とっておき家事とわたし
とっておき家事とは、三條凛花さんが提唱する、
『一日ひとつ、ちょっとだけ特別な家事をやろう』
という試み。
一日ひとつの特別な家事で、日々を彩る。
苦手な家事を少しでも楽に、愉しくできるようになれたら。
きっと、そんな願いが込められているのではないかと、思っている。
とっておき家事。
それはわたしが提唱している試みで、1年で365個の“ちょっとだけ特別な家事”をやろうというもの。
1年で365個というのがポイント。
1日ひとつじゃないし、先取りも後追いもOK。
「とっておき」「ちょっとだけ特別」という言葉からていねいな家事をイメージするかもしれないけれど、なんでもいい。
とっておき家事を、365個×11年続けてこられた凛花さんの記事を読んだ。
365日続けるのも大変なのに、それを11年。
誰にでもできることじゃない。心の底から尊敬する。
凛花さんを知ったのは、10年ほど前。
その頃のわたしは、結婚して数年が過ぎてもままならない家事に翻弄され、なにか解決策はないものかと、WEBの家事ブログやTwitter(現 X)を読みあさっていた。
当時は家事ブログ全盛期。
家事の工夫や、きらきらした生活を発信して人気になったブロガーさんたちが、次々と出版していた時期だ。
そんな中、凛花さんは小さな工夫でコツコツと家事を進めていく方法を発信されていた。
2016年の家事を記録していたノートには、凛花さんが配布されていた、家事のお助けになるアイディアがつまったビンゴシートが貼ってある。
あの頃、どんなに頑張ってもうまくまわらない家事をどうにかしたくて試行錯誤していた。その痕跡が、古いノートからはありありと見てとれる。
『どうして、家事はなんの苦労もなくできるものと思われているんだろう。結婚したからって、いきなりできるようになんてならいのに』
ずっとそう思いながら、できない自分が嫌になる毎日。
唯一、料理だけは苦もなくこなせた。夫の味覚に合ったようで、それだけが幸いだった。
iPhoneに残る当時の夕飯の写真を見ると、我ながらよくやっているなあとしみじみ思う。
とにかく苦手なのは片づけと掃除。
見かねた夫が、
「曜日でやることを固定すればいいんだよ」
とアドバイスをくれた。
それでもやっぱり、掃除はどこまでやればいいのか判断できないこと( たとえば、カーテンレールの埃はどれぐらいの頻度で掃除するもの?とか、カーテンの洗濯は?などなど)が多くて、悶々としていた。
料理以外の家事はしんどい。
そんなふうに行き詰まっていたわたしにとって、凛花さんがはじめた『とっておき家事』は、やわらかなひだまりに降る、あたたかいひかりだった。
一日ひとつ。なんでもいい。
美味しいスイーツを食べるのでも、調べものでも、いつもやらない家事に挑戦するのでも構わない。
『とっておき家事』のハッシュタグをつけて、Twitterに投稿する。
ノートを作って記入する。
仲間がいて、反応があって、できたことが積みあがっていく。
すべてが楽しかった。
"面倒な家事"に、"やりがい"のルビがついた。
家事が(特にわたしが苦手とするものが)難なくできるひとには、
たったそれだけのこと?
かもしれない。
でもきっと、わたしを含むあの時Twitterに集った『とっておき家事』仲間たちにとっては、大きなすくいであり、楽しい行為であり、日々を愉しく彩ってくれるすてきな活動だった。
その証拠に、『とっておき家事』で繋がった仲間たちと、わたしはリアルでお会いしたし、いまでもゆるくおつきあいが続いている。
『とっておき家事』の会には『とて家事ラボ』と愛称がつき、現在も凛花さん発案の【スリークエスト】【リミット15】などの自主的な活動が継続している。
家を整えたひと、家事の苦手を改善したひと、引越しをしたり、リフォームのための準備をコツコツと進めたひと、生活環境の変化に対応するための改善をしたひと。
みなさんそれぞれに、『とっておき家事』で様々な事柄を解決していった。
わたしは魔法を使ったのかもしれない。
12年以上前と同じアニメを観ながら、凛花さんはこの十数年で変化したご自身の暮らしぶりを、そんなふうに表現している。
苦手な家事、その理由、ご自身の性格などをとことん分析し、対策を練って、改善を積み重ねて、たどりついた現在の暮らし。
わたしたちとて家事ラボのメンバーにとって凛花さんは、魔法使いであり、ギルドマスターだ。
ラボを無償で運営し続け、活動を楽しめるよう色々考え、アイディアを惜しみなく出してくれた。
凛花さんが長い時間をかけてご自身に魔法をかけたように、わたしたちにも魔法をかけてくれた。
わたしも魔法をかけられたひとり。
どんよりと鈍色の雲におおわれていた毎日は、『とっておき家事』にであって一転、きらきら明るく楽しい日々に変わった。
一日ひとつ、なにかを考えたり調べたりするうち、自分が思っている以上に料理が好きで得意なんだと知った。
それだけで、家事が苦手な自分に少しだけ自信がついた。
数年前には一度、私室の荷物をすべて出してリセットできた。
掃除や片づけの改善はまだ道半ば。けれど、10年近くゆるくでも続けてきた『とっておき家事』がもたらしてくれた変化は大きい。
今年のはじめに書いた記事で、わたしはこんなことを書いている。
3.とっておき家事を365個
ここ数年、サボりがちなとっておき家事を、今年は365個やりきりたい。
残念ながら今年は、想定外の入院続きで落ち着かず、365個は叶いそうにない。
それでもとて家事を記録している手帳を見ると、4月までは、一日にふたつみっつと先取りしながらやっていた。
4月前半に今年最初の入院をしてからは、noteに記事を書いて思考の整理をしていたけれど、そのあと他の事情もあってほとんどできなくなった。
そして今回、凛花さんの記事を読んで気づいたことがある。
わたしの頭のなかで『とっておき家事』の『ちょっとだけ特別』が、『きちんと特別』にすり替わっていた。
どんなに小さなことでも「ルーティン家事じゃないもの」ならカウントできるから、よく日々の営みを観察すれば、きっと今から達成させることだってできる。
この一文を読んでハッとした。
そうだ。きちんと特別なことをやるのが、『とっておき家事』じゃない。
改めてそう気づいて、毎日記録しているlifelogノートを見返して、ルーティン家事じゃないものをピックアップしてみた。
そうしたらなんと、193個も『とっておき家事』ができていた。
今年はまだあと46日ある。
一日ひとつやれば、合計で239個
少し頑張れば240個。250個も夢じゃない。
あ!
これが凛花さんのいう数えの魔法!
できるじゃんわたし。できてるじゃん、わたし!
やっぱり凛花さんは魔法使いである。
残りわずかの今年だけれど、クリスマスに大そうじ、年末年始と「とて家事」チャンスはたくさんある。まずは「10個」を目標に、いっしょに走ってもらえたら、とてもうれしい!
『とっておき家事』という心躍る試みが、かつてのわたしの暮らしに彩りをくれた。
今年はいろいろあって、いまだに落ち着かない年なのだけれど、残りひと月半を凛花さんと一緒にとて家事で彩っていこうと思う。
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