第三回 生まれてはじめての記憶を聞かせてください
娘の誕生を機に、出会った人たちから「生まれてはじめての記憶」を聞いて文章にまとめるようになりました。
ひとつひとつは短いけれど、思い出の花束のようなインタビュー連載です。
「はじめに」はこちら

駅からうちへ向かう長い坂道を母親が自転車を押して歩いている。荷台にくくりつけられているビールケースみたいな箱を見上げながら、その後ろをついて歩いていた。そばを赤い電車が走っていて、桜はうすいピンク色だった。
いいあい イラストレーター

幼稚園の窓の外には雨が降っていて、庭の大きな木も、背の低い木々も、まだ花開く前のばらの新芽も濡れている。母親が傘を持って迎えに来て、雨の中を一緒に歩いて帰った。
夢枕獏 作家

幼稚園の教室にマリア様の像があった。そのマリア様の足元にたくさんの動物がいて、その中にヘビがいた。
米山葉子 お手伝い

公園の大きなすべり台の上で、お父さんの膝に座っていたはずが転げ落ちてしまった。手すりに思いきり頭をぶつけてから下の砂場まで派手に落ちて、集まってきた知らない子どもたちの顔がたくさんこちらを覗き込んでいた。
江南匡晃 株式会社エディットモード代表
ビデオゲームアパレル「THE KING OF GAMES」デザイナー

みっつ年上の姉に関節技でやられまくっていた。姉が世界で一番強かった。
生駒純司 第2代修斗世界ストロー級チャンピオン
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