【じーじは見た!】後編:電気回路における巨視的な量子トンネル効果とエネルギー量子化の発見を見てみた!
Z世代応援団、未来世代応援のじーじです!
さて、今回は2025年のノーベル物理学賞の受賞テーマである「電気回路における巨視的な量子トンネル効果とエネルギー量子化の発見」について調べています。
本編は後編です。前編から読んでいただくと話が繋がります。
4️⃣ どんな実験で巨視的にトンネル効果を発見したのでしょうか?
今回の受賞対象になったのは、ジョセフソン接合を含む超伝導回路という実験装置による実験成果でした。
超伝導体の間に絶縁体を挟んだ構造(ジョセフソン接合)を使って、電流が本来通れないはずの絶縁体を量子トンネル効果で通過する様子を観測したのです。
通常、量子トンネル効果は原子や電子などの微小な粒子でしか起こらないと思われていました。しかし、この実験では、回路全体が一つの量子状態として振る舞うことが確認され、目に見えるサイズの物体でも量子現象が起こることを証明したのです。
更に回路内のエネルギー状態が階段状に分かれていることも観測されて、量子力学の「エネルギー量子化」が電気回路でも成立することが実証されたのです。
この実験によって、量子力学のトンネル効果やエネルギー量子化が理論だけでなく、技術として応用できることの証明にもなりました。
この実験は、特に量子技術における主要なハードウェア技術の一つとして超伝導量子ビットの基礎を築いたことが特筆されています。つまり、量子コンピュータが現実味を帯びてきたのです。
5️⃣ 量子コンピュータへの応用
1) 量子ビット(キュービット)の構成
受賞者たちの研究成果によって、超伝導回路が量子状態として振る舞うことが確認されました。この性質を利用して、超伝導キュービットが開発されました。キュービットは「0」と「1」の両方の状態を同時に持てるので、従来のコンピュータとは全く違った計算が可能になりました。
2)ジョセフソン接合の活用
トンネル効果を利用したジョセフソン接合は、キュービットの状態制御や読み出しに不可欠な要素として応用され、量子コンピューターの“心臓部”とも言える技術となりました。
3)エネルギー量子化による安定性
キュービットのエネルギー状態が階段状に分かれていることで、誤動作を減らし、精度の高い計算が可能になることに応用されています。
こうやって見てくると、確かに今回の受賞対象の成果によって量子コンピュータが現実的なものになったことがよく分かります。
従来型の計算機では、AIの進歩による大量のエネルギー問題に人類は悩まされることになりますが、スーパーコンピュータが数万年かかる計算を数十秒で解いてしまう量子コンピュータが実装されれば、AIに必要なエネルギーも最小化できるかもしれません。
フュージョンエネルギーの開発と共に、未来の楽しみな新技術分野です。
6️⃣ 量子コンピュータで期待されるのは?
1)創薬における量子コンピューターの可能性(化学シミュレーションの高速化)
従来のコンピューターでは数千年かかるような分子の相互作用の計算も、量子コンピューターなら数ヶ月で完了する可能性があります。薬剤候補とタンパク質の結合評価に使われる「量子化学計算」が、より正確かつ高速に行えるようになることで、新薬の発見スピードが劇的に向上すると共に開発初期段階での失敗リスクの低減や、予測精度の向上によって、開発コストの削減にもつながることが期待されています。
2)暗号化技術への影響と応用(現在の暗号方式が破られる可能性)
量子コンピューターはShorアルゴリズムを使って、RSAや楕円曲線暗号などの公開鍵暗号を高速で解読してしまうため金融取引や機密通信の安全性が脅かされる可能性があります。(アサヒビールやアスクルのランサムウェア被害どころではなくなります)
そこでポスト量子暗号(PQC)と量子鍵配送(QKD)が期待されています。
PQCは量子コンピューターでも破られにくい新しい暗号方式であり、QKDは量子力学の原理を使って、盗聴されると必ず検知できる通信技術です。
「Proof of Quantum Work(PoQ)」という新しい仕組みが登場していて、量子計算を使ってマイニングや検証を効率化するアイディアも出てきているようです。
未来がワクワクするような量子力学の世界でしたね。
いずれまた、量子重力理論といったアインシュタインの一般相対性理論(重力)と量子力学(ミクロな世界)を統一しようという究極の理論についても調べてみたいですね。
ビッグバンの1秒後以降は、量子力学と相対性理論の両方でかなり正確に説明できるとされていますが、ビッグバン直後の「プランク秒(10⁻⁴³秒)」の領域を説明するためには、量子力学と一般相対性理論を統一した「量子重力理論」を完成させる必要があるようです。
なぜならブラックホールの中心やビッグバンの瞬間みたいな「超小さくて超重い」領域では、この2つの理論が矛盾してしまうらしいのです。
これはまたの機会にしましょう。
ノーベル物理学賞の受賞分野を調べてみると、結構面白かったですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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