『Slay the Spire』初心者向けのアドバイス11選

「1年間で1000時間を溶かした悪魔のようなゲーム『Slay the Spire』を卒業します」と自分に言い聞かせるように書いたnoteが想像をはるかに超える大反響をいただいた。まさかここまでとは…。

2019年の発売から7年近く経過し、人類の時間をどれほど奪ってきたのか……想像するだけで恐ろしいし、国家の体制によってはマジで禁止されてもおかしくない代物だ。Steamでは間も無く1月6日午前3時に90%オフが終了するので急いで買おう。みんなで時間を溶かそう。

もうすでにセールが終わってた…買い逃した…と思った方は、それはそれで人生のために時間を使えるので良かったと思おうではないか。

さてさて、年始に買ってしまってハマってしまった、あるいは上手く進めない、つまずいているという人に向けて、1000時間を遊んでしまった先輩(自分)から、ざっくりとした初心者向けのアドバイスをしよう。究極的にはこんな危険なゲームは今すぐやめるべきだと言うべきなのかもしれないが、楽しいんだから仕方がないよね。

※この記事は完全無料で読めます。


『Slay the Spire』初心者に知ってほしい11のこと

1:敵や自分にカーソルを当てて確認しよう

『Slay the Spire』は敵がどのような攻撃をするかを「予告」してくれる。だが、敵にカーソルをあわせないでいたままで、わかるのは「攻撃で与える数値」または「何かのバフまたはデバフ(後述)をかける」くらいだ。

しかしながら、カーソルを合わせると「そうだったの?」と思う情報が載っていたりする。たとえば、第3層の最後に戦うボスは……

・プレイヤーがパワーカードをプレイするたびに「筋力」が1上がる
プレイヤーが12枚のカードを使うたびにターンを強制終了させる

という恐ろしい能力を持っていることがわかるのだ。これらを知っているといないのでは、戦略が大きく変わってくる。

また、強くする効果を「バフ」と呼ぶのに対して、マイナスの効果を与えることを「デバフ」と呼ぶ。そのデバフの詳細も自分もしくは敵にカーソルをあてることでわかる。特に敵にかけられたデバフの意味を知っておくことは、生存率に大きく作用するだろう。

2:デバフの数値が「ターン数」のものがある

『Slay the Spire』のデバフでは、対象にアタックで与える数字が1.5倍に増幅する「弱体」対象のアタックを75%にまで軽減する「脱力」がかなり有効だ。

その弱体と脱力で表示されている数字は「ターン数」であることに気をつけてほしい。たとえば、弱体を重ねがけすると、そのぶん1回のダメージで与える量が加算されるのではなく、「有効なターン数が伸び続ける」のである

一方で、「筋力」はターン数ではなくアタックで与える数値の上げ下げの幅を示しており、基本的には同じ戦闘中で永続する。例えば、「6×3」のアタックを予告している敵に、「筋力を3下げる」効果のスキルを使うと、数値は「3×3」となり、脱力以上に効果が大きい場合もある。

さらに「毒」の数値は「ターン終了時に与えるダメージ」と「有効なターン数」の両方を示している。このあたりはややこしいが、実際にプレイを繰り返すと次第にわかってくるだろう。

3:パワーカードは1度使うと同じ戦闘では2度と使えない

カードのうち、攻撃をする「アタック」と、防御などの効果を与える「スキル」は基本的に何度も使い回しができる(ただし「廃棄」表記があるものはその戦闘時における使い捨て)。

しかし、戦闘中に永続的な効果を与えるパワー(の同一カード)は、同じ戦闘中では2度と使えない。「あのパワーもう1回使いたいのにどこいったの?」と困惑するのは初心者あるあるだ(と思う)。

4:運の要素が強いゲームだからこそ「手札事故」を減らせる「ドロー」はとても強い

『Slay the Spire』は各ターンでランダムに引いた5枚のカードで戦うことを筆頭に、運の要素がとても強いゲームと言える。重要なターンに最低限必要だったカードが引けずに負ける「手札事故」は、これまた初心者(上級者でも)あるあるだ。

だからこそ「カードを追加でドローする」効果はとても有効である。たとえば、「アイアンクラッド」の0コストで3枚のドローができる(しかし追加のドローができなくなる)「バトルトランス」や、「サイレント」の1コストで3枚ドローして1枚を捨てる「アクロバット」はかなり取りやすいカードだ。

他にも、恒常的な効果を与える「レリック」の中では、戦闘開始時に2枚追加でドローする「バックパック」はかなり強力。攻撃や防御へ即時的な効果を優先したくなるかもしれないが、ぜひドローの効果にも目を向けてほしい。

5:「強いカード」よりも「カード同士のシナジー」「今のデッキの軸」を意識しよう

カードの文字のところが灰色のカードは「コモン」、水色のカードは「アンコモン」、黄色のカードは「レア」と、それぞれレアリティが分かれている。基本的にはカードの強さはレア→アンコモン→コモン、出現しやすさはコモン→アンコモン→レアと考えていい。

そのため、コモンよりもアンコモン、アンコモンよりもレアを選びたくなってしまうが、それよりも重要なのは「どのカードとどのカードの組み合わせが強いか(シナジーが生まれるか)」「デッキの軸を見つける」ことだろう。

たとえば、キャラクターの「サイレント」で多い「毒を与える」カードは、「デバフのたびにダメージを与えるパワー」や「毒を2倍にするスキル」とのシナジーがあり、そうしたカードを選んでいくうちに「毒という“軸”でデッキを構築する」ことができるのだ。

6:攻守のバランスも考えよう

アタックカードばかりを取れば、今度が防御がおろそかになる。一方でブロックをするスキルカードばかりを取っても、攻撃ができずに戦闘が長引いてしまう。そのため、攻守のバランスを考えることも基本的なテクニックだ。

7:カードを「増やしすぎない」「削除する」選択も重要になる

『Slay the Spire』でかなり重要な要素として、取ったカードが全てデッキに入る上に、そのデッキの編集ができないことが挙げられる。

そのため、「その時点で考えている戦術に合わないカードは取らない」という選択も必要になるし、なんなら戦闘報酬に表示される3枚のカードのいずれも取らずに「スキップする」という選択肢も候補に入る

また、1つのショップにつき1回だけ「カード削除のサービス」が使えるのだが、明確に邪魔な「呪い」のカードだけでなく、初めからデッキに入っていてシンプルに弱いカード「ストライク」と「防御」も削除の候補に入る。

何より、カードを増やしすぎると、「引きたいタイミングでカードが来ない」可能性を高くしてしまうのである。ある程度は追加のドローの効果でカバーできるし、「あえてカードをたくさん獲得する」戦略もあるにはあるが、基本的にはデッキの枚数が少ないほうが戦いやすいだろう。

とはいえ、削除の費用は初回75ゴールド、2回目は100ゴールド、3回目は125ゴールド……とかなり高く、削除したことですぐにデッキが強くなるわけでもないので、慣れていないうちはレリックやカードの購入を優先したほうがいいだろう。

8:回復手段が少ないが、慣れてきたら休憩でアップグレードをしていこう

このゲームは回復手段が極端に少ない上に、その回復の量もおおむねで微量だ(ただしボスに勝てば基本的に全回復する)。そのため、「ダメージをなるべく受けない」ことも重要な戦略だろう。

休憩(焚き火)で選べる「回復」か「カードのアップグレード」では、死ぬことを恐れた初心者の多くは「回復」を選ぶだろう。だが、慣れてくると、カードをアップグレードしたほうが、その後の戦闘を有利にできることが多く、せっかくの回復もあっさり削られてしまっては勿体無い、とも思えてくる

だからこそ、慣れてきたら、多少のHPの減りで回復を選ぶよりも、アップグレードを優先してみてほしい。もちろん、その匙加減こそが難しく、一概にどちらかいいかは判断できないため、やはり繰り返し遊んで感覚を掴んでいくしかない。

9:ポーションは積極的に使っていこう

「ポーション」は好きな時に使えるため、ピンチの時や、速攻での敵の撃破を目指すときにとても有効だ。恒常的な効果のあるレリックに比べると、ショップで購入する優先度はかなり落ちるだろうが、エリートやボスの前には買う価値がある。

ただ悩ましいのが、そのポーションが「使い捨て」だということ。タイミングを誤るとムダになってしまうし、使わないせいで負けてしまうかもしれない。その見極めは難しいが、そこも経験値を積んで慣れていくしかない。

何より、ポーションは3つまでしか持てない。個人的にはポーションが「余る」ことがもったないと思うことのほうが多かったので、どちらかといえば積極的に使って行ったほうがいいとは思う。そのポーションについては、以下のnoteに「ドロップ率」について重要なことが書かれていたので、ぜひ参考にしてほしい。

10:「フロントロード」と「スケーリング」も意識してみよう

『Slay the Spire』の実況プレイヤーやカードゲーマーが使う言葉として「フロントロード」と「スケーリング」がある。それぞれざっくりといえば「フロントロード」が「初動から高い効果を発揮する」、「スケーリング」が「ターンが進むごとに数値が増えていく(どんどん強くなる)」、ということである。

例えば「初手から引ける『天賦』付きの上に0コストのアタック」は敵にすぐに攻撃を与えて、なんなら倒せたりもするのでフロントロード。「ターンごとに筋力を2上げるパワー」はスケーリングだ。これらを考えてみると、より多くの戦闘のパターンに対応しやすくなるだろう。

11:戦闘や報酬の選択は「やり直し」ができる

最後に、邪道かもしれないが、個人的には最も重要だと思ったアドバイスをしておこう。それは、戦闘中やカードの選択でミスをした(まだ死んでいなければ)時に、ゲームの中断→再開をすれば、最後にセーブをした時点まで、つまりは戦闘の最初や、戦闘報酬が表示された時点に戻ることができる、ということだ。

このやり直しを封じているプレイヤーもいるだろうが、個人的にはこの「ミスをやり直せるチャンスがある」こともまた、『Slay the Spire』にハマる大きな理由になっていた。ただ1つのミスにより全てがおじゃんになるということはない、同じシチュエーションでも何通りも考える余地があるからこそ、このゲームを続けられた……いや続けてしまったのだ。

ここまで書いてきて、「卒業した」と2日前に書いたばかりなのに、また『Slay the Spire』のために時間を費やしているじゃないか…!となったりもしたが、まあこれも楽しかった。何より、途中でよく分からなくてやめたりせず、ズブズブと沼る人を増やしたいがゆえことなのでいいだろう(悪意のある笑顔で)。そのほか、初心者向けの情報は、以下のページも参照してほしい。

おすすめの解説チャンネルも

1月9日追記:『Slay the Spire』はプレイ動画を見るのも楽しく、攻略のヒントも見つけられるだろう。個人的におすすめのチャンネルおよび動画はこちら。いずれも編集が丁寧でテンポがよく、セルフツッコミも含めて「あるある」と共感できる。(裏ボスの見た目と特徴が未プレイの方にはネタバレかもしれないのでご注意を)

さらにこちらの動画では、「アタックカードのみで攻略」という、正気の沙汰ではないチャレンジ(失礼)をしていて、終盤はもはや感動した。やはり無限の遊び方ができるのが『Slay the Spire』の魅力と思えたので、ぜひともプレイ済みの方はご覧いただきたい。


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