ストーリー 作り方|物語の“核”を持たせる:テーマ
はじめに
物語を作る上で、あなたが大切にしていることは何でしょうか?
プロット?キャラクター?世界観?
たしかにそれらも重要です。
しかし、実はそれらすべてを貫く“芯”となるものがあります。
それが「テーマ」です。
テーマとは、物語の核であり、中心であり、軸です。
どれだけ緻密な構成を持ち、魅力的な登場人物を揃えても、そこにテーマがなければ、物語は空虚でブレてしまいます。
読後に何も残らない――そんな感覚の原因の多くは、テーマの不在かあいまいさにあります。
意外と、「あなたの作品のテーマは何?」と聞かれて、
すぐに「〇〇です!」と答えられる人は少ないのではないでしょうか。
しかし、テーマを決めることで、相手の心を動かす作品を作ることができるようになります。

一緒にテーマの作り方について学んでいきましょう!
テーマとは何か?
では、テーマとは具体的に一体何なのでしょうか。
簡単に言えば、「物語を通して伝えたいこと」「表現したいこと」です。
例えば、正義とは何か、愛とは何か、生きるとは何か――こういった問いや信念、感情の核がテーマとなります。
物語はあくまで表現の手段であり、テーマこそがその内側にある魂です。
例えば『ハムレット』は、復讐劇でありながら「人間の本質とは何か」「決断とは何か」というテーマを孕んでいます。
宮崎駿の作品でも、ファンタジーの裏には「自然との共生」や「生きる力」といった明確なテーマが根付いています。
『ジョジョの奇妙な冒険』では、はっきりと荒木先生が「人間賛歌」と言っていますね。
みんなから支持される名作には、明確なテーマが存在します。
あなたが好きな作品にはどんなテーマがあるでしょうか?
それを一度考えてみてください。
そのテーマがわかったら、それがなぜあなたの心を打つのかということを分析してみましょう。
あなたの作品のテーマづくりのヒントが隠されています。
なぜテーマがそんなに重要なのか?
物語を作るというのは、情報や出来事を並べることではありません。
何かを伝える行為です。
テーマが明確であれば、プロットの選択も登場人物の行動も、すべてがそれに向かって整合性を持っていきます。
逆に、テーマが曖昧なまま書き始めると、途中で展開が迷走し、キャラクターも行動原理を失います。
つまり、物語の“判断基準”が失われるのです。
テーマは、物語にとっての北極星というべきものです。
抽象的なものになりがちなゆえに、敬遠されがちですがしっかりと考えてみましょう。

次はいよいよテーマの作り方について、解説していきます。
テーマの作り方——「自分自身と向き合う」ことから始まる
「そうは言っても、何をテーマにすればいいのかわからない」
あなたはこのように感じているのではないでしょうか。
実を言えば、私もそうでした。
物語を書こうとしてから十年以上、満足に書くことができなかったんですね。
古典化されるような名作を書く、賞を獲得すると、プライドばかりが高く、迷走していました。
ですが、ある時を境に書くことができるようになりました。
当時、仕事やプライベートでなかなか厳しい状態にあり、
「いい加減、きついな。このまま人生が終わるなら、思い切って小説を書いてみるか」
と思って、一つ書いてみたんです。
それは見事に失敗しました(笑)
ストーリーの展開もできず、着地点も見えずに、中途半端に終わったんです。
ですが、当時Youtubeで見ていた『アロマンティック・アセクシャル』の動画から、「これを小説で書いてみたいな」と思い始めました。
無論、書けるわけないなと思っていたのですが、なぜか書き始めて、それが最後まで書けたんです。
拙い作品と言えばそうですし、マニアックなジャンルだったのですが、生まれて初めて、面白いと感じ、好きになれた作品になりました。
次作は婚活に悩む30歳女子の話で、これも手に負えそうにないと思いながら書いたのですが、同様に書くことができました。
なぜそれができたのかということを分析すると、「自分自身を生きる」というテーマを自分の心の中で、育てることができたからだと思います。
例えば、私は坂口安吾やヘッセに惹かれるものがあったのですが、同様のテーマがあります。
それを本や思索、人生経験から、育て上げて作品に昇華することができたんですね。
つまり、私にとっては、技術や訓練や勉強よりも、人間的に成長することが必要だったんです。
人生の中で、テーマを見つけていったということです。
ですので、あなたがもしも、作品のテーマを見つけたいというならば、人生の中で、しっかりと自分自身と向き合うことです。

人から受けそうとか、みんなやってるとか気にする必要はありません。
あなたが自分の人生の中で、深く心に思う事、それに対して悪戦苦闘することこそがテーマになるんです。
そうして、あなた自身の中から生まれたテーマは、誰かの心を打つテーマとなります。
大げさに聞こえるかもしれませんが、テーマとはあなたの人生そのものです。
何に怒り、何に悲しみ、何を守りたいと感じたのか。
何を失い、何を乗り越えてきたのか。
あなたの物語は、あなた自身が生きた時間の中にしか存在しません。
だから、テーマを見つけるためには、自分の本音と、過去と、苦悩と、夢と、対話することが必要なのです。
書くという行為は、その「内的な対話」から始まるのだと思います。
まとめ
テーマは物語の核・中心・軸である
テーマがなければ、物語はブレて読者の心に残らない
テーマは「伝えたいこと」「表現したいこと」
テーマを見つけるには、自分自身の人生に向き合うことが必要
物語を書くとは、何かを伝えるという行為です。
そして伝えるべき「何か」は、あなたが実際に見て、感じて、苦しみ、考えた先にあります。
あなたの中にしかないテーマは、他の誰かにとっての光になるかもしれません。
だから、焦らず、じっくりと、自分に問いかけ続けてください。
あなたのテーマは、きっとあなたの人生のどこかに、静かに息をひそめて待っています。
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