ボールバドミントンの楽しみ方
はじめに
黄色い小さな球が、弧を描いて高いネットを越えてくる。足を運び、ラケットの面を合わせて打ち返すと、毛糸でできた球は軽やかに伸び、向こう側で待つ仲間の前へ落ちていきます。羽根球とは違う丸い軌道と、5人で1本をつなぐにぎやかさが、ボールバドミントンならではの景色です。
ボールバドミントンは、インドで育ったチーム制のラケットスポーツです。名前は似ていますが、シャトルを使うバドミントンでも、スポンジ球を打つ室内レクリエーションでもありません。国内ではすぐに参加できる入口がまだ限られるため、まず競技の輪郭を知り、経験者と正式な用具、十分な場所がそろう機会を待つところから始まります。
ボールバドミントンの基本情報
ボールバドミントンの源流は、1856年ごろの南インド、現在のタミル・ナードゥ州タンジャーヴールにたどれます。王家の人々が楽しんだ競技として伝わり、南インドの学校や地域へ広がりました。1954年にはインドの全国競技団体が設立され、1956年にはハイデラバードで最初の全国選手権が開かれています。
中心となる形式は、各チーム5人で行う「ファイブス」です。前に2人、中央に1人、後ろに2人が入り、試合中は状況に応じて位置を入れ替えられます。大会の登録チームは10人で、5人がコートに立ち、残る5人が交代要員となる形です。
公式規則には、2人ずつのダブルスと混合ダブルス、1人ずつのシングルスもあります。ファイブスのコートは幅12m、長さ24m、ダブルスは幅6m、長さ24m、シングルスは幅6m、長さ12mです。一般的なバドミントンコートへ線だけを足せば同じになるわけではなく、形式に合う広さと周辺の安全区域が必要です。
ネットは長さ13.5m、幅1mで、中央の高さを183cmに保ちます。ネットの両側には、ネットラインから1m離れた位置にサービスクリースラインがあり、ファイブスではサービス区域を左右に分ける線も引かれます。屋外コートは日差しの影響を偏らせないよう、南北方向に設けることが勧められています。
使う球は、黄色い羊毛製です。公式の範囲は重さ22〜23g、直径5〜5.5cmで、丸い毛糸球を地面へ落ちる前に打ち合います。手芸用の毛糸を丸めた球や、子ども向けの柔らかな遊具球は、重さ、密度、飛び方がそろわないため、競技球の代わりにはなりません。
ラケットにも独自の基準があり、重さ200〜250g、全長63〜70cm、張り上がった楕円部分は幅20〜22cm、長さ24〜27cmとされています。一般的なバドミントンラケットより重い製品が多く、競技球に合わせた張りと耐久性が必要です。「ボールを打てそう」という見た目だけで、テニスやバドミントンのラケットをそのまま使わないようにします。
サーブは右または左のサービス区域から、斜め向かいへ送ります。球を打つ瞬間は腰より下のアンダーハンドで、ネットを越え、相手側のサービスクリースラインより奥へ入らなければなりません。各サーバーは右から始め、自分のチームが得点してサーブを続けるたびに左右を替えます。同じチームの5人は、決められた順にサーバーを務めます。
現行規則では、ラリーを取った側へ1点が入ります。サーブ側が取れば同じ側が続けてサーブし、レシーブ側が取れば1点と次のサーブ権を得ます。得点方法は改定されることがあるため、その日に採用される規則と審判の説明を確かめます。
ラリーでは球が地面へ触れる前に、どの選手か1人が1打で返します。同じ選手が続けて2度打つ、味方同士のラケットがぶつかる、2本のラケットへ続けて触れる、身体や服へ球が当たる、選手やラケットがネットラインを越えるといった動きはフォルトです。打球時にラケットがネットを越えたり、ネットへ触れたりすることもできません。5人で囲んでも、バレーボールのように味方へつないでから返す競技ではありません。
1ゲームは35点を先取し、34対34からは2点差が必要です。ただし38対38まで並んだ場合は、次の39点目を取った側がゲームを得ます。通常は3ゲームのうち2ゲームを取ったチームが勝ち、準決勝や決勝を3ゲーム制にするか5ゲーム制にするかは大会側が決めます。
各ゲームの通算9点目、18点目、27点目の直後には、両チームがコートの側を替えます。屋外の光や風が片方だけに有利になり続けないための決まりで、競技が自然条件とともに育ったことを感じられる部分です。屋内や照明下で行う場合も、採用する規則と当日の説明を先に確かめます。
近年は南アジアや東南アジアの国々でも交流試合や選手権が行われています。ただし、国や大会によって採用する規則や運営方法が異なることがあります。基本の競技規則を知ったうえで、実際に参加するときは大会要項と審判の説明を優先します。
インドでは全国選手権をはじめとする大会が開かれていますが、旅行者が当日そのまま体験参加できる催しとは限りません。観戦を旅の目的にする場合も、開催日、会場、入場条件を確かめてから交通や宿泊を決めます。
日本では、常設の専用会場や一般向けの定期体験会を見つけにくい競技です。似た名前の教室やラケット競技の施設へ出向いても、羊毛球と専用ラケットを使えるとは限りません。参加者を受け入れている練習や交流の募集を見つけ、用具と指導の有無を確認してから出かけます。
ボールバドミントンにかかる費用
日本国内では定期体験そのものが少なく、共通の料金相場を置きにくい競技です。海外の学校、クラブ、大会でも、旅行者や初心者を受け入れるか、用具を借りられるか、参加費が必要かは場所によって異なります。航空券や宿泊を先に取らず、参加条件と費用の返答を得てから計画します。
個人輸入を考えるときは、現地の本体価格だけで総額を決めないことが大切です。練習向けの木製ラケットは比較的手頃でも、日本までの送料、税、通関時の費用、取扱手数料が加わります。返品や交換が難しい場合もあるため、規格と張り上げ状態を確かめてから注文します。
グラファイト製ラケットには、ストリングを張る前の状態で販売される物もあります。ストリング代と張り上げ作業が別になり、完成後の重さが競技規格へ合わないこともあります。高価な物ほど適しているとは限らないため、重量、長さ、張り上げ後の状態を確認します。
羊毛球は複数個のセットで販売されることが多く、在庫や国際配送の可否も変わります。商品仕様の重量幅が、競技規則の22〜23gから外れる物もあるため、「競技用」という商品名だけでは決められません。個体の重さと直径を確かめ、実際に使う大会や指導者が認める球を選びます。
初回に自分で用意しやすい物は、次のようなものです。
横方向へ動いても足がずれにくい運動靴
肩を回しやすく、汗を逃がしやすい運動着
飲み物、タオル、帽子、着替え
屋外なら日焼け止めと、必要に応じた暑さ対策用品
眼鏡を使う人は、主催者と相談したスポーツバンドや保護眼鏡
5人制を正式な広さで行うには、両側を合わせて10人分のラケット、羊毛球、13.5mのネット、支柱、ライン、24m×12mのコートが必要です。登録チーム全体までそろえるなら人数もさらに増え、個人が休日のために一式を買う規模ではありません。最初は用具と場所を管理する団体へ参加し、貸出の範囲を聞く方が現実的です。
日本で自分たちの練習機会を作る場合も、一般のバドミントン利用料だけでは済みません。ネットの長さと高さ、コートの広さ、ラケットを振る人数が施設の想定と異なるため、管理者から用途の許可を得る必要があります。正式な試合をすぐ再現せず、経験者の指導のもとで短い距離の返球練習から始めるなら、必要な用具と安全区域を分けて相談します。
ボールバドミントンをおすすめする3つの理由
羊毛球ならではの軌道を、ラケットで整える面白さがある
丸い羊毛球はシャトルのように向きが決まっておらず、風や打点、ラケット面の角度によって素直にも不意にも伸びます。強く振るだけでは収まらず、球の下へ入り、手首と面を整えて相手コートへ送る感覚が大切です。返球が狙った高さへ乗った瞬間には、小さな球を丁寧に扱えた手応えがあります。
同じ球でも、前衛へ短く落とすか、後衛の頭上へ深く運ぶかで景色が変わります。丸い球の速さだけでなく、ふくらむような弧や落ち際を読む時間があり、1本のなかに大胆さと繊細さが同居します。ほかのラケット競技を知る人にも、新しい打球感を見つけられます。
5人の位置と声が重なり、1打の意味が大きくなる
ファイブスでは、前、中央、後ろに立つ5人が、それぞれの範囲を守ります。味方へパスできないからこそ、誰が1打で返すかを早く決め、次の球に備えて全員が位置を戻します。「自分が行く」「任せる」という短い声が、ラケットの衝突を防ぎながらラリーをつないでくれます。
得点した人だけが主役になる競技でもありません。前衛が相手の視線を引き、中央が空いた場所を埋め、後衛が深い球を拾うことで、1本の返球が生まれます。5人の間隔がきれいに整ったときの安心感は、個人戦とは違うチームスポーツの喜びです。
光や風まで読み、コートの変化を味方にできる
屋外で育った競技には、日差し、風、球の見え方まで含めて試合を考える面白さがあります。9点、18点、27点で側を替える決まりも、自然条件を両チームで分け合う知恵です。向かい風なら高く上げすぎない、まぶしい側では早めに構えるといった小さな工夫が、得点の流れを変えます。
自然を相手にするからこそ、無理に続けない判断も競技の一部です。風が強くなった、地面が濡れた、光が足りないという変化を全員で見て、審判や管理者の決定に従います。勝敗だけではなく、その日のコートを落ち着いて読む時間まで楽しめます。
始める場所と最初の道具を選ぶ
海外で体験先を探すなら、競技が盛んな地域で活動するクラブへ、初心者や旅行者の見学を受け入れているか問い合わせます。学校や大会名だけを見つけても、一般開放された練習場所とは限りません。対象年齢、練習日、言語、保険、参加費、貸出用具、見学だけでも可能かを先に聞きます。
近年の国際試合は南アジアや東南アジアでも開かれていますが、大会会場がそのまま常設の体験先になるわけではありません。次の募集と受付方法を確かめてから会場へ向かいます。観戦だけの訪問でも、入場条件と撮影の可否を確認しておくと安心です。
日本で経験者や交流団体から体験の案内が出たときは、正式なファイブスか、初心者向けの短縮練習かを聞きます。2人で球を打ち合うだけなら返球練習にはなりますが、公式のシングルス、ダブルス、ファイブスと同じではありません。どこを簡略化するのかを共有し、正式競技を名乗る場合はコートと用具の基準をそろえます。
ラケットは、競技名が明記され、重さと長さが公式範囲に入る物を選びます。通販には、練習用の木製、軽いグラファイト製、張り上げ前の商品が同じ欄へ並ぶことがあります。届いてすぐ使えるか、ストリングの種類と張力を誰が決めるか、交換部品を入手できるかまで販売元へ聞きます。
球は黄色い羊毛製であっても、重さと直径を量ります。表面の毛糸がほどけている、形がゆがんでいる、内部が偏っている球は、予想外の方向へ飛びやすくなります。大会用と練習用を分け、傷んだ球を「柔らかいから大丈夫」と使い続けません。
ネットは一般のバドミントン用より長く、中央183cmへ調整できる専用品が基本です。支柱の強度、張力、固定方法を施設管理者と確認し、壁のフックや軽い移動式ポールへ無理に張りません。選手やラケットがネットラインを越えるとフォルトになるため、中央線と支柱の位置も全員から見えるようにします。
屋外の土や芝で行う場合は、平らで排水がよく、石や穴のない面を選びます。屋内なら床を傷つけないライン材とシューズを使い、天井高や照明、隣のコートとの距離を確認します。24mのコートだけでなく、その外側で止まれる空間まで確保できなければ、正式なゲームは行いません。
初めてボールバドミントンを体験する1日の流れ
前日まで|参加条件と、その日の形式を確かめる
日時、集合場所、対象者、参加費、支払方法、貸出用具を最新の案内で確認します。5人制の練習か、ダブルスか、短縮した初心者体験かも聞き、映像で見た公式試合をそのまま行うと思い込まないようにします。海外で参加する場合は、移動方法と連絡手段も担当者と共有します。
天気と気温を見て、飲み物、帽子、タオル、着替えをまとめます。肩、肘、手首、腰、膝に痛みがある日や、発熱、強い疲れがある日は参加を急ぎません。見学へ替えられるかを事前に聞いておくと、遠くまで出向く日も無理を重ねずに済みます。
到着後|コートの広さと、止まる場所を歩いて見る
受付を済ませたら、境界線、サービスクリースライン、ネットラインを実際に歩いて確かめます。後方と左右の安全区域、支柱、ベンチ、荷物置き場、隣のコートも見ておきます。球を見上げながら下がった先に何があるかを、打ち始める前に知ることが大切です。
給水場所、日陰や休憩区域、救急用品、トイレも確認します。屋外なら風向きと太陽の位置、屋内なら照明のまぶしさと床の滑りを見ます。気になる穴、水分、浮いたラインがあれば、自分で隠さず管理者へ伝えます。
用具確認|球、ラケット、ネットを1つずつ見る
球の材質、重さ、直径がその日の形式に合い、ほどけや変形がないことを指導者と確かめます。ラケットはひび、緩んだグリップ、切れかけたストリングがなく、振ったときに異音がしない物を選びます。借り物へ自己流でテープを巻いたり、張りを変えたりしません。
ネットの高さと張り、支柱の固定、金具の飛び出しも見ます。支柱へ荷物を掛けず、緩みを見つけたら責任者が調整します。靴ひも、眼鏡、アクセサリー、ポケットの物も整え、ラケットを振ったときに落ちたり引っかかったりしない状態にします。
準備運動|足元から温め、肩と手首を少しずつ動かす
歩く、軽く走る、止まる、左右へ動く順に身体を温めます。足首、膝、股関節、背中、肩、肘を痛みのない範囲で動かし、ラケットを持たずに小さなスイングをします。冷えた状態で重いラケットを何度も振り切りません。
ラケットを持ったら、短く握ってゆっくり面を返し、手首に鋭い痛みがないか確かめます。前後左右へ1歩動いてから元の場所へ戻り、味方とぶつからない間隔を覚えます。汗ばむ前から少量の水分を取り、暑い日は準備運動そのものを短く調整します。
最初の返球|手投げの球を、正面へ穏やかに返す
経験者が近い距離から手で送った球を、ラケット面の中央へ当てる練習から始めます。これは打点を覚えるためのドリルで、公式ラリーではありません。最初は1球ごとに受け取り、肩だけで振らず、足と身体の向きで正面へ返します。
次にネットを低くした短い距離など、指導者が決めた安全な条件で2人の返球を続けます。3往復、5往復と少しずつ伸ばし、速さより同じ高さへ送ることを目標にします。球が隣へ外れたらすぐ追わず、周囲のプレーを止めてから拾います。
サーブと配置|斜め奥へ送り、5人の範囲を整える
右のサービス区域に立ち、両足を地面につけたまま、腰より下で球を打ちます。ネットを越えるだけでなく、斜め向かいのサービスクリースラインより奥へ入れる必要があります。初回は強さを求めず、球の下側へ面を入れて大きな弧を作ります。
各サーバーは右から始め、サーブ側が得点して同じ人が続けるときに左右を替えます。線を踏まないことも確かめます。サーブがネットへ触れる、違う区域へ落ちる、腰より高い位置で打つとフォルトです。失敗を急いで繰り返さず、立つ位置、球を離す高さ、面の向きを1つずつ直します。
左前、右前、中央、左後、右後へ入り、それぞれが受け持つ範囲を指導者から教わります。位置は入れ替えられても、全員が同じ球へ走り込めばラケットがぶつかります。「行く」「任せる」と早めに声を出し、迷った球は無理に振りません。
味方へ1度つないでから返す練習は、公式のラリーにはなりません。どの選手か1人が1打で相手コートへ返し、ほかの4人は次の返球へ備えます。打った人を眺めたままにせず、5人の間隔を戻すところまでを1本の動きとして覚えます。
ミニゲーム|短い得点で、公式規則との違いを共有する
最初は9点先取などの短い練習ゲームで、サーブ、返球、フォルト、得点を確かめます。これは体験用の簡易形式で、公式ゲームは35点制です。サーバーの順番や側の交代をどこまで採用するか、開始前に全員で聞きます。
得点より、球を見送る判断と声かけを優先します。ラケットが触れそうな球、支柱の近くへ落ちる球、コート外で止まれない球は追いません。短い区切りごとに水分を取り、手首、肩、膝の疲れを確かめます。
終了後|用具と身体の変化を伝え、次の入口を聞く
急に座り込まず、歩きながら呼吸を整え、肩と前腕をゆっくり休ませます。手首、肘、肩、腰、膝、足首に痛みや腫れがないかを確認し、球やラケットが当たった場所にも変化がないか見ます。痛みやしびれが続くときは、次の練習を自己判断で始めません。
借りた用具を指定どおり返し、ほどけた球、緩んだグリップ、切れかけたストリングを見つけたら報告します。次回の日程が口頭で出ても、正式な募集先と申込方法を確かめます。国内で継続先がない場合は、無許可で場所を作らず、観戦や規則を学ぶ時間も次の機会への足がかりにします。
安全に楽しむために確認したい5つのこと
味方との距離を保ち、ラケットの衝突を防ぐ
5人が同じ側へ入り、1人が1打で返すため、声が遅れると複数のラケットが近づきます。打つ人を早めに決め、前後の選手が同じ線へ走り込まない約束を作ります。迷った球は誰も振らず、落として次のサーブへ移ります。
準備中も、人の後ろで素振りをしたり、ラケットを持ったまま振り返ったりしません。交代選手や見学者はサイドラインから距離を取り、打球区域へ椅子や荷物を置かないようにします。ラケット同士が当たったら、そのまま続けずフレームとストリングを点検します。
軽い羊毛球でも、目や顔への打球に気をつける
公式球は22〜23gと軽くても、近い距離から速く飛べば目、鼻、口へ当たることがあります。初心者同士では強打を抑え、前衛へ向けて顔の高さへ打ち込まないようにします。眼鏡を使う人や目のけがが心配な人は、主催者へ保護眼鏡の使用を相談します。
目に当たり、痛み、見えにくさ、二重に見える、強い充血があるときは、こすらずプレーを止めます。顔面へ強く当たったあとに頭痛、吐き気、めまい、ぼんやりする感じがあれば、その日の競技へ戻りません。必要な応急対応と受診を、会場の責任者や医療専門職へつなげます。
コート、ネット、支柱を施設の許可なく作らない
正式なファイブスは広く、ネットも長いため、一般の体育館や公園が想定する設備と異なります。支柱を十分に固定できない、床へ適切な線を引けない、安全区域を取れない場所ではゲームを行いません。既存のバドミントン用支柱へ長いネットを強く張ることも避けます。
開始前に、地面の穴、石、水分、めくれたテープ、支柱の傾き、金具の露出を点検します。不具合へ布を巻くだけで続けず、管理者の判断を待ちます。コート外へ出た球を拾うときも、別のラリーや通行者が止まったことを確認します。
日差し、風、暑さ、雨の変化を早めに読む
屋外では球の軌道だけでなく、身体の負担も天候で変わります。暑い日は運動前から水分を取り、短い区切りで日陰へ入り、気温、湿度、暑さ指数に応じて時間と強度を下げます。頭痛、吐き気、ふらつき、反応の鈍さがあれば、涼しい場所へ移して競技を中止します。
強風では球が急に流れ、選手が外へ追い出されやすくなります。雨で地面が滑る、雷が近い、日没で線や球が見えにくい場合も、得点途中であっても止めます。公式試合でも天候と明るさを判断するのは審判であり、練習では会場責任者の中止判断を優先します。
手首と肩の疲れを、強いスイングで隠さない
競技用ラケットは一般的なバドミントンラケットより重く、羊毛球を繰り返し打つと手首、前腕、肘、肩へ疲れがたまります。最初は返球数を区切り、握り込みすぎず、足で打点へ入ります。球が飛ばないからと、腕だけで急に振り抜く回数を増やしません。
鋭い痛み、握力の低下、しびれ、腫れ、関節の不安定さがあれば終了します。翌日まで強い痛みが残るときは休み、必要に応じて医療専門職へ相談します。休憩を入れて同じフォームを保てることが、長く競技を楽しむための上達です。
経験を重ねると変わる5つの楽しみ方
第1段階|羊毛球を面の中央で捉え、相手へやさしく返す
最初は手で送られた球へ足を運び、ラケット面の中央で正面へ返します。腕を大きく振るより、球の落ちる場所へ早めに入り、面を安定させます。3往復の穏やかな返球が続けば、丸い球ならではの重さと弧が少しずつ分かります。
相手が同じ姿勢で打てる高さへ返すことを目標にします。外れた球を追いすぎず、打つ前に声をかける習慣もこの段階で覚えます。安全に続く1本が、強い球より確かな土台になります。
第2段階|アンダーハンドサーブと、落とさないラリーを覚える
右から始め、腰より下で打ち、斜め向かいのクリースより奥へ送るサーブを覚えます。自分のチームが得点してサーブを続けるときは左右を替え、線を踏まずに同じ軌道を作ります。返球側は地面へ落ちる前に1打で返し、味方へのパスを挟みません。
短いゲームでフォルトと得点を数えると、1本の正確さが見えてきます。ネットへ触れた球、身体へ当たった球、味方のラケットが続けて触れた球を落ち着いて判断します。規則を守りながら速さを上げないことが、この段階の大切な上達です。
第3段階|5人の配置を整え、空いた場所を補い合う
前2人、中央1人、後ろ2人の役割を知り、相手の打点に合わせて少しずつ位置を変えます。深い球を後衛が拾ったら、中央が次の空間を埋め、前衛は短い返球へ備えます。誰かが動いたあとを別の人が補うと、広いコートが急に小さく感じられます。
攻撃では、前衛の近くへ短く落とす球と、後衛へ深く運ぶ球を使い分けます。強打だけで抜こうとせず、相手5人の間隔を見て空いた場所へ送ります。自分の得点より、5人の形が崩れなかった1本に喜びが生まれます。
第4段階|35点の流れと、屋外条件を含めて試合を組み立てる
35点制では、短いミニゲームより長く集中を保つ必要があります。34対34からの2点差と39点の上限、9点、18点、27点後の側の交代を理解し、サーバーの順番も管理します。風上と風下、光の向きに合わせて球の高さやコースを変えます。
大会では、交代、タイムアウト、審判の合図、各試合の特別要項も確認します。練習の簡易ルールを持ち込まず、迷った判定を感情で押し通しません。長いゲームのなかで体力と気持ちを整えることも、技術の一部になります。
第5段階|現地の大会を訪ね、次の参加者を迎える
インドや周辺国の大会を観戦すると、前衛の反応、中央の位置取り、後衛の深い返球を立体的に見られます。競技の歴史が残る土地を訪ね、学校や地域で受け継がれてきた空気に触れることも、旅とスポーツが重なる楽しみです。参加や撮影は、必ず主催者の条件を確かめます。
経験を重ねたら、初めての人へ軽い球を送り、声のかけ方や安全な間隔を伝えられます。非公式の短縮練習と正式な競技を分け、用具や場所の条件を曖昧にしません。誰かが初めて羊毛球をきれいに返した瞬間を一緒に喜べることも、続けた人ならではの時間です。
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バドミントンの楽しみ方
ラケット面を整え、ネットの向こうへ落ちる前に返す感覚には、共通する部分があります。足を小さく動かして打点へ入り、相手の位置を見て空いた場所へ送る練習も、ラケットスポーツの面白さを深めてくれます。
ただし、バドミントンはシャトルを使う別競技です。ボールバドミントンは羊毛球、独自の重いラケット、5人制の広いコートを使うため、用具や施設を無断で共有しません。
ソフトバレーボールの楽しみ方
ネットを挟んで仲間と位置を補い合い、声をかけて1本を守るところには、チーム競技らしい共通点があります。柔らかな球を使うため、球の速さだけでなく、落ちる場所を早めに読む面白さも味わえます。
ソフトバレーボールでは手や腕を使い、チーム内で球をつないで返します。ボールバドミントンはラケットを使い、1人の1打で相手側へ返すため、接触回数と安全な間隔を混同しないようにします。
ピックルボールの楽しみ方
ネットを挟み、相手の位置を見ながらラケット状の用具でコースを作るところには、共通する面白さがあります。球の速さだけに頼らず、短い球と深い球を使い分ける時間は、珍しいラケット競技へ入るきっかけにもなります。
ピックルボールは硬質の穴あきボールをパドルで打ち、規則に従ってバウンドさせる別競技です。ボールバドミントンは羊毛球とストリングを張ったラケットを使い、球を地面へ落とさず返すため、球、用具、ラリーの条件を混同しません。
黄色い羊毛球を追う時間が、5人の呼吸を近づける
ボールバドミントンの魅力は、珍しい羊毛球を打つことだけではありません。前、中央、後ろに散らばる5人が声をかけ、誰か1人の返球を残る4人が支える。1本のラリーを重ねるほど、広いコートに見えない線が引かれ、チームの呼吸が整っていきます。
日本では、すぐ参加できる場所も用具もまだ見つけにくい競技です。それでも、現行規則を知り、正式な用具と安全な場所、教えてくれる人がそろう機会を待てば、名前だけだった競技に少しずつ輪郭が生まれます。黄色い球が初めてネットを越える日は、遠くのスポーツが自分の休日へ近づく日になります。
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