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嫉妬って、どこから生まれるの?

胸の奥の小さな火種に、
名前をつけるだけで軽くなる夜がある。

嫉み(そねみ)+ 妬み(ねたみ)、と書いて「嫉妬(しっと)」。

あの言葉は、誰かを呪うためじゃなく、
わたしを前に押し出すためにあるのかもしれない。

京都の披露宴で見た「嫉妬」の生まれるところ

嫉み妬みと書いて嫉妬と読む。
人生で一度は、その火に手をかざしたことがあるはずだ。

自分にないものを、誰かが持っている。
見た目、才能、境遇。
くやしいな、って思う瞬間。

これまで、どんなことで嫉妬したことがある?
その嫉妬心は、どうやって消えた。

問いかけは、ゆっくり自分の足元を照らす。


先日、京都で結婚披露宴があった。

新郎は、友人のわたしが言うのもなんだけど、めちゃくちゃカッコいい。
いわゆるイケメンというやつ。
俳優を生で見たときのように、スクリーンの外でさらに数倍映える。
披露宴のライトに磨かれて、眩しいくらいに輝いていた。

「今日は一段とカッコええなあ」と感心していたら、
隣のテーブルから声が聞こえた。
新婦の友人たちの席。
耳を澄ます気はなくても、灯りのように言葉が届く。

「どうすれば、あんなカッコいい人をつかまえられるんやろう」
「なんであの子が。昔はずっと奥手だったのに」
「あ〜ほんとうらやましい。というか、くやしいわ」

半分冗談、半分本音。
恨み節が小さく続いて、会場の笑いに混ざっていく。

わかるなあ、って思う。
もしあっちのテーブルにいたら、きっと一緒に
嫉妬でグチの一つくらいこぼしていたはず。


人と比べて「くやしい」と感じるのは、女性だけじゃない。
嫉妬という字はどちらも女偏だけれど、
嫉妬は人偏でもいいくらい、誰にでもある感情だ。

小池百合子さんが「永田町は嫉妬の世界で、日本では政治家の大多数が男性という観点から、嫉妬は女偏ではなく男偏にすべき」と語ったのは有名だ。

あの言葉に、苦笑いしつつもうなずいた人は多いと思う。

わたしの嫉妬の履歴書

わたしにも、嫉妬はよくある。
学生時代は、勉強ができる人、スポーツで光る人に嫉妬した。
社会人になってからは、仕事ができる人に嫉妬した。
いろいろあってお金に困っていた頃は、お金持ちに嫉妬した。

正直に言うと、いまでも胸のどこかで火がつく。
毎日このnoteを書いていて、他の筆者さんたちの記事をよく読んでいる。

読んでいて情景がアタマにくっきり浮かんできたり、
言葉が美しかったり、深い感動や気づきに包まれたとき。
「くやしい」という炎が、胸にメラメラと燃える。

恨みはしない。
むしろ、感謝でいっぱいになる。
でも、火は消えない。
やがて「よし、次は私も!」と気合いに昇華されていく。

嫉妬が生まれるタイミング

ふり返ると、noteの読む専だったころ、あるいは書きはじめの頃、
上手い人の記事を見ても嫉妬は湧かなかった。
上を目指しはじめて、ようやく上にいる人に嫉妬するようになった。

裏を返せば、嫉妬は向上心の影だ。
届きたいから、くやしい。
欲しいから、眩しい。
その火の正体は、自分の可能性が燃える音だ。

火を燃料に変える

嫉妬すること自体を、悪いとか醜いとか決めつけなくていい。
大事なのは、くやしいと感じた「その次」
「あの人は○○がダメだよね」と欠点探しで自分をなだめるのか。
「よし、自分もやる」と成長のエネルギーに転化するのか。
分岐はいつも、ため息と一緒にやってくる。

火を消そうとしない。
火種を持ったまま、台所に向かう。

今日できる一つを決める。
三分の練習でもいい。
一件の連絡でもいい。

一段だけ階段を上がる。
燃料は、使ってこそ意味がある。

恋の嫉妬をほどく

恋にも、嫉妬の火は顔を出す。
誰かのいいところが、好きな人の隣で輝くとき。
SNSの「いいね」の数、元恋人の影、仕事の評価。
胸の奥で、くやしさが熱を持つ。

この火を相手に向けると、関係は焦げる。
自分に向けると、心が焼ける。
じゃあ、どうする。
火を灯りに変える。

相手のよさに嫉妬したら「わたしは何を磨く」と問い直す。
元恋人の影に嫉妬したら「いまのわたしの安心はどこで育てる」と見取り図を描く。

比較の毒を、選択の地図に変える。
それが、恋の嫉妬のいちばん穏やかな扱い方だと思う。

嫉妬は、わたしをだめにする毒じゃなく、
進む方向を示す矢印だった。

胸の火をポケットにしまって、今日の角を曲がる。
あの人の輝きに目を細めながら、わたしの歩幅で追いつくために。

くやしいの一歩先で、また会おう。

それでもくやしい日は

嫉妬のくやしさが消えない夜はある。
それでいい。

火は消えないから、灯りに使う。
眠る前に、明日の一手だけ決める。
「この一手が、あの悔しさの使い道」
そう宣言して目を閉じる。

朝は必ず来る。
火は、夜を越えるためにあるのだから。


【おまけ】 今日の「恋したくなる言葉」


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