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【36歳からの人生の作り方】#7 フリーランスに必要なのは社交性?それとも孤独への耐性?一人になって初めてわかったこと

36歳まで、わたしは「趣味で絵を描いていた専業主婦」に過ぎなかった。

それがイラストレーターになり、46歳で漫画家になり、51歳でインタビューライターになった。気づけば4冊の本を出し、NHKで教え新聞やテレビ媒体でコラムを書くまでになったのだ。

20年前のわたしが、「何かの間違いじゃない?」と疑うような、そんな激動の記録をここに記したい。

この冒頭から始まる記事も、今回で7本目となる。

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20年前、細密画や磁器絵付を習っていた、子どものいない専業主婦のわたし。ライター講座にも通い始めたことがきっかけで、ブログに描いていた「ひよこ日記」の出版が決まった。

別でイラストの仕事も決まり、追い風に乗って夫と離婚池袋で一人暮らしをはじめた。

池袋とは関係ないけど、都内に引っ越したので東京タワー(笑)
当時(2006年)はスカイツリーはまだ影も形もなかった


一人になって「はじめて」見えたもの


36歳でイラストレーターになってから、やりたいことは次々に出てきた。いつも何かに挑戦している気がする。そう話すと、こう言われることが多い。

「自分が何をしたいのかわからないんです」

その気持ちはわかる。わたし自身、以前は「本当に自分が何をしたいのか」がわかっていなかったから。

今日はわたしが「やりたいことをどうやって見つけたか」と、フリーランスにとって大切な特性について書いてみたい。


一人暮らしで気づいた本当の自分


36歳で一人暮らしをして、初めて気づいたことがある。

たとえば、若いころにあんなに「楽しい」と思っていたことの多くが、実はただの「お付き合い」にすぎなかったこと。

90年代前半、冬になれば映画『私をスキーに連れてって』を見ては、ユーミンをBGMにスキーに繰り出すのが一種の文化だった。もちろんわたしも毎週のように雪上の人になった。だって冬場はスキーをしないと誰も遊んでくれなかったから。

当時のことを思い出して2023年に描いた「イラスト俳句」
初キッスはスキー場じゃないけどね(聞いてない)


今ならはっきり言える。無理してまで、人と同じことをしなくてもよかったんだよね。


大変さと引き換えの自由


一方で、一人暮らしは「自由」なだけじゃなかった。

家事は一通りできても、テレビの配線もブレーカーが落ちたときの復旧も一人ではできなかったし、高い場所の電球さえ取り替えられなかった。

「一人って大変だぁ」

ぼやきつつも、毎日が新鮮だった。そして、一人になってみて初めて、自分というものが見えてきた。

同時に、「フリーランスとして生きる」ことは、「自分自身と向き合うこと」であることにも気づいたのだ。


孤独が自分自身をあぶり出す


もしも、「自分が本当にやりたいこと」を知りたいなら、1カ月くらいの間、休日に誰にも会わずに一人で過ごしてみるといいかもしれない。もし状況が許すなら、一人暮らしをするのもおススメだ。

極端に聞こえるかもしれない。でも「何をしたらいいかわからない」人は、やりたい仕事だけじゃなく趣味もないことが多いのではないだろうか。

いつも友達と会って予定が埋まっていると、わざわざ「自分の好き」を掘り起こす必要がなくなる。誘われるまま出かけて、楽しく過ごせているならそれで十分だ。趣味がなくても困らない。

だからこそ、「本当は何が好きなのか」が見えにくい。個人的には「無理に見つける必要もないのでは?」と思うほどだ。

誰でも孤独になれば、「一人の時間」を埋めるため、否応なしに自分の興味の矛先を探し始めるものなのだ。


パーティー三昧の日々で気づいた意外な自分


子どものころから「人見知り」とは無縁だった。「人なつっこくておしゃべり」と通知表に書かれることはもはや定番。自分が「社交的」であることを疑ったこともなかった。

その前提が崩れたのも、この一人暮らしをはじめてからだった。

ライター講座の友人に誘われて、飲み会やパーティーに顔を出すようになった。主婦の世界では「子どものいない30代」は肩身が狭いけれど、一歩外に出れば非婚の30代なんて珍しくもない。

なんだかやたらとパーティーに出ていたころ(2006年)

友達が増えるほど疲れて、ひとりの時間で回復する日々


目の前に広がる華やかな世界。主婦時代に恋焦がれた同世代の友人たち。最初こそ楽しかったものの、だんだんと疲れを感じるようになった。ここで初めて気づいた。自分が本当は大勢の場が苦手だということに。

帰宅後はいつも「一人反省会」をして、ドッと消耗する。
「あの一言、よけいだったかな」
「何でもっと気の利いたことが言えないんだろう」


ひとりになってやりたいこと


では、絵を描いてさえいられれば、それでシアワセなのかと聞かれれば、そこまででもないことに気づいた。

2006年春から、築地のイラストスクール・パレットクラブに通い始めた。ずっと趣味で描いていた絵に久しぶりに課題が与えられ、ジャッジされるようになると、絵を描くことがしんどくなってきたのだ。

そうだ、わたしはこの先、絵を仕事にして生きていく。それなら絵とは別の趣味を見つけなくてはいけないのでは?

「わたしは一体、何がしたいんだろう?」


理想は美術展とライブを一緒に楽しめる相手


答えは、思ったより早く出た。美術史の講座で学び、年間100本近い美術展を観るほどのめり込んでいたこと。久しぶりに行きはじめたライブがやっぱり楽しかったこと。

そうだ、わたしは美術館とライブに行ければ、飲みに行けなくても全然平気なんだ、と気づいた。

The Yellow Monkeyの吉井さんのライブチケットを取るため、37歳で22年ぶりにファンクラブに入った。

冴えなかった20代の「青春」を取り戻すような日々だった。

次に恋するなら・・・


美術展は一人で行き、ライブはロック好きな友人を誘って出かけた。それはそれで楽しかったけれど、ムクムクと欲が芽生えた。

「もし次に誰かと付き合うなら、美術館やライブに一緒に行ける人がいいな・・・できればイエモンファンで。いないか、そんな都合のいい相手」

孤独は、確かに「好き」をあぶり出してくれる。そこから20年、「好きなこと」は変わらないままだ。


孤独な時間が作った「強い自分」


孤独になって「好き」がわかったとしても、その先を進むかどうかを決めるのは自分次第だ。

わたし自身、社交的ではない代わり、一人でいるのは少しも苦じゃないことにも気づいた。仕事で自宅にこもり、2週間くらい誰とも話さなくても平気なのだ。

前の結婚生活は「一緒に楽しんでくれる誰かを待っていたら、永遠に人生は楽しめない」という環境下だったから、一人で行動するしかなかった。もともと孤独に強いから耐えられたのかもしれない。


フリーランスに必要な「特性」とは


イラストレーターやライターの世界は華やかに見えて、実際には地味で孤独な世界。現在は依頼から納品まで、Web上ですべてが完結する。顔を見ず、声を発しないまま仕事が終わることも多い。

それでも、対面での社交性がある方が営業面で絶対的に有利なのは、今も20年前も変わらないと思う。その上で、一番大切な特性は何か、と問われたら、「孤独への耐性」だと答える。

なぜなら、社交性は努力次第で磨ける。でも、自分が孤独と向き合えるかどうかは、ごまかせないからだ。

ひとりで生きる土台


売れっ子になるほど、机に向かう時間は長くなる。そこにまず耐えられなければ、この仕事はできない。いつも人と一緒に楽しく過ごしたい人には向いていないのだ。

一人になると「好き」は見える。でも、それを仕事にするには「孤独への耐性」が必要になる。この2つが揃って、ようやくフリーランスとしての土台ができるのだと思う。

「出版の話はどうなったのよ?」という声が聞こえてきそうだけど、長くなったので、またこの次に。


今日も一人反省会

さて、お待ちかねの(え?待ってない??(笑))おまけのひよこマンガ。

ワタクシひよこ、まぁまぁ失言が多い。むろん悪気はまったくなく、むしろ本人はほめたつもりでいたりする。

たとえば、こんな感じ。

「さわやかですね」がひよこの中で脳内変換されると「お酒弱そうですね」になる・・・ごめんなさい、Tさん!(でも今もTさんとは仲良し♬)

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出版するためにどうすればいいか?について書いたnoteをまとめたマガジン


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陽菜ひよ子 / インタビューライター&イラストレーター もし、この記事を読んで「面白い」「役に立った」と感じたら、ぜひサポートをお願い致します。頂いたご支援は、今後もこのような記事を書くために、大切に使わせていただきます。