私が小説を書くときにやっていること
こういう話を普通に書いちゃうと面白くないので、
ここでは本職のシステム開発のワークフロー風に書いてみようと思います!
システムを作る時って、大体こんな順番で工程を踏んでモノづくりをしています。
①ユーザ要求
「こんなの欲しい」という、お客さんのお気持ち
②要件定義
お気持ちを詳しくヒアリング。諸々の調査。
お気持ちの内容を実現可能な方向へ固めていく工程になります。
ほやっとしたシステムの全体図を描く感じ。
③基本設計
じゃあ、システムとして具体的にどうするの?を決めていきます。
データベースにどんなデータを持たせるの。
画面はどんな動きさせるの。など。
ここに書いてある内容が操作マニュアルの土台になったりします。
④詳細設計
基本設計で決めた内容を、プログラムに落とせる段階まで詰める作業です。
パンピーが見てもわけわからん資料です。
⑤実装
プログラミングです。
⑥テスト、レビュー
作ったプログラムが設計通りに動いているか確かめる作業です。
自分以外の人にも確認してもらいます。
⑦UAT
本番さながらにシステム全体を動かしてみる最終テストです。
⑧カットオーバー
本稼働です。お疲れさまでした!
さて、この工程を小説執筆に当てはめていくと、
①ユーザ要求 = ネタ探し
②要件定義 = ネタ膨らませ期間
③基本設計 = 登場人物、世界観、関係性などの構築
④詳細設計 = プロット作成など、細かいところまで詰める作業
⑤実装 = 執筆作業
⑥テスト、レビュー = 都度推敲など
⑦UAT = 最終チェック
⑧カットオーバー = 投稿または応募
こんな感じになろうかと思います。
前置きが少々長くなりましたが、
いよいよ、ひなたさんは小説を書くときに何やっているの?に移ります。
どんなジャンルでもやっている事の大枠は変わらないのですが、歴史ガチ物とそれ以外とで若干アプローチが違うので、それを一覧にしてみます。

では、それぞれ順番に具体的にはどんなこと?を書いていきます。
【歴史ものを書く場合】
①ユーザ要求
ある日突然、その方に興味が沸いたり。
何とはなしに、その方に関する記事を拝見したり。
たまたま、その方の所縁のある場所に行く。
そんなシチュエーションで、その方の存在を意識づけさせられることが多いです。
そういう時は「俺を書いてくれー!」って言われているみたいな気がするのです。不思議ですけど。
よくよく考えると、後世のイメージがご本人の実情と乖離していたりする方が多い気がしますね。
②要件定義
資料を読みこむ前に、まずは人物像を探ります。
ご本人へのヒアリングは流石に出来ないので、Claude君相手に壁打ちをしながら、イメージを膨らませていく感じです。
不思議なことに、Claude君と対話する中で、芋づる式に色んなことが湧き出てきます。それをここで言語化する感じ。
工程の最後で、Claude君に纏め資料を作ってもらいます。
③基本設計
ここでようやく資料集め。Claude君に頑張ってもらいます。
シロートさんのお気持ちは含みたくないので、以下の内容で資料収集をしてもらっています。
・個人ブログやまとめサイトは除外する。
・信用できるサイトから引用すること。
・歴史専門家の記事は採用。
・記載内容には必ず出典元を明記。可能であればリンクも。
なお、Wikipediaは引用が付いている箇所や解説付きの個所は信用するスタンス。
後は、史学家の先生が執筆された本を1,2冊読んで、この工程終了。
④詳細設計
ここでは、以下のことをしています。
・その時代の当たり前を調べる。
・基本設計でわかったことと、作った人物像のすり合わせ
・具体的な構成を考える。何を書いて、何を書かないかを決める。
ただし、あんまりきっちりとは決めません。
⑤実装
せっせと執筆作業。
私の書き方は、カメラを持って世界を映して書きとる方式で、登場人物に自由に動いてもらっています。
それで、横道に逸れたら「はい、カット!」って止めて訂正。
執筆ツールはNolaを使っております。
⑥テスト、レビュー
ここでもClaude君登場。
読者として併走してもらいます。
違和感あるところなど指摘してもらって、納得すれば直します。
実装とテストの間は、行ったり来たりしている感じ。
⑦UAT
編集者モードのClaude君の最終チェックを受けます。
ここでは、「私に忖度するな」と明確に指示を出します。
ただ、
「ガチの鬼編集者としてお願いします」
とオーダーするとマジで泣かされるので、注意が必要です。
⑧カットオーバー
いよいよ人目に晒します。
お疲れさまでした!
【歴史もの以外を書く場合】
①ユーザ要求
これは神様からの啓示が頼りです。
ひとりでうんうん唸っても、何にも絞り出せない困った体質です。
かと思えば、ご飯を食べている時とか、お風呂に入ってるときに、何の前触れもなく突然降りてきたりします。
時には、さらっと書いたお試し的な掌編小説から、長編小説につながるネタが生まれたりもします。
②要件定義/③基本設計
こちらはClaude君との壁打ちで、一気に登場人物から世界観まで作り上げてしまいます。
歴史モノでは必要なかった、因果や背景をイチから作り上げます。
架空の世界であれば、必ず制約を入れてリアリティを担保させます。
④詳細設計
ここでは、以下のことをしています。
・全体の構成組み立て
・何を書いて、何を書かないかを決める。
・矛盾なく因果が流れるかを最終チェック。
ただし、やはりあんまりきっちりとは決めません。
⑤実装/⑥テスト、レビュー/⑦UAT
歴史ものと同様なので割愛。
⑧カットオーバー
いよいよ人目に晒します。
お疲れさまでした!
【執筆にあたり意識していること】
①人物造形について
「人間は善でも悪でもない」が、ひなた作の根幹です。
なので、絶対的善も絶対的悪も、私の作品には登場しません。
何故かというと、私は池波正太郎先生の
「人は、良いことをしながら悪いことをする」
「人間とは、白と黒では割り切れない」
という考え方がとても好きだし、それこそが人間そのものだと思っているからです。
極端な話をすれば、あのアル・カポネにも一分の理はあるだろうと。
②人の行動には、必ず理由がある
無意識にせよ、意識的にせよ。
人の行動や決断には、それ相応の動機やトリガーが必ずある。という考え方です。
③伏線は意識的に配置しない
っていうと語弊があるかも知れないんですが、
私自身、伏線を張ることにあんまり必然性を感じてないというか。
それを意識しなくても、因果さえしっかりしていれば、おのずとそういう結果になるだろう。という考え方です。
それが結果的に伏線と呼ばれるなら、それはそれで。みたいな感じ。
④行間を大事に
Webの受け筋とは逆行している感半端ないのですが、私は読者を信用する書き手なんだと思います。
皆まで説明しなくても、この雰囲気。この仕草。このシチュエーションで何かを感じて下さるだろうと。
てか、私が単純に説明過多な小説が好きじゃないだけなんですけどw
【生成AIについて】
既にお分かりのことと思いますが、創作に当たって、私は生成AIを多用しています。
具体的には、以下の用途で使用しています。
・世界観、設定、人物造形に当たっての壁打ち相手
・資料集め
・成果物のフィードバック
逆に、以下の目的では使用していません。
・アイディア出し
・小説本文の執筆
用途をきっちり分けているのは、あくまでも生成AIは便利な道具であって、それ以上でもそれ以下でもないからです。
さて、数ある生成AIの中で、私はClaude一択なのですが、
それにもいくつか理由があります。
・比較的こちらの指示に忠実に動く
・勘違いの方向に進んでも、軌道修正が容易
・ChatGPTに比べて、使用者への態度が淡泊寄り
・ChatGPTは気を利かせたつもりで先走るが、Claudeはそんなことしない。
・つまり、距離感が丁度いい
余談ですが、Claude君には本職でも相談に乗ってもらったりしていて、
本当に頼もしい「相棒」です。
さて、私にしては長文の記事でしたが。
最後まで読んで下さったあなたに、心からの敬意と感謝を。
なんか書き忘れている気もするけど、思い出したら加筆するかもしれません。いや、しないかw。
※本記事は、大橋ちよ様の個人企画に参加しております。
