療育手帳児でも買い物は出来る!
キャッシュレス時代、スマホ時代
小学生・中学生の支援児童に対する療育では、「お金の計算」は長年、自立に向けた大切なテーマの一つでした。
将来の就労や地域生活を見据え、硬貨の種類を覚えたり、お釣りの計算をしたり。私自身も支援の中で繰り返し取り組んできました。
でも、ふと思うのです。
今はキャッシュレス時代、スマホ時代。
コロナ禍を経て、気づけば発語を始めたばかりの幼児でさえタブレットを使いこなし、買い物のレジ横で「ペイペイ♪」と真似をしています。
ICカードや電子決済があれば、硬貨の計算をしなくても買い物ができます。
もちろん、お金の価値や使い方のルールを学ぶことは大切です。
けれど、知的障害のある子どもたちの中には、硬貨の計算に本当に苦労する人がいます。
「人一倍苦労する」というより、「十倍苦労する」と言った方が近いかもしれません。
私は18歳になった利用者さんたちの姿も見てきました。
お金の価値が分からないわけではありません。
1万円の重みも理解しています。
無駄遣いをしたいわけでもありません。
ただ、「計算」が難しいのです。
AIが翻訳をしてくれる時代になりました。
音声で文章を読み上げてくれます。
点字を読めなくても情報にアクセスできる技術も生まれています。
苦手な部分をテクノロジーで補うことが当たり前になってきています。
だからこそ、特別支援教育の中でも、電子決済の使い方をもっと教えてほしいと思うのです。
「数の概念が先」
「金銭概念を理解してから」
そうした考え方ももちろん大切です。
でも、現実の社会では電子決済が急速に普及しています。
クレジットカードを持てない人もいます。
だからこそ、現金以外で安全に買い物をする方法を学ぶことは、生活の質を大きく左右する力になるのではないでしょうか。
そして、もう一つ思うことがあります。
昔のキッズ携帯のように、通信機能を持たない電子決済専用端末があったらどうでしょう。
残高だけを管理し、ICカードのようにチャージして使う。
高齢者の方にも使いやすい。
聞こえにくい方や、言葉や文字の理解が難しい方にも使いやすい。
そんなシンプルな仕組みがあれば、多くの人の暮らしを支えられるように思います。
私たちは長い間、「できないことを練習する支援」を大切にしてきました。
でもこれからは、「苦手を補う道具を使う支援」も、同じくらい大切になるのではないでしょうか。皆さんはどう考えますか。
キャッシュレス時代の療育。相当なニーズがあるように思います。
