【施設の日常⑦】ある職員のクエスト(業務)紹介~終わらない夜~
ある夜勤の日。
夕食、口腔ケアを終え、寝る前の排泄介助も終了。
ようやく少し落ち着ける時間。
そんな時……
どこからともなく聞こえてくる音。
カツ……カツ……カツ……
杖をつく音。
「あぁ、まだ寝る時間には少し早いし、転ばないように気を付けながらなら、しばらく自由に過ごしてもらおう」
そう思っていました。
この時までは。
まさか、この後、長い夜になるとは知らずに……。
クエスト
💤睡眠へいざなえ💤
難易度:★★
22時を過ぎても、ソファーでゆっくり過ごされているAさん。
「今日も疲れたね」
そう言いながら、ニコニコされています。
自分
「もう皆さん休まれてますよ。疲れたでしょうし、そろそろ横になりませんか?」
Aさん
「そうしましょうかね」
意外にも素直に居室へ。
ベッドへ横になったことを確認。
「よし、これで少し安心」
職員は平和な時間を手に入れた。
……はずだった。
数分後。
カツ……カツ……カツ……
聞き覚えのある音。
振り返ると……
さっき寝たはずのAさんが、
杖をつきながら満面の笑顔で、
「おはようございます😃」
……まだ夜ですけど😱
追加クエスト
💤続・睡眠へいざなえ💤
難易度:★★★★★
とりあえず、もう一度居室へ誘導。
しかし……
秒で戻ってこられる。
仕方なく、しばらく雑談。
眠そうな様子は……
ありません。
目が完全に覚めています😱
しかし、他の利用者様は休まれている時間。
歩き回れば、他の方の睡眠を妨げてしまう可能性もあります。
そんなことを考えているうちに……
オムツ交換の時間。
Aさんにはソファーで過ごしていただきながら、順番に対応。
1人交換してはAさんを確認。
また1人交換しては確認。
なんとか終了。
その後も、
「少し休みましょうか」
と何度もベッドへ。
しかし……
気付けば時計の針は、
朝6時。
クエスト失敗😵💧
職員は、いつも以上の疲労を手に入れた。
Aさんは……
なぜか爽やかな朝を手に入れた。
昼夜逆転。
介護現場では珍しくない課題です。
原因は一つではありません。
日中の睡眠時間が長かったのかもしれない。
生活リズムが変化したのかもしれない。
寝る前に何か刺激になる出来事があったのかもしれない。
認知症がある方の場合、「夜だから寝る」という感覚自体が変化していることもあります。
もちろん、職員としては思います。
「夜は寝ていただきたい」
本当に、切実に。
でも同時に、
Aさんにとっては、
「いつもと変わらない日常を過ごしている」
だけなのかもしれません。
だからこそ、職員から見た「困った行動」が、本人にとっては「いつもの生活」であることもあります。
夜勤者の永遠のクエストなのかもしれません。
……そして、今日もどこかで。
カツ……カツ……カツ……。
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