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全8話|バズったYouTubeで月20万円──Hさんが「これで食べていける」と思った日と、その代償【第3話】

Hさんは、釣りとゲームが好きな器用な青年です。
前回は、彼が手先の器用さを活かして、拾ってきた貝殻や石を磨き、アクセサリーや小物として販売し始めたこと、
そしてYouTubeでも加工の様子を発信し、販売につなげていったところまでお話ししました。

動画の広告収入は安定して月1万円ほど。副業全体で月6〜7万円に届くようになってきて、Hさんのやる気もどんどん高まっていきました。


顔を出さずに勝負したYouTube

Hさんはイケメンです。正直、見た目はイケメンで顔で得しているタイプと言ってもいい。
だから私は当初からこう言っていました。

「顔出ししたら、再生数もっと伸びると思うよ」

でもHさんは頑なに断りました。

「顔を使って稼ぐのは違う気がするんですよね」

彼なりの美学や考えがあったのでしょう。
喋りが得意なタイプでもなかったので、結果的に「顔出ししない」「ナレーションも最小限」のスタイルでやっていました。
拾ってきた石や流木を加工したり、貝殻をキレイに磨いてアクセサリに加工したり、ルアー作りも一から撮影し投稿しました。
それでも、加工の丁寧さや完成度の高さが視聴者に伝わり、一定の支持は得ていました。

バズった動画、そして一時的な成功

そんな中、ある日突然、彼の動画の1本が“バズ”り、過去の動画の視聴回数も急増しました。
何かがアルゴリズムに引っかかったのか、SNSでシェアされたのか──理由ははっきりしませんが、
今までの再生数の10倍以上、そして広告収入は一時的に月20万円を突破

「副業」だったものが、にわかに「本業でもいけるかもしれない」という感覚に変わるほどの出来事でした。

しかし、ここから歯車が狂い始めた

問題はここからです。

このバズをきっかけに、Hさんは加工して販売する作業をやめ、動画制作にのめり込んでしまったのです。

もちろん動画は更新され続けましたが、肝心の売上を生む物販が止まりました。
拾ってきた素材を売る最低限の部分は私が「やめたらだめだよ。海にも川にも行くんだからついでだと思ってさ」といって半分強制に近い形でやらせていました。
しかし、複数あった収益はYouTube一本に近づいていきました。

そして、方向転換もズレていきました。
なぜか、Hさんはゲーム実況に手を出したのです。

ゲーム実況に手を出して…そして失敗

私は内心、「なぜ今それ?」と思いました。
彼はゲームがうまいのですが、ゲーム実況は全く別の世界。喋りや企画力が問われます。
当時、私もゲーム実況をやっていましたが、それは趣味。
収入も月に2000円~3000円程度でした。ゲーム実況で収入をコンスタントに得るには今までと同じような投稿では無理。と彼に話しましたが

「登録者がこれだけいるからイケると思うんですよね」

方向性が完全にずれている。でも彼の意思や決断が一番重要。
私は葛藤しましたが、最終的にしばらく様子を見ることにしました。
もしかすると上手くいくかもしれない。そんな気持ちがあったのも事実です。

結果は案の定でした。

  • 視聴回数は伸びない

  • チャンネル登録者も徐々に減少

  • もともとあったファンも離れていく

彼自身も焦りが見えてきました。
そしてある日、反省会もかねて、Hさんと二人で海釣りに出かけたときのことです。

「これで食べていけると思ったから──」

釣り場でぽつりと、Hさんが言いました。

「あのバズで、これで会社辞めて食べていけると思ったんです」

私はその言葉を聞いて、ようやく腑に落ちました。
彼が動画にのめり込んだのは、ただ“楽しかったから”ではなかったんです。

本当に、会社を辞めたかったんです。
通勤に1時間半かかる、安い給料、無意味な飲み会や麻雀。
あの環境が心底ストレスだったんだろうな、とその時初めて本音が見えました。

「それなら、事業として構築していこう」

私は彼にこう伝えました。

「だったらもう、会社を辞めて食べていけるように副業じゃなくて、ちゃんとした事業にしよう」
「趣味ベースから脱して、長く続けられる“軸”をつくるんだ」

これは甘い希望や夢ではなく、現実に収益を生み、再現性のある構造をつくるということです。
それが私の副業コンサルタントとしての仕事でもありますし、Hさんの未来を支える本質的な道だとも思ったのです。


全8回の3回目でした。次回は、このときの話し合いをもとに、Hさんがどんな商品と分野で“事業化”を進めていったかをお話しします。
いよいよ、副業の延長ではなく、“本気で食べていくための仕組み”づくりが始まっていきます。あと5回。最後までお付き合いいただけれ嬉しいです。



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中野英仁 いつも記事を読んでくれて、ありがとうございます。みなさんからのチップは、今後の情報発信の大きなモチベーションです。私の活力の源である水草水槽の維持費に使います。もっと役立つ情報をお届けできるように頑張ります。