理を盛りつける道具も分けて用意します。

次に、主菜へ火を通します。厚みのある肉や魚は表面の色だけで判断せず、中まで加熱し、調理後は清潔な皿へ移します。

主菜の加熱中に、別の鍋で野菜をゆでるか、電子レンジで加熱します。副菜を和える場合は、水分をよく切り、清潔な器具で味を付けます。

卵焼きは中まで火を通し、まな板へ置く前に粗熱を取ります。切った断面が熱いまま箱へ詰めると、内部に蒸気がこもります。

料理がそろったら、平らな皿やトレーへ広げて冷まします。長時間室温へ放置するのではなく、清潔な場所で速やかに粗熱を取り、冷めたら詰め始めます。

崩れにくく食べやすい詰め方

お弁当を詰めるときは、ごはん、形の大きな主菜、副菜、隙間を埋める小さなおかずの順に考えるとまとまりやすくなります。

一段式なら、最初にごはんを詰め、仕切りを置きます。ごはんを強く押し固めると食感が重くなるため、移動で大きく崩れない程度に整えます。

次に、鶏肉、魚、卵焼きなど、形のしっかりしたおかずを置きます。背の高いものを奥へ、低いものを手前へ置くと、ふたへ触れにくく、全体も見渡しやすくなります。

残った隙間へ、きんぴらや加熱した野菜などを入れます。隙間をなくすために料理を押し込まず、必要なら食べやすい大きさへ切ります。

おかず同士の味や汁が混ざりやすい場合は、仕切りやカップを使います。ただし、カップで細かく分けすぎると、量が入りにくく、ごみや洗い物も増えるため、必要な場所だけに使います。

ふたを閉める前に、料理が箱の縁より高くなっていないか、パッキンへ食材が挟まらないかを確認します。閉めたあとに強く振って試すのではなく、水平に持ち上げて、料理が大きく動かない程度に詰まっているかを見ます。

味をまとめる考え方

お弁当は、時間がたってから食べるため、温かい料理とは味の感じ方が少し変わります。だからといって、すべてを濃い味にする必要はありません。

主菜にしょうゆやみその味があるなら、副菜は塩味を抑えた野菜料理にします。甘い卵焼きを入れるなら、ほかのおかずは甘辛い味だけでそろえず、酸味や香ばしさを少し加えます。

汁気を減らすため、煮物の煮汁をしっかり煮詰めたり、和え物の水分を切ったりします。調味料を多く入れることと、味をぼやけさせないことは同じではありません。

同じ調味料が重なると、品数があっても単調に感じます。しょうゆ味の主菜には、ごま、酢、みそ、青のりなど、別の香りを持つ副菜を合わせると変化が生まれます。

色は三つほどあれば十分

お弁当を彩りよく見せようとして、多くの食材を少量ずつ購入する必要はありません。ごはんの白、主菜の茶色に、黄色と緑、または赤を少し添えるだけでも全体は明るくなります。

黄色 卵、かぼちゃ、とうもろこし

 ブロッコリー、いんげん、枝豆、加熱した葉物

赤・橙 にんじん、鮭、パプリカ

黒・濃色 海苔、ごま、ひじき

緑の食材がない日は、青のりやごまを少量使う方法もあります。毎回同じ色をそろえることより、食べる人が無理なく食べられる内容を優先します。

生野菜や果物は色を添えやすい一方、水分を多く含みます。よく洗って水気を切り、可能なら別容器へ分けると、ほかの料理へ水分が移りにくくなります。

お弁当作りで大切な衛生管理

お弁当は、作ってから食べるまでに時間が空きます。調理前の手洗い、十分な加熱、冷却、保冷を一連の流れとして考えることが大切です。

生の肉や魚を切った包丁、まな板、菜箸を、加熱後のおかずへそのまま使いません。調理済みの料理は、清潔な皿と器具で扱います。

肉、魚、卵は中心まで十分に火を通します。半熟卵、加熱の不十分な肉や魚、生ものは、時間を置いて食べる一般的なお弁当には避けます。

作り置きの料理を使う場合は、保存状態を確認し、必要に応じて十分に再加熱します。何日前に作ったか分からないもの、長く室温へ出していたもの、においや見た目に違和感があるものは使いません。

ごはんとおかずは、温かいままふたをしません。蒸気が箱の中で水滴になると、料理全体へ水分が広がるため、清潔な場所で十分に冷ましてから詰めます。

煮物や和え物の汁気はよく切ります。水分の多い料理を入れるなら、ほかのおかずへ触れないよう仕切りや小さな容器を使います。

完成後は保冷剤と保冷バッグを使い、直射日光の当たる場所や高温になる車内へ置きません。到着後に冷蔵庫を利用できるなら、できるだけ早く入れ、食べる直前まで保冷します。

作った人や食べる人の体調が悪い日、長時間持ち歩く日、十分な保冷ができない日は、無理に手作り弁当を持参しない判断も必要です。

季節と持ち運びに合わせて内容を変える

気温の低い時期と暑い時期では、同じお弁当でも持ち運びの条件が異なります。春や秋も、昼間の車内や日当たりのよい場所は高温になることがあるため、季節名だけで判断しません。

暑い日は、汁気の少ない焼き物や炒め物を中心にし、保冷剤を増やします。生野菜、半熟卵、水分の多い和え物などは避け、食べるまでの時間を短くします。

冬でも、暖房の効いた室内へ長時間置く場合は保冷が必要です。保温できる弁当箱を使うなら、冷たい料理と温かい料理を同じ条件で入れず、製品の説明に従います。

スープジャーは温かい料理を持ち運べますが、単に残り物をぬるい状態で入れる容器ではありません。容器の予熱、料理の温度、入れる量、食べるまでの時間について、製品の使用方法を守ります。

公園や行楽地へ持って行く場合は、保冷バッグを地面や日なたへ置かず、早めに食べます。食べ残しを長時間持ち歩いて再び食べることも避けます。

作り置きに頼りすぎない続け方

お弁当作りを続けるため、休日に一週間分のおかずをまとめたいと思うこともあります。ただし、初心者が最初から多量に作ると、冷却、保存、食べ切る順番の管理が複雑になります。

最初は、翌日に使う主菜一品を夕食から取り分けるところから始めます。慣れてきたら、二日ほどで食べ切れる副菜を一品加えるなど、少しずつ広げます。

すべてを完成品にして保存するのではなく、肉へ下味を付ける、野菜をゆでておく、乾物を戻すといった下ごしらえだけを済ませる方法もあります。当日に加熱して仕上げるため、味と安全を確認しやすくなります。

冷凍食品や缶詰も、忙しい日の助けになります。すべてを手作りにすることより、保冷と調理時間に余裕を持てる組み合わせを選ぶほうが、無理なく続けられます。

洗いやすさまで含めて一回のお弁当と考える

お弁当作りは、食べ終わった箱を洗い、乾かし、次回使える状態へ戻すところまで続いています。ふたの溝やパッキンに汚れが残ると、次回の衛生にも関わります。

帰宅後は長時間放置せず、食べ残しを処分し、部品を外して洗います。素材に合う洗い方を守り、水分が残らないよう十分に乾燥させます。

保冷バッグも、汁や食品が付いたままにしません。内側を拭ける素材なら製品の方法に従って手入れし、保冷剤も袋の破れや漏れがないか確認します。

洗うことが負担になるなら、容器や仕切りを減らします。毎回使い捨てを増やすのではなく、自分が無理なく清潔に戻せる道具の数へ整えることが大切です。

続けるほど変わる五つの楽しみ方

お弁当作りを続けると、最初は一食を箱へ収めることに集中していた時間が、段取り、季節、食べる場所、食材の使い切りを考える時間へ広がります。

五つの段階は、品数や見栄えを競うものではありません。忙しい日はおにぎりと一品へ戻り、余裕のある日に新しい献立を試すという行き来もできます。

第1段階 ごはんと二、三品を一箱へ収める

最初は、ごはん、主菜、卵料理、野菜のおかずを用意します。料理を冷まし、清潔な器具で詰め、保冷するところまで一度経験します。

食べたときには、量、味、取り出しやすさを確認します。見た目よりも、一食として無理なく食べ切れることが最初の目安です。

第2段階 前日と朝の役割を決める

同じようなお弁当を何度か作ると、朝に時間のかかる作業が見えてきます。買い物と下ごしらえは前日、加熱と盛りつけは当日というように、自分に合う分け方を作ります。

冷ます時間も段取りへ含めることで、温かいままふたをすることがなくなり、出発前の慌ただしさも減っていきます。

第3段階 同じ材料を違う献立へ展開する

基本の流れが安定したら、夕食とお弁当で材料の使い方を変えます。焼いた肉を丼風にする、ゆで野菜を別の味で和えるなど、同じ下ごしらえから違う一食を作れます。

新しい食材を増やすより、いつもの材料の切り方、味付け、詰め方を変えることで、無駄を抑えながら変化を作れます。

第4段階 食べる場所や季節から献立を考える

仕事の日、行楽の日、短い昼休みの日では、食べやすい形が異なります。移動時間、保冷環境、食べる道具まで考え、弁当箱と料理を選びます。

春の公園では小さなおにぎり、寒い日の外出には使用方法を守ったスープジャーなど、その日の過ごし方と昼食をつなげられます。

第5段階 自分の暮らしに合う型を育てる

続けるうちに、「ごはん、主菜一品、副菜二品」「丼と別容器の野菜」など、自分が無理なく作れる基本形が見つかります。

毎回新しい献立を考えず、季節や予定に応じて基本形の一部だけを変えます。写真や短い記録を残せば、量、時間、使いやすかったおかずを次回へ生かせます。

販売や豪華な作品を目標にしなくても、自分や家族が安心して食べられる一食を、必要な日に用意できることが、お弁当作りの大きな深まりです。

あわせて楽しみたい関連する趣味

日常料理

日常料理は、毎日の食事を無理なく作り、買い物、下ごしらえ、調理、片付けまで暮らしに合わせて整える趣味です。夕食の材料を翌日のお弁当へつなげる考え方を身に付けると、お弁当だけのために品数を増やさずに済みます。

普段の献立が安定すると、取り分けられる料理と当日に作る料理を選びやすくなります。


野菜料理

野菜料理では、切り方、加熱、味付けによる色と食感の違いを楽しめます。汁気を抑えたきんぴら、焼き野菜、加熱した和え物など、お弁当へ取り入れやすい副菜の幅も広がります。

色のために野菜を飾るのではなく、冷めても食べやすい一品として仕上げられることが、お弁当全体の満足感につながります。


キャラ弁

キャラ弁は、ごはんや海苔、卵、野菜の形を使い、動物や季節のモチーフを表すお弁当です。基本のお弁当を安全に作り、冷まして詰める流れに慣れてから、顔や模様を一つ添えると無理なく楽しめます。

細かな再現を目指すだけでなく、丸いおにぎりへ目と口を付ける程度でも、ふたを開ける時間に小さな驚きを加えられます。

一つの箱に、その日の昼までを整えていく

お弁当作りは、朝に何品もの料理を並べることだけではありません。

前日の夕食から一品を取り分け、朝にごはんを詰め、卵を焼き、料理が冷めるのを待つ。食べるまでの時間を想像しながら箱へ収めることで、台所の作業がその日の昼までつながります。

最初から美しい詰め方や多くの品数を目指さなくてもかまいません。ごはん、主菜、卵料理、野菜のおかずを一つずつ用意し、安全に持ち運べる状態へ整えられれば、最初のお弁当は十分に完成しています。

次の休日には、翌日の昼に自宅で食べる一食を、小さな箱へ詰めてみてください。持ち歩かない日だからこそ、量、味、取り出しやすさをゆっくり確かめられます。

ふたを開けたとき、朝に並べた料理が一食分の形を保っている。その小さな手応えから、自分の暮らしに合うお弁当作りが少しずつ始まります。


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