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本音を引き出す「魔法の言葉」

夜のリビングで、洗いざらしのカーテンがゆれるのを見ていた。

どの世界にも、するりと上手くいく人と、
足もとでつまずく人がいる。

その違いを、わたしたちはどこで見分けているんだろう。
たぶん、答えはいつも会話の中に落ちている。

今日は、その拾い方の話をしよう。

ビジネスでも、スポーツでも、勉強でも。
同じ場所に立っているのに、成果には個人差がある

得意な分野と不得意な分野があるのは、人間らしさだと思う。
それでも、同じ得意の土俵で差がつくのはなぜだろう。

自分の得意分野で考えてみる。
うまくいく人と、頑張ってもうまくいかない人。
その違いは、どこにある?

神奈川の中学校で、子どもたちに話したこと

もう何年か前。
神奈川県のある中学校に、
課外授業の先生として呼ばれたことがある。
占い師のわたしが・・・だ。

「コミュニケーションについて話してほしい」との依頼だった。

なるほどと思った。
占い鑑定では1対1で、毎回1〜2時間、じっくり向き合う。
相手は初対面というケースも多い。
しかも時間は限られている。

限られた時間で、どう信頼関係を築くか。
どんな質問なら、本音をそっと外に出してもらえるか。

その成果が、お客様の満足につながる。
だから、こちらも必死だ。

現場での体験談を交えて、そんな話をした。
そして、いちばん伝えたかったのはここ。
本音を引き出したいなら「違いを聞け」

本音を引き出したいなら、これを聞け

たとえば、こう聞くとする。
「〇〇さんは、なぜこの分野でうまくいったのですか?」
多くの人は少し謙遜をまぜて、こんなふうに答える。

・周りのみなさんのおかげです。
・たまたま、ラッキーだったからです。
・いやー、私はまだまだですよ。

嘘じゃない。
でも、本音はまだ奥にいる。

そこで、質問を少しだけずらす。
「この分野で〇〇さんのようにうまくいく人と、
頑張ってもうまくいかない人の違いは何ですか。」

この問いに変えると、多くの場合、
少し考えてから具体的な答えが返ってくる。

・自分なりの人脈を築く努力をしたから。
・人の目に留まりやすいように、目立つ工夫をしたから。
・ネーミングがお客様に受けたから。

具体的であればあるほど、その後の会話はスムーズになる。
なぜって、お客様が自分の行動原理に名前をつけはじめるから。

「違いを聞く」がもたらす2つの効用

この質問には、2つのメリットがある。
ひとつは、本音を引き出す効果。
もうひとつは、信頼関係を築く効果。

実際にこう言われたことがある。
「いやー、そんなこと言われるまで考えたこともなかったよ」

中には、自分の言葉に自分でハッとして、慌ててメモを取る人もいる。
いま、いいこと言ったぞ、って顔をしながら。

問いの角度が変わると、
相手の心の扉の蝶番がきしみなく回る。

そこから腹を割って話してくれるようになるのは、
めずらしいことじゃない。

父と娘の距離が、するりと近づいた夜

授業のあと、生徒のひとりが家でお父さんにこう聞いたという。

「お父さんみたいに仕事のできる人と
 そうでない人の違いは何?」

この問いに対して、お父さんは
これまででいちばん熱く語ってくれたらしい。

それまで、父と子の仲は少しぎくしゃくしていた。
だから余計に驚いた。

この会話をきっかけに急に仲良くなって、
ずっと猛反対されていた海外留学も、ついに許してくれたという。

扉は、押しても開かない時、引けばすっと開く。
質問は、その「引く」の役目をしてくれることがある。

思春期と大人のあいだに、橋をかける

子どもにとって、とくに思春期の中高生にとって。
大人とのコミュニケーションは、ものすごく大変だ。

自分から質問することは、勇気がいる。
話題を振るのも、うまくいくか不安になる。

そんな時、ちょっとした質問のコツを知っているだけで、風向きが変わる。
「違いを聞く」だけで、同じ相手でも別の景色を見せてくれる。

大人と話すことが、怖いことから、
楽しく学びの多い時間に変わる。

恋の現場でこそ効く、もう一歩の聞き方

好きな人との会話にも使える。
二人の会話が行き詰まった夜。
つい正解を求めてしまうと、相手は守りに入ってしまう。
だから、問いの角度を変える。

・長く続くカップルと途中でつまずくカップルの違いって、何だと思う
・あなたが安心する言い方と、不安になる言い方の違いって、どこ
・うれしかったサプライズと、困ったサプライズの違い、教えて

「正しいかどうか」ではなく、
「違いはどこか」を一緒に探す。

すると、相手の本音がほどけて、
ふたりの距離が少し縮まる。

恋は、勝ち負けの議論より、
違いを面白がる観察でうまくいく。

うまくいく人と、いかない人の違いは、案外すぐそばにある。

その違いを見つける質問を、わたしたちはもう知っている。

さあ、明日。
誰かの心に橋をかけにいこう。
わたしにも、あなたにも。

人に何かを伝えるのは、むずかしい。
わたしだって、日々このnoteを書きながら何度も言い換える。
占い師として話すときも、アタマの中で言葉の粒を選び直す。
だから、あなたも急がなくていい。

大切なのは、問いの温度。
正しさで相手を追い詰めないこと。

違いを聞くのは、裁くためじゃなく、ほどくため。
そのやさしさを忘れなければ、会話はたいてい良い方へ流れていく。

次に誰かと話すとき、機会があれば「違いを聞く」を思い出してほしい。
きっと、その人の中の「本当の言葉」が顔を出す。

そして、あなた自身の得意分野でも、今日より少しだけ前に進めるはず。


【おまけ】 今日の「恋したくなる言葉」


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