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【じーじは見た!】前編:第36回産業構造転換WGを見てみた!

Z世代応援団、未来世代応援のじーじです!

2009年に自民党政権に「ノー」を突きつけた政権交代は、民主党のマニュフェストが国民の支持を得たこと及び政治不信(消えた年金記録問題公共事業落札事業者への国交省官僚の大量天下り等)がピークに達していたことが要因でした。

しかし、公共事業を減らして、事業仕分けで研究開発支援予算をカットし、埋蔵金と呼ばれた特殊法人等の剰余金もあてにして、刹那的に国民へバラまく(高速道路の無償化、子ども一人に毎月2万6千円支給等)原資作りの公約を掲げた政権交代は、残念ながら日本の産業競争力を弱め、日本のインフラ劣化を進め(道路陥没事故多発)、国民を満足させることもなく、何一つやりきることができませんでした。

そんな民主党から2012年に政権を取り戻した自民党でしたが、新時代に向けて自動車産業頼りの産業構造を転換することはできませんでした。

高市政権の日本成長戦略会議に世間は期待していますが、そのサナエノミクスは、高市さんが優秀だから急に昨日の今日で出来た戦略ではありません。

元々は、コロナ禍を任された菅政権が打ち出した2050年カーボンニュートラルを目指した産業構造転換を促す2兆円の「グリーンイノベ ーション基金」が始まりでした。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) にできた投資フォーマットが「危機管理投資」や「成長投資」の参考になっているのです。

そんな菅政権で始めた「産業構造転換WG」の最新の情報を見てみましょう。


1️⃣ グリーンイノベーションの対象分野とNEDOのプロジェクト一覧

グリーンイノベーション基金2兆円が想定していたプロジェクトは、当初下記の18プロジェクトでした。

分野別資金配分方針より抜粋
グリーンイノベーション事業一覧表より抜粋
プロジェクトの実施体制

2️⃣ グリーンイノベーション事業の規模は?

①洋上風力発電の低コスト化 
 予算上限 2,109.7億円
廃棄物・資源循環分野におけるカーボンニュートラル実現 
 予算上限 445億円
再エネ等由来の電力を活用した水電解による水素製造
 予算上限 1,070.5億円
燃料アンモニアサプライチェーンの構築
 予算上限 698億円
CO2等を用いた燃料製造技術開発
 予算上限 1,684.9億円
CO2の分離回収等技術開発
 予算上限 402.7億円
電動車等省エネ化のための車載コンピューティング・シミュレーション技術の開発 予算上限 420億円
次世代デジタルインフラの構築
 予算上限 1,901.2億円
次世代船舶の開発
 予算上限 408.8億円
バイオものづくり技術によるCO2を直接原料としたカーボンリサイクルの推進 予算上限 1,790.1億円


⑪次世代型太陽電池の開発
 予算上限 800.5億円
大規模水素サプライチェーンの構築
 予算上限 3,211.2億円
製鉄プロセスにおける水素活用
 予算上限 4,391.6億円
CO2等を用いたプラスチック原料製造技術開発
 予算上限 1,540.3億円
CO2を用いたコンクリート等製造技術開発
 予算上限 566.4億円
次世代蓄電池・次世代モーターの開発
 予算上限 1,510億円
スマートモビリティ社会の構築
 予算上限 1,148.1億円
次世代航空機の開発
 予算上限 510.8億円
食料・農林水産業のCO2等削減・吸収技術の開発
 予算上限 159.2億円
製造分野における熱プロセスの脱炭素化
 予算上限 325.1億円

予算上限合計 2兆5,094.1億円

当初2兆円の予算規模だったものが、上記のとおり5,000億円増えています。
長期のプロジェクトであれば、必ずこうなります。

これが呼び水となって民間投資を呼び込めたらいいですけどね。そのためには、駄目なプロジェクトは、早めに見切りをつけてしまい、成り行きに任せないことが重要です。そうしないと予算は際限なく増えるので、撤退基準をちゃんと決めて始めるべきなのです。

3️⃣ 第36回産業構造転換WG

上記のとおり予算規模が膨張する性質のある、イノベ ショーションの創出には、困難な課題に対して果敢に挑戦した結果としてポジティブな失敗を許容することも重要です。見切りをつける大切さと共に、 成果が未達であることのみを理由に委託費等の返還は求めないことも重要です。

しかし、モラルハザードにならないようにモニタリングをしっかりしなくてはならないので、「ステージゲート(Stage Gate)」審査と呼ばれる社会実装までの各段階(研究室レベルの基礎研究→小型の実証試験→ 大型プラントでの実証試験など)で進捗状況や成果を評価し、事業を継続するかどうかを判断するための外部有識者による関門を準備しています。

その結果は、この産業構造転換WGでも共有されます。

第36回のテーマは、次世代蓄電池・次世代モーターの開発(予算上限 1,510億円)及びスマートモビリティ社会の構築(予算上限 1,148.1億円)でした。

第36回会合事務局資料より抜粋

上記のとおり、EVに関しては日本だけがガラパゴス市場を維持してEV車に門戸を開いてこなかったのですが、今後はどうするのでしょうか?

発電は中東原油依存度が低い(原発と石炭・ガス火力、再エネが主力)ものの、動力源の燃料(ガソリン)やプラスチック原料のナフサは、中東原油に9割依存しています。イラン情勢で一番困るのは、自動車燃料のガソリンとプラスチック原料のナフサの確保です。

中東原油に最適化された日本の精製設備では、原油を代替調達しても自国精製では生産性が落ち、他国から精製後のナフサのおこぼれを輸入することで対応しなくてはなりません。こんなことでは、高市首相の説明(当面の確保はできている)が突然変化することだってあり得ます。

そんな現状を踏まえると、⑯⑰のテーマが、どのように進捗しているのかは気になってきますよね。

詳細は、後編で確認しましょう。

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