「妄想」は未来の自分から届いた小さな手紙
「妄想(もうそう)」と聞くと
少しあやしい響きがある
夢見がち
現実逃避
地に足がついていない……
でも人は
頭の中で何度も思い描いた場所へ
少しずつ近づいていくことがある
妄想はもしかすると
未来の自分がこっそり描いた
下書きなのかもしれない。
「妄想癖」があった子ども時代
自分以外の人が
どの程度そうなのかはわからないけれど……
私は小さなころから
妄想癖のある子どもだった。
子どものころは
自分が巨大ロボットに乗り込んで
悪と戦っているところを
延々と妄想していた
思春期のころは
好きな子と2人で無人島に取り残されたら
どうなるだろう?
などと考えていた。
なんだか
だいぶ気持ち悪い話をしている気もする
でも
そんな経験
少しはないだろうか?
私は昔、
こういう妄想癖というものは
「思春期までの一時的な病気のようなもの」
だと思っていた
大人になれば
おのずと現実的になる
仕事
お金
生活
人間関係
そういうものに追われて
非現実的なことを考える余裕なんて
なくなるのだろう。
それが
大人が大人である理由なのだ!
そんなふうに思っていた。
大人になっても治らなかった
ところが
実際にいい年をした大人になってみると
どうやら違ったようだ。
大人になったからといって
妄想癖が治るわけではない
むしろ
歳を重ねるほど
ひどくなっているような気さえする。
自分の妄想を
あまり堂々と語るのは
少し恥ずかしい
それでも
私がよく思い描く場面がある
「もう1人の自分に会ったら」
という妄想である。
たとえば
飛行機や新幹線で
たまたま隣の席に
10年後の自分が座っていたら
今の私を見て
10年後の私は
どんなアドバイスをくれるだろう?
「そんなに悩まなくても大丈夫だよ」
と言ってくれるのか
「そこは今すぐちゃんとやっておけ!」
と言われるのか。
逆に
若い頃の自分と
ドライブする場面を想像することもある
助手席に
昔の自分が座っている
やたらと尖っていて
でも本当は不安で
何者にもなれていない自分を
持て余している
そんな彼に
今の私は何を話すだろう?
大丈夫
ちゃんと何とかなるよ
と言うのか、
その失敗も
あとでちゃんとネタになるよ
と言うのか、
移動中に
そんなことをよく考える。
ここだけの話
このnoteのテーマは
そんな妄想の中から
ふと思いつくことが少なくない。
妄想癖がひどい大人たち
占い鑑定のお客さまとして
会社の経営者や
団体の長をされている方に
お会いすることがある。
こう言ってはなんだけど、
素晴らしい実績を残している方ほど
妄想癖がひどいように感じる。
そんなの無理でしょう
さすがに夢物語では
そう思うようなことを
本当に楽しそうに話される。
この土地に
こんな場所を作りたい!
この業界の常識を
こう変えたい!
まだ誰もやっていないけれど
きっと必要になるはずだ!
いい年をして
そんな大きな夢を語るのか
と思ってしまうほどである。
ところが数年後
またお会いすると
その妄想が
本当に現実になっていることがある
あのとき
冗談みたいに話していたことが
事業になり
建物になり
人が集まる場所になっている
そのたびに
妄想というものは
馬鹿にできないなと思う。
妄想は「未来の下書き」
妄想は
同じことを頭の中で
何度も何度も思い描く。
最初は
ただぼんやりしている
たとえば
「別荘を建てたいなぁ」
と思ったとする。
最初は
2階建てのログハウス
くらいの曖昧なものかもしれない
でも
何度も妄想しているうちに
少しずつ景色がはっきりしてくる
窓は大きいほうがいい
朝は東側から光が入る
リビングには
少し古い木のテーブルがある
本棚の横に
小さなストーブを置く
休日には
そこでコーヒーを飲んでいる
家族や友人が来て
笑っている
そこまで見えてくると
ただの夢物語ではなくなる。
「よし、やってみよう!」
そんなエネルギーが
体の中から湧いてくる。
妄想という言葉には
少しふわふわした響きがある
でも
妄想は
未来の下書きでもあると思う
頭の中で
何度も何度も描いているうちに
そこへ行く道が
少しずつ見えてくる
今の自分に足りないものも見えるし、
「今できる小さな一歩」も見える。
「人間の能力」そのものは
人によってそこまで極端に違うわけではない
でも、人によって実現できることの差は
とても大きい。
何を思い描いているか?
どれくらい鮮やかに
自分の未来を見ているか?
その差は
時間が経つほど
大きな違いになっていく気がする。
妄想は
未来の自分から届いた
小さな手紙のようなものだ
最近、どんな妄想をしただろう?
そこにはもしかすると
まだ言葉になっていない願いや
これから歩いていきたい道が
そっと隠れているのかもしれない。

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