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よみがえる世田谷大陸!~古墳ハイヤーグラウンドの謎を解く

学芸員資格の科目「考古学」のレポート作成のため、多摩川沿いの古墳の分布を調査していました。

・古墳ハイヤーグラウンド

古代の王や豪族が埋葬されている、多摩川沿いの荏原台古墳群。
この土地は現代において、高額所得者の住む街となっています。世田谷区等々力、大田区田園調布。
現代の豪族たちが邸宅を連ねる高台、それが古墳ハイヤーグラウンドです。

・荏原台古墳群とは

世田谷区と大田区にかけて点在する、野毛古墳群と田園調布古墳群の総称です。
4世紀から7世紀にかけて作られた、およそ50基の古墳が確認されています。
今回はそのうち12基を実地踏査しました。

・計ってみた

まず多摩川の河川敷を歩いて川沿いの高度を計測しました。
川はその地域の低地の指標として、周辺と古墳との高低差が測定できると考えたからです。
その次は古墳を繋ぐようにベスパで移動。さすがに同じ行程を2回徒歩はつらいので。

それで作成したのがこのマップです!

川沿いルートと古墳巡りルートの2本の行程が書き込んであります


古墳巡り開始

・稲荷丸古墳(五島美術館内)

規模に対してスタッフが多くない?でおなじみの五島美術館からスタートです。
庭園内に古墳があります。300円払って入館したら見学できます。

今回は美術展は見ず、古墳だけ。

・上野毛稲荷塚古墳
五島美術館から東へ向かっていきます。

この小道の奥にあります
立ち入り禁止です

元は田中幸雄氏の所有地でしたが、古墳ごと世田谷区に寄付されました。豪族。これくらいの土地を手放してもどうということはない。

・野毛大塚古墳
このあたりで一番大きな古墳です。

堂々たる雄姿
古墳の上からの眺め。人がアリのよう…
権力者のビューですね

・等々力渓谷横穴墓群
人気のデートスポット、等々力渓谷内にもあります!

いかにもな造りの外観
中は照明付き。まあまあ広い。
関西の友人がたまに東京に来てどうしようもない安宿に泊まってますが、アレより快適そうです

・狐塚古墳

結構な急坂の途中にあります
住宅街を見下ろせます
権力者のビュー

・八幡塚古墳(宇佐神社内)

古墳の上に神社が建つ、というケースが結構あります
古墳は立ち入り禁止です

・田園調布

ルート途中の田園調布です。現代の豪族が住む。

整備された街並み
高低差があるのがわかります

現地調査してみた第一印象として、古墳の立地と高級住宅街が見事に重なっています。

邸宅はどれも綺麗に手入れされ、車庫にはドイツ車が並ぶ。
「単に土地が空いているから家が大きい」というわけではないオーラ。
古墳は当時の王や豪族が埋葬されたもの。そこに現代の豪族たる裕福層の邸宅が軒を連ねている様子はとても興味深いです。

この辺りは江戸時代には郊外の寂れた農村地帯でした。それが大正時代以降の都市開発や鉄道敷設とともに高級住宅地となっていきました。
しかし、それは近年に生じた価値の転換ではなく、1500年前の古代から有力者が埋葬される由緒ある土地だったのです。

・多摩川台古墳群
多摩川台公園の散歩コースに居並ぶ古墳群。
初号機からMark.08まで、ざっとご紹介です。

次々現れる古墳をセンターに入れてスイッチ

・浅間神社古墳
ここも古墳の上に神社が建っています。

参道。高台の上に神社があります
神社からのビュー
多摩川の向こうに川崎市が見えます

・古墳を縦走

古墳から古墳への移動は、まるで山を縦走するかのように、高台から高台へと渡り歩くかたち。
渓谷内にある等々力渓谷横穴墓群でさえも、渓谷のなかの高い位置にあります。

古墳の位置と多摩川沿いの高度を重ねたグラフです

隅田川や荒川、多摩川などに存在する東京低地の遺跡は、河川沿いの自然堤防上に立地するという共通点があります。
自然堤防というのは河川の運ぶ堆積類によって形成された微高地で、高さは数メートル程度。
しかし荏原台古墳群は標高30〜40メートルと高い位置にあり、それが多摩川に沿って続いています。
つまり、集落の生活圏よりさらに高い場所に平行するかたちで作られているのです。

そのため、どの古墳も多摩川を見下ろすことができる位置にありますが、河川までは距離があるため、当時の利便性は低そうです(本人は死んでますが)。
同じ場所に建っている現在の高級住宅地もまわりに商業施設が少なく、生活利便性が良いとは言い難い感じでした。

住みたいかと言われると…
住みたい。まだ乾いてない古墳の上でもいい

古墳が1500年以上にわたり残存していることは、結果として地形的に大きな改変や災害の影響を受けにくい場所であった可能性を示唆しています。
このような安定した地盤条件は、近代以降の宅地開発においても着目された可能性があり、地形条件の持続的な価値を示しているのかもしれません。
古代の王が永眠の地として選んだ場所は、今でも一等地なのです。

これが世田谷キングダム。
高低、東西に至る移動でのスケール感としては、もはや世田谷大陸。


・レポート提出

結果は...
再提出セヨ」!ww
レポートでは世田谷大陸とか書いてないのに。

「熱心な実地踏査に基づく観察と考察は非常に興味深く、独自性のある内容となっています。」

が!

シラバスで指示した考古学のテーマとズレてない?
ということで...

「課題に沿って修正するように。」
全修正ではなく補足の項目追加、簡潔な修正でよいそうです。
枠からズレていると、絵画教室だったら全部やり直しになるところなので、むしろ大学助かるw

C判定でおしまいにされるよりは、課題に寄せた再提出でA判定を狙うチャンスをもらったと信じ、期待に応えたい!

おわり
(レポートはつづく!)

その後追記
再提出A判定でした
よかった…

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