3DCGの楽しみ方
はじめに
画面の中央に、灰色の立方体が1つ浮かんでいる。少し横へ伸ばし、角を丸くし、上に小さな取っ手を付けてみると、ただの図形が、いつの間にかマグカップのような形へ変わっていきます。
そこへ色を付け、床を置き、斜め上から光を当てる。カメラの位置を少し下げて画像を書き出せば、画面の中だけに存在する小さな品物が、写真に撮ったような1枚として残ります。
3DCGに興味があっても、「高性能なパソコンが必要なのでは」「操作が複雑で覚えられないのでは」「絵が描けなければ難しいのでは」と感じるかもしれません。確かに扱える機能は多く、細かな作品ほど相応の機器性能も必要になりますが、最初から人物や広い街を作る必要はありません。
箱、机、カップ、積み木のような単純な形を組み合わせ、色と光を加えるところから始められます。形を作るだけでなく、素材の手触り、光の向き、カメラから見える構図まで自分で決められる、奥行きのあるデジタル制作です。
3DCGの基本情報
主な楽しみ方 立体物や空間を作り、色、材質、照明、カメラを整えて画像や映像へ仕上げる
おすすめの頻度 週2〜3回。短い操作を繰り返すと、画面の動かし方を覚えやすい
1回の制作時間 約90〜150分
短時間で楽しむ場合 約30〜40分から。形を1つ作る、材質を1つ試すなど工程を分けられる
主な制作場所 自宅のパソコン作業環境
最初の完成目標 机の上へ小物を3つほど置いた静止画
始めるために必要なもの 対応するパソコン、3DCGソフト、マウス、保存場所
天候の影響 ほとんど受けない。外で観察した建物や小物を、自宅で立体へ作り直すこともできる
始めやすさ 無料ソフトから始められる一方、画面操作と立体的な考え方に慣れるまで少し時間がかかる
3DCGは、コンピューター上で立体物や空間を作り、画像や映像として表現する活動です。映画やゲームのような大規模な作品だけでなく、商品を思わせる小物、室内、建物、抽象的なオブジェ、短いアニメーションなど、個人でもさまざまな制作を楽しめます。
「3Dモデリング」は、主に立体の形を作る工程を指します。3DCGでは、そこへ表面の質感、照明、カメラ、背景、レンダリングなどを加え、最終的な見え方まで整えます。形作りが好きな人もいれば、光や構図を考える時間に引かれる人もいて、同じソフトの中でも得意な方向を見つけられます。
3DCGにかかる費用
3DCGは、対応するパソコンをすでに持っていれば、無料のソフトを使って追加費用なしで始められます。紙や絵の具のような毎回の消耗品はほとんどなく、費用の中心はパソコン、保存用ストレージ、教材、有料ソフトや素材です。
手持ちのパソコンと無料ソフトで始める費用 0円から
入門書や教材を用意する費用 1,000〜5,000円ほど
マウスやテンキーなどを追加する費用 2,000〜15,000円ほど
外付けストレージを追加する費用 5,000〜20,000円ほど
有料素材や追加機能を利用する費用 1点数百円から数千円ほど
パソコンのメモリや保存容量を増やす費用 数千円から数万円ほど
3DCG向けにパソコンを新しく用意する費用 10万円台から30万円以上になることもある
手持ちの環境を中心に続ける年間費用 0〜20,000円ほど
有料ソフトや素材も利用する年間費用 20,000〜100,000円以上
最初に確認したいのは、使いたいソフトが現在のパソコンで動くかどうかです。対応する基本条件を満たしていても、人物の髪、細かな街並み、大きな画像、多数の光源などを扱うと、動作や画像の書き出しに時間がかかることがあります。
そのため、最初から理想的な機器をそろえるのではなく、単純な立体を少数置いた作品で試します。画面操作が極端に重い、保存容量が足りない、画像の書き出しに長い時間がかかると分かってから、不足する部分を見直します。
パソコンを購入する場合も、「3DCG用」という表示だけで決めず、使用するソフトの公式動作条件を確認します。メモリ、画像処理を担うGPU、保存容量、冷却など、作りたい作品によって重視する部分が変わります。
無料ソフトでも、モデリング、アニメーション、レンダリングまで一通り試せます。有料ソフトには、特定の業界で広く使われるもの、造形に特化したもの、建築や製品設計に向くものなどがありますが、最初は1つのソフトで小作品を完成させるほうが操作を覚えやすくなります。
毎回の材料費として算定されていた費用や、換気用品、化学防護用品、運搬用品などは、一般的な自宅での3DCG制作には必要ありません。電気代や通信費も3DCGだけの分を細かく分けにくいため、通常の生活費として考え、長時間のレンダリングやクラウドサービスを多く使う段階で見直します。
3DCGをおすすめする3つの理由
1.単純な形から、存在しない物を組み立てられる
3DCGの画面には、立方体、球、円柱、平面など、基本となる形が用意されています。立方体を薄くすれば板になり、細長くすれば柱になる。円柱を曲げたり、球を削ったりしながら、身近な小物や想像上の道具へ近づけていきます。
最初から複雑な輪郭を描けなくても、単純な形を組み合わせることで全体を作れます。椅子なら座面、脚、背もたれに分け、机なら天板と脚に分ける。身の回りの物を「どのような形からできているか」という目で見られるようになります。
現実には作れないほど大きな建物、重力を無視した部屋、透明な植物なども、画面の中なら試せます。実物の材料や広い作業場所を用意せず、形を何度でも作り直せることが魅力です。
2.光と素材を変えるだけで、同じ形が別物に見える
同じ球体でも、表面を白くして柔らかな光を当てれば陶器のように見え、強く反射させれば金属のように見えます。透明度や表面の細かな凹凸を変えると、ガラス、布、石、木など、それぞれの手触りを思わせる表現へ近づきます。
照明の位置も大きな役割を持ちます。正面から均等に照らすと形が分かりやすくなり、横から照らすと影が長く伸びます。背後から光を当てれば輪郭が浮かび、暗い背景の中へ立体感が生まれます。
形を作り終えた後も、色、質感、光を変えながら多くの案を試せます。朝のような明るい場面、夜の店内、雨上がりの道など、時間や空気まで画面へ加えられるところが3DCGらしい楽しさです。
3.カメラの位置から、世界の大きさを変えられる
3DCGの空間では、完成した立体をどの方向から見るかも自分で決められます。高い場所から見下ろせば模型のようになり、床に近い位置から見上げれば、小さな物でも建物のような迫力が生まれます。
同じ部屋を作っても、広く見せる構図、落ち着いた一角だけを見せる構図、奥へ続く通路を中心にする構図では、受け取る印象が変わります。立体を作ることと、完成画像を撮影することの両方を楽しめます。
一度作った空間の中でカメラを動かし、何枚も異なる画像を作ることもできます。正面から見た姿だけではなく、その世界の中を歩いているように視点を探せることが魅力です。
最初の作品は、小物を3つ並べた静止画にする
初めての作品では、人物、動物、車、広い街など、形の複雑な題材を避けます。箱、カップ、本、植木鉢、瓶など、基本形へ分けやすい小物から選ぶと、モデリング以外の工程まで経験できます。
おすすめは、机の上に3つの物を並べた静物です。
・四角い箱
・円柱から作るカップ
・薄い直方体から作る本
・球体を変形した果物
・簡単な植木鉢
・床と背景になる平面
この程度の構成でも、形作り、色付け、配置、照明、カメラ、画像の書き出しまで一通り試せます。最初から細部を増やさず、大きさと位置によって画面を整えることを大切にします。
題材は実物を机へ置き、正面、横、上から観察すると分かりやすくなります。カップは完全な円柱ではなく、上が少し広い。箱の角はわずかに丸い。本の表紙は中の紙より少し大きい。身近な物の小さな違いを見つけることが、そのまま立体を作る手がかりになります。
最初に用意したい機器と環境
最初に必要なもの
・使用するソフトに対応したパソコン
・3DCG制作ソフト
・マウス
・キーボード
・作品を保存できる空き容量
・参考物を撮影するスマートフォンやカメラ
一般的なマウスとキーボードがあれば制作を始められます。多ボタンマウス、液晶ペンタブレット、大型モニターなどは、最初から必須ではありません。
テンキー付きのキーボードは視点を切り替える操作で便利なことがありますが、テンキーがない端末でも設定や画面上の操作で補えます。手持ちの環境で何作か試してから、自分が頻繁に行う操作に合う入力機器を考えます。
続けるなら用意したいもの
・外付けストレージ
・データを別の場所へ保存する仕組み
・操作しやすいマウス
・見やすい大きさのモニター
・姿勢に合う椅子や机
・必要に応じたペンタブレット
外付けストレージは、完成作品だけでなく、途中のデータ、画像素材、書き出した連番画像などを残すときに役立ちます。ただし、1台へ移しただけでは故障時に失う可能性があるため、大切な作品は別の場所にも複製します。
最初は買わなくてよいもの
・最高性能のパソコン
・高価な液晶ペンタブレット
・複数の有料ソフト
・大量の有料素材
・専門的な操作機器
・大型の音響設備
・VR機器
作品の方向が決まる前に機材を増やすと、使わない物が残りやすくなります。人物造形、建築、アニメーションなど、自分が特に深めたい分野が見えてから追加します。
画面の中で迷わないための基本操作
3DCGを始めたばかりの頃は、形を作る前に、視点の操作で迷いやすくなります。画面の中には前後、左右、上下があり、物を見る方向によって同じ形が違って見えます。
まず覚えたいのは、次の操作です。
・視点を回す
・近づく、離れる
・画面を上下左右へ移動する
・物を選ぶ
・物を移動する
・物を回転する
・物の大きさを変える
・正面、横、上から見る
最初の数回は、完成作品を急がず、立方体を移動し、回転させ、元へ戻すだけでも構いません。正面から見て合っているようでも、横から見ると別の場所へずれていることがあります。複数の方向から確認する習慣を付けます。
操作を覚えるときは、長い動画を見続けるより、1つの操作を見たら自分の画面で試します。見る時間と触る時間を交互にすると、手順だけでなく、何が変化したのかを理解しやすくなります。
モデリングは、大きな形から細部へ進む
立体の形を作る作業をモデリングと呼びます。最初から取っ手や縫い目のような細部を作らず、遠くから見ても何を作っているか分かる大きな形から始めます。
椅子なら、座面、背もたれ、脚を簡単な直方体で作ります。植木鉢なら円柱を上下へ広げ、植物は球や細長い形で仮置きします。この段階では、角の丸みや表面の模様を付けなくても構いません。
全体の高さ、幅、奥行きが整ってから、角を丸くする、穴を開ける、面を増やして形を曲げるといった加工へ進みます。細部を先に作り込むと、全体の大きさを変えたくなったときに修正が増えてしまいます。
複雑な物も、基本形へ分けて考えます。机の脚が何本あるか、照明の傘は円すいに近いか、瓶の口はどの程度細いか。実物を観察しながら、必要な特徴だけを残します。
最初の作品では、現実とまったく同じ寸法や構造を再現する必要はありません。少し省略しても、その物らしく見える部分を探すことが大切です。
点、辺、面の動きを少しずつ覚える
多くの3DCGモデルは、点、点を結ぶ辺、辺に囲まれた面から作られます。立方体にも複数の点と面があり、その一部を動かすことで形を変えられます。
最初は、物全体を動かす操作と、形の一部を編集する操作を区別します。立方体そのものを移動したいのか、上側の面だけを動かして背を高くしたいのかで、使う状態が変わります。
面を押し出すと、新しい厚みや突起を作れます。輪を追加すると、形を曲げる場所を増やせます。点を少し移動すると、完全な四角から柔らかな輪郭へ変えられます。
面を増やせば細かな形を作れますが、数が多いほど扱いや修正が難しくなります。見えない細部まで増やすのではなく、完成画像に必要な範囲で形を整えます。
材質を付けて、表面の違いを作る
形ができたら、表面へ材質を設定します。材質は、物の色だけでなく、光をどの程度反射するか、表面が粗いか滑らかか、透明かといった見え方を決めます。
初心者は、次のような違いから試すと分かりやすくなります。
つやのない陶器 反射を抑え、少し粗い表面にする
磨かれた金属 周囲の光を強く反射させる
曇ったプラスチック 色を付け、反射を控えめにする
透明なガラス 光を通し、背景が見えるようにする
紙や布 強い反射を避け、柔らかな表面にする
画像を表面へ貼り、木目や模様を表現する方法もあります。この画像をテクスチャーと呼ぶことがあります。最初から複雑な模様を用意せず、単色の材質だけで光の違いを確かめると理解しやすくなります。
現実の素材を観察するときは、色だけでなく光り方を見ます。同じ白でも、紙、陶器、プラスチックでは反射の広がり方が異なります。その違いを少しずつ画面へ移します。
照明は、最初に1灯から試す
3DCGの空間に立体を置いても、光がなければ形や材質は十分に見えません。照明は、作品を明るくするだけでなく、どこを見せたいかを決める役割を持ちます。
最初は、斜め前方の高い位置へ大きめの光を1つ置きます。正面だけから照らすより、明るい面と暗い面が生まれ、立体の形を読み取りやすくなります。
影が濃すぎる場合は、反対側へ弱い光を加えます。背景と輪郭が重なる場合は、後ろから細い光を当てる方法もあります。ただし、照明を増やすほど整うわけではありません。どの光が何を照らしているか分からなくなったら、1灯へ戻します。
光源を近づける、遠ざける、大きさを変えるだけでも影の柔らかさは変わります。形が同じ作品を使い、照明だけを変えて数枚書き出すと、違いを比べやすくなります。
カメラで、見せる範囲を決める
3DCGの空間は自由に見回せますが、完成画像にはカメラから見えた範囲だけが写ります。どの高さから、どの距離で、何を中心に見せるかを考えます。
最初は、主役となる物を画面の中央へ置き、少し余白を残します。全体が小さく見えるときは、カメラを近づけるか、見える範囲を調整します。
物をすべて正面から見せると説明的になりやすく、少し斜めから見ると奥行きが生まれます。高い位置から見下ろすと配置が分かりやすくなり、低い位置から見上げると大きく力強く見えます。
カメラを決めたあとに物を配置する方法もあります。完成画像に写らない裏側まで細かく作り込まず、カメラから必要な部分へ時間を使えます。
レンダリングで、立体を1枚の画像へ仕上げる
3DCGソフトの作業画面で見えている状態と、完成画像として計算した結果は異なることがあります。光、影、反射、透明、背景などを計算し、画像や映像へ変える工程をレンダリングと呼びます。
レンダリングには、短い時間で結果を確認しやすい方法と、光を細かく計算して写実的な表現を目指す方法があります。最初は速く確認できる設定を使い、構図、色、影が整ってから品質を上げます。
試しに書き出す段階では、画像を小さくし、計算回数を抑えます。変更するたびに最高品質で待つのではなく、軽い設定で何度も確認するほうが制作を進めやすくなります。
完成画像だけでなく、途中の試し書き出しも残します。照明や構図を変えた画像を並べると、どの変更がよかったのかを振り返れます。
最初の静止画を作る流れ
1.参考にする物を決める
身近なカップ、本、箱など、基本形へ分けやすい物を3つ選びます。正面、横、上から形を観察します。
2.大きな形だけを作る
立方体、球、円柱を使い、全体の高さと幅を整えます。細部や模様は後回しにします。
3.机と背景を置く
床となる平面を置き、必要なら後ろに壁を作ります。物が空中へ浮いていないか確認します。
4.物の大きさと位置を整える
実物に近い比率を意識しながら、主役、補助する物、背景の関係を作ります。正面だけでなく横や上からも確認します。
5.単純な材質を設定する
最初は3〜4色に絞り、つやの強さだけ少し変えます。複雑な模様はなくても構いません。
6.照明を1つ置く
斜め上から光を当て、形と影が分かる位置を探します。必要なら反対側へ弱い光を加えます。
7.カメラを決める
物を見せたい角度から構図を作ります。画面の端が窮屈になっていないか、余白を確かめます。
8.小さな画像で試し書き出しをする
影、反射、背景、輪郭を確認します。暗すぎる場所や、材質の違いが分からない部分を調整します。
9.完成画像を書き出す
保存場所、画像の大きさ、ファイル名を確認します。元の制作データも別に保存します。
10.次に直したいことを1つ記録する
細部を作りたい、照明を柔らかくしたい、構図を変えたいなど、次回の課題を1つだけ残します。
初心者がつまずきやすいところ
物が突然見えなくなった
視点が遠くへ移動した、物が非表示になった、別の場所へ動かしたなど、いくつかの原因が考えられます。慌てて操作を重ねず、選択中の物へ視点を戻す、一覧から表示状態を確認するといった基本へ戻ります。
思わぬ方向へ動いてしまう
正面から見たときは横へ動かしたつもりでも、奥行き方向へずれていることがあります。移動する方向を指定し、正面、横、上から確認します。
表面が不自然に見える
面の向き、重なり、形のねじれ、滑らかに見せる設定などが影響している場合があります。複雑な修正へ進む前に、不要な面が重なっていないか、形を変えすぎていないかを確認します。
画面が重くなった
細かな形、多数の物、重い画像、複雑な材質などが増えると、操作が遅くなることがあります。見えない物を一時的に隠す、細部を減らす、画像を適切な大きさにするなど、作品を軽くします。
レンダリングがなかなか終わらない
画像の大きさ、品質、光の計算、物の複雑さによって時間が変わります。最初は小さな画像と軽い設定で確認し、完成時だけ必要な品質へ上げます。
操作方法ばかり覚えて作品が完成しない
チュートリアルを次々に見るより、1つの小作品を決め、必要な操作だけを調べます。すべての機能を覚えてから作り始めるのではなく、作りながら必要な機能を増やします。
保存とバックアップを習慣にする
3DCGの制作データには、立体、材質、照明、画像、設定など、多くの情報が含まれます。作業が進むほどデータ量も増えるため、こまめに保存します。
大きな変更をする前には、同じファイルへ上書きせず、番号を付けて保存します。
「静物_01基本形」
「静物_02材質追加」
「静物_03照明調整」
このように分けておけば、変更前の状態へ戻れます。「完成」「最終」「本当の最終」という名前を増やすより、番号と内容を入れるほうが分かりやすくなります。
制作ソフトの自動保存や復元機能も確認します。ただし、自動保存だけに頼らず、作業の区切りで自分でも保存します。
外部から読み込んだ画像や素材が、制作データとは別の場所に保存されていることもあります。別のパソコンへ移したときに素材が消えないよう、作品に必要なデータを1つのフォルダーへまとめます。
完成作品と制作データは、パソコン本体とは別の場所にも複製します。機器の故障、誤削除、データ破損が起きても、すべてを失わない形にします。
公開や販売の前に素材の利用条件を確認する
3DCGでは、自分で作ったモデルだけでなく、画像素材、背景、書体、音楽、既製モデル、追加機能などを利用することがあります。無料で配布されているものでも、自由に公開や販売へ使えるとは限りません。
素材を入手するときは、次の内容を確認します。
・個人作品へ利用できるか
・商用作品へ利用できるか
・形や色を変更してよいか
・作者名の表示が必要か
・ゲームや映像へ組み込めるか
・制作データの状態で再配布できるか
・販売する立体データへ含められるか
・生成AIの学習や入力へ使えるか
完成画像の公開は認められていても、購入した3Dモデルそのものを取り出せる状態で配布することは認められていない場合があります。画像、映像、ゲーム、3Dプリント用データなど、届け方によって条件が変わるため、用途を具体的に確認します。
有名なキャラクター、商品、建物、芸術作品などを再現し、インターネットへ公開する場合も注意が必要です。練習として個人的に作ることと、公開、配布、販売することは分けて考えます。公式の二次創作ガイドラインがある場合は、その範囲を守ります。
自分の作品についても、制作日、使用した素材、利用条件を記録します。共同制作をする場合は、誰がモデル、材質、動き、音などを担当したか、作品をどこで公開・販売するかを事前に話し合います。
長時間作業を続けないために
3DCGは、形を少しずつ直しているうちに、長時間同じ姿勢を続けやすい趣味です。モデルが1つできたとき、材質を設定し終えたときなど、工程の区切りで立ち上がります。
細かな点や辺を見るために画面へ顔を近づけるのではなく、表示を拡大します。全体を見るときは縮小し、細部を整えるときは見やすい大きさへ切り替えます。
マウスを強く握り続けると、手首、腕、肩へ負担がかかります。机と椅子の高さを調整し、腕を無理に浮かせず操作できる位置を探します。
レンダリング中は、画面の前で待ち続ける必要はありません。時間がかかる場合は、席を立って身体を動かしたり、次の工程を紙へ整理したりします。
パソコン本体の吸気口や排気口を塞がず、熱がこもりにくい場所へ置きます。高い負荷が長く続くときは、異常な音、熱、動作停止がないかを確認し、機器の取扱説明に従います。
続けるほど変わる5つの楽しみ方
第1段階 基本形から小物を1つ完成させる
最初は、箱、カップ、本など、単純な形を1つ作ります。形を完璧に再現するより、色と光を付け、画像として書き出すところまで進めます。
操作に迷いながらでも、画面の中にあった形が1枚の画像として残ると、制作全体の流れが見えてきます。次の作品で直したい部分も具体的になります。
第2段階 複数の物と光を組み合わせる
小物を3つほど並べ、床、背景、照明、カメラを加えます。物同士の大きさ、重なり、影の位置を考え、1枚の画面として整えます。
形を作るだけでなく、どこから見せるか、何を主役にするかへ関心が広がります。材質と照明によって、同じ形が違って見えることも分かってきます。
第3段階 自分が深めたい表現を見つける
人物、建物、室内、乗り物、抽象作品、アニメーションなど、興味のある方向へ進みます。形を細かく作ることが好きなのか、材質や光の調整が好きなのかも見えてきます。
すべての工程を同じ深さで学ぶ必要はありません。得意な部分を中心にし、必要な工程は既製素材やほかの人との共同制作で補うこともできます。
第4段階 テーマのある世界や作品群へ広げる
1つの部屋を作り、そこへ家具や小物を増やす。共通する形や色を使い、複数の作品を並べる。単品のモデルから、背景や物語を持つ世界へ広げます。
同じデータから昼と夜、晴れと雨、整った部屋と長く使われた部屋など、異なる場面を作ることもできます。技術だけでなく、作品の中で何を感じてもらいたいかが制作の中心になります。
第5段階 作品を画像、映像、立体へ届ける
完成した作品を作品集へまとめる、短い映像にする、ゲームやVR空間へ使う、3Dプリンターで実物へ変えるなど、届け方を選びます。素材の利用条件や公開形式も含め、作品に合う形を整えます。
販売や仕事へ進むことだけが最終地点ではありません。自分の部屋を想像上の姿で作る、好きな世界を少しずつ増やす、制作過程を記録することも、3DCGとの豊かな付き合い方です。
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イラスト
イラストは、人物、物、風景などを線と色で表現する趣味です。3DCGの構図、配色、形の省略を考える力につながり、描いた設定画を立体へ起こす楽しみも生まれます。
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VRゲームは、立体的な仮想空間へ入り、周囲を見回したり、手を動かしたりして楽しむ遊びです。3DCGで作られた空間を体験する側から見ることで、物の大きさ、視線の高さ、移動しやすさを考えるきっかけになります。
灰色の立方体から、まだ存在しない世界を作る
3DCGは、複雑な機能をすべて覚えてから始める趣味ではありません。立方体を少し伸ばし、球を1つ置き、光を斜めから当てる。単純な操作を積み重ねるうちに、何もなかった画面へ形と奥行きが生まれます。
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休日のよりみち帖では、気軽に試せるものから、少しずつ時間をかけて深めていくものまで、さまざまな趣味やレジャーを紹介しています。「次の休日は何をしよう」と迷ったとき、新しい楽しみを見つける小さなきっかけになれたらうれしいです。これからも思わず試してみたくなる趣味を丁寧に紹介していきますので、ぜひフォローして、次の記事も覗いてみてください。
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