フリースタイルフットボールの楽しみ方
はじめに
足の甲で小さくボールを蹴り上げ、落ちてくる位置へ身体を合わせる。
一度目は身体から離れ、二度目は高く上がりすぎる。それでも何度か繰り返していると、ふと同じ高さでボールが返ってくる瞬間があります。右足、左足と交互につながり、ほんの数秒だけ自分の近くへボールを留められます。
フリースタイルフットボールは、サッカーボールと身体を使い、技術、リズム、動きの流れを組み合わせて表現する活動です。
足だけでなく、膝、頭、肩、胸、背中などを使ってボールを操り、技から技へつないでいきます。サッカーのようにゴールを奪うことが目的ではなく、一つの技を美しく決めることや、自分らしい組み合わせを作ることが楽しみになります。
「サッカー経験がなければ難しいのではないか」
「最初からボールを足の周りへ一回転させるような技を練習するのだろうか」
「一緒に練習するチームがなければ続けられないのではないか」
そのように感じるかもしれませんが、入口は一人で行う短いリフティングから始まります。広いグラウンドや試合相手も必要なく、ボールを蹴ってよい安全な場所があれば、10分ほどの練習から楽しめます。
サークルや練習会は、技を見てもらったり、他の人の動きから学んだりする場所です。所属しなければ成立しないものではなく、一人で始めた趣味を少しずつ外へ広げる選択肢として利用できます。
一回多くボールが続いた。昨日より静かに足へ乗った。ばらばらだった二つの技が、一つの流れになった。
その小さな変化を積み重ねながら、ボールとの距離を自分で整えていく趣味です。
フリースタイルフットボールの基本情報
主な楽しみ方 一人で基本技を練習し、慣れたら音楽や複数の技を組み合わせて短いルーティンを作る
おすすめの頻度 週1回のまとまった練習と、週1〜2回の短い復習
1回の練習時間 60〜90分ほど
短時間で楽しむ場合 ウォーミングアップを含めて20〜30分ほど
交流会や練習会の日 移動や休憩を含めて2〜3時間ほど
主な練習場所 ボール使用が認められた公園、多目的広場、体育館、フットサルコート、レンタルスタジオ
一人で始められるか 基本練習は一人ででき、チームや対戦相手は必要ない
サッカー経験 経験がなくても始められるが、基礎的なボールタッチに慣れる時間は必要
天候の影響 屋外では雨、強風、暑さの影響を受けるが、屋内施設でも練習できる
最初の目標 足の甲でボールを数回続け、最後に足の上で静かに止める
週1回だけでも続けられますが、一度に長く練習するより、20〜30分の短い練習を間へ入れる方が、ボールへ触れる感覚を保ちやすくなります。
毎回新しい技を覚える必要はありません。前回と同じ技を撮影し、ボールの高さ、軸足の位置、身体の傾きを比べることも、十分に一回の練習になります。
フリースタイルフットボールにかかる費用
フリースタイルフットボールは、手持ちの運動着とサッカーボールがあれば、ほとんど費用をかけずに始められます。
競技専用の道具を最初から一式そろえる必要はありません。一般的なサッカーボールで基礎を練習し、続けたいと感じてから、好みに合うボールやシューズを選べます。
最小限で始める場合
最初に必要なのは、ボール、動きやすい服、練習場所に合う靴です。
すでにサッカーボールや運動靴を持っている場合、追加費用は0円です。ボールを新しく購入する場合は、一般的な練習球なら3,000〜7,000円ほどから探せます。
サッカーボール 約3,000〜7,000円
動きやすいウェア 手持ち品なら0円
運動靴 手持ち品なら0円
飲み物とタオル 普段使っているもので対応可能
最小限の初期費用 0〜7,000円ほど
最初は、表面が極端に滑らず、空気が適切に入った一般的な4号球または5号球を使います。どちらが扱いやすいかは、体格、技、慣れてきたボールの大きさによって変わります。
特定の大会や練習会へ参加する場合は、使用するボールの条件が指定されることもありますが、日常の基礎練習では専用球でなければ始められないわけではありません。
専用のボールを選ぶ場合
フリースタイル向けのボールには、足へ触れたときの感触、表面のグリップ、耐久性、デザインなどに特徴を持たせた製品があります。
価格は6,000〜1万4,000円ほどになることがあり、一般的な練習球より高くなる場合もあります。ただし、専用球へ替えれば急に技ができるようになるわけではありません。
今のボールが滑りやすい。屋内練習が中心になった。足へ乗せる技を練習する時間が増えた。そのように、欲しい感触が具体的になってから選ぶ方が違いを判断しやすくなります。
ボールを購入するときは、次の点を確認します。
・4号球か5号球か
・屋内と屋外のどちらで使うか
・表面に適度なグリップがあるか
・硬すぎず、足へ当てたときに扱いやすいか
・交換や返品の条件
・指定された空気圧
・大会や練習会で使える仕様か
空気を多く入れすぎると、ボールが硬く跳ねやすくなります。少なすぎる状態で使い続けても、形や感触が変わるため、製品に表示された範囲へ合わせます。
シューズを新しく用意する場合
最初は、底が平らで動きやすい運動靴やフットサルシューズを使えます。
足の甲でボールへ触れるため、厚く硬い靴より、足の感覚が分かりやすく、脱げない程度にフィットするものが向いています。靴ひもや大きな装飾が引っかからないことも確認します。
一般的な運動靴や室内用シューズ 約4,000〜10,000円
フットサルシューズ 約5,000〜15,000円
フリースタイル向けシューズ 約8,000〜15,000円
屋内施設では、靴底の色や形、屋外で使用した靴の持ち込みが制限される場合があります。場所を決める前にシューズを買わず、施設の利用条件を確認してから選びます。
屋外の芝生やグラウンド用のスパイクは、体育館やスタジオでは使用できません。フリースタイルでは同じ場所で細かな足運びを繰り返すため、床に合う靴底と、安定して立てる形を優先します。
練習場所にかかる費用
公園や広場を利用できれば、場所代はかかりません。ただし、すべての公園でボールを蹴ってよいわけではなく、球技禁止、時間制限、壁当て禁止などの決まりがあります。
体育館や公共施設では、個人利用が1回数百円程度で用意されていることがあります。複数人でフットサルコートやスタジオを借りる場合は、全体の料金を参加者で分けます。
無料の公園や広場 0円
公共体育館の個人利用 1回数百円ほどから
練習会やワークショップ 1回1,000〜5,000円ほどになることもある
レンタルコートやスタジオ 施設料金を参加人数で分担
サークルやスクールでは、月会費、参加費、施設代、保険料などが分かれている場合があります。体験時には、毎週参加が必要か、単発参加ができるか、休会制度があるかを確認します。
年間費用の目安
手持ちのボールと靴を使い、無料の場所で練習するなら、年間費用は飲み物や交通費を除いてほとんどかかりません。
ボールとシューズを新しく用意し、ときどき有料施設や練習会を利用する場合は、初年度で2万〜6万円ほどが一つの目安です。毎週スクールへ通う場合や、遠方のイベントへ参加する場合は、それ以上になります。
大会への出場料、遠征交通費、衣装、撮影用品などは、続けた先に選ぶ任意費用です。趣味として技を楽しむだけなら、毎年大会へ出る必要はありません。
フリースタイルフットボールをおすすめする3つの理由
1.一回多く続いたことが、その場で分かる
フリースタイルフットボールでは、練習の結果がとても小さな単位で現れます。
昨日は3回で落ちていたリフティングが、今日は4回つながった。足へ乗せようとすると転がっていたボールが、一瞬だけ静かに止まった。練習を始めたときには離れていたボールが、終わるころには少し近くへ戻るようになった。
誰かに採点してもらわなくても、自分で変化を確かめられます。
成功回数だけでなく、ボールの高さがそろった、余計な力を入れずに蹴れたという感覚も残ります。大きな目標へ進む途中に、小さな成功がいくつも見つかることが、続けやすさにつながります。
2.同じ技でも、つなぎ方によって自分の動きになる
一つの基本技を覚えた段階では、他の人と同じ動きに見えるかもしれません。
けれど、右足から始めるか、左足から始めるか。高く上げるか、足もとで小さく続けるか。技の間に一歩入れるか、身体の向きを変えるか。音楽のどこで止めるかによって、見え方は変わります。
技を増やすことだけが、表現を広げる方法ではありません。
簡単なリフティングから足へ止め、身体の周りを回り、もう一度蹴り上げる。同じ三つの動きでも、速さや間を変えると、自分で選んだ流れになります。
正しい一つの形へ近づくだけでなく、覚えた動きを材料にして、自分なりの組み合わせを作れるところが魅力です。
3.一人の練習と、仲間との時間を行き来できる
チームスポーツでは、人数や会場がそろわなければできない練習があります。フリースタイルフットボールは、一人で進められる時間が多く、生活に合わせて続けやすい活動です。
休日には広い場所で練習し、平日は自宅の近くで足へ乗せる動きだけを確認する。誰かと予定が合わなくても、自分の課題を進められます。
一方で、練習会へ参加すると、動画では分からなかった身体の向きや、ボールを上げる位置を教えてもらえます。他の人が同じ技をどのようにつないでいるかを見ることも、大きな刺激になります。
一人で集中する時間と、互いの技を見せ合う時間の両方を持てることが、フリースタイルフットボールの続けやすさです。
サッカーのリフティングとは何が違う?
サッカーの練習でも、ボールを地面へ落とさずに続けるリフティングを行います。フリースタイルフットボールの入口も、足の甲や膝を使った基本的なリフティングです。
違いは、その先の目的にあります。
サッカーでは、試合中にボールを止める、運ぶ、蹴るための感覚を養うことが中心です。フリースタイルフットボールでは、ボールを扱う技そのものを見せ、複数の動きを一つの表現へつなげます。
足の周りをボールが通る。首の後ろへ止める。座った姿勢で左右の足を使う。身体の向きや高さを変えながら、音楽へ合わせて流れを作る。
そのため、サッカーが上手ならすぐにすべての技ができるわけではなく、サッカー未経験者にも自分のペースで覚えられる余地があります。
試合中の速い判断や対人プレーが苦手でも、同じ技を繰り返し、自分のタイミングを整えることが好きな人には向いています。
最初に用意したいもの
サッカーボール
初回は、家にある一般的なサッカーボールでかまいません。表面が大きく破れ、形がゆがんだボールや、空気が抜けた状態のものは避けます。
硬さや表面の感触は製品ごとに違います。友人や練習会で別のボールを試す機会があれば、足へ当たった感触、止めやすさ、屋外での滑り方を比べてから購入します。
動きやすい服
足を高く上げたり、膝を曲げたりできる服を選びます。裾が長すぎるパンツや、足へまとわりつく服は、ボールや靴へ引っかかることがあります。
最初はスポーツ用のTシャツ、ハーフパンツ、ジャージなど、手持ちのもので十分です。汗をかいた後に身体を冷やさないよう、気温に応じて着替えも用意します。
練習場所に合うシューズ
靴の中で足が動きすぎず、靴ひもを結んだときにかかとが浮かないものを使います。底が極端に厚い靴では、足裏でボールを転がす感覚が分かりにくいことがあります。
古い靴を使う場合は、靴底のはがれや、すり減りを確認します。左右へ踏み込んだときに滑る靴では練習しません。
飲み物とタオル
止まってボールを扱う姿が多くても、片脚立ち、細かなジャンプ、足の振り上げを繰り返すため、身体は少しずつ温まります。
屋内でも水分を用意し、まとまった休憩を取ります。夏の屋外では、飲み物だけでなく、日陰や冷房のある休憩場所も先に確認します。
撮影できるスマートフォン
動画は、上手に見せるためだけではなく、動きを確認する道具になります。
正面と横から撮ると、ボールを上げる位置、軸足の曲がり、身体の傾きが分かります。最初から特別なカメラや三脚を購入せず、スマートフォンを安全な場所へ固定できれば十分です。
最初は、練習場所を慎重に選ぶ
フリースタイルフットボールでは、ボールが思わぬ方向へ飛ぶことがあります。技が安定していない時期ほど、見た目より広い空間が必要です。
人や自転車が頻繁に通る道、駐車場、車道の近く、窓や展示物がある場所では練習しません。公園でも、小さな子どもの遊び場や、散歩をする人の近くは避けます。
練習前には、自分の周囲だけでなく、ボールが転がった先まで見ます。
・ボール使用が認められているか
・地面に穴や段差がないか
・雨や砂で滑りやすくなっていないか
・頭上に照明や低い枝がないか
・ガラス、車、自転車、人へ当たる可能性がないか
・音楽を流してよい場所か
・撮影してよい施設か
・利用時間や靴の決まりがあるか
屋外では、コンクリートよりも、平らで適度に衝撃を受け止める地面の方が、着地時の負担を抑えやすくなります。ただし、芝生が深すぎるとボールが転がりにくく、足元の凹凸が見えにくくなるため、技に合わせて場所を選びます。
体育館やスタジオでは、施設指定の室内履きを使い、床へ黒い跡を付けないことや、ボールの使用範囲を確認します。
初めての練習は、ボールを低く保つ
初心者は、ボールを高く蹴り上げるほど時間に余裕ができるように感じます。けれど、高く上げたボールは落下位置がずれやすく、身体全体で追いかけることになります。
最初は、膝より少し低い高さを目安に、小さく蹴ります。
足首を大きく振らず、足の甲を上へ向け、ボールの下側へ静かに当てます。ボールが前へ飛ぶ場合は足先が前へ向きすぎ、身体側へ戻る場合は当てる位置がずれている可能性があります。
「落とさずに何回続けるか」だけを追うと、ボールを追いかけながら無理な姿勢になりやすくなります。
自分の正面へ1回蹴り、手で取る。
右足で1回、左足で1回蹴って手で取る。
同じ高さへ2回返して手で取る。
このように、最後を自分で止めながら練習すると、成功した感覚を覚えやすくなります。
最初に覚えたい基本の動き
足の甲を使ったリフティング
足の甲でボールを真上へ返す、すべての入口になる動きです。
軸足の膝を軽く曲げ、身体を起こし、ボールの下へ蹴る足を入れます。つま先を強く上へ反らせるのではなく、足首を安定させ、甲の中央付近へ当てます。
右足だけ、左足だけ、左右交互という順に練習します。得意な足だけで回数を伸ばすより、苦手な足でも一回返せるようにしておくと、後から技をつなぎやすくなります。
ももを使ったリフティング
膝そのものではなく、太ももの平らな部分でボールを上へ返します。足の甲より広い面を使えるため、ボールの位置を整える動きとして役立ちます。
ももを高く上げすぎず、ボールが当たる瞬間に面を水平へ近づけます。身体が後ろへ反る場合は、ボールが近すぎたり、高く上げすぎたりしている可能性があります。
フットストール
足の甲へボールを乗せ、短い時間だけ止める技です。
最初から落ちてくるボールを受けるのではなく、手から低い位置へ落とし、足を少し下げながら勢いを吸収します。足を固く止めるより、ボールと一緒にわずかに下げる方が跳ね返りにくくなります。
ボールが止まった時間が一秒に満たなくても、足の上で一度速度が落ちれば、次へつながる感覚になります。
アラウンド・ザ・ワールド
蹴り上げたボールが空中にある間に、足をボールの周りへ一周させる代表的な技です。
見た目は大きな動きですが、最初はボールを回すのではなく、ボールの周囲へ足を通します。リフティングが安定し、ボールを自分の近くへ同じ高さで上げられるようになってから練習します。
足首だけで急いで回そうとせず、股関節と膝を使い、低い高さから動きを分けて覚えます。
短いコンボ
一つの技ができたら、難しい技を増やす前に、二つか三つをつなげます。
右足のリフティング。
左足のリフティング。
ももへ上げる。
足へ止める。
この短い流れも、立派なコンボです。最後までつながらない場合は、技そのものではなく、次の動きへ入りやすい高さと位置を見直します。
技は大きくいくつかの方向へ広がる
フリースタイルフットボールには、身体のどこでボールを扱うかによって、異なる動きがあります。
ローワー
立った姿勢で、主に足や脚を使う技です。リフティング、足の周りを回す技、足同士の間を通す技などが含まれます。
細かな足運びと、片脚で身体を支える力が必要になります。最初は回転の速さより、ボールを同じ位置へ上げられることを優先します。
アッパー
頭、肩、胸など、上半身を使ってボールを扱います。
額でのリフティング、首の後ろへ止める動き、肩から反対側へ移す動きなどがあります。首や背中へ無理な姿勢を作らず、低い位置から段階的に練習します。
シットダウン
床へ座った姿勢を中心に、足や脚でボールを操ります。
立った姿勢とはボールの見え方が変わり、足を持ち上げたまま動かすため、腹部や股関節も使います。床の硬さを確認し、必要に応じて薄いマットを使います。
ブロックやストール
足、脚、首などへボールを挟んだり、乗せたりして止める動きです。
一瞬の静止が入ることで、速い技の流れに変化が生まれます。強く挟み込むのではなく、ボールの位置と身体の形を合わせます。
トランジションとグラウンドの動き
立つ、座る、寝た姿勢へ移る間の動きや、床へ手をつきながらボールを扱う表現もあります。
転倒や手首への負担が増えるため、基本のボールコントロールと安全な体重移動を身につけてから進みます。アクロバットを伴う技は、一人で見よう見まねに行わず、経験のある指導者から教わります。
すべての方向を同じように練習する必要はありません。
足技を細かくつなぐことが好きな人もいれば、ゆっくりしたストールや上半身の動きを中心にする人もいます。好みが見つかること自体が、続ける楽しみになります。
60分練習するときの流れ
まとまった時間を取れる日は、最初から技を繰り返さず、身体とボールの両方を少しずつ動かします。
場所と体調の確認 5分
地面、周囲、靴ひも、ボールの状態を見ます。痛みや強い疲れがある日は、練習内容を軽くします。
ウォーミングアップ 10〜15分
歩く、軽く弾む、足首を動かす、股関節を開く、片脚でバランスを取るといった動きから始めます。身体が温まる前に、高く脚を振り上げたり、速い回転技を行ったりしません。
基本のボールタッチ 10〜15分
左右の足で一回ずつ返す、ももへ移す、手で受けるという簡単な動きで、ボールの高さを整えます。
今日の技を一つ練習する 15〜20分
新しい技を一つに絞り、成功と失敗を短い動画で確認します。同じ動きを長時間続けず、数分ごとに足を替えたり休憩したりします。
技をつなぐ 10分
今日の技を、すでにできるリフティングやストールへつなげます。成功率が下がったら、二つの動きへ戻します。
クールダウンと記録 5〜10分
ゆっくり歩き、呼吸を整えます。成功した回数よりも、次回に直したいことを一つだけ書きます。
2時間以上続ける場合も、ずっと技を繰り返すのではなく、休憩、見学、撮影、他の人との会話を挟みます。疲れた状態で回転技を続けても、軸足が崩れやすくなります。
動画は、成功と失敗の両方を残す
練習動画を見ると、自分ではまっすぐ立っていたつもりでも、身体が大きく傾いていることがあります。
ボールを高く上げすぎている。軸足が毎回ずれている。技へ入る前に肩へ力が入っている。目で見ると、次の練習で変える場所が一つに絞れます。
撮影するときは、スマートフォンをボールが当たりにくい位置へ置きます。通行人や他の利用者が映り込まない方向を選び、施設の撮影ルールを確認します。
毎回きれいな動画を公開する必要はありません。
同じ技を一週間おきに撮り、自分だけで見返す方法もあります。最初に失敗した映像が残っていると、数か月後に動きが小さく整ったことへ気づけます。
SNSへ投稿する場合は、背景へ映った人、施設名、位置情報、音楽の扱いにも配慮します。練習仲間の動画は、本人の了承なく公開しません。
サークルや練習会へ参加する
一人で練習を続けていると、同じ場所で何度もつまずくことがあります。
動画を見ても、ボールを上げる位置が悪いのか、足を回すタイミングが遅いのか、自分では分からないこともあります。練習会では、実際の動きを見てもらい、一つの修正点を教えてもらえます。
参加先を探すときは、次の内容を確認します。
・初心者や未経験者が参加できるか
・見学や体験ができるか
・年齢や参加条件があるか
・毎回参加する必要があるか
・練習場所と床の種類
・参加費や施設代
・ボールを借りられるか
・屋内用シューズが必要か
・撮影や音楽のルール
・けがや体調不良時の対応
・大会志向か、交流中心か
経験者が多いことより、初心者の練習スペースがあり、難しい技を無理に勧めない雰囲気が大切です。
初回は、できる技を見せなければならないと考えず、普段のリフティングから始めます。技名が分からなくても、「ボールが前へ逃げる」「足へ止めたい」と伝えれば、必要な練習を教えてもらえます。
音楽に合わせて短い流れを作る
基本技がいくつかつながるようになったら、音楽へ合わせて動く楽しみが加わります。
最初は一曲すべてを使わず、8拍や16拍ほどの短い部分を選びます。音の強い場所でボールを止める。静かな部分では小さくリフティングする。曲の切れ目で身体の向きを変える。
高度な技をたくさん入れるより、音と動きが合う場所を一つ作る方が、流れとして見えやすくなります。
技が失敗したときも、すぐに止めず、簡単なリフティングへ戻って続ける練習をします。パフォーマンスでは、すべてを予定通り行うことだけでなく、その場で流れをつなぎ直す力も必要になります。
音楽を使う施設では、音量と利用ルールを守ります。屋外でスピーカーを使う場合も、周囲の住居や利用者へ届く音を考えます。
バトルとショーケースの違い
フリースタイルフットボールには、技を競い合うバトルや、音楽に合わせて演技を見せるショーケースがあります。
バトルでは、向かい合った選手が交互に技を見せ、技の難しさだけでなく、安定したコントロール、動きの種類、独自性、スタイル、音楽との関わり、全体の見せ方などが見られます。
大会によって、持ち時間、ラウンド数、参加区分、審査方法は異なります。初めて観戦するときは、技名をすべて理解しようとせず、ボールを落とさずにつないだ流れ、音へ合わせた瞬間、相手の動きに対する返し方を見てみましょう。
ショーケースでは、一人または複数人で、あらかじめ考えた構成を披露します。イベント、舞台、学校や地域の催しなど、競技以外の場所で演じる機会もあります。
大会や発表を目指さず、自分の動画を一つ完成させることを目標にしてもかまいません。見せる場所の大きさに関係なく、始まりと終わりを決めて一つの流れを作ることが、表現を深めます。
安全に楽しむために
フリースタイルフットボールは、接触相手がいなくても、片脚で立つ、ジャンプする、脚を素早く回す動きを繰り返します。
特に足首、膝、股関節、すね、ふくらはぎ、太もも、腰へ負担が集まりやすいため、身体が温まる前に高難度の技を行いません。
練習前には、軽く歩き、足首を回し、かかとの上げ下げや片脚立ちを行います。続けて小さなリフティングを行い、身体とボールの感覚を同時に整えます。
次の点も毎回確認します。
・靴ひもがほどけていない
・靴底が滑らない
・地面に水、砂、段差がない
・周囲に十分な空間がある
・指輪、ネックレス、長いアクセサリーを外した
・疲労や痛みが強くない
・飲み物と休憩場所がある
・難しい技を一人で無理に試していない
同じ足だけで技を繰り返すと、軸足と蹴る足の両方へ負担が偏ります。左右を交替し、数分ごとに休みます。
足首や膝へ鋭い痛みが出た、着地でひねった、腰や股関節に違和感が続くという場合は、その日の練習を止めます。一度休んで軽くなっても、再開すると痛む場合は無理をしません。
手を床へつく技、逆立ち、宙返りに近い動き、頭や首へ体重がかかる動きは、経験者の指導と適した練習環境が必要です。動画で見た動きを、硬い地面で突然試すことは避けます。
暑さ、雨、風へ対応する
屋外練習では、天候によってボールと身体の両方が変わります。
雨で濡れた地面は滑りやすく、ボールも足から離れやすくなります。小雨だから続けられると考えず、靴底と着地場所を確認し、安全に動けない場合は中止します。
強風の日は、蹴り上げたボールが流されます。風を利用した練習ではなく、思わぬ場所へ飛ぶ可能性があるため、人や車の近くでは行いません。
暑い日は、日差しの下で長く続けず、開始前から水分を取ります。日陰で休み、頭痛、めまい、吐き気、寒気、反応の鈍さが出た場合はすぐに練習を止めます。
気温が高い時間を避け、朝や夕方へ移す方法もあります。ただし、暗くなると地面の段差やボールを見失いやすいため、照明のある安全な場所を選びます。
雷が聞こえた場合は、雨が降っていなくても活動を中断し、丈夫な建物や自動車の中など安全な場所へ移動します。
練習後はボールとシューズを確認する
屋外で使ったボールには、砂、泥、水分が付いています。乾いた布や、製品の手入れ方法に合う方法で汚れを落とし、風通しのよい場所で乾かします。
強い洗剤や熱湯を使ったり、暖房器具の近くで急に乾かしたりすると、表面や接着部分を傷める可能性があります。ボールごとの案内を確認します。
シューズも、靴底の砂を落とし、中の湿気を逃がします。濡れたままバッグへ入れておくと、においや傷みにつながります。
ボールの空気が急に抜ける、縫い目や接着部が開いている、表面が大きくはがれている場合は、そのまま使い続けません。空気入れの針を差すときも、バルブを傷めないよう、対応する方法で扱います。
練習道具を片付けるところまで含めると、次回も同じ感触から始められます。
続けるほど変わる五つの楽しみ方
第1段階 ボールを自分の近くへ返す
最初は、何回続いたかより、蹴ったボールが自分の正面へ戻ることを目指します。
一回蹴って手で取る。右足と左足で一回ずつ返す。ももを挟んで三回つなぐ。短い動きを確実に終えられると、ボールへ振り回される感覚が少しずつ減っていきます。
足へボールが当たった音や、高さの違いも練習の手がかりになります。
第2段階 基本技を同じ形で繰り返す
リフティングやフットストールが一度成功したら、偶然で終わらせず、同じ入り方からもう一度試します。
足を置く場所、ボールを上げる高さ、目線を決めると、成功した理由が少しずつ見えてきます。難しい技を増やすより、基本技を安定して終えられることが、次の流れを支えます。
第3段階 自分の好きな方向を見つける
足の周りを素早く回す技が好きなのか、ボールを静かに止める技が好きなのか。座った姿勢、上半身の技、音楽との組み合わせなど、興味の向く方向が分かれてきます。
すべてを均等に覚えなくてもかまいません。
好きな動きを中心にしながら、つなぎに必要な基本技を加えると、自分らしい流れが生まれます。
第4段階 音楽と構成を使って見せる
複数の技を、始まりから終わりまで一つのルーティンへまとめます。
速い部分と静かな部分を作り、ボールを止める場所、身体の向きを変える場所を決めます。難しい技を成功させるだけでなく、見ている人へ動きの流れが伝わるようになります。
希望する人は、練習会、バトル、ショーケース、地域のイベントなどへ参加できます。
第5段階 技と経験を人へつなげる
続けてきた経験は、初心者へボールの上げ方を伝えたり、練習場所を整えたりする場面でも役立ちます。
技の動画を記録する。安全な練習方法を共有する。交流会を手伝う。仲間と一つのパフォーマンスを作る。
大会で上位を目指すことだけが、フリースタイルフットボールの到着点ではありません。自分のスタイルを持ちながら、始めたばかりの人が安心してボールへ触れられる場を支えることも、長く続けた先の楽しみです。
あわせて楽しみたい関連する趣味
リフティング
リフティングは、足、もも、頭などを使い、ボールを地面へ落とさずに続ける活動です。技の組み合わせより、まずボールを自分の近くへ保つ感覚を身につけたい人に向いています。
フリースタイルフットボールへ進む前の基礎としてだけでなく、回数や左右の安定を自分のペースで追える、一つの趣味としても楽しめます。
ブレイクダンス
ブレイクダンスは、音楽を聞きながら、立ったステップ、床での足運び、回転、静止などを組み合わせるダンスです。技の難しさだけでなく、動きをつなぐ間や、自分らしい見せ方を考えるところがフリースタイルフットボールと重なります。
ボールを使わずにリズムや身体の向きを練習すると、パフォーマンス全体の見え方を考えるきっかけになります。
サッカー
サッカーでは、ボールを止める、蹴る、運ぶ技術を、味方や相手がいる状況で使います。フリースタイルフットボールで育てた足もとの感覚を、パス、トラップ、ドリブルへつなげられます。
反対に、サッカーで覚えた左右のボールタッチや身体のバランスが、フリースタイルの基本技へ役立つこともあります。
足もとの一回から、自分の流れを作っていく
最初にボールを蹴り上げたときは、思っていた場所へ戻ってこないかもしれません。
前へ飛び、横へ転がり、追いかけては拾う。その繰り返しの中で、足のどこへ当てれば上へ返るのか、どのくらい膝を曲げれば身体の近くへ残るのかが少しずつ分かってきます。
一つの技ができても、完成ではありません。
次の技へどのようにつなぐか。どの速さで動くか。どこで一度ボールを止めるか。同じ技を使っても、選び方によって自分の流れへ変わります。
次の休日は、ボールを一つ持ち、安全に使える広い場所へ出てみてください。
右足で一回蹴って、手で取る。左足でも一回蹴って、手で取る。最後に両足で一回ずつつなげてみる。
ほんの数秒でも、思った高さへボールが返ってきたとき、そこからフリースタイルフットボールの時間が始まります。
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