見出し画像

ドンブラコッコ三人組

どんぶらこっこ、すっこっこ。  
どんぶらこっこ、すっこっこ。  

ある日、少年たち数人が川遊びをしていると、川上から巨大な物体が流れてきました。

マコト「あっ、でっかい物体だ!」

シンキチ「ほんとだ、巨大な物体だ!」

ポンタ「ヒュージマテリアルだ! ヒュージマテリアルだ!」

マコト「おい、どうやらこれは桃のようだ」

シンキチ「とても巨大な桃だ」

ポンタ「ヒュージピーチだ」

マコト「割ったら、何か出てきそうな気がする」

シンキチ「ああ、割ったら桃太郎が出てきそうな気がする」

ポンタ「マコト、おまえ割ってみろ」

マコト「いやだ、割るのはことわる」

シンキチ「オレも割りたくない。関わりたくない。桃太郎とは関わりたくない」

ポンタ「おい誰か、桃太郎を取り出せ」

マコト「いやだ、取り出すのは、お断りだす」

シンキチ「オレも取り出して、取り乱したくない。桃太郎で取り乱したくない」

ポンタ「あ、ダメだ。ほらもう、自ら桃をこじ開けて、わずかな隙間からにじり出てきてる」

マコト「くそ、やっちまったな。ボクたちは貧乏くじを引かされた」

シンキチ「桃太郎に関わると、ろくなことにならない。なんか性格ひん曲がってそう」

ポンタ「なあ、シンキチ。おまえ勝手に桃太郎って決めつけてたけど、違うぞ、これ」

マコト「ほんとだ、桃太郎ではない」

シンキチ「お爺さんとお婆さんの方か」

ポンタ「双子か」

マコト「双子じゃない」

シンキチ「老夫婦だ」

ポンタ「でも卵割って黄身が二つあったら双子って言う」

マコト「それはマジもんの双子だから。夫婦が出てくるのはいかん」

シンキチ「うむ、常軌を逸する。あっちゃならない。禁忌にふれる」

マコト「さいわい、まだ出きってない。ガムテあるか?」

シンキチ「なんと偶然にもポッケに入ってる」

ポンタ「やんのか?」

マコト「やるしかない」

シンキチ「桃太郎にも関わりたくないが、老夫婦はもっと……な、やれ、ポンタ」

ポンタ「マコト、頼む」

マコト「……汚れ仕事はいつもボクだな」

シンキチ「ガムテはオレのだ」

ポンタ「LEGOあげるから……」

マコト「……仕方ない」

ビーーーーーーー……

マコト「封印、成功だ……」

シンキチ「……でかした」

ポンタ「あぶなかった……」

どんぶらこっこ、すっこっこ……

マコト「……また流れてった」

シンキチ「関わらずに済んでよかった……」

ポンタ「タフな一日だった……」

……

マコト「誰だ、川遊びしようなんて言いだしたの?」

シンキチ「誰だ?」

ポンタ「オイラじゃない」

マコト「……もう帰るか?」

シンキチ「帰ろ帰ろ」

ポンタ「……ほんと、誰が言い出した?」

マコト「……桃太郎かもな」

シンキチ「透明な桃太郎が?」

ポンタ「オイラたちをハメたってのか?」

……

ポンタ「……バイバイ」

シンキチ「……じゃあな」

マコト「……LEGO忘れるな、ポンタ」

桃太郎「またね」

(終)

いいなと思ったら応援しよう!