「良い仕事」を規定する、3つの必要条件
社会人になって17年目を迎えていますが、これまでずっと抱えてきた問いが「良い仕事ってなんだろう」でした。
自分が「良い」と思っても、誰かにとっては「悪い」かもしれない。
この問いによって歩みが止まることはありませんでしたが、ずっとモヤモヤしていたのも事実です。
ですが今回、とある友人を取り巻く顛末と、彼が紹介してくれた一つの動画のお陰で、「必要条件」は解が見えてきたので、言語化してみたいと思います。
とある友人の話
(詳細が言えないので、かなりふわっとした内容になっていますが、エッセンスだけでもお伝え出来ればと思います)
<概略>
・僕の友人が、とある会社の意思決定者として10カ月間、一心不乱に働いてきました。
・最初から(勿論彼責任はない)トラブル対応など精神的にも辛い仕事が続きましたが、逃げずに、一つ一つの仕事を真剣に取り組んできました。
・全国各地を飛び回り、各現場の人達と顔を合わせ、話を聞き、見つけた課題に対して丁寧に対応していきました。
・そして10か月後、とある理由でそこを去ることになりました。
10か月なので、まだ全ての課題が解決したわけでも、とんでもない成果が出たわけでもなく、社員から「逃げるのか」的なネガティブな反応があってもおかしくはありません。
ですが、社員、そして要職にある方々からはもの凄い量の「感謝」、そして「惜別」の声が上がりました。
この「惜別」は「寂しい」のような表面的な感情ではなく、「この人ともっと一緒に働きたかった」「この人ともっと働ける世界線があったら、どんなことが出来ただろう」といった、極めて本質的かつ心からの「惜しみ」でした。
僕もブラジルで約3年、ウクライナで約4年(駐在期間は3年)、現地にどっぷり漬かって仕事をしていて、似たような反応をいただきましたが、たった10か月でこれほどの反応・反響を貰えるというのは本当に凄いと思います。
これを見て、「ああ、良い仕事ってあるんだな。ヒトに届くんだな」と思ったのが、今回のnoteを書くきっかけになりました。
『知ってる・できる・やってる』
OWNDAYS田中社長のプレゼンテーション
その友人から、「自分がこの会社に行く前に見て、それから何度も見ている動画がこれ」と言われて紹介されたのが、OWNDAYS田中社長のプレゼンでした。
非常に素晴らしいプレゼンなので是非見ていただきたいのですが、一言で言うと、『知っていて、出来ることを、"ちゃんと"やり続ければ、夢は叶う』というシンプルな内容です。これを彼は
『知ってる・できる・やってる』
というキャッチ―なフレーズにしてプレゼンしています。
言い換えると、「知っていて、出来るけど、やらない人」が大多数であり、最後の「やる」かどうかだけで人生が大きく変わる、ということを言っています。
この「結局は行動力」というのは世の成功者たちが異口同音に言うことなので、あまり新奇性はないかもしれませんが、大事なのは『何を』の部分を、『知っていて、出来ることを』と表現したことが画期的なのだと思います。
「何を達成したいか」ではなく「どんな人間になりたいか」
上記の田中社長の動画では、「毎日どんな習慣で生きるか」ということについても触れています。
「複利で伸びる1つの習慣」という本では、「習慣」を設定する時に「アイデンティティベース」で設定するよう強く指示しています。
結果ベース:「何を達成したいか」を意識して、習慣を設定する
アイデンティティベース:「どんな人になりたいか」を意識して、習慣を設定する
分かりやすい例として、タバコを止めようとしている時にタバコを勧められた時の返答が以下のようになります。
結果ベース:「結構です。タバコを止めようとしているので」
アイデンティティベース:「結構です。私はタバコを吸いませんので」
「自身と矛盾する行動・習慣は長続きしない」という前提に立ち、行動を変えたいのならアイデンティティを変えろ、とこの本は説きます。
田中社長は25歳の時に「ビッグになる!大企業の社長になる!」と思ったそうで、その深浅は置いておいて「こういう自分になるんだ!」とアイデンティティを大きく切り替えたことが大きかったのだろうと思います。
だから、全ての習慣が「こういう自分」に必要なものになった。
自分を変えようと思ったら「なりたい自分」を設定せい、というのは当たり前のようで抜けがちな視点であり、それをまさに体現している動画だと思いました。
「良い仕事」を規定する3つの必要条件
①「私心がない」
では、ここからはタイトルにもなっている「良い仕事」の話に移りたいと思います。
一つ目のキーワードが「私心」です。
私心は一言でいうと「自分の利益ばかりを考える心/利己心」。これがある仕事は「良い仕事」になる可能性は著しく低いと思います。
「この仕事を成功したら自分が有名になれる」「自分の給料が上がる」、、、そういった私心がモチベーションになって仕事をしていると、必ず社会のニーズとのズレ、解決しなければならない課題とのズレが生じます。
例えば、老子は「上善水の如し」として、「最も理想の生き方は水のようなものである」と表現しています。
これは水の「柔軟性」を何よりも評価したものですが、「私心」がある人は自らの利益に囚われるので、確実に柔軟性を失います。
状況が変わった時、「自らの利益に囚われている様」を見て、他者はその人の利己性に気が付いてしまいます。そして、その人から人が去っていき、結果として何も生まれない。
私心なく、何物にもアンカリングされず、状況に応じてやり方・あり方を変えられる人の仕事は「良い仕事」になりやすいでしょう。
②「圧倒的に行動する」
これは上記田中社長の動画パートでの繰り返しになりますが、結局は「やってるか?」ということです。他者にマイナスを引き起こすような「やる」ではだめですが、そうでなければ、行動量は常に正義です。
行動量が正義である理由は「結果が出やすい」ことともう一つ、「熱量」です。
人はどんな人についていきたいか。『夢や課題といった「コト」に対して、圧倒的な熱量を向けられるヒト』です。ですが、その人の内にどれだけの熱量があっても、外からは見えません。見えるのは行動だけ。
つまり、「行動」が「熱量」を表現し、伝播させます。
綺麗な言葉を並び立てるのではなく、「出来ることを、ひたすらやる」。これが結果も仲間も引き寄せます。
※「行動」が過去を再編成する、という効果もありますが、それは以下noteに譲ります。
③「逃げない」
圧倒的に行動していると、それだけの数の「逆境」が発生します。ここで「逃げるか逃げないか」が「良い仕事」の3つ目の分水嶺です。
まず成果を出すという観点で、「逆境」と「無風」を比べたら絶対に「逆境」の方が良いです。なぜなら、エネルギーがあるから。
エネルギーが無い所にエネルギーを生むのは極めて難しいですが、「向きを変える」のは実はさほど難しくありません。
中国の哲学書である「菜根譚」には「順逆一視」という言葉があり、これは「順境も逆境も同じように受け止め、感情に執着せず淡々と対応せい」という意味ですが、まさに「同じ」と捉えてしまえばよいです。
そして、仲間を引き付けるという観点では、まさに「逆境の時の対応」が全てです。
人間性は、上手く行っている時ではなく、上手く行っていない時=不遇な時に露わになります。そして、ヒトは本当にヒトのことをよく見ています。自分の想像の10倍は見られていると思った方が良い。
「不遇な時に露わになった人間性」を見て、周囲は最終的にその人に付いていくかどうかを決めます。
仮に凄い熱量で集団を引っ張って行っていたとしても、一度「逃げる」姿を見せたら、もう終わりだと思った方が良いでしょう。
おわりに:「私心なく、逃げずに、圧倒的に行動」すれば、きっと良い仕事になる
こちらのnoteにも書きましたが、僕は驚くほどの「凡人」です。
ですが、ブラジルで500人、ウクライナで300人の会社の出向者として現地の皆と結果を出し、今はセルソースで60人組織を率いて曲がりなりにも成果を出してきたと思います。
それはなんでかなと思っていた時に、社内で貰った僕に対する「180度フィードバック」を読むと、「Good」のところに並んでいたのは「一貫性がある」「逃げない」「熱量半端ない」でした。
「逃げない」と「熱量半端ない」はまさに今回の内容ですし、「私心がある」と場面場面で言うことが変わるので、「一貫性がある」も今回の内容から遠くないなと。
なので図らずも、少なからず「私心なく、逃げずに、圧倒的に行動する」ことが出来ていたのかなと、と今回のnoteを書いていて、自分を承認してあげられました。
どれだけ状況が変わろうとも、どれだけ年を取ろうとも、どれだけ成功しようとも、「私心なく、逃げずに、圧倒的に行動」して生きていきたい、と思います。
ではまた次回、お会いしましょう。
細田 薫
