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ネイチャーウォークの楽しみ方

雨上がりの遊歩道を歩く。

足元には、色の違う落ち葉が重なっています。

同じ茶色に見えていた葉も、近くで見ると、縁がぎざぎざしているもの、丸みのあるもの、虫に食べられた跡が残っているものがあります。

少し先では、細い枝から水滴が落ちています。鳥の声は聞こえるのに、姿はなかなか見つかりません。

そこで立ち止まり、

「この葉は、どの木から落ちたのだろう」
「鳥は、どこに隠れているのだろう」
「雨の前と後では、何が変わったのだろう」

と、一つだけ考えてみる。

ネイチャーウォークは、自然の中を歩きながら、身近な生きものや植物、地形、空、季節の変化を見つけていく趣味です。

特別な知識がなくても始められます。

見つけた植物の名前が分からなくても構いません。鳥の声を聞き分けられなくても、昆虫に詳しくなくても大丈夫です。

「何だろう」と気づくことが、最初の楽しみになります。

自然の中を静かに過ごすことを中心にする森林浴と比べると、ネイチャーウォークは、もう少し好奇心を外側へ向ける過ごし方です。

葉の形を比べる。
足跡を探す。
空の色を見る。
水辺にいる生きものを眺める。
前回とは違うものを一つ見つける。

歩くことに、小さな観察を加えるだけで、近所の公園も少し違う場所に見えてきます。

遠くの大自然へ行かなければならないわけではありません。

いつも通り過ぎている緑地や、休日に散歩している公園にも、まだ気づいていないものがあります。

今回は、自分で場所と時間を決め、月に一度ほどネイチャーウォークを楽しむ場合について、必要な時間と費用、健康面、場所の選び方、持ち物、安全上の注意、続けることで変わる楽しみ方をまとめました。

※時間、費用、運動量は、日本国内の無料公園や自然散策路を自分で訪ねる場合の目安です。場所、移動手段、歩く速さ、休憩時間、天候、体格によって変わります。


まず知っておきたい基本情報

一回に必要な時間
約40分から135分です。

初めてなら、近くの公園を40分ほど歩くだけでも楽しめます。

少しゆっくり観察する場合は、現地で約115分。移動や簡単な準備まで含めると、約135分を見ています。

想定する頻度
月1回、年間12回ほどです。

毎週続ける必要はありません。

月に一度なら予定へ組み込みやすく、前回から少し時間が空くことで、季節の変化にも気づきやすくなります。

主な実施場所
公園、緑地、森林、自然散策路、水辺、木々の多い遊歩道などです。

最初は、珍しい生きものがいる場所よりも、道が分かりやすく、途中で戻りやすい場所が向いています。

予約
近隣の公園や緑地を自分で訪ねる場合は、基本的に必要ありません。

自然観察園、植物園、ガイド付き観察会などを利用する場合は、開園時間や予約条件を確認します。

運動強度の目安
ゆっくりとした歩行を含む活動として、平均約3.5METsで整理しています。

一時間当たりの平均消費カロリー
体重60kgの人が平均3.5METsで一時間過ごした場合、単純計算では約220kcalです。

40分なら約150kcal、115分なら約420kcalに相当します。

ただし、ネイチャーウォークでは立ち止まって観察したり、ベンチへ座ったりする時間もあります。実際の消費量は、歩く速さ、坂道、休憩、荷物、体格などによって変わります。

初回体験費
0円からです。

初期費用
標準約6,000円です。

当日支出
標準約200円です。

年間費用
約4,400円です。

楽しさの中心
身近な自然の発見、季節の比較、観察する面白さ、知らなかったものを少しずつ知ることです。

ネイチャーウォークは、予約や専用施設を必要とせず、手持ちの靴や服で始めやすい趣味です。

教室の日程に合わせる必要はなく、その日の体調や休日の予定に応じて、歩く時間を短くしたり、場所を近所へ変更したりできます。

自然に詳しくないことも、始めるうえでは問題になりません。

むしろ、名前を知らないものが多いほど、「これは何だろう」という発見が残ります。

一方で、屋外で行うため、雨、暑さ、寒さ、強風などの影響を受けます。

今日は近所にする。
今日は舗装された道だけにする。
今日は短く切り上げる。
天候が悪ければ、別の日へ移す。

自然を観察する趣味だからこそ、自然の条件に合わせて予定を変えることも大切です。

ネイチャーウォークは、散歩に小さな「なぜ」を加える

いつもの散歩でも、花や鳥を目にすることはあります。

けれど、多くの場合は、見つけてもそのまま通り過ぎます。

ネイチャーウォークでは、そこで少しだけ立ち止まります。

どうして、この場所だけ落ち葉が多いのだろう。
同じ道なのに、片側だけ苔が生えているのはなぜだろう。
水辺にいる鳥と、木の上にいる鳥は何が違うのだろう。
冬になっても緑のままの木と、葉が落ちる木があるのはなぜだろう。

すぐに答えを調べなくても構いません。

まずは、疑問を一つ持ち帰ります。

帰宅してから写真を見返し、少しだけ調べる。次に同じ場所へ行ったとき、もう一度確かめる。

そんな小さな往復が、ネイチャーウォークを趣味にしていきます。

自然の名前をたくさん覚えることが目的ではありません。

名前を知ることで、次から見つけやすくなったり、似ているものの違いに気づいたりする。その変化が面白さになります。

たとえば、最初はすべて「鳥の声」に聞こえていたものが、少しずつ、

近くから聞こえる声。
遠くで繰り返している声。
木の上から聞こえる声。
水辺から聞こえる声。

と、違って聞こえるようになります。

種類が分からなくても、違いに気づけた時点で、前回より見えるものは増えています。

ネイチャーウォークの上達は、知識を試験のように増やすことではありません。

同じ場所から受け取れる情報が、少しずつ増えていくことです。

最初の場所は、種類の多さより「観察しやすさ」で選ぶ

ネイチャーウォークを始めると、珍しい植物や野鳥のいる場所へ行きたくなることがあります。

けれど、最初は自然の豊かさよりも、落ち着いて観察できることを優先した方が楽しみやすくなります。

自宅から無理なく行ける。
道が分かりやすい。
途中で引き返せる。
立ち止まっても通行の邪魔になりにくい。
ベンチやトイレがある。
案内板や園内地図がある。
明るい時間に帰れる。

こうした条件がある場所なら、周囲へ意識を向ける余裕が生まれます。

最初から園内をすべて歩く必要もありません。

池の周りだけ。
木々の多い道だけ。
芝生から林へ続く短い区間だけ。

狭い範囲でも、見る場所を少し変えるだけで、見つかるものは変わります。

水辺には、水辺の生きものがいます。

明るい草地では、花や昆虫を見つけやすくなります。

木陰では、苔、落ち葉、木の実、きのこなどが目に入ることがあります。

同じ公園の中でも、場所によって小さな環境が分かれています。

最初の一回で、たくさんの種類を見つける必要はありません。

「池の周りには何がいるか」
「落ち葉の下には何があるか」
「この道で一番多い色は何か」

というように、狭い範囲へ小さなテーマを置くと、観察しやすくなります。

ネイチャーウォークで過ごす一日の流れ

1.出発前に、今日のテーマを一つ決める

何も決めずに歩いても楽しめますが、最初は小さなテーマがあると、目を向ける場所が分かりやすくなります。

丸い葉を探す。
赤いものを探す。
鳥の声を三回立ち止まって聞く。
木の実を見つける。
水辺と林の違いを見る。

難しいテーマでなくて構いません。

「春を探す」「昨日の雨の跡を見る」といった、少し曖昧なテーマでも楽しめます。

2.天気と戻る時間を確認する

出かける前に、天気、気温、風、日没時間を確認します。

そのうえで、何時までに戻るかを決めます。

ネイチャーウォークでは、観察に集中すると、思ったより時間が過ぎることがあります。

最初は40分。
少し慣れたら1時間。
ゆっくり過ごす日は2時間ほど。

使える時間に合わせて、観察する範囲を小さくします。

3.入口では、案内図を見る

公園や自然散策路へ着いたら、案内図を確認します。

水辺、林、草地、展望場所、休憩所などが分かれば、今日のテーマに合う場所を選びやすくなります。

施設によっては、その季節に見られる植物や生きものが掲示されていることもあります。

すべてを探すのではなく、一つだけ覚えて歩き始めます。

4.少しゆっくり歩く

速く歩いていると、自然は大きな景色として見えます。

速度を少し落とすと、葉、枝、実、足跡、虫、石など、小さなものが見えやすくなります。

視線を遠くへ向けた後、足元を見る。

空を見た後、木の幹を見る。

見る高さを変えるだけでも、見つかるものが変わります。

5.「何だろう」と思ったら止まる

名前が分からなくても、その場で止まります。

葉の形。
木の表面。
鳥の声。
地面に残る跡。
水の中で動く影。

写真を撮れるなら、一枚だけ残します。

ただし、観察するために道を外れたり、生きものへ近づきすぎたりする必要はありません。

分からないまま持ち帰ることも、ネイチャーウォークの楽しみです。

6.休憩しながら、見つけたものを振り返る

ベンチへ座ったら、今日見つけたものを思い出します。

何種類見つけたかを競う必要はありません。

一番気になったものを一つ選びます。

あの鳥の声は何だったのだろう。
葉の裏だけ白かったのはなぜだろう。
木の根元に小さな穴があった。

帰宅後に調べたいことが一つ残れば、その日の観察は十分です。

7.余裕があるうちに戻る

まだ少し歩けそうだと思うところで帰ります。

観察を続けていると、もう少し先まで行きたくなります。

けれど、森林や自然散策路では、帰りの時間と体力を残す必要があります。

すべてを見終えなくても、次に来る理由が残ります。

ネイチャーウォークならではの楽しさ

いつもの公園が、毎回違う場所になる

ネイチャーウォークでは、同じ場所へ何度も行くことに意味があります。

初めての日は、どんな木が多いか、どこに水辺があるかといった全体の印象が残ります。

二度目には、前回見つけた花や木の実を探します。

三度目には、それがなくなっていたり、色や形が変わっていたりします。

自然は、こちらが訪ねていない間にも動いています。

新しい場所を探さなくても、同じ場所に新しい発見があります。

分からないことが、次の楽しみになる

多くの趣味では、分からないことが不安になる場合があります。

ネイチャーウォークでは、分からないことが次の入口になります。

名前の分からない花を一つ見つける。

似ている葉を二種類見つける。

同じ鳥の声を別の日にも聞く。

すぐに答えが出なくても構いません。

調べたことを次の観察で確かめられるため、疑問そのものが続ける理由になります。

関心が枝分かれしていく

最初は、自然の中を歩くだけでも十分です。

続けていると、少しずつ気になる分野が生まれます。

野鳥。
植物。
昆虫。
きのこ。
岩や地形。
雲や天気。
水辺の生きもの。
地域の歴史。

すべてを学ばなくても構いません。

自分が気になったものを一つ選ぶと、ネイチャーウォークに自分なりの方向ができます。

鳥の声を聞くために朝の公園へ行く。

木の実を探すために秋を待つ。

水辺の変化を見るために同じ池へ通う。

歩く場所は同じでも、関心が変われば、見える景色も変わります。

自然に詳しくない人同士でも楽しめる

一人なら、自分のペースで立ち止まれます。

誰かと一緒なら、自分では気づかなかったものを相手が見つけることがあります。

「あそこに鳥がいる」
「この葉だけ色が違う」
「この足跡は何だろう」

同じ場所を歩いていても、人によって目を向けるものは違います。

どちらかが正解を知っている必要はありません。

一緒に「何だろう」と考えられることが、ネイチャーウォークの交流になります。

健康面と運動量

ネイチャーウォークは、激しい運動を目的にする趣味ではありません。

観察のたびに立ち止まるため、速いウォーキングやランニングとは歩き方が異なります。

それでも、公園や自然散策路を歩くことで、座って過ごしがちな休日へ軽い身体活動を加えられます。

今回の目安は平均約3.5METsです。

体重60kgの人が平均3.5METsで一時間過ごした場合、消費カロリーの目安は約220kcalです。

40分なら約150kcal。
115分なら約420kcal。

ただし、これは時間全体を平均3.5METsで過ごした場合の単純な計算です。

実際には、立ち止まって葉を見る時間、ベンチへ座る時間、写真を撮る時間もあります。

平らな公園と、坂道のある自然散策路でも身体への負担は変わります。

消費カロリーを増やすことより、無理なく身体を動かしながら、観察する時間を持てることの方が、ネイチャーウォークには合っています。

体調が良い日は少し遠くまで歩く。

疲れている日は、入口付近で観察する。

足に不安がある日は、舗装された道やベンチの多い公園を選ぶ。

観察することが目的なので、歩く距離を短くしても楽しさが失われにくいのが良いところです。

月に一度のネイチャーウォークだけで、普段の運動不足をすべて補えるわけではありません。

それでも、

外へ出る。
少し歩く。
座り続ける時間を減らす。
遠くと足元へ視線を動かす。
季節や天気を感じる。

という変化を休日へ加えられます。

激しい運動を始めるほどではないけれど、少し身体を動かしたい日に取り入れやすい趣味です。

一回にかかる費用

ネイチャーウォークは、近くの無料公園を利用するなら、ほとんど費用をかけずに始められます。

植物や鳥を観察するために、最初から図鑑や双眼鏡、カメラを買う必要もありません。

スマートフォンで写真を一枚撮り、帰宅後に調べるところから始められます。

初回体験費

0円から

歩きやすい靴、服、バッグ、スマートフォン、飲み物を持っているなら、新しく買う物はありません。

徒歩で無料公園へ行き、自宅から飲み物を持参すれば、当日の支出も0円にできます。

初期費用

最小0円
標準約6,000円
上限の目安約36,000円

標準の約6,000円は、歩きやすい靴、小型バッグ、帽子、簡単な観察用品など、不足している物を少し買い足す場合の想定です。

観察用品も、最初は小さなノートや筆記具があれば十分です。

上限の約36,000円は、靴、衣類、バッグ、雨具、双眼鏡などをまとめてそろえる場合の目安です。

近所の公園で試す段階から、一式を買う必要はありません。

当日支出

最小0円
標準約200円
上限の目安約1,500円

標準の約200円は、飲み物や軽い補給品を想定しています。

上限の約1,500円は、少額の交通費、駐車場代、飲食などが加わる場合の目安です。

植物園、自然観察園、有料施設へ行く場合は、入園料を別に考えます。

年間費用

約4,400円

初期費用6,000円を3年間使う場合、年換算で約2,000円です。

当日支出200円を年12回で、約2,400円。

合わせて、年間約4,400円になります。

月平均では約370円です。

身近な公園を中心にすれば、低い費用のまま続けられます。

少し興味が深まってから、図鑑、双眼鏡、有料観察会などへ広げることもできます。

費用をかける前に、自分が植物、鳥、昆虫、地形のどれに興味を持つのかを知れることも、ネイチャーウォークの始めやすさです。

予定を詰め込みすぎないために

ネイチャーウォークを始めると、見つけたものを全部調べたくなることがあります。

植物の名前を調べる。
鳥の声を録音する。
写真を何枚も撮る。
歩いた経路を記録する。
園内をすべて回る。

けれど、することを増やしすぎると、自然を見るより、記録を完成させることが中心になります。

最初に決めるのは、

今日のテーマを一つ。
持ち帰る疑問を一つ。
写真を一枚。

そのくらいでも十分です。

名前が分からないままでも、気になったものを覚えて帰れれば、その日の観察は残ります。

次の休日にもう一度探してみる。

前回と違うところを見る。

答えを急がず、何度か行き来できることが、ネイチャーウォークを長く楽しむコツです。

初めて持っていくもの

最低限必要なもの

歩きやすい靴

動きやすい服装

飲み物

スマートフォン

小型のバッグ

舗装された公園を短時間歩くなら、まずはこの程度から始められます。

スマートフォンは、地図、時刻、連絡、写真の記録に使えます。

続けるなら用意したいもの

小さなノートと筆記具

虫眼鏡やルーペ

双眼鏡

興味のある分野の小さな図鑑

帽子や日差し対策用品

雨具

モバイルバッテリー

紙の地図

簡単な救急用品

双眼鏡や図鑑は、興味の方向が分かってから選びます。

鳥を見たいなら双眼鏡。植物を見たいならルーペや図鑑。記録を続けたいなら、小さなノート。

自分が見たいものに合わせて、少しずつ追加します。

最初は買わなくてよいもの

高価なカメラや望遠レンズ

専門分野の図鑑一式

大型の登山用バックパック

本格的な採集道具

用途が決まっていない高性能な観察機器

最初から自然について広く深く知ろうとする必要はありません。

身近な公園で、自分が何に立ち止まるのかを知ってから、道具を選びます。

なお、植物や昆虫を持ち帰るための採集用品は、場所のルールや保全への配慮が必要です。

ネイチャーウォークでは、採るよりも、その場で観察し、写真やメモで残すところから始める方が安心です。

ネイチャーウォークで気をつけたいこと

暑さと水分を確認する

木陰が多い場所でも、暑さや湿度の影響は受けます。

飲み物を持ち、暑い日は朝の時間へ変更するか、滞在を短くします。

めまい、吐き気、強い疲れ、息苦しさなどがあれば、すぐに休み、回復しなければ中止します。

足元と帰り道を見る

観察に集中すると、足元への注意が少なくなることがあります。

木の根、落ち葉、段差、ぬかるみを確認します。

写真を撮るときも、道の中央や斜面で急に立ち止まらないようにします。

生きものへ近づきすぎない

鳥や小動物を見つけても、追いかけたり、触ろうとしたりせず、距離を取って観察します。

巣、卵、幼い個体などへ近づくと、生きものの負担になることがあります。

虫や植物の中には、触れることで皮膚へ刺激が出るものもあります。

分からないものには、むやみに触れません。

採取や立入りのルールを守る

公園や自然施設では、植物、昆虫、木の実、石などの採取が禁止されていることがあります。

保護区域や立入禁止区域へ入らず、掲示や公式案内に従います。

写真とメモだけを持ち帰る方法なら、自然を傷つけずに記録できます。

天候と明るさを確認する

雨上がりの道は滑りやすく、強風の後は枝や落下物にも注意が必要です。

木々の多い場所は、周囲より早く暗く感じることがあります。

初めての場所では、明るいうちに戻ります。

行き先を共有する

自然の多い場所では、通信が不安定になることがあります。

人の少ない場所へ行く場合は、家族などへ行き先と帰宅予定を伝えます。

天候や体調が良くない日は、別の日へ変更します。

続けると変わる楽しみ方

1.気になるものを一つ見つける

最初は、近くの公園を短く歩きます。

葉、鳥の声、木の実、足跡、雲など、その日に気になったものを一つ見つけます。

名前が分からなくても構いません。

「何だろう」と思えるものを一つ持ち帰ることが、最初の小さな到達点です。

2.小さなテーマを決めて歩く

次は、歩く前にテーマを一つ決めます。

丸い葉を探す。
鳥の声を聞く。
雨の跡を見る。
赤いものを探す。

テーマがあることで、同じ道でも前回とは違うものが見えてきます。

自分で観察する時間を組み立てる楽しさが生まれます。

3.季節や場所を比べる

同じ公園を季節を変えて訪ねたり、林と水辺を比べたりします。

春に見た花がなくなり、別の植物が増えている。

夏には聞こえなかった鳥の声が、冬には聞こえる。

比較することで、一つの発見が周囲の環境へつながっていきます。

4.自分の長いテーマを持つ

さらに続けると、自分が特に気になる分野が見つかります。

野鳥を追う。
季節の植物を記録する。
水辺の変化を見る。
同じ木を一年間観察する。
地域の地形や自然史を調べる。

一度では終わらないテーマが、同じ場所へ戻る理由になります。

5.記録や案内を通じて、自然との関係を育てる

長く続けると、写真やメモが季節の記録になります。

家族や友人へ、観察しやすい場所を紹介する。地域の自然観察会へ参加する。見つけたものを無理のない範囲で共有する。

誰かへ伝えようとすると、名前だけでなく、安全やマナー、環境への配慮にも目が向きます。

ネイチャーウォークが、一度きりの散歩から、自分の暮らす地域の自然を知る習慣へ変わっていきます。

ネイチャーウォークが合いやすいのは、こんな日

近所を歩きたいけれど、いつもの散歩に少し変化がほしい日。

遠くへ出かける時間はないけれど、小さな発見を持ち帰りたい日。

買い物や飲食を中心にせず、低い費用で休日を楽しみたい日。

画面から離れ、遠くと足元の両方を見たい日。

軽く身体を動かしながら、急がず過ごしたい日。

季節が変わったことを、もう少し近くで感じたい日。

何か新しいことを学びたいけれど、机へ向かう気分ではない日。

反対に、暑さが厳しい日、強い雨や風の日、体調が安定しない日には合わないことがあります。

無理に出かけず、別の日を選びます。

初めてなら、40分で三つの「何だろう」を見つける

初めてネイチャーウォークへ出かけるなら、自宅から近い公園を選びます。

持っていくのは、歩き慣れた靴、飲み物、スマートフォンだけ。

時間は40分ほどです。

その日は、名前を覚えることではなく、三つの「何だろう」を見つけます。

この葉は、どうして赤いのだろう。
この穴は、何が作ったのだろう。
この声は、どこから聞こえているのだろう。

答えが分からなくても構いません。

一番気になったものを一枚だけ撮り、余裕を持って帰ります。

帰宅してから写真を見ると、公園では気づかなかった模様や色が見つかることがあります。

少し調べてもいいし、分からないまま次回へ残してもいい。

最初のネイチャーウォークで持ち帰るものは、珍しい植物や立派な記録ではありません。

「次に行ったとき、もう一度見てみたい」と思える疑問です。

調べる前より、自然を知るより疑問を持ち帰る趣味に感じました

調べる前は、ネイチャーウォークには、植物や野鳥に詳しい人が参加する印象がありました。

見つけたものの名前を正しく言えなければ、十分に楽しめないようにも感じます。

けれど、楽しみ方を見ていくと、最初に必要なのは知識ではありませんでした。

葉の形が違うことに気づく。
鳥の声が聞こえた方向を見る。
雨の後に増えたものを探す。
名前の分からないものを、一つ覚えて帰る。
知識は、その後から少しずつついてきます。

ネイチャーウォークの最初の目標は、たくさんの種類を見つけることでも、自然に詳しくなることでもありません。

いつもの公園で、通り過ぎずに立ち止まれるものを一つ増やすこと。

次に同じ道を歩いたとき、前回の疑問を思い出せたなら。

見慣れた公園は、ただ歩く場所ではなく、まだ答えの分からないものが待っている、小さな観察場所へ変わっていきそうです。


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「次の休日は何をしよう」と迷ったときに、新しい楽しみを見つける小さなきっかけになれたらうれしいです。
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