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自己紹介|バイセクシャル占い師の「七夕に、ポンデリングとnoteと。」

その日、僕らは池袋のミスタードーナツにいた。

外は少し蒸し暑くて、でもミスドの中は肌寒いくらいに冷房が効いていた。
ケンボーは、ポンデリングの粒をひとつずつ、ちぎって口に運んでいた。
顔に似合わず、そういうところが、チマチマしている。

「ひなたさん、noteやったらいいのに」

ケンボーは、ふっと思い出したようにそう言った。
その日、私は初めて「note」という言葉を知った。

あれから3年が経った。
重い重い腰を上げて今日の初投稿を迎えるのに、まる3年かかった。



「今は、占い師でもTwitterとかInstagramとか、YouTubeもやるのが当たり前ですよ」

会うたびに、ケンボーはそんなことを言っていた。
そのたびに私は、うすら笑いを浮かべて「うん、またそのうちに」と言っていた。

SNSと聞くと、どうしても“めんどくささ”が先に立つ。
足あと、キリ番、読み逃げ禁止、地雷バトン──あの頃のmixiが最後だった。
それ以降、私はSNSから距離を置いて生きてきた。

幸いなことに、占いの仕事は口コミと紹介でなんとかなっていた。
だから、ケンボーの言葉も、右耳から左耳へ、まるで通り雨のように通過していった。



あの日の池袋。
「note」という言葉が彼の口からこぼれたときも、私は正直、
「ああ、また新しいSNSができたんだな」くらいにしか思っていなかった。

けれど、そのときの彼は、いつもより少しだけ、言葉に熱があった。

「noteって、ブログみたいなやつです。アメブロとか楽天日記とか、ああいうのに似てます」

──楽天日記。懐かしい。
mixiと並行して、ちょっとだけやっていたな、そういえば。

「でもnoteは、書いた記事を販売できたり、作家さんみたいな人が多かったりして…」

ふーん、と聞き流しかけたとき、ケンボーが急に言った。

「ぼく、ひなたさんの文章が好きなんですよ」

その瞬間、心拍数が跳ね上がった。
え、ちょ、待って、それって告白じゃないよね? いやいや、落ち着け、俺。
耳が真っ赤になっていなかったか、それだけが気になって仕方なかった。



ちなみに私はバイセクシャルだけど、ケンボーとは恋人でもなんでもない。
たまに彼が東京に来た時に、飲みに行ったり、お茶したりする仲なだけだ。

元々は会社員時代、私が新人研修の担当で、彼が新入社員のひとりだった。

「研修のとき、毎日くれたメール、すごく楽しみにしてたんです。レポートにコメントつけてくれたり」

彼はスマホを取り出して、私が送ったメッセージを見せてきた。
バックアップをとっていたらしい。まじか。

「……こんなの残すなよ。恥ずかしいから今すぐ消してくれよ」

そう言いながら、私は涙がこぼれそうになるのをこらえていた。
たぶん、ひと粒くらいはこぼれていたかもしれない。



それから、私の中に「noteを読む」という習慣が加わった。

アメブロや楽天日記とは少し違う、手ざわりのある言葉たち。
息を吸うように淡々と、でもじんわり沁みてくる文章がそこにはあった。

ただ、読むだけで満たされていた私は、書くことにはなかなか手が伸びなかった。
noteにいる先輩たちの熱量に、ちょっと気後れしてしまった。



そして先日。
ケンボーと渋谷の王将で、餃子をつつきながらビールを飲んでいたとき、彼が言った。

「今年の七夕って、令和7年7月7日で、7が3つ並ぶんですよ。なんか、いい感じですよね」

へえ〜と軽く流したけど、
そのとき、心のどこかで「その日に書き始めよう」と決めていた。
さすがに恥ずかしくて、それは彼に言わなかったけど。



というわけで。
今日、令和7年7月7日の七夕。

私はようやく、noteを始めます。

前フリのつもりで書いたことが長くなってしまいました・・・
よかったらもう少しだけ、お付き合いください。


改めまして。ひなたといいます。

私は占い師として、20年以上、たくさんの恋愛相談と向き合ってきました。
ときに切実で、ときにささやかで、ときに誰にも言えなかった気持ちが、そっと私のもとにやってきます。

このnoteでは、「しばらく恋をお休みしていた女性たち」に向けて、もう一度、恋に心をひらいていくための言葉を綴っていこうと思います。
ちょっとだけ、自己紹介をさせてください。



私は、生まれたときは男性でした。
でも初恋の相手は、同じ保育園の男の子
ずっと、自分は同性愛者、今で言えばゲイ、当時の言い方だとホモなのだと思って生きてきました。

でも、高校生のとき。
ある女の子が私にこう言ってくれました。

「私はあなたのことが好き。あなたが私を好きになるまで、待ってるから」

私は彼女に、自分のことを正直に話していました。
ゲイであること。彼女を恋愛対象として見ることは難しいと思っていること。

それでも、彼女は何度も何度も「それでもいい」と言ってくれました。
その言葉が、まっすぐに私の心を揺さぶって──気づけば私は、その人に恋をしていました。

それ以来、私の中では、ごく自然に「女性」も恋愛の対象になっていきました。
そして私は、自分をバイセクシャルだと名乗るようになりました。



もちろん、すべてがやさしい経験ばかりだったわけではありません。
バイセクシャルという言葉に、首をかしげる人もいれば、面白半分の視線を向けられたこともあります。

でも私は、このグラデーションの中にこそ、恋愛や性の深さがあると感じています。

女性として恋に悩む人の気持ちも、
男性として愛する側の視点も、
私はどちらも、少しだけわかる気がするのです。

だからこそ、私は恋に迷う人に、ただ一方向からではなく、いくつもの視点で寄り添えるのではないかと思っています。



ではなぜ、いまさらnoteを始めたのか。

実は私は、これまであまり自分のことを話してきませんでした。
限られた占いの時間を、できるだけ相談者さんのために使いたかったというのもあります。

でも、あるときから。
私が少しだけ、自分の過去や思いを語ると、
「実は私も……」と、心の奥にしまっていた話を打ち明けてくれる方が増えました。

パートナーからの性暴力でトラウマを抱えている人、パパ活や風俗などで収入を得ていたことをずっと後悔している人、金銭トラブルに巻き込まれて人間不信になってしまった人──
だれにも話せなかったことを、そっと私に打ち明けてくれる人がいます。

中には、婚約していた彼氏が回復の見込みのない難病になってしまい、どうしようか散々悩んだ末に、両親の強い意見に従って婚約を破棄した罪悪感に悩まされ続け、自らの命を絶つことばかり考えていた女性もいました。

そんなとき私は思うのです。
「この人には話しても大丈夫」と思ってもらえた瞬間に、
ようやく私は、占い師としての役割を果たせるのだと。



けれど、対面の占いの中で、毎回自分のことを話すのは難しい。
だからこそ、noteという場所を選びました。

映える写真も動画もなくていい。ただ、ことばで届けられるから。
自分の想いや人生を、丁寧に、正直に、まっすぐに伝えられる場所だから。

この場所を「セクシャリティやマイノリティの主張の場」にはしないつもりです。
LGBTQ+について語りたいわけでもない。
ただ、たどりついた誰かが「読んでよかったな」と思ってくれたら、それだけで十分です。



恋をすると、朝が少しだけ楽しくなります。
メイクに気合いが入ったり、心がふわりと軽くなったり。
おしゃれも、仕事も、毎日も、少しずつ前向きになる──それが、恋の持つ力です。

でも、大きな傷を経験したり、しばらく恋をお休みしていると、
「もういいかな」「また傷つくのが怖いな」そんなふうに思ってしまうこともありますよね。

「私なんて」「もう終わった」
そんな風に、自分で自分を諦めてしまいたくなるときも、あるかもしれません。

だけど私は、こう伝えたいのです。

恋は、いつからだって始められる。
そして、恋をすれば、あなたはきっと、もっと美しくなれる。



これからこのnoteでは、私自身のこと、
恋にまつわる物語、出会った相談者さんの変化などを、少しずつ綴っていきます。

読んだあと、
「ああ、ちょっといいものを読んだな」
「明日も頑張ってみようかな」
そんなふうに思ってもらえたら、何より嬉しいです。

まるで、母が作った味噌汁のような──
読まなくても困らないけど、読まないとちょっと寂しい。
そんなnoteを、あなたの暮らしのそばに置いていただけたら幸いです。



恋をしたい人へ。
まだその気持ちに気づいていない人へ。
そして、かつて恋に傷つき、「もう二度と」と思っている人へ。

このnoteが、あなたの新しい恋の一歩を、
そっと照らす灯火となりますように。

令和7年 7月 7日
(7が3つも並ぶ、なんかいい感じな日に)

占い師 ひなた


占い師になったきっかけや私の師匠との思い出についてまとめてみました。
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