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サウナの楽しみ方

浴室で身体を洗い、水分を拭いてからサウナ室の扉を開ける。

中へ入ると、熱を含んだ空気が身体を包みます。

最初は下の段へ座る。
肩の力を抜き、静かに呼吸する。
少しずつ身体が温まり、額や腕に汗が浮かぶ。
無理を感じる前に外へ出て、身体を冷ましながら椅子へ座る。

浴室の音を聞きながら、しばらく何もせず休む。

サウナは、熱さに耐えた時間や、繰り返した回数を競う場所ではありません。

短い時間だけ身体を温め、いったん外へ出て、落ち着くまで休む。その日の体調に合わせて、温度、座る位置、冷まし方を選ぶ休養の時間です。

水風呂へ必ず入らなければならないわけでも、決まった回数を繰り返さなければならないわけでもありません。

水の冷たさが苦手なら、ぬるめのシャワーや外気、休憩だけで身体をゆっくり冷ませます。消費者庁も、急激な温度変化は身体への負担になり得るため、水風呂が苦手な人や体調が悪くなる人は無理に入る必要がないと注意を呼びかけています。

一方で、初めて利用するときには迷うこともあります。

サウナ室には何分入ればよいのか。
上段と下段では何が違うのか。
水風呂へ入らなくても楽しめるのか。
一回にどのくらい時間と費用がかかるのか。
何回繰り返せばよいのか。
どのような体調の日には、利用を避けるべきなのか。

最初から長く入る必要はありません。

低い段に座り、数分ほど身体の反応を見る。熱さ、息苦しさ、動悸、めまいなどを感じる前に退出し、十分に休む。

一回だけで終えても構いません。

「もう一度入りたい」と思っても、その日の身体が落ち着いているかを確認してから決めます。

今回は、サウナに必要な時間と費用、施設とサウナの選び方、初めて利用する日の流れ、冷却と休憩の考え方、必要な持ち物、安全上の注意、続けることで変わる楽しみ方をまとめました。

※時間や費用は、日帰り温浴施設などを月一回ほど利用し、入浴と休憩を含めて約90分滞在する場合の目安です。施設、利用プラン、レンタル用品、交通手段によって変わります。体調や持病、服薬に不安がある場合は、施設利用より先に医師などの専門家へ確認してください。



サウナをざっくり整理すると

施設で過ごす時間 約90分

移動を含む時間 約2時間前後

最初に試すサウナ浴 短時間を一回から

年間の利用回数 年12〜13回程度

初回体験費 約2,000〜2,500円

初期費用 施設のレンタル用品を使えばほぼ0円

当日の支出 約2,300円

年間の費用 約29,300円

一人での利用 しやすい

身体への負荷 温度、湿度、滞在時間、体調によって変わる

楽しさの中心 温まる時間、静かな休憩、施設ごとの違い、自分に合う利用方法を知ること

施設で過ごす90分には、身体を洗う時間、入浴、サウナ、冷却、休憩、着替えが含まれます。

サウナ室へ長く入るほど、満足できるとは限りません。

短時間で身体が十分に熱くなる日もあれば、低温のサウナでゆっくり過ごしやすい日もあります。

時間を時計だけで決めず、その日の体調と身体の反応を優先します。


サウナは、温度だけでなく湿度と座る位置で変わる

サウナには、温度や湿度の異なる種類があります。

同じ温度表示でも、湿度や熱の伝わり方によって、感じる負担は変わります。

ドライサウナ

比較的湿度が低く、熱い空気で身体を温めるタイプです。

日帰り温浴施設や銭湯などで見かけることがあります。

段になった座席では、温かい空気が上へ集まるため、一般に上段ほど熱く感じます。消費者庁の資料でも、座る高さやヒーターとの距離によって室内温度が異なることが示されています。

初めてなら、出入口に近い下段から試します。

ミスト・スチームサウナ

蒸気や細かな霧によって、湿度の高い環境を作るタイプです。

表示温度がドライサウナより低くても、湿気によって熱く感じることがあります。

高温の乾いた空気が苦手な人にとって入りやすい場合もありますが、低温に見えるから長時間いてよいとは限りません。

低温サウナ

比較的低い温度で、ゆっくり過ごすことを想定した設備です。

強い熱さを求めずに利用しやすい一方、滞在時間が長くなりやすいため、体調と水分を確認します。

ロウリュやアウフグース

熱した石へ水をかけて蒸気を発生させたり、発生した熱い空気を送ったりするサービスです。

短時間でも体感温度が大きく変わる場合があります。

途中でも熱い、苦しいと感じたら退出します。

セルフロウリュが認められている施設でも、一度に大量の水をかけず、掲示された方法と回数を守ります。高温の蒸気によるやけども報告されています。


初回体験費・初期費用・当日支出を分けて考える

サウナは、温浴施設に用意された設備やレンタル品を使えば、専用用品を購入せずに始められます。

初回体験費

施設利用料 約1,200円

交通費 約300円

飲料や軽い飲食 約300円

タオルなどのレンタル 約100〜300円

合計 約2,000〜2,500円

都市部の専門施設、長時間滞在型の施設、個室サウナなどでは、利用料が高くなることがあります。

初回は、入浴料にサウナ利用が含まれているか、追加料金が必要かを確認します。

初期費用

施設のタオルや館内着を利用し、飲料を現地で購入する場合、

初期費用 ほぼ0円

です。

家庭のタオル、着替え、洗面用品、飲料ボトルを使えば、新しく購入する物はほとんどありません。

当日の支出

一般的な日帰り利用では、

当日の支出 約2,300円

が目安です。

館内で長く休憩する。

食事をする。

マッサージなどを追加する。

時間制の専門施設を利用する。

このような日は、支出が増えます。

年間の費用

月一回ほど、年12〜13回利用する場合、

年間の費用 約29,300円

が目安です。

回数券や会員制度があっても、通える回数を超えて購入しません。

サウナは回数を増やすほどよいものではないため、割引より自分に合う頻度を優先します。


初めての施設は、温度より休憩しやすさで選ぶ

施設を探すと、サウナ室の温度や水風呂の冷たさが目に入りやすくなります。

初めてなら、強い刺激よりも、安全に一連の流れを終えられるかを見ます。

初心者向けの案内がある

利用方法。

室内へ持ち込める物。

ロウリュの方法。

水分補給の場所。

体調不良時の連絡方法。

案内が分かりやすい施設を選びます。

下段へ座りやすい

高温の上段だけでなく、低い位置へ座れるかを確認します。

混雑時には、空いている場所へ無理に入り込まず、次の機会を待ちます。

冷まし方を選べる

水風呂だけでなく、

シャワー。

ぬるめの浴槽。

外気に触れられる場所。

室内の休憩椅子。

複数の方法があると、自分に合う冷却を選びやすくなります。

座って休める場所がある

サウナから出た直後は、すぐに次の行動へ移らず休みます。

椅子やベンチがあり、浴室内を長く歩かなくても休める施設が使いやすくなります。

混雑状況を確認できる

混雑していると、落ち着いて出入りしにくく、休憩場所も使えない場合があります。

初回は、比較的空いている時間帯を選びます。


初めてサウナを利用する日の流れ

1.入館前に体調を確認する

発熱。

強い疲労。

めまい。

息苦しさ。

睡眠不足。

飲酒や二日酔い。

食事や激しい運動の直後。

このような状態では利用を避けます。

消費者庁の注意資料でも、体調不良時、飲酒後、食事・激しい運動の直後などは利用を避け、心臓や血圧などの治療中、妊娠中の場合は主治医へ確認するよう示されています。

2.利用前に水分を取る

サウナへ入ってからではなく、入室前にも水分を取ります。

一度に大量に飲むのではなく、利用前後や休憩時に少しずつ補います。

日本サウナ・スパ協会も、発汗による立ちくらみなどの事故予防のため、サウナ前を含めたこまめな水分補給を勧めています。

3.身体を洗い、熱へゆっくり慣らす

浴室へ入ったら、身体を洗います。

温かいシャワーを手足からかけ、急に高温の環境へ入らないようにします。

身体の水滴を軽く拭いてから、サウナ室へ入ります。

4.下段で短く過ごす

初回は、出入口に近い下段へ座ります。

熱いと感じているのに、予定時間まで我慢しません。

汗の量も、人によって異なります。

胸が苦しい。

息がしにくい。

動悸がする。

頭がぼんやりする。

そのような感覚が出る前に退出します。

5.ゆっくり立ち上がる

立ち上がる前に、足元と扉までの経路を確認します。

急に動くと、ふらついたり、滑りやすい床で転倒したりする危険があります。消費者庁には、サウナ室の出入りや休憩へ移る際の転倒・打撲なども報告されています。

6.身体を自分に合う方法で冷ます

汗をシャワーで流します。

水風呂を使う場合も、いきなり全身を沈めず、自分の体調と施設の案内に従います。

冷たさがつらい場合は入りません。

外気、室内休憩、ぬるめのシャワーなどで、ゆっくり身体を冷ませます。

7.座って十分に休む

椅子やベンチへ座り、呼吸と体調が落ち着くまで休みます。

次のセットへ進むことより、

めまいがないか。

動悸が残っていないか。

水分を取りたいか。

身体が冷えすぎていないか。

を確認します。

8.初回は一回で終えてもよい

サウナ、冷却、休憩を一回行えば、基本的な流れは経験できています。

周囲の人が何度も繰り返していても、同じ回数に合わせません。

入浴や休憩へ切り替え、そのまま終了しても構いません。


水風呂より、休憩までを一つの流れとして考える

サウナの話では、水風呂が大きく取り上げられることがあります。

けれど、初めての人にとって大切なのは、水風呂へ入ることより、温まった後に安全な方法で身体を落ち着かせることです。

水風呂は必須ではない

冷たい水へ入ると、急激な温度差が身体へ加わります。

水風呂が苦手、息苦しくなる、動悸を感じる場合は利用しません。

外気やシャワーだけでも、休憩へ移れます。

冷やしすぎない

長く水風呂へ入り、身体が震えるまで冷やす必要はありません。

冷たさを我慢することを目的にせず、不快感が強くなる前に出ます。

休憩を省かない

水風呂から出て、すぐサウナ室へ戻ると、身体の状態を確認する時間がなくなります。

いったん座り、呼吸とふらつきが落ち着くまで待ちます。

感覚へ名前を付けすぎない

休憩後に、身体が軽い、静かに感じる、気分が切り替わったと感じる人もいます。

一方で、特別な感覚がない日もあります。

決まった状態を目指して刺激を強くするのではなく、「今日はここまでが心地よい」と判断できることを大切にします。


道具は三つの段階で考える

最低限必要なもの

飲料水

フェイスタオル

バスタオル

着替え

財布や決済手段

会員証や予約情報

洗面用品

濡れた物を入れる袋

タオルや館内着を借りられる施設なら、飲料水と着替えだけでも利用できます。

貴金属や金属製品は熱くなり、やけどにつながる可能性があるため、入室前に外します。

続けるなら用意したいもの

サウナハット

速乾性のタオル

温浴用の小型バッグ

保温・保冷ボトル

防水ポーチ

浴室用眼鏡

スキンケア・ヘアケア用品

利用時間と体調の記録

サウナハットは、持ち込みを認めている施設で使います。

専用品であっても、長く我慢するための道具にはしません。

最初は買わなくてよいもの

高価なサウナハット

多数の専用タオル

サウナ用ポンチョ

心拍計

高価な浴室用眼鏡

大型の温浴バッグ

大量の施設巡り用品

最初は家庭のタオルと飲料水で十分です。

実際に何度か利用し、

タオルが乾きにくい。

眼鏡がないと移動しにくい。

館内で長く休みたい。

という具体的な必要が出てから用品を追加します。


安全に利用するために気をつけたいこと

趣味を楽しむ上で、一番重要なのは安全に楽しむことです。
筆者は以前は、温浴施設関係の仕事に携わったことがあります。
温浴施設での死亡事故は、皆さんが思ったよりもずっと高いです。
特に一人での利用は、十分に注意が必要です。
現地や施設のルールに従ってご利用ください。

体調不良・飲酒後には利用しない

熱がある、身体が弱っている、息苦しい、飲酒後や二日酔いである場合は利用しません。

持病、服薬、妊娠などにより不安がある場合は、自己判断より主治医などの指示を優先します。

我慢する時間を作らない

何分入ったか、何セット行ったかを他人と比べません。

熱い、苦しい、気分が悪いと感じたら、その時点で退出します。

消費者庁は、長時間の我慢によって熱中症や重いやけどにつながる可能性があると注意しています。

水分補給を後回しにしない

入室前、休憩時、利用後に少しずつ水分を取ります。

アルコールを水分補給の代わりにしません。

発汗量は体調や環境によって変わるため、のどの渇きだけに頼らず補給します。

急に立つ・走る・冷水へ入ることを避ける

サウナ室から勢いよく出ない。

濡れた床を走らない。

ベンチから飛び降りない。

急に冷たい水へ飛び込まない。

温度差と滑りやすい床の両方へ注意します。

高温部と金属へ触れない

ストーブ。

照明。

壁や窓の一部。

金属製の鍵や装飾品。

室内では思わぬ場所が高温になっている場合があります。

掲示や柵の内側へ手を伸ばさず、セルフロウリュも施設の方法に従います。

異変があればすぐ周囲へ知らせる

めまい。

吐き気。

胸の痛み。

強い動悸。

息苦しさ。

意識がぼんやりする。

これらを感じたら利用を中止し、スタッフや周囲の人へ知らせます。

一人用や貸切施設でも、非常用設備と連絡方法を利用前に確認します。


続けると変わる5段階の楽しみ方

1.短い温熱と休憩を一度体験する

最初は利用前に水分を取り、身体を洗います。

下段へ短く座り、無理を感じる前に退出します。

シャワーや外気で身体を冷まし、椅子へ座って休みます。

自分がどのくらいの熱を負担に感じるかを知る段階です。

2.温度・時間・冷まし方を調整する

複数回利用すると、室温、湿度、座る位置による違いが分かってきます。

水風呂を使うか、シャワーにするか。

一回で終えるか、休憩後にもう一度入るか。

その日の体調に合わせ、自分で選ぶ段階です。

3.施設と目的に合わせて利用する

さらに続けると、ドライ、ミスト、低温などの違いが見えてきます。

静かに休みたい日。

入浴と合わせたい日。

長い館内休憩を取りたい日。

目的に合う施設と利用時間を選び、回数を増やさなくても満足できる段階です。

4.身体負荷と施設の安全を見る

関心が深まると、脱水、急な温度変化、換気、床の状態、緊急設備にも目が向きます。

強い刺激だけを評価せず、

安全に出入りできるか。

休憩場所があるか。

スタッフへ連絡しやすいか。

施設全体を見て選ぶ段階です。

5.自分に合うサウナ習慣を作る

長く続けると、施設、温度、時間、利用後の感覚を比べられます。

利用前後の体調を記録する。

頻度と費用を管理する。

睡眠不足の日は行かない。

刺激を強くするのではなく、利用しない選択も含めて調整します。

サウナを、自分の身体を試す場所ではなく、休息の選択肢の一つとして扱う段階です。


サウナが合いやすいのは、こんな日

浴室で静かに過ごし、日常から少し離れたい日。

短い温熱と休憩を交互に取りたい日。

天候を気にせず、屋内で一人の時間を持ちたい日。

入浴と合わせて、半日より短い気分転換をしたい日。

施設ごとの温度や休憩場所を比べてみたい日。

何かを達成するのではなく、何もしない時間を作りたい日。

一方で、睡眠不足、飲酒後、発熱、強い疲労、体調不良がある日は利用しません。

予定していた日でも、身体の状態によっては入浴だけにする。

休憩スペースで過ごす。

施設へ行かず自宅で休む。

その日の予定より、利用しない判断を優先します。


最初の目標は、決まった回数をこなすことより自分から退出できること

サウナ室へ入ると、周囲の人が長く座っているように見えます。

上段にいる人。

何度も水風呂へ入る人。

時間を測りながら繰り返す人。

自分も同じようにしなければ、十分に楽しめないように感じるかもしれません。

けれど、熱さへの感じ方も、その日の体調も人によって違います。

入室前に水分を取る。

下段へ座る。

数分だけ身体の反応を見る。

まだ我慢できるかではなく、気持ちよく退出できるかを考える。

シャワーで汗を流す。

椅子へ座り、呼吸が落ち着くまで休む。

サウナの最初の目標は、何分入ることでも、水風呂へ入ることでも、決まった回数を繰り返すことでもありません。

熱さを我慢し続けず、「今日はここまでにしよう」と自分で決めて、落ち着いてサウナ室を出ること。

休憩を終えたときに、もう一度入りたい気持ちがあっても、「一回で十分だった」とそのまま帰れたなら、それは物足りなさではなく、自分の身体に合う範囲を守れた最初のサウナ体験です。


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休日のよりみち帖では、気軽に始められるものから、少し時間をかけて楽しみたいものまで、さまざまな趣味やレジャーを紹介しています。
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