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僕が「神を売った男」を書く理由。     娘に遺したかったのは、お金でも物でもなく。


皆さんは作品を創る時、どのような動機を込めていますか?

僕が創作を始めたきっかけは、離婚して娘と会えなくなったことでした。
「娘に、僕の言葉を遺したい」
そんな切実な思いが、すべての始まりです。

最初は、何を遺せばいいのか分かりませんでした。
離婚後、娘が学校を休みがちだと耳にするたび、焦燥感ばかりが募りました。「今の状況を変えて、少しでも娘と関わらなければ」と。
必死に面会交流の話し合いを重ね、今は月に一度、会えるようになっています。

渦中では、ぐちゃぐちゃとした感情がいくつもありました。
でも、改めて「娘に遺せるものは何か」と考えた時、行き着いたのは、お金でも物でもなく「僕の考え方」そのものでした。
自分がどう人間を見て、どう生きてきたか。それを形にしたいと思ったのです。

当時、僕の頭には一つの疑問が残っていました。「なぜ元妻は、あんな風に考えたのだろう?」ということです。
フィリピン人のクリスチャンだった彼女を理解したくて、僕は聖書を読み始めました。

ヨハネによる福音書を読んだ時、その完璧さに、どこか言いようのない違和感を覚えました。けれど、裏切り者とされるユダの行動を自分の感情と重ねて読み解いた時、矛盾だらけに見えた行動が一本の線で繋がったのです。

それが、僕の小説『神を売った男』の出発点になりました。
この経験が僕の創作の原点であり、人間を「プロファイリング」してみようと思った理由です。

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