第二回 生まれてはじめての記憶を聞かせてください
娘の誕生を機に、出会った人たちから「生まれてはじめての記憶」を聞いて文章にまとめるようになりました。
ひとつひとつは短いけれど、思い出の花束のようなインタビュー連載です。
「はじめに」はこちら

小さな店がひしめく商店街を親に連れられていた。レンタルビデオ店でなにか特撮のビデオを借りてもらった。80年代、幼児の目にはとにかくやたらとごちゃごちゃいろんなものがある商店街に映った。有頂天の「BYE-BYE」を聴くと当時の空気を強烈に思い出す。
コメカ 早春書店/TVOD/MicroLlama

町のまんなかにできた新しい百貨店に連れられていった。そこで見たパステルカラーの階段を本当に素敵だと思った。トレイシー・ソーン「遠い渚 ディスタント・ショア」のパステルなジャケットを見ると素敵だと思ったあの階段と80年代を思い出す。
パンス TVOD/文筆家/DJ/年表制作者

広くてあたたかい温室のような空間で、ものすごく大きな極彩色の鳥を見ていた。赤や青や黄緑の鳥がいっぱいいるのを、ひとりぼっちで見渡していた。
高岡洋詞 フリー編集者/ライター

じゃあね、と保育園の園庭から母親が去っていく。自分そのものだと思っていた母親が去っていく。自分自身がばらばらになっていくようで、あまりにつらくて泣いている途中で記憶はふつっと途切れている。
gonta 会社員/DJ

怒られて気がついたら、クラスのみんなは同じことをやっていた。それがいつ始まったのか、なぜ始まったのか、どうしてやらなければいけないのかわからなかった。居心地が悪かった。自分だけ宇宙人のような気持ちだった。幼稚園がだいきらいだった。
あゆみ デザイナー/DJ
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