#01 吃音・赤面症だった私が人前で話すようになり出版できた経緯
取材・文=さわ
■おもてなしマインド合同会社
吉田 正美(よしだ まさみ)
・20年で800名大臣、総督クラスのVIPエスコート。ナレーターコンパニオン、式典、ブライダル司会
・のべ1000件以上の経験を活かし各種研修にて「話す・伝える・表現する」の育成指導にあたり
・企業、病院、ショップなどの接遇指導、PTAセミナーなど登壇回数1700件以上、1万人以上の声と立ち居振る舞いの印象を変える
・すぐに実践できるコミュニケーション研修を得意としている。
こんにちは。「おもてなしマインド合同会社」代表の吉田正美です。
現在、枚方を拠点に講師業をしていますが、学生時代は吃音と赤面症に悩み、人前で話すことが何よりも苦手な子でした。
そんな私が、まさか今の仕事に就いているとは、自分でも驚きです。
今では、学校、企業、病院など全国からご依頼いただける研修講師となりました。
私のキャリアには計画なんて何もなく、その時々の出会いと目の前のことに必死で向き合ってきたことの積み重ね。
この記事では、今日まで私がどうやって歩いてきたか、をお話いたします。
「この仕事、いつまで続けられるんやろ…」いつも心にあった焦り

20代の頃は、ナレーターコンパニオンとしてモーターショーや企業の展示会などのきらびやかな舞台に立っていました。
でも、その裏では、「この仕事、いつまで続けられるんやろ」と、いつも考えていました。
若さが売りの仕事だから、30歳を過ぎたら私に何が残るのか、その焦りが常にあったんです。
そんな時、ある方から思いがけず声をかけられます。
吉田さん、話し方がしっかりしてるから、司会の仕事やってみいひん?
最初は戸惑いました。人前で話すことにずっとコンプレックスのあった私が、司会!?
でも、ここで断ったら、きっとこの不安はなくならない。
そう思って、えいやっ!と飛び込みました。
司会業から講師業へ転身

いただいた方のご縁から、司会者としてブライダルや企業の式典、政治家のパーティーなど1,000件以上の現場に立たせていただきました。
1,000件という数字は、ただこなしてきた数ではありません。
ブライダルは新郎新婦にとって一生に一度の、絶対に失敗が許されない舞台です。
また、大物政治家のパーティーともなれば、会場は独特の緊張感に包まれます。
言葉一つ、間一つにも細心の注意を払わなければなりません。
そのため、ナレーターコンパニオン時代には、「お客様の前では完璧であれ」と、お辞儀の角度から徹底的に叩き込まれました。
この頃の一つひとつ、全ての現場が「プロとしてどうあるべきか」を私に教えてくれました。

そして、そんな私の仕事ぶりを見てくれていた方がいたのです。
ナレーター時代からお世話になっていた事務所の方から、
吉田さんは、ものすごい接遇(お客様対応)を叩き込まれてるから、マナーの先生として仕事を受けてくれへんか
とお声がけいただきました。
「先生」なんて、とんでもない。私には資格も何もない。
でも、事務所の方が「30代になった吉田さんが話すからこそ、説得力があるんや」と背中を押してくれました。
それが、私が研修講師として歩み始めるきっかけです。
知名度の壁を壊すために泥臭い一歩を踏み出す

講師として独立したものの、現実は甘くありませんでした。知名度のない私に仕事の依頼はほとんどありません。
そんな時、ある方にこうアドバイスされたのです。
吉田さん、本を出しなさい。本を出すと、その道の専門家として見てもらえるから。
その言葉が、私の心に深く響きました。
そこから、私は周りに「本を出したい、本を出したい!」と言いまくりました。やかましいくらい、夢を口に出し続けたんです。
もちろん、ただ言っているだけではありません。
出版社のパーティーがあると聞けば、飛んで行き、「交通費もいりませんから、何でもやらせてください!」と申し出て、2年間、無償で司会を務めました。
目先の利益より、まずは自分を知ってもらうこと
いただいたご縁をつなぐこと
私が大切にしているのは、この2点です。
仕事を紹介していただいた方には、今でも必ず紹介料として謝礼をお渡ししています。
その方のご紹介がなければ、この仕事は生まれなかったのです。当たり前のことだと思っています。


もちろん、目の前のお仕事も決して疎かにしません。
年に数回、自分で開催するセミナーでは、必ずアンケートをお願いします。
「どんなタイトルだったら行きたいか」など、お客様からいただいた全ての声に目を通しました。
ワークの時間が足りない!
交流の時間が少ない!
こういった厳しいご意見を何件もいただきましたが、真摯に受け止め、改善し続けました。
人生の壁は、いつも大きなチャンスのときにやってきた

不思議なことに、私の人生の大きな壁は、いつも大きなチャンスのタイミングでやってきます。
「本を出したい」とアピールし続けた甲斐もあり、出版社の方からのお声がけで、初めての商業出版が決まりました。
ついに、私も本を出せる!!!
これまでの努力が報われたと感じ、小躍りしたいくらいの気持ちでした。
しかし、まさにこれからというタイミングで、同居していた義父の入院が決まったのです。
朝から夕方まで病院に付き添い、執筆できるのは、家族や親族が寝静まった深夜だけ。
なんで、一番大事な時に…
そう思いながら、泣きながら毎日パソコンに向かい、1冊目の本を根性で書き上げました。

そして、仕事もようやく軌道に乗り、2冊目の出版が決まった時。
今度は、社会全体を揺るがした「コロナ」です。
本の出版に合わせて決まっていた500人規模の講演会は、コロナ禍でキャンセル。他の仕事も9割以上がなくなり、スケジュール帳は一瞬で真っ白に。
途方に暮れました。しばらくは何も手につかなかった気がします。
でも、ある日ふと思ったんです。
「このまま何もしないのは絶対に嫌だ」と。
それから、やったこともないFacebookのライブ配信を、見様見真似で始めてみました。
当然、配信知識などまったくありません。
配信中に家のWi-Fiが落ちて、ゲストを一人画面に残したまま私が消えたり、視聴者の方に「吉田さん、顔が暗いですよ!」ってコメントで心配されたり。
(後に、いわゆる“美人ライト”を2つ購入しました!)
本当に「格好悪いスタート」でした。
ただ、不思議なもので、その完璧じゃない姿を、みんなが「吉田がまたやっとるわ」と面白がって、応援してくれたんです。
そして、そのライブ配信を見ていた企業の方から、「うちでオンライン研修をやってくれませんか」と。
コロナ禍にも関わらず、全く新しい形のお仕事が舞い込み、この年は過去最高の忙しさになりました。
最強の味方は、いつも一番近くにいた

初めての商業出版が決まり、家族の介護で心身ともに限界だった時。そんなボロボロの私を、夫はただ黙って支えてくれました。
彼は寡黙な人です。
でも、私が大きな仕事に向かうときは、いつも「お前やったらいけるわ」と背中を押してくれる。
私が仕事で疲れ果てて帰ると、何も言わなくてもお風呂が沸いている。
誕生日には、お洒落なプレゼントなんかじゃなく、私の大好物であるウニを、これでもかってくらい用意してくれる。
そういう人なんです。
私たちは、夫婦というより「親友」のよう。
特別な秘訣なんてありません。お互いがやりたいことを尊重して、感謝を忘れないこと。
一番近くにいる家族だからこそ、「ありがとう」「すごいね」って、ちゃんと言葉にする。
そんな日々の当たり前の積み重ねが、すべてなのだと思います。
私の歩んできた道は、計画通りに進んだことなど一度もありません。
いつも目の前のことに必死で、つまずいて、周りの人に助けられて、気がついたらここにいた。それが正直なところです。
でも、今振り返れば、人生で一番大変だった時期こそが、いつも私を一番大きく成長させてくれていた。
心から、そう思います。
失敗した経験こそがあなたのキャリア

過去の自分に声をかけるとしたら、こう伝えたいですね。
あなたが苦しんだことや、失敗した経験こそが、あなたのキャリアになるんだよ
ダイエットに苦しんだ人が、本当に痩せたい人の気持ちがわかるように、人前で話すことに悩んだ私だからこそ、同じように悩む人の気持ちがわかる。
その経験が仕事になるなんて、当時は思いもしなかった。
あなたのその経験を、絶対に必要としている人がいる。
格好悪いスタートでもいいから、あなたを待っている人のために、一歩踏み出してみてほしいなと思います。
取材・文=さわ(枚方Woman編集部)
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※編集後記が最下部にあります。もし良かったら読んでいただけるとうれしいです。
■おもてなしマインド合同会社
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【編集後記】
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