ゲーム『Slay the Spire』を始めて人生が終わるかと思った。だから卒業を決意した。

『Slay the Spire(スレイ ザ スパイア)』をご存知だろうか。恐ろしいことにSteamでは2026年1月6日まで90%オフセールが実質中で280円で買える。

2019年に発売されたゲームであるが、その面白さと中毒性は大きな話題となり、売れに売れ、今に至るまで多数のフォロワー作品も生んだ。

「時間泥棒」どころか「人生を破壊される最高のゲーム」などと評される本作。自分が始めたきっかけは、イラストレーターのぬまがさワタリさんの推す声だった。

私だけ数百時間溶かしたのは不公平なのでみんなもやりなさい」という言葉を受けて、セール時に買って、しばらく放置して、2025年の正月にちょっとヒマだしやってみるか〜と手をつけた。それから1年。気づけば1000時間超が溶けていた。


「封印を解いてしまう」ほどの恐ろしい中毒性

本当に何してくれてるんだよぬまがさワタリさん……数百時間で終われればまだ良かったんだよ……。いや自分もね、すでに裏ボスも倒してた後で、さらにレベル上げをしていて、200時間を超えた時点でさすがに「このゲームはダメだ!封印だ!」と思って、Steamから非表示設定にしたんですよ。

その後にも「まあちょっとアレをやりきれてなかったしな…」と思って封印を解き放ってしまい、さらに800時間ですよ。さらに、夜の20時からちょっとだけ遊ぼうかなと思ったら、いつの間にか朝の4時までやっていた、ということも数回あった。当然その日は寝不足でパフォーマンスはガタ落ちで、その後も寝不足が積みかさなる悪循環。人生が終わると本気で思った。

これはなんだ。このゲームに費やしたこの1年での1000時間。映画なら500本が観られたんだぞ。他にも色々とできることがあったんだぞ。でも、そんなふうに後悔することはあっても、プレイしている時間はずっと楽しかったんだ。幸せだった。これはなんだ。

間違いなく言えるのは、人生でもっともハマったゲームであり、この世でもっとも面白いゲームである(断言)ということ。すでに面白さや完成度についてはさんざん語られていると思うが、それでもヤバい理由を記していこう。

それほどゲームファンでなかった自分が『Slay the Spire』を1年で1000時間遊んでしまった理由

1:「同じパターン」がほぼない

『Slay the Spire』は1人用のカードゲームである。戦闘で勝つごとに3枚のうちから1枚のカードを選び、理想的なデッキを目指しつつ塔の頂上に登っていく。(それ以外の要素もあるが)究極的にはそれくらいシンプルなゲームである。

さらに、一度死んだら初めからやり直しという、いわゆる「ローグライク」タイプのゲームである。ただ、カードのシナジー(組み合わせ)により、(ある程度の勝ち筋は確立されているが)無限なまでの戦略があるため、一度やられたくらいで飽きることはない。それどころか、いつまでやっても「まだやっていないことがある」と思えるほどである。

さらにゲームバランスが練りに練られており、「一手を間違うと死ぬ」ヒリついた戦闘を楽しめるほか、カードが奇跡のように噛み合って敵を圧倒できたりもする。おかげで、もう何百回とクリアーしているが、これまで「1つとして同じパターンはなかった」と断言できるほどなのだ(あるとすれば最序盤で諦めた時のみ)。

例えとして正しくないかもしれないが、思い出したのは長寿クイズ番組『アタック25』だった。オセロのようにマス目を取り合うという、やはりシンプルなルールながら高いゲーム性を生み出していた。そちらと同様……いやそれ以上に、『Slay the Spire』はカードの無限の組み合わせにより、パターン化はしない、いつまでも遊べるゲームとなっているのである。

2:反射神経を必要としないため「ながら遊び」までできてしまう

『Slay the Spire』には時間制限がなく、戦闘でどのカードを選べばいいかをじっくりと選ぶことができる。人間歳を取ると反射神経は鈍るもので、激しいゲームはなかなかしんどく感じてしまう時もあるが、本作はそうした心配はいらない。ポーズのボタンを押さなくてもいつでも離脱できるし、セーブも毎戦闘ごとに行われるので、とにかく細切れに中断がしやすいのだ。

なんなら、よそ見をしたりしても問題ない。個人的にはラジオを聴いたり、好きなBGMを流してのプレイもおすすめだ。音楽や効果音も魅力的な作品ではあるが、究極的には無音でも問題なくプレイ可能だ(オプションでの音量設定もできる)。

それでいて、戦闘や演出のテンポは良くロードも爆速で、1回のプレイ時間は30分〜1時間程度とサクサクと遊べる。この「気軽さ」がまた中毒性の高さにつながっており、その1回30分〜1時間程度を4、5は軽く繰り返してしまうのが恐ろしい。

3:「MOD」を入れたら、さらに永遠に遊べる

Steam限定で「MOD(modificationの短縮形で、ゲームの改造データまたプログラムのこと)」も遊べる。MOD自体は非公式のファンメイドであるが、ツールは公式に提供されており、誰でも簡単に遊べる(日本語化はちょっと手順が複雑だが、それでもやり方を検索してその通りにやればできる)。

数々のMODそれぞれがハイクオリティーなのだが、特に「Downfall」がヤバい。「もう公式でいいよ」である。

特に、新たなキャラクター「ハーミット」は、通常キャラでは重めのデメリットだった「呪い」を有効活用できる上、カードの並びも戦略に関わってくるため、新鮮な遊び方ができる。

さらに、9体のボスキャラクターたちをプレイできる。通常とは逆に塔の頂上から最下層まで降っていくルートが選択できる。

2025年12月からは新たに「目覚めし者」がキャラクターとして追加され、「エナジーをあえて減らすことが強力な攻撃になる」といったトリッキーなプレイングが要求されるため難易度が高いが、慣れていくと指数関数的に強くなれる面白さがある。

こんなMODを入れてしまったら「いよいよ」だ。自分のSteamのプレイ時間は「Slay the Spire」が90%を占めている。さらに、そのプレイ時間で「Downfall」で遊んでいたのは、たぶん30〜40%くらいはあるだろう(つまりは300〜400時間)。

4:ボードゲームでも沼れる

『Slay the Spire』はボードゲーム(アナログ)版も発売されている。箱には膨大な数のカードやモノが詰まっており重量は重く、スタンダードエディションでお値段は税込27500円と金額までヘヴィであるが、それも納得のクオリティである。

ただ、コンピューターでサクサク処理していたことを、手動でやらなければならないため、恐ろしく時間がかかる。一通りプレイするには半日はかかると言っていい。正直、ソロプレイであれば電子ゲーム版で十分だろう。

だが、このボードゲーム版は複数人プレイが可能という、電子ゲーム版にはなかった大きな魅力がある。誰か1人でも死ぬとゲームオーバーということもあり、「俺死にそうだからこの敵を倒してよ」「こいつを集中砲火しようぜ」といった相談をしながら戦うのが楽しい。遊ぶためのスペースの確保が必要だが、1日中このゲームで遊ぶことも一興だろう。

5:プレイ動画を見るのも楽しい

今やYouTubeの実況プレイはゲームの大きな楽しみ方の1つだが、個人的にはあまり観ていない。もちろんインフルエンサーの宣伝効果が絶大なこと、他の人が遊んでいるのを見るのが楽しいこともわかるのだが、多くの場合で物語やサプライズがネタバレになってしまうのため、個人的には「自分で遊びたい派」なのだ。

だが、「Slay the Spire」の場合は違う。先ほどもあげたように、「同じパターン」がほぼないため、プレイ動画もまた十人十色であるがゆえの、「なるほど、そういう作戦があったか」「そんなこともできるの?」という驚きがある。(とはいえ、裏ボスの見た目などは十分にネタバレと言えるので、まずは自分で裏ボスまで撃破してからプレイ動画を見るのがおすすめだ)

特におすすめの動画は以下の2つ。どちらもすでにプレイ済みの人向けの動画であり、ルールがわかっていないとなんのこっちゃだろうが、わかって見てみると感動すら覚える場面がある。

こうしてプレイ動画を見ると、自分もまた似た作戦をやってみたくなったり、自分のプレイの改善ポイントが見つかる。おかげでプレイ動画→自分もプレイの繰り返しで、やはり時間が溶けていくのである。

なお、以下の開発者インタビューによると、開発途中の「敵をクリックするとその敵の行動の詳細を表示するシステム」は「ゲーム実況に向いていない」ためにやめた、「プレイヤーが本当に考えるべきこと」に集中してもらうのが大事なので、アイコンと数値だけを表示させる「インテントシステム」にたどりついた、という記述がある。

開発者がゲーム実況を考慮する時代というのも驚きだが、それがプレイヤー自身の遊びやすさと重なっているというのが重要なのだろう。

まとめ:もうやめよう!今年は『Slay the Spire』に費やした時間をnoteおよび人生に転換するんだ!

すでに面白さも完成度も語り尽くされているゲーム『Slay the Spire』の話をなぜしているかと言うと、こうして書くことで本当に卒業したいからである。

実績は全解除。MODのボスを除いたすべてのキャラクターで最高難易度のA20で裏ボス撃破。さらにA20での「勝率」を気にしだした。それらもまた楽しかった。

もちろん自分以上にこのゲームをプレイしている人の楽しみを否定したりするわけではない。だが、自分はこれでもう終わりにしたい。そして、2025年に「Slay the Spire」に当てた時間を、2026年からはやっと始めたnoteのために使いたいのだ。

noteでどれほどのことができるのかはわからない。たいしてお金は稼げないかもしれないし、他の仕事につながったりはしないかもしれない。でもやってやるんだ。『Slay the Spire』ように何度も挑む楽しさを知っているし、その中毒性を今度は仕事へと、無理やりにでも脳内で転換して考えればいいんだと…!

よしこれで卒業した!ありがとう『Slay the Spire』!この世でいちばん面白いゲームであることは生涯変わらないだろうし、ずっと忘れないよ!

あ、でも、自分がもう遊ばなくなくても、プレイ動画はやっぱり面白いから見ると思うけど。あと、2026年3月に『Slay the Spire 2』が発売されるけど!絶対に買って遊ぶけど!

果たして自分は『Slay the Spire 2』に沼らずにnoteを更新し続けられるのか?そんなところにもご注目ください。

※1月4日追記:想像をはるかに超える量のいいねをいただき、そして課金をしてくださった皆さん、ありがとうございます。これもぬまがさワタリさんが拡散してくれた&このゲームのヤバさを知っている方々のおかげですね。ていうかこの年始に買った人が多いと思うんですが、大丈夫ですか?(いろんな意味で)

ぬまがさワタリさんには自分が溶かした1000時間のコスパの計算をしていただいたことへも、重ねて感謝申し上げます(コスパとかいうレベルではない)。みんなも遊びましょう。そしていいところで切り上げて、その中毒性を他の何かに活かせるように思考を切り替えましょう(まず自分がそれをできるのかが不安)。

※1月5日にさらに追記。以下の記事も書きました。

さてさて、以下からは『Slay the Spire』に似ているゲームの中から、おすすめの3作品を紹介しよう。本記事のおまけの程度のボリュームなので、課金をチップ程度に考えていただけると嬉しい、あまり深くはない内容で恐縮……というくらいだが、サクッと「『Slay the Spire』の次に遊ぶゲームを知りたい」方におすすめだ。

『Slay the Spire』に似たおすすめゲーム3選

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