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ボディビルの楽しみ方

鏡の前で姿勢を整え、肩を少し下げて、背中をゆっくりと広げる。

重い物を持ち上げているときには分かりにくかった筋肉のつながりが、立ち方を変えただけで輪郭として浮かびます。腕だけに力を入れるのではなく、脚で床を押し、腹部を整え、胸と背中を同時に見せる。ボディビルでは、鍛えた身体をどのように使い、見せるかまでが一つの技術になります。

大きな筋肉、厳しい食事制限、舞台上でのポージング。

そんな印象から、自分には遠い競技だと感じる人もいるかもしれません。けれど、最初から大会へ出たり、極端に体脂肪を減らしたりする必要はありません。週に一度ジムへ行き、全身を丁寧に動かし、少しずつ扱える重さを増やすところから始められます。

ボディビルは、単に重い物を持ち上げる趣味でも、体重を減らす活動でもありません。

胸、背中、肩、腕、脚といった各部位をバランスよく育て、正面、横、後ろから見たときの形を整えていく。トレーニング、食事、休養、記録、ポージングを組み合わせながら、数か月、数年という時間で身体を作っていくところに、この趣味ならではの奥深さがあります。

今回は、ジムや自宅で筋力トレーニングを始め、将来はボディビルらしい身体作りや大会参加も考える場合を想定し、費用、施設の選び方、最初のメニュー、食事と休養、道具、安全、ポージング、競技への進み方までまとめました。

※時間と費用は、一般的なトレーニング施設を利用し、健康を損なわない範囲で身体作りを続ける場合の目安です。持病、治療中の症状、運動制限がある人は、開始前に医療専門職へ相談してください。


ボディビルの基本情報

主な楽しみ方 筋力トレーニング、食事、休養、ポージングを組み合わせ、全身の筋量とバランスを育てる

最初に選びやすい場所 スタッフへ器具の使い方を聞ける公共トレーニング室や民間ジム

始める頻度 週1回から

身体作りを進める頻度 慣れてから週2〜3回ほど

一回のトレーニング時間 約45〜75分

短く取り組む場合 約20〜30分

着替えを含む滞在時間 約1時間30分

最初の目標 全身の基本動作を安全な重さで覚える

必要な道具 運動着、施設指定の靴、タオル、飲料

天候の影響 屋内施設が中心のため受けにくい

楽しさの中心 筋肉へ狙って負荷を届ける感覚、回数や重量の変化、全身のバランス、ポージングで見え方を整えること

週1回でも、運動習慣を作り、器具の扱いを覚える入口になります。ただし、身体を大きく変えていきたい場合は、一度に長時間行うより、休養日を挟みながら週2〜3回へ分ける方が、全身を無理なく鍛えやすくなります。

筋肉はトレーニング中に完成するものではありません。負荷を受けた後に食事と休養を取り、次の運動まで回復する時間を含めて育っていきます。

大会へ出るかどうかは、始める時点で決めなくてもかまいません。日常のトレーニングだけを楽しむ人もいれば、数年かけて身体を作り、ポージングや舞台へ関心を広げる人もいます。

筋トレとボディビルは、同じようで少し違う

筋力トレーニングは、筋力、健康、運動能力、姿勢、体型など、さまざまな目的で行われます。ボディビルでも同じ器具や運動を使いますが、目標の中心は「全身をどのような形へ育てるか」にあります。

扱える重量を増やすことは大切ですが、それだけでは身体のバランスは整いません。

胸は育っているが、背中の広がりが弱い。

腕は太くなったが、肩との境目が見えにくい。

脚の前側は強いが、裏側への刺激が少ない。

このような違いを記録や写真、ポージングから見つけ、次のトレーニングへ反映します。

ボディビルでは、種目の数字が目的ではなく、数字を使って身体を作ります。重さを上げる日もあれば、少し軽くして動く範囲や筋肉の収縮を確かめる日もあります。

競技では、筋肉の大きさだけでなく、全身の均整、輪郭、絞り、立ち姿やポージングも見られます。舞台へ立たない場合でも、正面と後ろから身体を見る習慣を持つと、普段のトレーニングでは気づきにくい部分が見えてきます。

初回は数百円、継続するなら月額費を考える

ボディビルを始めるために、最初から自宅へ大型器具を置く必要はありません。公共施設のトレーニング室や、体験利用ができるジムを使えば、少ない費用で試せます。

初回体験の費用

公共トレーニング室 約300〜800円

民間ジムの体験利用 無料〜3,000円ほど

運動着 手持ち品で可

室内用シューズ 施設の規則による

飲料とタオル 手持ち品で可

初回合計 約300〜3,000円+交通費

施設によっては、初回講習を受けなければ器具を使えません。講習日時の予約、本人確認書類、室内靴の要否を確認してから出かけます。

初日は、器具の種類をすべて試す日ではありません。館内の流れと基本的なマシンの使い方を知り、三、四種目を無理なく行えれば十分です。

継続して通う費用

公共施設を週1回利用 月約1,200〜3,200円

低価格帯のジム 月約3,000〜7,000円

一般的な民間ジム 月約7,000〜13,000円

設備の充実した専門的なジム 月1万円前後から

パーソナルトレーニング 利用する場合のみ別料金

月会費だけでなく、入会金、事務手数料、休会費、ロッカー、ウェアやタオルのレンタルも確認します。週1回だけ通うなら、月会費より公共施設の都度利用が安い場合もあります。

反対に、週2〜3回通う予定なら、月額制の方が一回当たりの費用を抑えやすくなります。自宅や職場からの距離も含め、実際に続けられる施設を選びます。

最初に買うもの

運動着 手持ち品〜10,000円ほど

室内用シューズ 手持ち品〜15,000円ほど

スポーツソックス 約1,000〜3,000円

飲料ボトル 手持ち品〜3,000円ほど

小さなノート 数百円

基本的な初期費用 0〜20,000円ほど

ベルト、リストストラップ、リストラップ、トレーニンググローブは、最初から一式そろえなくてかまいません。必要な道具は、扱う重量と種目が増え、どこに不便を感じるか分かってから選びます。

年間費用

公共施設を週1回利用する場合は、ウェアや交通費を含めて年間約20,000〜60,000円ほどが一つの目安です。民間ジムへ通う場合は、会費を中心に年間約80,000〜170,000円ほどになります。

プロテインなどの補助食品、パーソナルトレーニング、専用ロッカー、複数のウェアは任意です。通常の食事と施設利用だけでも、身体作りは始められます。

大会へ出場する場合は、選手登録、参加料、ポージング用品、衣装、カラーリング、講習、交通、宿泊などが加わります。競技年は数万円以上の追加費用が生じることもあるため、日常のトレーニング費とは分けて考えます。

ボディビルをおすすめする3つの理由

1.全身を一つの形として考えられる

筋力トレーニングでは、今日は胸、次は脚というように、部位ごとに運動を分けることがあります。ボディビルでは、その部位が全身の中でどのように見えるかまで考えます。

肩の横幅が増えると、腰との対比が変わる。

背中が広がると、正面から見た輪郭にも厚みが出る。

脚を鍛えると、上半身だけでは作れない安定感が生まれる。

一か所を大きくするだけでなく、前後、左右、上下のつながりを見ながら育てていきます。

同じ人でも、腕を下ろした姿と、背中を広げた姿では印象が変わります。筋肉を作ることと、それを正しく使うことが重なっている点が、ボディビルらしい面白さです。

2.小さな変化を複数の方法で確かめられる

身体の変化は、毎日鏡を見ているだけでは分かりにくいものです。ボディビルでは、重量、回数、身体測定、写真、ポージングなど、複数の記録を使います。

同じ重さを前より安定して動かせた。

背中の種目で、腕より背中へ力が入るようになった。

同じ服を着た写真で、肩の輪郭が少し変わった。

体重は同じでも、立ち姿が整って見えるようになった。

数字が増えない時期にも、動作や見え方から進歩を探せます。

毎週大きく変わるわけではありません。数か月前の記録と比べたとき、積み重ねてきたものが見えるところに、この趣味の手応えがあります。

3.鍛えた身体を、ポージングで表現できる

筋肉は、ただ力を入れればきれいに見えるものではありません。胸を見せようとして肩が上がると首が詰まり、腕へ集中すると脚の力が抜けることがあります。

足を置く位置。

骨盤の向き。

呼吸。

肘の高さ。

顔と視線。

こうした細かな違いで、全身の輪郭が変わります。

ポージングを練習すると、どの筋肉を動かせているか、左右差はないか、姿勢で隠れている部分はないかが分かります。舞台へ立たなくても、自分の身体を動かす練習として楽しめます。

大会では、カテゴリーごとに規定の姿勢や衣装、審査方法があります。筋肉を作るだけでなく、限られた時間で落ち着いて見せる技術が必要になるところに、競技としての深さがあります。

最初のジムでは、ここを確認する

ボディビルらしいトレーニングを始めるなら、重い器具が多いことより、初心者が安全に使い方を覚えられる施設を選びます。

初回講習や器具説明があるか

初心者がスタッフへ質問しやすいか

胸・背中・脚を鍛える基本マシンがあるか

ダンベルの重さが細かく分かれているか

パワーラックやベンチの利用ルール

混雑する曜日と時間帯

室内靴、服装、撮影の規則

会費、休会、退会、ロッカーの条件

体験利用や都度払いができるか

大会を目指す人への指導があるか

初めてなら、マシンの調整方法を教えてくれる施設が安心です。座面や背もたれが合っていないまま動かすと、狙った筋肉ではなく、肩や腰へ負担が移ることがあります。

大会を目指す場合も、ボディビル選手が多い施設だけが正解ではありません。日常的に通える距離、清潔さ、混雑、指導者との相性が継続を左右します。

見学では、器具の充実度だけでなく、使用後の片づけ、順番待ち、声かけの雰囲気も見ておきます。

初めての一日は、全身を四つの動きで知る

初回から胸だけ、腕だけを長時間鍛える必要はありません。脚で押す、上半身で押す、上半身で引く、身体を支えるという基本を一つずつ試します。

1.受付と器具説明を受ける

開始の十五分ほど前に到着し、着替え、荷物、飲料、器具の清掃方法を確認します。

トレーニング経験がないことをスタッフへ伝え、マシンの重さを変える方法、安全装置、座面の調整を教えてもらいます。分からない器具を、周囲の人の動きだけで使い始めないようにします。

2.五〜十分ほど身体を温める

トレッドミルや自転車を使い、会話できる程度の軽さで身体を動かします。肩、股関節、膝を小さく動かし、その日の痛みや違和感も確認します。

疲れることが目的ではありません。身体が温まり、関節を動かしやすくなったところで筋力トレーニングへ移ります。

3.脚で押す動きを行う

最初はレッグプレスなど、身体を安定させやすいマシンを使います。

足裏を台へ置き、膝とつま先の向きを大きくずらさず、ゆっくり曲げ伸ばしします。深く曲げることや重くすることより、腰が座面から浮かず、動きを自分で止められることを優先します。

4.胸から押す動きを行う

チェストプレスなどで、胸、肩、腕を使う動きを覚えます。

肩がすくまない位置へ座面を合わせ、持ち手を押して、急に戻さずゆっくり受け止めます。肘や肩に痛みがある場合は、可動域と重さを減らします。

5.背中で引く動きを行う

ラットプルダウンやシーテッドローを使い、背中側へ引く感覚を確かめます。

手だけで強く引かず、胸を軽く起こし、肩を耳から離すように動きます。重すぎると身体を大きく反らせてしまうため、姿勢を保てる範囲で行います。

6.体幹を支える動きを行う

マシンを追加しすぎず、短いプランクや、安定した姿勢で行う軽い体幹運動を選びます。

長時間耐えることより、呼吸を止めず、腰を強く反らさないことを大切にします。床の運動が不安なら、スタッフに立ったままできる方法を聞きます。

7.少ないセットで終える

初日は、一種目につき無理なく動かせる回数を一〜二セット行えば十分です。

限界まで繰り返さず、姿勢が崩れる前に止めます。余裕があった場合も、その日に種目やセット数を倍へ増やさず、次回も同じ内容を試します。

最後は軽く歩き、呼吸を整え、使った器具を清掃して戻します。

重量より先に、狙った筋肉へ動きを届ける

ボディビルでは、重い物を持ち上げることと、目的の部位へ負荷を届けることが同じとは限りません。

胸を鍛える動きで、腕だけが先に疲れる。

背中を鍛えたいのに、腰を大きく反らせてしまう。

脚の運動で、膝の痛みばかり気になる。

このような場合は、重量を増やすより、器具の調整と動作を見直します。

一回ごとの基本は、次のように考えると整理しやすくなります。

動かす前に姿勢を作る。

勢いを使わず持ち上げる。

戻す動作も自分で支える。

呼吸を止め続けない。

関節ではなく、筋肉が働く感覚を探す。

同じ種目でも、手幅や足幅を自己流で大きく変えると、狙う部位や関節への負担が変わります。最初は施設の案内や指導者の方法を優先します。

記録を伸ばしたい気持ちが出ても、毎回重量を増やす必要はありません。同じ重さで姿勢が安定した、前回より一回多く動かせた、動く範囲がそろったという変化も上達です。

週1回から、全身の計画を作る

週1回だけなら、一部位に絞らず、全身を軽く動かします。

脚で押す種目。

胸や肩で押す種目。

背中で引く種目。

脚の裏側や臀部を使う種目。

体幹を支える種目。

この中から四〜六種目ほどを選び、無理のない範囲で行います。

週2回へ増やす場合も、最初は両日とも全身を扱う方法が分かりやすいでしょう。一回目と二回目で種目を少し変えながら、胸、背中、肩、腕、脚を偏らせず動かします。

さらに経験を重ねると、上半身と下半身、押す日と引く日などに分ける方法があります。ただし、細かな分割を作っても、通えない日が増えれば鍛えない部位が残ります。生活の中で守れる計画を優先します。

毎回の記録には、次の項目だけでも十分です。

日付。

種目。

重量。

回数とセット数。

痛みや疲労。

次回の小さな目標。

体重や写真だけではなく、睡眠や仕事の疲れも残すと、調子の違いを振り返りやすくなります。

食事は、特別な一品より毎日のまとまりを見る

ボディビルでは食事が大切ですが、初日から細かな計算や、特定の食品だけを食べ続ける必要はありません。

まずは、毎日の食事を抜かず、主食、肉・魚・卵・大豆製品などのたんぱく源、野菜、果物、乳製品などを、自分の体調や生活に合わせて組み合わせます。

トレーニングする日だけ大量に食べ、翌日は極端に減らすより、普段から安定して食べる方が身体の変化を追いやすくなります。食事量を増やす時期も、体重だけを急いで増やさず、トレーニングの進み方と腹囲、体調を一緒に見ます。

筋肉を増やしたい時期

筋肉を増やしたいからといって、好きなだけ食べればよいわけではありません。体重が急に増えると、そのすべてが筋肉になるわけではなく、身体が重くなってトレーニングしにくくなることもあります。

日常の食事を少しずつ整え、重量や回数が伸びているか、睡眠や消化に問題がないかを確認します。食事を増やす場合も、一度に大きく変えず、数週間単位で様子を見ます。

輪郭を整えたい時期

大会へ向けて体脂肪を減らす場合も、急に食事を抜いたり、水分を制限したりしません。筋肉を残しながら身体を整えるには時間がかかるため、余裕のある日程が必要です。

強い空腹、集中力低下、睡眠の乱れ、めまい、月経の変化、トレーニング重量の急な低下が続く場合は、計画を見直します。競技準備では、スポーツ栄養に詳しい管理栄養士や医療専門職へ相談できる環境が安心です。

補助食品は必須ではない

プロテインは、食事だけでは不足しやすい日に、たんぱく質を補うための食品です。飲めば自動的に筋肉が増えるものではなく、通常の食事で必要量を取れているなら必須ではありません。

複数のサプリメントを同時に使うと、何が体調へ影響したか分かりにくくなります。成分量、製造者、問い合わせ先を確認し、海外からの個人輸入品や、極端な効果をうたう製品には慎重になります。

競技を考えている人は、禁止物質が含まれていないかを自分で確認する責任があります。薬やサプリメントを使う前に、最新のアンチドーピング情報を確認します。

休む日まで含めて身体を作る

トレーニング直後に筋肉が張ると、すぐに身体が変わったように感じることがあります。けれど、その張りがそのまま新しい筋肉として残るわけではありません。

身体作りには、睡眠、食事、休養が必要です。同じ部位へ強い負荷をかけた翌日に、痛みを我慢して同じ運動を繰り返す必要はありません。

軽い筋肉痛があっても日常動作に問題がなければ、別の部位を動かす、軽く歩く、休むといった方法を選べます。鋭い痛み、腫れ、力が入らない感覚、関節の違和感がある場合はトレーニングを中止します。

睡眠不足の日に、予定どおり重い重量へ挑戦するのも避けます。休む、種目を減らす、軽い運動へ変える判断も、長く身体を作るための技術です。

ポージングは、鏡の前で立つところから始める

大会へ出なくても、月に一度ほど同じ姿勢で写真を撮ると、全身の変化を見やすくなります。

正面。

横。

後ろ。

同じ場所、照明、距離、姿勢で残します。力を入れた写真だけでなく、自然に立った姿も記録すると、普段の輪郭や姿勢の変化が分かります。

ポージングを始めるときは、いきなり競技の規定姿勢をすべて覚えようとせず、次の基本から整えます。

足裏で床を押す。

膝を不用意に緩めない。

腹部を整えながら呼吸する。

肩をすくめず、胸と背中を使い分ける。

腕だけでなく脚にも意識を残す。

一つの姿勢を数秒保つだけでも、想像以上に疲れます。鏡を見るために首だけを曲げると本来の姿勢が崩れるため、動画を撮って後から確認する方法もあります。

競技へ進む場合は、カテゴリーごとに規定ポーズ、衣装、見せ方が異なります。年度によってルールが改定されることもあるため、古い動画だけを参考にせず、最新の公式マニュアルや講習会を確認します。

大会へ出る前に知っておきたいこと

ボディビル大会は、筋肉量が増えたらすぐ出場するものではありません。長期的なトレーニングに加え、ポージング、減量、衣装、登録、当日の進行まで準備します。

どの競技へ出るかを決める

ボディビルのほかにも、クラシックボディビル、クラシックフィジーク、女子フィジークなど、身体の見せ方や審査基準が異なるカテゴリーがあります。

名前が似ていても、規定ポーズ、衣装、身長と体重の条件などが違います。自分の身体や目標に合う競技を、指導者や公式の規則から確認します。

大会日から逆算する

筋肉を増やす期間と、輪郭を整える期間を同時に急いで進めることはできません。大会へ申し込む前に、現在の状態から健康を保って準備できる期間があるかを考えます。

短期間で極端に体重を減らす計画や、直前に水分を断つ方法は避けます。体調を崩して舞台へ立てなければ、それまでの準備も生かせません。

登録と講習を確認する

大会によって、連盟への選手登録、所属区分、アンチドーピング講習の受講が必要です。オープン大会など一部で条件が異なることもあるため、開催要項を一大会ずつ確認します。

使用中の医薬品がある場合は、自己判断で中止せず、医師とアンチドーピング相談窓口へ確認します。

ポージングを早めに練習する

身体が仕上がってからポージングを始めると、長く姿勢を保てず、見せたい部分へ力を入れられないことがあります。

数か月前から短時間ずつ練習し、規定姿勢の順番、移動、視線、呼吸を覚えます。講習会で第三者に見てもらうと、自分では気づきにくい角度や癖が分かります。

最初に必要なもの

最初に必要なもの

動きやすい運動着

施設指定のシューズ

タオル

飲料ボトル

スマートフォンまたは記録ノート

施設の会員証や利用証

身体の動きを妨げない服なら、専用のボディビルウェアでなくてもかまいません。フォームを確認したい場合は、身体の輪郭がある程度分かり、器具へ引っかからない服が使いやすくなります。

続けるなら用意したいもの

替えのウェア

スポーツソックス

小型のトレーニングバッグ

リストストラップ

リストラップ

トレーニングベルト

液体チョークなど施設で許可された滑り止め

身体測定用のメジャー

スマートフォン用の小型三脚

道具には、それぞれ用途があります。ベルトを締めればすべての腰痛を防げるわけではなく、ストラップを使えばフォームが整うわけでもありません。必要な理由と使い方を教わってから取り入れます。

最初は買わなくてよいもの

高価なトレーニングベルト

複数種類のシューズ

大量のサプリメント

自宅用の大型ラック

バーベルと大量のプレート

競技用の衣装

カラーリング用品

ポージング用の鏡

大会へ出る予定が決まっていない段階で、競技用品をそろえる必要はありません。日常のトレーニングを数か月続け、自分が何を深めたいか見えてから選びます。

安全に続けるために

ボディビルでは、筋肉を追い込むという言葉がよく使われます。けれど、痛みや体調不良を無視することとは違います。

初めての種目は、重量を付ける前に動作を教わります。バーベルを使うスクワットやベンチプレスでは、安全装置の位置を合わせ、必要に応じて補助者を付けます。一人で最大重量へ挑戦しません。

器具を使う前には、固定部分、ピン、ケーブル、ベンチの状態を確認します。異音や破損を見つけた場合は使用せず、スタッフへ伝えます。

呼吸を長く止め続けると、身体へ大きな負担がかかります。動作中も無理に息をこらえず、指導者の案内に沿って呼吸します。

胸の痛み、めまい、冷や汗、強い息苦しさ、しびれ、関節の鋭い痛みが出た場合は、その場で中止します。症状が強い場合や繰り返す場合は、医療機関へ相談します。

身体の見た目を気にするあまり、食事や体重への不安が生活を占めるようになった場合も、一度計画から離れます。大会よりも、日常生活と健康を保てることを優先します。

続けるほど変わる五つの楽しみ方

ここで紹介する五つは、身体の大きさや大会成績を比べる階級ではありません。健康のためのトレーニングを長く続けても、競技へ進んでもよく、自分の生活に合わせて行き来できます。

第1段階 全身の基本動作を覚える

最初は、脚で押す、胸から押す、背中で引くという基本を、安全な重さで体験します。

重量を増やすより、器具を自分に合わせ、同じ姿勢で動かせることを優先します。週1回でも、施設へ行き、記録を一行残す習慣ができれば十分です。

第2段階 週2回ほどの習慣を作る

身体の回復を見ながら回数を増やし、胸、背中、肩、腕、脚を偏らせず鍛えます。

同じ種目で重量や回数が少しずつ伸び、どの動きが得意で、どこに負荷を感じにくいかが分かります。食事と睡眠も、トレーニングの一部として意識し始めます。

第3段階 全身のバランスを考える

写真やポージングから、正面、横、後ろの見え方を比べます。

得意な部位だけを増やすのではなく、背中の広がり、肩の丸み、脚の前後など、弱い部分へ計画的に取り組みます。重量だけでは見えなかった、自分の身体作りの方向が生まれる段階です。

第4段階 ポージングや大会準備へ進む

競技へ興味がある人は、カテゴリーとルールを調べ、ポージング講習や大会見学へ出かけます。

十分な準備期間を取り、急な減量を避け、トレーニングの力を大きく落とさない形で身体を整えます。舞台へ立たなくても、規定姿勢を練習して一つの完成時期を作る方法があります。

第5段階 自分の身体作りを長く育てる

大会を重ねる、得意なポーズを深める、トレーニングや栄養について学ぶ、初心者の施設利用を支えるなど、続け方は人によって変わります。

年齢や生活に合わせ、扱う重量や大会頻度を調整することも大切です。毎年同じ形を目指すのではなく、その時期の自分に合う身体を作り続けることが、ボディビルを生涯の趣味へ近づけます。

あわせて楽しみたい関連する趣味

ウエイトトレーニング

ウエイトトレーニングは、ダンベルやマシンなどの負荷を使い、筋力や身体機能を高める活動です。大会や見た目を目標にせず、まず重さを扱う基本と運動習慣を身につけたい人の入口になります。


ジム通い

ジム通いでは、筋力マシン、有酸素運動、ストレッチなどから、その日の目的に合う内容を選べます。ボディビルへ進むか決める前に、施設の使い方や、自分が続けやすい通い方を知りたい人に向いています。


自宅筋トレ

自宅筋トレは、椅子、マット、軽いダンベルなどを使い、移動せず身体を動かせる趣味です。ジムへ行けない日の補助や、トレーニングを始める前の短い習慣として取り入れられます。


重さの記録が、少しずつ身体の輪郭へ変わっていく

最初のトレーニングでは、鏡を見ても大きな変化は分からないかもしれません。

マシンの座面を合わせるだけで迷う。背中を使いたいのに、腕ばかりが疲れる。翌日には、普段意識していなかった場所へ筋肉痛が残る。

それでも、同じ動きを繰り返していると、少しずつ余裕が生まれます。

前回より、重さを静かに戻せた。

肩を上げずに引けた。

脚を鍛えた後も、姿勢を保って歩けた。

数か月後に写真を並べると、その小さな変化が身体の輪郭として見えてきます。

ボディビルは、短期間で別人のような身体を作る活動ではありません。トレーニングし、食べ、眠り、記録し、ときには休む。その繰り返しの中から、自分が作りたい形を少しずつ見つけていく趣味です。

次の休日は、近くのトレーニング室を一つ探し、体験利用や初回講習を確認してみる。運動着と飲料を持ち、脚、胸、背中のマシンを一つずつ教わるところからで十分です。

一回の重さや回数として残った記録が、時間をかけて、自分だけの身体の輪郭へ変わっていきます。


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