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釣りの楽しみ方|自分に合う釣りを見つける

水面を見ながら、竿先の小さな変化を待つ。

風が吹けば、水面の模様が変わる。少し離れた場所では鳥が水辺へ近づき、ときどき魚が跳ねたような波紋が広がります。

しばらく待っていると、糸や竿先に、それまでとは違う動きが伝わってくる。

魚の反応なのか。
水の流れなのか。
仕掛けが底へ触れただけなのか。

半信半疑のまま竿を動かし、その先に生き物の重さを感じた瞬間、静かだった時間が一気に動き始めます。

釣りは、魚を釣り上げることだけを楽しむ趣味ではありません。

どこへ仕掛けを入れるか考える。
水面や風の変化を見る。
反応がなければ、場所や方法を変える。
釣れた魚を安全に扱う。
釣れなかった理由を、帰宅してからもう一度考える。

待つ時間と、突然訪れる反応。その両方が、一回の釣りを作っています。

ただ、釣りについて調べ始めると、思っていた以上にたくさんの名前が出てきます。

海釣りと川釣り。
堤防、砂浜、磯、渓流、湖、船。
エサ釣り、ルアー釣り、フライフィッシング。
サビキ、ウキ、投げ釣り、エギング、ジギング。

同じ魚を違う方法で狙うこともあれば、同じ道具を場所に合わせて使い分けることもあります。最初からすべての違いを覚えようとすると、自分が何をしてみたいのかが見えにくくなってしまいます。

釣り全体を知るときは、細かな釣法名から入るよりも、

どこで過ごしたいか。
どのように魚を誘いたいか。
どんな魚に出会いたいか。
どのくらい道具を扱いたいか。
どんな休日にしたいか。

この五つから眺めると、選びやすくなります。

今回は、釣り全体を大きく見渡しながら、場所、方法、魚、道具、休日の過ごし方から、自分に合う入口を探せるようにまとめました。

記事の中にある個別の釣り方も、最初からすべて試す必要はありません。

「海辺で一匹を待ちたい」
「川の流れを見ながら過ごしたい」
「釣った魚を持ち帰って食べてみたい」

そのくらいの気持ちから、一つずつ枝をたどっていけば十分です。


まず知っておきたい釣り全体の目安

一回に必要な時間 約5時間

釣り場で過ごす時間 約3時間30分

移動時間 往復約1時間30分

準備と片付け 合計約1時間

短く試す場合 約1時間30分から

想定する頻度 月1回、年間12〜13回ほど

当日の支出 約3,300円

道具代を含む一回換算 約4,200円

道具をそろえる初期費用 約30,000円

年間費用 約52,000円

一緒に楽しむ人数 一人または二人を中心に、家族やグループでも可能

主な場所 海、川、湖、池、管理釣り場、釣り堀、船

身体への負担 長時間の立位、日差し、寒さ、荷物の運搬

影響を受けやすいもの 天気、風、波、潮、水温、増水、季節、釣り場の規則

これは、堤防、岸辺、管理釣り場などで、日帰りの釣りを月に一度ほど楽しむ場合の編集上の想定です。

船釣り、離島への遠征、磯釣り、大型魚を狙う釣りでは、移動時間、利用料、道具、安全装備が大きく変わります。反対に、近所の釣り堀や短時間の小物釣りなら、休日の一部だけで楽しむこともできます。

釣りそのものは激しい運動ばかりではありません。

ただし、三時間ほど立ち続けたり、クーラーボックスや道具を運んだり、日差しや冷たい風を受けたりします。数字以上に疲れを感じることもあるため、帰宅後の道具洗いや魚の処理まで含めて予定を組んでおきます。

釣りは五つの入口から選ぶと分かりやすい

釣りの個別記事を増やしていくときも、すべてを一列へ並べるより、五つの入口に分けた方が巡りやすくなります。

最初の入口は、場所です。

海へ行きたいなら海釣りの楽しみ方、流れのある水辺で過ごしたいなら川釣りの楽しみ方、静かな水面を眺めたいなら湖・沼釣りの楽しみ方へ進めます。

二つ目は、魚への近づき方となる方法です。

本物の餌を使って反応を待つエサ釣りの楽しみ方、疑似餌を動かして魚を誘うルアーフィッシングの楽しみ方、軽い毛鉤とラインを使うフライフィッシングの楽しみ方があります。

三つ目は、狙う魚や季節です。

アジやイワシを釣って食べたい。夏にアユを狙いたい。冬にワカサギを釣りたい。魚を先に決めると、適した場所、時期、釣り方、道具が絞られていきます。

四つ目は、道具と準備です。

竿やリールだけでなく、仕掛け、餌、ルアー、安全装備、魚を扱う道具、持ち帰るための保冷用品まで含まれます。

五つ目は、どんな休日にしたいかです。

一人で静かに待つ。家族と小さな魚を釣る。船で沖へ出る。釣った魚を夕食にする。旅先の水辺へ立ち寄る。

一つの釣りは、複数の入口を持っています。

たとえば堤防のサビキ釣りなら、「海釣り」「堤防釣り」「エサ釣り」「アジ・イワシ釣り」「家族で楽しむ釣り」「釣った魚を食べる楽しみ」のどこからでもたどり着けます。

この重なりが、釣りの記事同士を自然につないでくれます。

まずは過ごしたい場所から選ぶ

海で釣る

海釣りには、堤防、岸壁、海釣り施設、砂浜、磯、船など、いくつもの場所があります。

同じ海でも、足元へ仕掛けを下ろす釣りと、砂浜から遠くへ投げる釣り、船で魚のいる場所まで移動する釣りでは、一日の流れが変わります。

港や海釣り施設から始めたい場合は、堤防釣りの楽しみ方へ進みます。

足場が比較的安定した場所では、サビキ釣り、ウキ釣り、軽い投げ釣りなど、初心者向けの方法を試しやすくなります。アジは堤防のサビキ釣りだけでなく、ウキ釣り、カゴ釣り、ルアー、船釣りなどでも狙われる魚で、同じ魚から複数の釣り方へ興味を広げられます。

広い砂浜で仕掛けを投げたいなら、砂浜・サーフ釣りの楽しみ方

岩場から海の変化を読みたいなら、磯釣りの楽しみ方

魚のいる沖合まで案内してもらいたいなら、船釣りの楽しみ方へつながります。

初めての海釣りでは、釣れそうな場所より、立入可能で足場が安定し、利用時間や規則が明確な場所を選びます。過去の釣果情報が残っていても、現在は工事中や立入禁止になっていることがあるため、管理者の最新情報を確認します。


川で釣る

川釣りは、都市部を流れる河川から、山間部の渓流まで幅があります。

流れが緩やかな場所でハゼ、フナ、コイ、小魚を狙う釣りもあれば、上流へ入り、ヤマメやアマゴなどを狙う渓流釣りもあります。

身近な河川から始めたいなら、川釣りの楽しみ方

山や森の景色と一緒に楽しみたいなら、渓流釣りの楽しみ方へ進みます。

川では、水が常に動いています。

仕掛けを同じ場所へ置くのではなく、流れへ自然に乗せたり、魚が休みそうな緩い場所を探したりします。海とは違う、水の速さと地形を見る面白さがあります。

一方で、現地が晴れていても上流の雨によって水位が変わることがあります。川へ立ち込む釣りは、岸から楽しむ釣りよりも判断することが増えるため、最初は管理された場所や経験者の案内から始めます。


湖や池で釣る

湖や池には、岸から楽しむ場所、桟橋、貸しボート、ドーム船などがあります。

水面が広く、流れが見えにくい場所では、水深、風向き、水温、地形、魚が回ってくる範囲を考えます。

静かな岸辺で過ごしたいなら、湖・沼釣りの楽しみ方

ブラックバスなどを疑似餌で狙うなら、バス釣りの楽しみ方

冬の小さな当たりを楽しみたいなら、ワカサギ釣りの楽しみ方へつながります。

ワカサギ釣りにも、湖上のボート、屋根のあるドーム船、条件が整った地域での氷上釣りがあります。

同じ魚を狙っていても、場所によって寒さ、安全管理、必要な装備が変わります。「ワカサギ釣りだから同じ」と考えず、利用施設の営業状況とルールを確認します。


管理釣り場や釣り堀で釣る

最初の一回として使いやすいのが、管理者や係員のいる場所です。

道具を借りられる。
仕掛けや餌を用意してもらえる。
釣れる魚が分かる。
トイレや休憩場所がある。
分からないときに質問できる。

こうした条件がそろう場所なら、道具選びで迷う前に、仕掛けを水へ入れて反応を待つところまで進めます。

淡水魚を釣る施設なら管理釣り場の楽しみ方、設備の整った池や海上施設なら釣り堀の楽しみ方へ。

管理された場所だから、何も考えなくてよいわけではありません。使用できる仕掛け、持ち帰れる魚、リリース方法、利用時間は施設ごとに異なります。

それでも、準備から魚の扱いまで教わりやすいことは、初心者にとって大きな安心になります。

船から釣る

船釣りでは、船長がその日の天候や魚の動きを見ながら釣り場へ案内します。

岸から届かない水深や沖合へ行けるため、選べる魚と方法が広がります。

一方で、出船時刻、帰港時刻、集合場所が決まっており、天候による欠航もあります。船宿へ予約するときは、対象魚、料金、レンタルの有無、餌や仕掛けが含まれるか、初心者への案内があるかを確認します。

船の上では、自分の都合で途中帰宅することが難しいため、初回は半日船や初心者向けのプランから始めると負担を抑えやすくなります。

船室外の小型船舶乗船者には、原則としてライフジャケットを着用させる義務が船長に課されています。船宿から指定された型式のものを正しく着用します。


魚への近づき方から選ぶ

エサを使って反応を待つ

エサ釣りでは、魚が普段食べているものや、におい・動きで関心を引く餌を針へ付けます。

仕掛けを入れたら、ウキ、竿先、糸の動きを見ながら反応を待ちます。

堤防のサビキ釣り。
ウキを見て待つ釣り。
川の流れへ餌を乗せる釣り。
海底付近へ仕掛けを置く釣り。
砂浜から仕掛けを投げる釣り。

これらはすべてエサ釣りに含まれますが、使う餌と仕掛け、待ち方は異なります。

最初は、完成した仕掛けと扱いやすい餌を使えるエサ釣りの楽しみ方から見ると、仕組みをつかみやすくなります。

魚の反応を静かに待ちたい日や、持ち帰って食べられる魚を狙いたいときに選びやすい方法です。


疑似餌を動かして魚を誘う

ルアーフィッシングでは、小魚、虫、甲殻類などを思わせる疑似餌を使います。

仕掛けを入れて待ち続けるだけでなく、投げる、沈める、巻く、止める、動かす速さを変えるといった操作を繰り返します。

同じ場所へ投げても、深さや動かし方を変えると反応が出ることがあります。

自分の動かし方と魚の反応がつながりやすいことが、ルアーフィッシングの楽しみ方です。

海ではアジング、メバリング、シーバス釣り、エギング、ショアジギング。淡水ではバス釣りやトラウトフィッシングなどへ枝分かれします。

名前は多くありますが、最初からすべてのルアーをそろえる必要はありません。

釣る場所と魚を一つ決め、その条件に合う少数のルアーから試します。


毛鉤とラインを使って誘う

フライフィッシングでは、羽や毛などで作った軽いフライを使います。

ルアー自体の重さで遠くへ投げるのではなく、専用のラインを動かしてフライを運ぶため、投げ方にも独特の面白さがあります。

渓流の魚を狙う印象が強いものの、湖や管理釣り場などでも楽しまれています。

道具と投げ方が一般的なエサ釣りやルアー釣りとは異なるため、最初はフライフィッシングの楽しみ方を見ながら、体験教室や道具を借りられる管理釣り場を利用する方法があります。

魚を釣る前に、狙った場所へフライを運べるようになる過程も楽しみの一部です。


魚と季節から次の釣りを探す

釣りは、場所や方法からだけでなく、「どの魚を見てみたいか」からも選べます。

小さな魚を数匹釣ってみたい。
食卓になじみのある魚を釣りたい。
一匹の強い引きを味わいたい。
季節限定の魚を待ちたい。
魚を持ち帰らず、反応や駆け引きを楽しみたい。

目的が違えば、合う釣りも変わります。

春から秋の堤防で小魚を狙うなら、サビキ釣りの楽しみ方からアジやイワシへ。

砂浜で食べやすい魚を狙うなら、投げ釣りの楽しみ方からシロギスへ。

疑似餌でイカを狙うなら、エギングの楽しみ方からアオリイカへ。

川の夏を感じたいなら、アユ釣りの楽しみ方

寒い季節に小さな当たりを重ねたいなら、ワカサギ釣りの楽しみ方へ進めます。

釣り方と魚は、一対一で決まるものではありません。

堤防のサビキ、チョイ投げ、渓流のエサ釣り、アユの毛鉤、アジング、エギング、沖釣りなど、季節・場所・魚・方法を横断する多くの入口が並んでいます。

道具は「何を釣るか」より先に買わない

釣具店へ入ると、長さや硬さの違う竿、さまざまな大きさのリール、色の違う糸、針、オモリ、ウキ、ルアーが並んでいます。

釣り道具が多いのは、同じ道具の上位品がたくさんあるからだけではありません。

釣る場所。
狙う魚。
餌かルアーか。
岸か船か。
仕掛けを入れる水深。
持ち運ぶ距離。

こうした条件に合わせて、役割の違う道具が作られています。

最初に万能そうなセットを買っても、後から続けたい釣り方に合わないと分かることがあります。

最低限必要なもの

釣り場と魚に合う竿。
必要に応じたリール。
釣り糸、針、オモリ、ウキなどの仕掛け。
餌またはルアー。
釣り場に合うライフジャケット。
滑りにくい靴。
針を外すプライヤー。
糸を切るラインカッター。
防水した携帯電話。

仕掛けは、糸、針、オモリなどを自分で一つずつ組み合わせることもできますが、初心者向けに完成したものもあります。

初回は、釣りの仕掛けの基本を確認しながら、対象魚の名前が表示された完成仕掛けを使うと準備を減らせます。

続けるなら用意したいもの

道具をまとめる収納ケース。
魚を取り込むランディングネット。
魚ばさみ。
偏光サングラス。
防水バッグ。
雨具。
帽子や手袋。
小型の救急用品。
クーラーボックスやクーラーバッグ。
モバイルバッテリー。

偏光サングラスは、水面の反射を抑え、足元や水中を見やすくするために使います。

魚ばさみやプライヤーは、魚の棘や針から手を離して作業するために役立ちます。

持ち帰る場合は、釣った魚の持ち帰り方も道具選びと一緒に確認します。

最初は買わなくてよいもの

高級な竿やリールを複数本。
大量のルアー。
大型のクーラーボックス。
電動リール。
魚群探知機。
専門的なウェーダー。
高度な整備工具。
高価な撮影機材。

高性能な道具を使えば、どの場所でも魚が釣れるわけではありません。

入門用でも、場所、魚、仕掛けに合っていれば、最初の一匹を十分に待てます。

釣りを数回経験すると、「軽い道具がほしい」「仕掛けを見やすく整理したい」「小さな当たりが分かる竿を使いたい」という、自分なりの理由が生まれます。

買い替えるなら、その理由が見えてからでも遅くありません。

一回の費用は、場所と移動で変わりやすい

今回想定する当日の支出は、約3,300円です。

交通費 約1,500円

飲食費 約700円

駐車場代 約400円

餌、仕掛け、氷など 約700円

合計 約3,300円

自分の竿やリール、安全装備、収納用品などをそろえる初期費用は、標準で約30,000円を想定しています。

道具の年換算と手入れにかかる費用を含めると、一回あたり約4,200円、年間では約52,000円が一つの目安です。

ただし、釣り全体の費用を一つの数字だけで表すことはできません。

近所の川や岸辺へ徒歩や自転車で行けば、交通費は小さくできます。管理釣り場では利用料がかかりますが、道具や餌を借りられることがあります。

船釣りでは、乗船料、餌、仕掛け、レンタル、氷が必要です。遠征では、宿泊費、高速料金、燃料代も加わります。

最初の一回では、安い道具を一式買うより、道具を借りられる管理釣り場の楽しみ方や、初心者向けの釣り体験の選び方から始める方が、合わない道具を増やさずに済みます。

一日の流れは、魚を釣る前から始まっている

釣り場と目的を一つ決める

最初に「何でもよいから大きな魚を釣る」と考えると、場所も道具も決まりません。

管理釣り場でニジマスを一匹釣る。
海釣り施設でサビキ仕掛けを使う。
身近な川で小魚の反応を待つ。

最初の一日は、そのくらい具体的で小さな目標にします。

場所が決まったら、利用時間、立入区域、駐車場、トイレ、レンタル、遊漁券の有無を確認します。

天気と水辺の状態を確認する

釣りは、出発時の天気だけでは判断できません。

海なら風、波、潮、雷。
川なら雨、上流の天気、水位。
湖なら風と岸へ戻る手段。
冬なら気温、路面、凍結。

海上保安庁は、釣りを気象・海象に大きく左右される活動として、出発前だけでなく釣り中も状況を確認し、荒天が予想される場合は控えるよう案内しています。

予定時刻まで続けることより、余裕を持って片付けられるうちに終えることを優先します。

水辺へ近づく前に安全装備を着ける

ライフジャケットは、荷物の中へ入れておくためのものではありません。

釣り場へ着き、岸壁や川岸へ近づく前に着用します。

海上保安庁は、釣りでは公的な検査機関により確認された信頼できるライフジャケットを選び、身体に合うようファスナーやベルトを締めるよう案内しています。

安全装備は釣り場によって適した形が異なるため、釣りのライフジャケットの選び方で確認します。

仕掛けを準備する

竿を伸ばし、糸、仕掛け、餌やルアーを準備します。

釣り針には鋭い先端があります。仕掛けを投げる前に、後ろ、横、頭上へ人や木、電線がないか確認します。

初回は遠くへ投げることより、針を安全に扱い、絡ませずに水へ入れることを目標にします。

仕掛けが絡まったときも、針がどこにあるか分からない状態で強く引っ張りません。竿を置き、一つずつ位置を確認します。

水面と竿先を見ながら待つ

仕掛けを入れたら、魚の反応を待ちます。

何も起きなければ、すぐに大きく場所を変える必要はありません。

深さを少し変える。
餌の状態を見る。
ルアーを動かす速さを変える。
数歩だけ場所を移る。
少し休ませる。

釣れない時間にも、小さな選択があります。

魚を安全に取り込み、扱う

魚がかかったら、急に強く引き上げるのではなく、周囲の人と障害物を確認します。

大きな魚や足場の低い場所では、ランディングネットを使います。

釣れた魚の種類が分からない場合は、素手でつかみません。魚には鋭い棘や歯を持つもの、身や内臓に毒を持つものがあり、毒の有無に地域差や個体差がある場合もあります。海上保安庁も、不安のある魚へ不用意に触れないよう案内しています。

持ち帰る魚は適切に冷やし、放す魚は乾いた地面へ長く置かず、できるだけ短時間で水へ戻します。

糸や針を残さず、道具を洗う

釣りが終わったら、針、糸、餌の容器、ごみを回収します。

細い釣り糸は見えにくく、人や鳥、ほかの動物へ絡まることがあります。切れた糸も、その場へ置いて帰りません。

海水で使用した竿、リール、金属用品は、製品の説明に従って真水で塩分を落とします。

水分を拭き取り、乾かしてから保管するところまでが一回の釣りです。詳しい手入れは、釣り道具のメンテナンスへつなげられます。

釣れない時間にも、釣りらしい面白さがある

静けさが数秒で緊張へ変わる

長く動かなかった竿先が、ほんの少しだけ揺れる。

すぐに魚だと分かる反応もあれば、流れや風と区別しにくい変化もあります。

反応がある。
少し待つ。
竿を動かす。
魚の重さが返ってくる。

数秒の出来事の前に、長い静かな時間があることが、釣りの面白さです。

自然の変化を見るようになる

釣りをしていると、水面を長く見ることになります。

風が当たっている場所。
日なたと日陰。
水の濁り。
流れの速いところと緩いところ。
潮の満ち引き。
小魚や鳥の動き。

魚を探すために見始めた変化が、やがて水辺そのものを眺める楽しさへ変わります。

自分の工夫をその場で試せる

反応がなければ、仕掛けや場所を少し変えます。

変えた直後に魚がかかると、自分の考えと結果がつながったように感じられます。

反対に、何を変えても釣れない日もあります。

一つの正解を覚えて終わるのではなく、「次は何を変えるか」が残るため、同じ場所へもう一度行っても違う一日になります。

魚から食卓までつながる

持ち帰れる魚を釣った場合は、一匹がその日の食事へつながります。

魚の種類を調べる。
安全に冷やす。
下処理をする。
料理を決める。

釣り場だけで終わらず、家へ帰ってからも楽しみが続きます。

一方で、すべての魚を持ち帰る必要はありません。地域の規則と自分が食べられる量を考え、必要以上に持ち帰らないことも、長く楽しむための選択です。

身体への負担は、釣り方によって大きく変わる

釣りは、座って待つものから、水辺を歩き続けるもの、川へ立ち込むものまであります。

2024 Adult Compendium of Physical Activitiesでは、船やカヌーに座って行う釣りが2.0METs、岸で立って行う釣りが3.5METs、岸を歩きながら行う釣りが4.0METs、川へ立ち込む釣りが6.0METsの例として整理されています。

体重60kgで一時間続けた場合、計算上は約126〜378kcalに相当します。

ただし、一回の釣りには移動、仕掛け作り、休憩、待ち時間が含まれます。この数値をそのまま一回分の消費カロリーとは考えません。

運動量が小さい釣りでも、長く立ち続けると腰や脚へ負担がかかります。

一時間ごとに姿勢を変える。
座れる場所で休む。
飲み物を取る。
荷物を増やしすぎない。
暑い時間と冷え込む時間を避ける。

釣果より体調を優先し、疲れる前に片付けられる予定にします。

釣り場ごとの規則は、出発前に確認する

釣りは、竿と糸があれば、どの水辺でも同じようにできるわけではありません。

都道府県や水域によって、使用できる漁具・漁法、禁止区域、禁止期間、採捕できる魚の大きさなどが決められています。水産庁は、全国共通の基本だけでなく、都道府県ごとの遊漁ルールを確認できる情報を案内しています。

川や湖では、漁業協同組合の遊漁規則によって、料金、期間、区域、道具、方法が定められていることがあります。必要な場所では遊漁券を購入し、携帯します。

海でも、自由に採ってよい生き物や方法ばかりではありません。

地域によって採捕禁止の生物、禁止期間、保護区域、使用できない漁具があります。釣り場の看板だけでなく、都道府県の最新情報も確認します。

水辺で特に外せないこと

立入禁止区域へ入らない

釣れそうに見えても、防波堤の閉鎖区域、工事区域、私有地、波をかぶる場所へ入りません。

ライフジャケットを着ける

岸からの釣りでも、転落すれば自力で上がれないことがあります。釣り場と体格に合うものを正しく着用します。

風、波、雨、増水を軽く考えない

開始時に穏やかでも、状況は変わります。天候が悪くなってから片付けるのではなく、変わり始めた段階で戻ります。

針を投げる前に周囲を見る

後ろ、左右、頭上を毎回確認します。皮膚へ針が深く刺さった場合は、無理に引き抜かず医療機関へ相談します。

知らない魚へ素手で触れない

魚ばさみやプライヤーを使い、種類を確認します。食べられるか分からない魚も、自己判断で持ち帰りません。

夜釣りやウェーディングを最初から選ばない

夜は足元や周囲の人を確認しにくく、川や干潟へ入るウェーディングには帰還できなくなる危険があります。海上保安庁も、それぞれ昼間の岸釣りとは異なる注意が必要だと案内しています。

続けると変わる五段階の楽しみ方

1.安全な場所で、仕掛けを一度水へ入れる

最初は、道具を借りられる管理釣り場、釣り堀、海釣り施設、初心者向け体験を選びます。

竿を準備し、仕掛けを水へ入れ、片付けて帰る。

一匹釣れたかどうかだけでなく、一回の流れを安全に終えられれば十分です。

2.場所か方法を一つ選ぶ

二回目以降は、前回の中で気になったものを一つ選びます。

海で続けたい。
川へ行ってみたい。
エサではなくルアーを動かしたい。
同じ仕掛けでもう一度試したい。

釣り全体から選ぶのではなく、一つ隣の枝へ進みます。

3.狙う魚と季節を考える

慣れてくると、魚が釣れやすい時期、時間、水温、潮、流れを意識するようになります。

出発前に天気や最近の状況を確認し、魚に合わせて場所や仕掛けを選びます。

釣れなかった日にも、「次は時間を変えよう」「仕掛けを少し軽くしよう」という具体的なものが残ります。

4.場所・方法・魚を横につなげる

同じ魚を別の方法で狙う。
同じルアー釣りを海と川で試す。
岸から釣っていた魚を船から狙う。
釣った魚を料理まで楽しむ。

一つの釣りを深めるだけでなく、隣り合う楽しみへ広げられる段階です。

ここで初めて、自分に合う道具や、続けたい釣りの形が見えてきます。

5.記録し、水辺へ残すものを考える

釣れた魚、時間、天気、潮、水温、仕掛けを記録します。

同じ場所を季節ごとに比べる。仲間と安全情報を共有する。釣り場の清掃へ参加する。必要な知識を身につけ、初心者を案内する。

釣果の数だけではなく、次も同じ水辺で楽しめることへ目が向きます。

もちろん、段階1や2の気軽な釣りを、季節ごとに繰り返すだけでも十分です。

釣りが合いやすいのは、こんな日

半日ほど屋外で過ごしたい日。

一人で静かに水面を眺めたい日。

家族や友人と、会話をしながらゆっくり待ちたい日。

結果がすぐに出ない時間も楽しみたい日。

道具の扱い方を、一つずつ覚えたい日。

魚や季節、水辺の環境を知りたい日。

試したことと結果を比べられる趣味を始めたい日。

釣った魚を夕食へつなげたい日。

一方で、天候が不安定な日、睡眠不足の日、帰宅後に道具を洗う余裕がない日は負担が大きくなります。

予定していた日に実施できないことも、自然を相手にする釣りの一部です。

中止になった日は、釣り方を調べる。仕掛けを準備する。道具を手入れする。魚の図鑑を見る。

水辺へ行かない休日も、次の一回へつながります。

初めてなら、気になる入口を一つだけ選ぶ

初めての釣りで迷ったら、まずはどんな休日にしたいかを考えます。
魚を釣って食べてみたいなら、

海釣りの楽しみ方
堤防釣りの楽しみ方
サビキ釣りの楽しみ方
釣った魚の持ち帰り方

という順番で見ていくと、必要な情報が自然につながります。

静かな自然の中で過ごしたいなら、

川釣りの楽しみ方
渓流釣りの楽しみ方
エサ釣りの楽しみ方またはフライフィッシングの楽しみ方

へ。

自分で疑似餌を動かし、反応を探したいなら、

ルアーフィッシングの楽しみ方
バス釣りの楽しみ方
トラウトフィッシングの楽しみ方

のように進めます。

道具をまだ持っていないなら、

管理釣り場の楽しみ方
釣り道具の選び方
釣りの仕掛けの基本

から始めると、先に高価な道具を買わずに済みます。

最初の目標は、大きな魚を釣ることではありません。

安全な場所へ着く。
ライフジャケットを着ける。
仕掛けを一度水へ入れる。
竿先の変化を待つ。
針と糸を残さず片付ける。

その流れを一度終えることです。

魚が釣れなかったとしても、水面を見ながら一時間待つと、次に気になるものが見えてきます。

もっと魚のいる場所を知りたい。
違う餌を使ってみたい。
ルアーを投げてみたい。
次は食べられる魚を狙いたい。

一つ残れば、それが次に読む記事と、次の休日を決めてくれます。

釣りの楽しさは、魚がかかった瞬間だけにあるように見えます。

けれど、その一瞬へたどり着くまでには、場所を選び、天気を見て、道具を準備し、水面を眺め、反応がなければ小さく方法を変える時間があります。

釣れた日には、なぜ釣れたのかを考える。

釣れなかった日には、次は何を変えるかを考える。

場所、方法、魚、道具を少しずつたどっていくと、釣りは一つの趣味ではなく、いくつもの水辺へ続く入口のように見えてきます。

最初から自分の釣りを決めなくてもかまいません。

安全な場所で仕掛けを一度水へ入れ、竿先の小さな変化を待つ。

その静かな時間のあとに、次に知りたい釣りが一つ見つかれば、最初の一日は十分に次へつながっています。

休日のよりみち帖では、気軽に始められるものから、少し時間をかけて深めたいものまで、さまざまな趣味やレジャーを紹介しています。
「次の休日は何をしよう」と迷ったときに、新しい楽しみを見つける小さなきっかけになれたらうれしいです。
これからも、次にやってみたくなる趣味を一つずつ丁寧に紹介していきますので、ぜひフォローして、次の記事も覗いてみてください。



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