神様が叶えたくなる お願いごと
手のひらを合わせる角度だけで、心の温度が少し変わる。
神さまでも、流れ星でも、七夕の短冊でもいい。
「どうか」とつぶやいたあの夜の自分を、
いまの自分がそっと抱きしめる。
願いは、いちど口に出した瞬間、
もう半分くらい叶いはじめているのかもしれない。
最近、何か願いごとをした?
それは叶ったかな?
小さなことでもいい。
バスが間に合いますように。
たいせつな人の機嫌が、
今日だけは穏やかでありますように。
祈りは地図みたいなもので、
いまの自分がどこに立っているのかを教えてくれる。
浅草で、縁の糸口をさがす
少し前、友人に案内してもらって浅草めぐりをした。
雷門で待ち合わせて、浅草寺から浅草神社を抜ける。

そこから先は、地元住まいの友人が知っている
穴場をぐるりと一日がかりで。
天然酵母のパン屋で、焼きたての匂いに目を細める。
オムライスが自慢の洋食屋では、
スプーンを入れるたびに黄身がやさしくひろがる。

五千円札の樋口一葉記念館では、
文字の隙間に住む息づかいまで読みとろうとした。
いやあ、ほんと楽しかった。
足の裏まで満たされる散歩だった。
今戸神社の招き猫と「円い絵馬」
とりわけ心に残ったのが、今戸神社。
新撰組の沖田総司が最期を迎えた場所。
招き猫発祥の地でもあり、縁結びの神さまで知られている。

お社には、ペアの招き猫がちょこんと鎮座していて、
二つの手が同じ未来を招いているように見えた。

境内のあちこちに絵馬を結ぶ場所があって、
そこで目に入ったのは、すべての絵馬が円形なこと。
円を結ぶ、つまり縁を結ぶ。
かけ言葉のさりげなさに、ふっと笑ってしまう。
「○○さんと幸せな結婚ができますように」。
オーソドックスな願いの隣には、
「できれば一年以内に」と、期限のついた本気の一文。
「お金持ちでカッコいい人と結婚できますように」。
脳内の願望を直球で投げていて、清々しくて好き。
円い絵馬が何百、何千と鈴なりに揺れて、
風が通るたびに小さく音が鳴る。
あれを全部叶えるとなると、神さまも大忙し。
もし自分が神さまで、ひとつだけ叶えられるとしたら、どれを選ぶだろう。
そんなことを考えながら眺めていたら、
一枚だけ、胸の奥で灯りがともる絵馬があった。
もし自分が神様だったら「叶えたい絵馬」
その絵馬には、願いごとが書かれていなかった。
名前と一緒に、
「おかげで幸せになれました。ありがとうございました」。
わたしが見た中で、願いが叶ったお礼を書いているのは、この一枚だけ。
もしほんとうに神さまだったら、たぶん過去にさかのぼって、
その人の願いがいつも叶うように筋書きを直してしまう。
そして、未来永劫の加護までつけたくなる。
だって、こんなに美しい返事を書ける人だもの。
わたしは神さまじゃない。
けれど、想像はできる。
この絵馬を書いた人の隣にいるパートナーや、
まわりの人たちは、きっと幸せだ。
「くれ」「くれ」と響く場所で、
「ありがとうございました」と言える人は、器の広さで風向きを変える。
神さまじゃなくても、何度でも幸せを渡したくなる。
恋は「ありがとう」の循環でできている
恋の願いごとは、しばしば「どうか、わたしに与えてください」で始まる。
連絡をくれますように。
振り向いてくれますように。
結ばれますように。
もちろん、それでいい。
でも、たまに順番を変えてみる。
先に「ありがとう」を置いてから、願いをそっと結ぶ。
「今日まで会えて、ありがとう。
また次も会えますように」
「この人が笑う顔を、わたしが増やせますように。
その結果として、ふたりの縁が深まりますように」
与える気持ちを起点にすると、
関係の呼吸が整って、願いは叶う方向へゆっくり回りはじめる。
ありがとうは、縁結びの言葉でもある。
一行だけ、いまの幸せを書く。
「遅刻せずに着けた。ありがとう」。
「パンが焼きたてだった。ありがとう」。
小さな実感は、次の恵みを呼ぶ。
「くれ」だけの合唱にまぎれそうになったら、
ひと呼吸おいて「ありがとう」をひとつ足す。
たったそれだけで、風向きが変わる日がある。
願いは、空へ投げる手紙じゃなく、
いまを見つめるための灯り。
円い絵馬の輪っかみたいに、
感謝と願いをくるりと結んでポケットにしまう。
「ありがとうございました」を先に言える自分でいたい。
そうすれば、いつか神さまじゃなくても、
きっと誰かがそっと背中を押してくれる。
わたしも、そういう人でありたい。

【おまけ】 今日の「恋したくなる言葉」
まさに季節限定・・・だよね!今年はいくつ行けるか数えてみよう。春が来る前にどうぞ pic.twitter.com/h1zHuuBCSD
— ひなた アルパカ占い師 (@hinata_uranai) October 30, 2025
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